何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

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サムライレムナント楽しいです。


18冊目

 

S月O日

 おかしい。

 森が変だ。

 なんかこう動物やモンスターの動きが何時もと違う気がする。

 

 

R月K日

 あくる日の事だ。

 ここ数年で最も変わった事が起こっている。

 先日おかしいと思った事が判明した。

 と言ってもまだ予測段階。

 これから観察して本当かどうか確かめる。

 

 

O月R日

 居た。

 遠目から観察するだけに留める。

 目的が分からない内は接触するのはダメだ。

 

 

U月G日

 強い……。

 少なくとも私が単身で相手しても勝てないだろう。

 連携が良くとれているけど物足りない感も感じる。

 

 

A月M日

 見つかった。

 急いで逃げる。

 何か呼び止めて来るけど、ああ言った奴等程信用できないって私は学んだんだ。

 かなりしつこく追って来たけど、夜になれば流石に捲く事が出来た。

 夜は半分くらい意識を残して寝て、朝日が姿を見せる前に別の場所へ拠点移動だ。

 

 

A月R日

 今日は合わなかった。

 良い事だけど何時また現れるか怖い。

 

 

 

 

I月ー日

 数日後、また現れやがった。

 二人組の内一人だけだ。

 身長の低いオジサンが居なくなっている。

 信用ならなそうな笑みを浮かべる猿顔だ。

 まだ低身長のオジサンの方が信用できそうな見た目をしているぞ。

 何か言っていたけど、視界に入れた途端に剣を振って威嚇したら逃げて行った。

 

 

K月U日

 また来た。

 昨日の今日で暇な奴だ。

 また威嚇したら、今度は距離を置いただけだった。

 武器を出して襲わないならこっちも襲って来ないと舐められているのだろうか?

 ふんっ、明日も来るようならその甘い考えを後悔させてやる。

 

 

E月S日

 今日は遅かった。

 ふふふ、今日は何時もと違った巡回経路を巡ったからね。

 お陰で動物もいい感じに狩れた。

 今夜は御馳走だ。

 

 

U月T日

 毎日森を徘徊していると思われたら心外なので、朝適当に剣を振った後は昨日狩った動物を小分けにして保存する作業の続きを行った。

 大量だったから昨日で終わらなかったのだ。

 夜遅くまで火をつけておくわけにはいかないから、必然的に太陽が落ちて少し経ったら寝る→日が昇ったら起きると言う生活が基本だしね。

 

 流石に拠点の場所はばれていないのか、猿顔のウン臭い奴は来なかった。

 

 

O月M日

 数日経った。

 見つけ出したのか、私の拠点にしている場所に猿顔がやって来た。

 流石にそれはない。

 私が安息地にしている場所にズカズカ入り込んで見逃す程私は甘くない。

 斬りかかったらドワーみたいに低身長のオジサンが防いだ。

 そこから数度打ち合ったけど勝てそうに無かった。

 手加減されてるのが分かるのも腹が立つ。

 怪我を覚悟で打ち合えば行けるかもしれないけど、そこまでの価値がない。

 そもそも向こうが手加減をしてくれているのだから、隙をついて逃げた。

 はぁ…拠点を移さなきゃ。

 

 

A月Z日

 最低限の持ち物。

 それこそ剣二振りと動きを阻害しない程度で持てる布や保存食を持つだけなので拠点移動は簡単に終わる。

 猿顔はそこまで早くなく、低身長のオジサンは見た目通り以上の速度は出ない。

 念の為一度カモフラージュの拠点経由して新しい拠点に立った。

 正確な位置は把握できていないけど、前に居た場所から一日も離れている。

 土地勘のない奴等なら数週間から数か月は安全なはず。

 

 

 

 

 

I月D日

 数週間も持たなかった……。

 持ったのは1週間程度。

 何故だ……。

 

 

E月M日

 日にちの間隔なんて大雑把な体感なので分からないけど、猿顔と低身長のオジサンが初めて私の前に現れてから1ヵ月から2ヶ月程経過したと思う。

 それだけの期間が経てばある程度分かって来る事もある。

 まず、毎日来る時もあれば数日から1週間程度来ない時もある。

 森に住んでる訳じゃないから、物資の調達とかで一旦近場の町へ戻っているのだろう。

 二つ目、基本猿顔が絶対に居て低身長のオジサンは居ない時もある。

 話しかけてくるのは大抵猿顔の方。

 詐欺師の様に私を懐柔してこようとしている。

 となれば、低身長のオジサンは護衛か何かだろう。

 

 この二人には私を傷つける気はサラサラないようにも感じる。

 事実、襲ってくる魔物や動物に武器を向けても、私には一切向けてこない。

 唯一の例外は私が鬱陶しくて斬りかかった時だけど、正当防衛の域を出ないし私には一切当っていない。

 本当に私を保護しに来た可能性もある……?

 

 

E月N日

 昨日はバカな事を考えてしまった。

 今更私に優しくしてくれる人なんて居やしない。

 私が信頼出来るのは家族だけ。

 ……幼女先生やシルフ君ちゃんも入れても良いけど、シルフ君ちゃんがこんな場所に来れる訳がないし、幼女先生なら可能性はあるけど、あの猿顔や低身長のオジサンが幼女の知り合いだとは思えない。

 やはりあの二人は信じるべきではない、簡単に結論は出た。

 

 

D月O日

 とは言え、とは言えだ。

 猿顔はベガリット大陸の言葉ではなく、私が理解できる言葉で話しかけてくれる。

 人と顔を合わせても全く通じない言語に常識の中で過ごして早数年。

 それだけの年月を独りで過ごして来たのだ。

 理解できる言葉が耳に入って来るのは気持ちがいい。

 偶には言葉を見聞きしないと忘れそうになる。

 ちなみに、読み書きの方

 

 並大抵の事じゃあ堕とされないぞ。

 それこそ、目の前に家族か幼女先生が現れるくらいじゃないと、この森から出て行くわけにはいかない。

 もう他人は信用しないって決めているんだ。

 

 

U月D日

 猿顔は遂に私の家族の名前を使って私をこの森から引きずり出そうとしてきた。

 腹が立ったから斬り付けてやった。

 これまでの牽制目的で寸止めとかわざと狙いを外すとか、そんなちゃっちな攻撃じゃない。

 殺す気で急所を狙った一撃だ。

 

 それを難なく受け止めて流された。

 猿顔ではなく低身長のオジサンにだ。

 冒険者パーティーならタンクの役割を担っていたのだろうか?

 それとも猿顔が戦闘がからっきしだから仕方なく?

 ともあれ、ここ数年無かった事に私はうろたえてしまった。

 この大陸に飛ばされた当初はまだ戦闘を知らない子供だったけど、色々経験して純粋な剣の技だけじゃなくて躊躇いとか何が何でも生き残る方法とか、ブエナ村に居るだけじゃあ絶対に学べない事を学んで身につけて成長したつもりだった。

 

 あの頃よりも格段に心身ともに強くなったと思ったのに……。

 私はここに飛ばされて何をしてきたのだろうか?

 必死に生きて成長したつもりになっていただけで、ただただ逃げていて運が良かったから生き残っているだけなのではないだろうか?

 そう考えると頭が真っ白になって何も考えられなくなって、私はこの二人から逃げた。

 

 拠点に置いてる持ち物とか関係なかった。

 その場で持っていた物……つまり身につけていた服と2本の剣、僅かな保存食だけ。

 今までコツコツと集めていた財産は呆気なく捨てて、常に持ち歩いている本当に大切な物と僅かな保存食だけを持って逃げた。

 勿体ないなぁと思うけど、元々緊急時には捨てる予定で持ち歩いていなかったのだ。

 しょうがないとそこは割り切る。

 

 

 今日の出来事を思い出していると冷静になってきた。

 もう少しだけ移動したら安全な場所を探して木の上に登って休もう。

 

 

E月S日

 今日はずっと木の上で過ごした。

 人が近くに来たら直ぐに分かる様に気を張っていたから物凄く疲れた。

 身体じゃなくて精神的な疲労が大きい。

 今すぐにでも地面に降りて草葉を集めた簡易ベッドで寝たいが、そんな油断した時に限って命を落とすのだと私は知っている。

 最低でも明日までは木の上生活になるよ。

 

 

 

U月。日

 昨日は木の上で休んでいた。

 体感数時間置きに数十分は意識が飛んでいたから、今日一日は寝る。

 と言っても殺気を感じ取ったら直ぐに動ける程度には浅い眠りだけど……。

 

 

似月木日

 今日は木から降りて身体を伸ばした。

 ポキポキと鳴って気持ちが良かった。

 久しぶりに素振りして鬱憤を晴らす。

 やはり剣は良い。

 

 で、素振りして保存食食べて、静かに歩いて木の実や動物を探して歩いた。

 あれから4日経ってかなり冷静になれた。

 言い訳に近いけど、あれほど取り乱す必要も無かったんじゃないかな?と考えるに至った。

 今日の残りの時間は色々考えてみようと思う。

 

 

侍月滓日

 うん、やっぱりあれだけ取り乱す必要も無かったっぽい。

 言語も文化も違う土地で独りで生き残れている時点で十分凄いだろうし、お金も無しに生きていけるサバイバル術を独自に習得して生きているのは十分成長と言えるだろう。

 剣術と言うか戦う術も成長してないはずがない。

 魔物と戦えるようになった、人と向き合っても躊躇なく斬り付ける事が出来る。

 平和なブエナ村で保護者たるパパウロから稽古を受けているだけでは絶対に身に付く事の無かった術だ。

 これを成長と言わずに何というのだろう?

 

 そして強くなった気がしない理由の一つに衰弱がある。

 初めての大陸、仲間も居ないで独りっきり、満足に食べるものもなく、睡眠は常に死と隣合わせだから軽いものに。

 慣れたもう大丈夫だと思っていても、私が感じ取れていないだけでストレスは受けていたはず。

 そんな生活を何年も続けてジワジワと私の身体を蝕んでいたはずで、技量や感覚は確かにブエナ村に居た頃よりも格段に成長したかもしれないけど、完全に回復した状態とは程遠いものだったかもしれない。

 つまり、最低値と最大値は上がったけど、回復するのはその平均だからどれだけ休んでも本来の実力を発揮する事が出来ないんじゃないか?

 

 私はそんな考えに至ったのだ。

 だから私は弱くない。

 むしろ強くなっているはずだ。

 早く家族の下に帰って、私がどれ程強くなったのか見せてあげたいな。

 もしかしたらパパウロから本気の勝負で一本取れるかもしれない。

 ゼニスママに近い治癒魔法を使ってビックリさせられるかもしれない。

 リーリャにはお手伝いを申し出て今ままでの感謝を伝えよう。

 ノルンとアイシャには会えなかった分目一杯可愛いがるんだ。

 

 そして我が半身にして兄であるルーデウス。

 あの天才的な魔術師に一泡吹かせてやりたい。

 剣だけなら私が勝てて、魔法アリならルーデウスの方が強かった。

 あの頃からもっと強くなっているはず。

 でも私だって強くなっているんだ。

 マグレでも、初見殺しでも、何でもいいから一泡吹かせて「してやったり」と言いたい。

 

 

 

面月白日

 昨日の考えが私にもう一度火をつけたのだろうか?

 家族の下に帰りたい、この大陸から出て行ってやる。

 そう言う気持ちが再燃焼してきた。

 確かに今の私なら何とかなるかもしれない。

 しっかりと身体を休めたら砂漠に生息する魔物も、デカイ鳥みたいな馬みたいな奴が集団で襲って来ない限り何とかなる。

 後の問題は方角。

 見当違いの方向に向かえばそれだけ時間と体力と気力の無駄だし。

 それが一番の問題だ。

 適当な方向に行ける場所まで進んで海まで辿り着いたら海岸沿いに歩くとか?

 大陸一つの外周を回るのにどれくらい時間がかかるのか?と言う点に目を瞑れば現実的な案だと思う。

 砂漠をフラフラと彷徨うよりは遥かに港町に辿り着く可能性は高いはず。

 

 

馬月娘日

 今日は森で拠点作りだ。

 前の拠点は放棄したから新しく作り直さなきゃならない。

 もしかしたらまた放棄するかもしれないから、前に拠点を作った時よりもモチベーションは低い。

 どうせ捨てる事になるんだったら適当でも良いよね?

 

 

3月期日

 日曜大工が上手くなっている気がする。

 と言っても剣だと細かい部分が斬りにくいから大雑把になっちゃうけど…。

 土魔法の腕だって上達しているはず。

 まぁ、それでもルーデウスの天才っぷりには及ばないんだけどねー。

 自分が使えればそれでいいのだ。

 

 

陰月実日

 名案を思いついた。

 猿顔の人に故郷の大陸まで案内してもらえばいいじゃない案だ。

 言葉が通じるなら、多少なりと要望を叶えて貰えるかもしれない。

 猿顔がホントにしろウソにしろパパウロとゼニスママの知り合いを名乗るなら、奴等は私の信頼を稼ぎたいはずだ。

 時間をかけずに私を捕まえたいのなら既に実力行使に出ているはずで、今の所それをしていないと言う事は時間をかけてでも私の信頼が欲しいと言う事ッ!!

 となれば、私が心を許した風を装って近づいても即座に捕まえてアレコレしてくる可能性は低いはず。

 うん、私も警戒してるけど信じてみようかな?と思わせつつ近づいて利用する。

 良くて言葉の通じる大陸、最悪港町まで連れて行ってくれたらおけーだね。

 

 

 

 

l月D日

 大きな目標を決めたのは良いが、一先ず猿顔が現れないと話にならない。

 身辺整理でもして待っていうよう。

 時間は幾らでもある。

 今更数日、数週間遅れたところで何ともない。

 

 

術月呪日

 暇だ。

 身辺整理は一瞬で終わった。

 元々無一文で、かけ無しの荷物も前の拠点と一緒に放り捨てた。

 大事な物は常に身につけている。

 暇なので鍛錬しておこう。

 

 

光月闇日

 唐突だけど、猿顔を利用して家に帰ろう。

 そんな考えが頭を過ったのには理由がある。

 毎日、素振りや動物や魔物相手に剣を振るっていたから自覚が薄いかもしれないけど、衰弱は確実に私の身体を進行していっている。

 強くなった気がしない理由を考えた時にも考えたけど、やっぱりこれ以上私の体調が良くなる事は無い。

 むしろどんどん最高値は減り続けて行く。

 それじゃあダメだと考えた結果、何も出来なくなる前にこの大陸を出ていく行動を最後に起こそう、そう思ったのだ。

 

 

 

正月灰日

 数日経った。

 猿顔は現れない。

 

 

 

千月船日

 猿顔はまだ来ない。

 

 

 

25月粋日

 猿顔は現れない。

 諦めた?

 私が決断したのに?

 ここに来てまたすれ違いかぁ。

 

 

用月回日

 まだ現れ無い。

 諦めた説が私の中を占めている。

 でも、あれだけ粘ってたからまた現れるはずだ、物資を補給しに町へ戻っただけだ。

 そう淡い期待を抱いている私もいる。

 ……どっちが正解なんだろう?

 

 

枕月真日

 迷ってたら何も始まらないと既に知っているはずなのに、私は又しても時間を浪費したらしい。

 確かに猿顔に港町まで……欲を言えば私が知っているロア?の街まで道案内してくれたら嬉しいんだけど……。

 もう私の前に現れないのならしょうがない。

 明日の朝、出発しよう。

 

 

 

 

 

寒月玖日

 ルーデウスと幼女先生が猿顔と一緒に居た。

 

 何故?

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