何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

25 / 29
お久しぶりです。とりあえず社長戦が終わるまでは展開を構成したので書き出すだけです。


25冊目

差月居日

 入学式から数日経った。

 クラスメイトは私よりも数歳下の子供達が多い。

 と言っても私と同い年くらいの人もいるし、何ならパパウロやゼニスママくらいの年と見れる人たちも居なくはない。

 薄っすらとしか残っていない前世の記憶で行っていたはずの学校と違って年齢制限は無いみたい。

 新しい生活に慣れる為。

 できる限り頑張ろうと意気込んでいた私だったけど、どうやら私はかなり孤立しているらしい。

 どうしてだろう?

 

 

 

 

科月意日

 さらに数日。

 私が遠巻きにされている原因が分かった。

 ルーデウス・グレイラットとか言う馬鹿が学校の番長をやっているらしい。

 はい、私の双子の兄でございます。

 双子なので男女の違いはあれど見た目はとても似ている訳で、「ついに番長は性別の垣根を超えた?!」とか「俺は分身してるのみたぞ」とか「中身が番長だけど見た目はエロイ」なとどふざけた噂が聞こえる聞こえる。

 ここでも私にはルーデウスの影がチラつくのか……。

 何となく考えてはいたけど、天才を兄に持つと比べられて怯えられるのは辛いところがある。

 どうしたものかか……。

 

 

死月マ日

 気が回って居なかった。

 私がルーデウスと間違われるのはまだいい。いや、良くないけど。

 それよりも私よりも幼い齢で学校に入学して、より大きな比較をされてきたであろうノルンの事だ。

 シャリーアの街に来てから今まで、家族から色んな話を聞いた感じノルンとルーデウスの仲は悪くない感じだった。

 とは言え、アイシャほど懐いてはいない距離感。

 家があるのにノルンだけ学校の女子寮で暮らしているのも関係しているかもしれないけど、詳しく聞いたことはない。

 もっと誰かが話すのを聞くだけにとどまらず、もっと私から質問もするべきだった。

 今度家の誰かとルーデウス、ノルンの三人には聞いてみよう。

 

巣月.日

 ルーデウスは学校を休学して空中要塞ケイオスブレイカーとか言うカッコイイ名前の空飛ぶお城に行くことになったらしい。

 学校の友人が連れていってくれるらしい。

 その友人、どんな立場の人なんだろう?

 シルフ君ちゃんもアスラ王国のお姫様の護衛任務と言う仕事があるみたいだし……。

 家族だけどルーデウスやシルフ君ちゃんの交友関係に何言うつもりはこれっぽちもないけど、権力者に突然「お前奴隷な!」って言われないようにだけはして欲しい。

 男に人は性欲でしか近づいてこないから常に警戒しておかないとダメなのだ。

 女性だって売って来る人がいるから、結局のところ家族以外は信用しちゃいけない。

 なんかイライラしてきたので素振りしてこよ。

 

1月2日

 学校でノルンの様子を観察してたら少しウザがられた。

 ショックで泣きそう。

 今日はゼニスママ慰めてもらおう。

 ついでにリーリャも独占だ。

 

0月1日

 ノルンに話を聞いた。

 初めの方は色々あったみたいだけど、今は何とかうまく馴染んでいってるみたい。

 逆に私の心配をされた。

 ノルンは現在生徒会のお手伝いをしているらしく、その関係で少し私の噂を聞いたらしい。

 どんな噂か話してくれなかったけど、不器用でたどたどしく慰めてくれる姿を見れただけでもお姉ちゃんは大満足だ。

 そうそう、生徒会の流れで思い出した。

 現在魔法大学を仕切っているのは番長ルーデウス、ではなく生徒会長の何とか様。

 アスラ王国のお姫様でシルフ君ちゃんの上司。

 シルフ君ちゃんと一緒に空中要塞ケイオスブレイカーに行ってるらしいからまだ会えてないけど、世界有数の国のお姫様ってだけでちょっと怖い。

 何かあれば打ち首だし、何もしなくても打ち首になるかもしれないのが怖い。

 シルフ君ちゃんは恩人で友達だと言っていたし、ルーデウスも何だかんだ良好な付き合いをしてるみたいだったけど、私からしたら不安で仕方が無い。

 権力者や実力者というのはそれだけで自分よりも下の者を平気で奴隷の様に扱える人達が殆どだって私は知っている。

 だからこそ、私は逃げる為に何でもやってきたし、今は家族を守るために何でもやるつもりだ。

 まぁ、ルーデウスの方が天才だから私よりも強くて上手く立ち回れるし、今は幼女先生やシフル君ちゃんもいる。

 立ち回りとか交渉とか知略とかは私には無理なので、私に出来るのは家族が逃げる時間を稼ぐことだけ。

 家族の中で唯一接近戦が強いというのが、私が誇れる事。庫の強さはベガリット大陸で培ったものだけど、根本はパパウロから教えてもらった技術だから。

 私には言ってくれなかったけどルーデウスへ「剣を習うというのは力を持つと言う事だ。その力を私利私欲に使うのではなく、お前が大切に思うものを守るために使うんだ」的な事を言っていた記憶がある。

 今かは分かんないけど、何時その時が来ても良い様に備えておこう。

 ……パパウロの事を考えて寂しくなったので明日はお墓に寄ってから学校へ行こう。

 私の足なら気持ち早めに家を出たら遅刻しないはず。

 幼女先生には一人で行ってもらう。

 ベガリット大陸から連れて帰った魔物を通勤の足にしてるけど、私は生き物に乗るのは好きじゃないんだよね。

 

0月2日

 ハッ?!

 ノルンの事をすっかりと忘れていた一日だった。

 剣を振るっていたら一日なんてあっという間。

 せっかく魔法大学に入学出来たのだから、少しでも魔法が上達できる様に鍛錬だ。

 卒業まで全属性上級を扱えるようになりたいなぁ……。

 才能無いから無理かもしれないけど。

 

0月3日

 ルーデウスが一旦帰って来た。

 一緒にケイオスブレイカーに行った友達が病気で倒れたらしい。

 ケイオスブレイカーの書庫で治す方法を探してるらしい。

 回復魔法が効かない病気見たいなので、治るかどうか分からないとの事。

 私には回復を祈ることしかできない。

 

0月4日

 ルーデウスは魔大陸に行くことになったらしい。

 魔大陸でうろついてる魔界大帝とか言う大層な肩書を持っている偉い魔族を探すらしい。

 ルーデウスの人脈はやはり可笑しいと思う。

 いい関係を築けているから良いものの、敵に周ったら私たちがどうなるのか考えているのだろうか?

 ……ルーデウスが考えずに接しているはずもないから、上手いことやるんだろうな。

 私に出来るのは、もしもの時の為に力を付ける事と、魔法大学で魔法を学ぶだけ。

 

 

 

0月5日

 魔法大学で改めて魔法を学んでいると、幼女先生が如何に優秀な魔術師か知ることが出来た。

 先ず、普通の人は中級魔法を覚えるのもそれなりに才能と努力がいるらしい。

 更に扱える属性も二つくらいに絞って覚えるらしく、全ての属性魔法を上級以上で扱える先生は魔法大学でも少ないと聞いた。

 上級以上の聖級ともなれば世界でも上位層。

 幼女先生は私たちの家庭教師を終えてからさらに上の王級まで扱えるらしい。

 幼女だけど実力は確かな先生であって、幼い頃に指導を受けた私は幸運だった。

 

 

0月6日

 ルーデウスがまた一旦帰って来た。

 魔大陸での魔界大帝様探しは1日で終わって、空中要塞で療養していたらしい。

 ルーデウスが危なかったと言う魔大陸はどんな魔境なんだろう?

 興味はこれっぽっちもない。

 あるのは「近寄らんとこと」言う戒めみたいな感情だけだ。

 それでも何とか全員無事に戻ってこれるルーデウスは凄い。

 

 

0月7日

 学校は順調とは言い難い。

 勿論授業面ではそんなに苦労していない。

 幼女先生の教えが良かったのか、初級中級魔法の習得は既に終わってるし、今しているのは上級魔法の習得鍛錬と魔法の詠唱をもっと分かりやすくする事。

 冒険者として活動するにのに便利な用途を発見するのも重要だけど、そんなもの私が見つけるよりもルーデウスが簡単に見つけそうだし、冒険者歴の長い幼女先生に相談するのが手っ取り早い。

 私が繰り返し鍛錬しているのは剣を使いながら魔法を使う方法だ。

 俗に言われる魔法剣士スタイル。

 うぬぼれているかもしれないけど、総合的な戦闘能力は別として剣術の実力だけで言うなら私はルーデウスの知り合いの中でもトップクラスだと思わなくもない。

 私とルーデウス共通の剣士は師であり父でもあるパウロ、第二の師になりかけたはずの剣王の褐色ケモ耳さん、ルーデウスが家庭教師をしていた赤毛のオジョウサマ。

 ルーデウスの事だからもっと強そうな剣士を知っているかもしれないけど、私との共通の知り合い剣士は多分これだけ。

 その中で直ぐに連絡が付く、つまりシャリーアに滞在している人は居ない。

 ともなれば私がルーデウスが真っ先に頼れる剣士の中で一番強いと言っても過言ではないだろう。

 それでも私の実力は中級程度、良くて上級一歩手前と言った実力しか持ち合わせていない。

 習性が違うだろうから慣れる必要はあると思うけど、シャリーアの周辺に生息している魔物ならともかく、ルーデウスの敵に回る程の人達に私が太刀打ち出来るかは分からない。

 それでも、私は私の大切な人達を守るために力を付ける必要があるのだ。

 

 

0月8日

 幼女先生に注意を受けた。

 何でも「貴女がベガリット大陸でどんな生活を送って来たのかは理解してますし同情も出来ます。ですが、だからといって男性が視界に写るだけで剣に手を伸ばすのはどうかと思います」と。

 可笑しい。私はそんな反応してない。はず。

 明日一日は注意してみよう。意識してたらそんな事起こりえないだろうし、起きたとしても私自身の記憶に残るはず。

 まぁ、剣士たる私が必要のない所で剣の柄に手をかけるなんて脅し行為をやるはずもないんだけどね。

 

 

0月9日

 ……。

 幼女先生の言い分は正しかったみたいです。

 えぇ、今日一日中張り詰めて私は私の行動を意識していたはずだった。

 でもね。男性が近くに寄るだけで無意識的に手が剣の柄に添えられていたんだ。

 幼女先生は間違った事を言っていなかった。

 流石ルーデウスの先生を名乗るだけはあるッ。

 とは言え、これは対策急務だと思う。

 無意識下とは言え学校内、大きくするなら諍いも起きていないのに街中で剣を抜くのは剣士として失格でしょう。

 剣を持ち込まない?

 うーん。それは愛剣を家に置いて行くと言う事。

 ベガリット大陸の経験から片時も離したくない存在な剣を置いておくのは物凄く不安だ。

 よってこれは無し。

 転移事件が起きた時もそうだけど、人生はいつ何が起きるか分からない。

 学校に通ってる間に事件が起きて戦う必要になるか分からない。

 生徒の半分以上が戦えるとはいえ、学校にテロリストが襲って来るのはよくある話。

 そんな一大事な時に愛剣が無ければ力を十全に発揮できないに決まってる。

 だから剣は片時も手放せない。

 これはベガリット大陸でサバイバルをしていた頃から治らない癖でもあり、私の身を確実に守る為の方法なのだ。

 唯一、今の家でお風呂に入る時だけは脱衣所とお風呂のドアに置いてるけど……。

 これも皆に言われたから仕方なくだ。

 それ以外では寝る時も御飯の時も手放さずに持っている。

 ……もしかして、この癖を辞めろと幼女先生は言いたいのか!?

 

 

1月0日

 とりあえず、男の人を視界に入れても反応しないように頑張ろうとお思う。

 ブエナ村の時は何とも無かったから、やっぱりベガリット大陸での生活が染み付いてるだけで、一年もすれば治る癖だと私は考える。

 それまでは迷惑をかけるかもしれないけど、あくまでも柄に手が伸びるだけだからセーフだよね。

 

 

1月1日

 そろそろルーデウスから一報があっても良い頃合いだ。

 進展が無いのか、それとも連絡が出来ない状態なのかは分からないけど心配だ。シルフ君ちゃんが。

 ルーデウスは心配しなくても大丈夫だろうと謎の信頼があるのは、私とルーデウスが双子だからだろうか?

 それとも単純に天才である兄が気に食わないながらも実力は認めているからだろうか?

 

 

1月2日

 今日は久しぶりに嬉しい事が起きた。

 ノルンが魔法大学で話しかけてくれたのだ。

 しかもそれだけではない。

 なんと、私に剣術を教えて貰いたいとの事。

 詳しく話を聞くと、パパウロの遺産である剣を受け継いでいて、それもあってルーデウスに軽い鍛錬を見てもらっていたそうだけど、最近のルーデウスは空中要塞に行っているし忙しそうだから一人でやっていた。

 初めは私に頼よろうとしていたみたいだけど、魔法大学に慣れるまで邪魔しちゃしけないと遠慮してくれていたみたいだ。

 私の妹はやっぱり可愛いくて偉くない?

 入学してからそれなりに時間も経って、私が何時も通り鍛錬を一人でしているのを知って私に頼み込んで来てくれたというのが経緯らしい。

 私個人的にはもっと早くから、それこそ引きこもりを脱却した頃から何時でも大歓迎だったんだけど……。

 でもノルンが気を遣ってくれたと言うのなら有難い限りだ。その時間を有効活用出来ていたかは微妙だけどね。

 と言う事で、今日から数日置きにノルンと一緒に剣の鍛錬だ。

 日程は忙しいノルン基準で決める。

 私は基本的に暇だから、学業と生徒会活動と大変そうな妹を優先するのは姉として当然の事だろう。

 

 

1月3日

 家族から見れば私の気分が見るから良いのが分かるらしい。

 そりゃあ勿論、ノルンと一緒に剣の鍛錬が出来るからですよ!

 可愛い妹に頼られたとあらばお姉ちゃんはやる気満々だよ!!

 どんな鍛錬を一緒にやろうか?どのくらいの強さなんだろう?

 今日一日中ずーっとその事を考えていたせいか、授業は全く集中できていなかったと思う。

 何度も先生に注意されていたはず。

 帰り際に幼女先生にも心配された。

 

 

1月4日

 校長先生の鬘が飛んで行ったと言う事件をもあったけど、やはり今日の一番の出来事はルーデウスとシルフ君ちゃんが帰ってきたことだろう。

 空中要塞でやる事はひとまず終わらせてきたらしく、後は数週間置きに空中要塞に残してきた友人を訪ねる程度になるらしい。

 そんな話をご飯食べ終わってから聞いた。

 何はともあれ、全員無事に戻って来れて良かった良かった。

 ルーデウスの友人さんは残念な現状だけど、その人と私は直接会ったわけでもないただの兄の知り合いってだけだから、それなりにどうでもいいと思ってる……。

 私に他人を気遣っている余裕はないの。

 まぁ、シルフ君ちゃんや妹達が気にするなら私も多少は気は使って上げたいけど。

 話は戻る。

 ルーデウスは久しぶりの幼女先生を堪能するはずなので、私も早目に日課の鍛錬を終わらせて眠るとしよう。

 

 何となく、家に誰かの気配を感じる。

 念の為に、見回った方が良いだろうか?

 安全な街の郊外とは言え、泥棒が入り込む可能性はいつだって捨てきれないし、何ならルーデウスに恨みのある者の襲撃かもしれない。

 家族が危険な目に合う前に私が対処できるならしておいた方が良いだろう。

 

 




次回はエリス視点の短編になる予定。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。