何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

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お久しぶりです。
本業であるカルデアのマスター業務が忙しく、中々執筆時間が取れませんでした。
冠位戴冠戦で全鯖絆マ目標とか、箱イベ→周年→宝箱イベント→レイドとか。今年中にもう1話行けるかどうか…。


28冊目

3月1日

 昨日、ルーデウスから聞いた名前を図書室で調べた。

 ううん、調べたよりも探したと言うのが正しいだろう。

 何処かで聞いた事があったはずの名前なんだけど、見つからなかったから。

 それにしても、この学校の図書室は凄い沢山の本があってビックリした。

 ブエナ村に住んでいた頃には本は高価で、村でもかなり裕福だったらしい我がグレイラット家でもたったの三冊だけ。

 もしかしたらゼニスママやリーリャが個人的に所持している本があったかもしれないけど、私が知っているのは3冊とルーデウスが誕生日にゼニスママから貰った植物図鑑だけだった。

 パパウロに物語を読み聞かせて貰ったのが懐かしい。話が逸れてしまった。

 数え切れない本の中なから、目的の本を探すと言うのは非常に難しかった。

 前世では十進法だか十二進法だとかで大まかに分けられていた記憶があるけど、この世界ではそんなの知った事かと無造作に並べられている。

 本棚があって丁重に並べられているだけで、この世界では十分整理整頓されていると言うのだろうが、これでは目的のオルスデッドなるものを調べるのには一体何十冊、何百冊の本を確認する必要があるのか……。

 初日ながら既に諦めの心が出てきている。

 

 

3月2日

 オルスデッドさんは余程有名な人ではないらしい。

 調べても出てこない。

 ……歴史書を探しても、ルーデウスが殺そうとしているって事はまだ生きている人物と言う事だ。

 過去の人物ではなくて、今を生きている人なんだから歴史書なんかを探したって見つかるはずもない。

 そう、二日間空き時間を図書室に籠って今更気づいてしまった……。

………………。

 そそそそ、それでも、何処かで見聞きした事がある様な名前だから、調べるのは間違っていないはず。

 歴史書を探すのだって、人族以外の人達は人族よりも遥かに長生きだって幼女先生だって言ってたし……。

 その幼女先生だって見た目は幼女だけど実年齢は■■■だし……。

 

 

3月3日

 今日も今日とて図書室で探し物。

 ちょっと面倒くさくなって、ルーデウス本人やら幼女かシルフ君ちゃんの知っていそうな人に直接聞いてみる?と頭を過ったけど、何か聞いたら負けた様な気がして一人で探すことにした。

 有名な人物が載ってそうなタイトルの本を片っ端から調べていくけど、まだ見つからない。

 何処かで聞いたことがある様な気がするのは間違いだったのだろうか?

 というか、ルーデウスはそんなマイナーな人を殺すのに、どれだけの時間と労力をかけるつもりなのか……。

 居場所が分からないだけなら時間がかかるのは分かるけど、まさかルーデウス程の魔術師が殺せない相手だなんて……それこそ魔王とかでしょ。

 神の啓示を受けて魔王を討伐。

 ルーデウスは勇者だった?

 

 

3月4日

 ルーデウス勇者説を押していきたい私だけど、やってることはただ相手を圧倒する様な魔道具を作っているだけ。

 王道な勇者とは言えない。

 でも、外付けの道具とは言え強くなろうとしているのは私的にも間違っては無いと思う。

 弱ければ全て奪われて殺されてしまうのがこの世界の常識だから、身を守る為の手段を増やそうとするのは何も間違ってはいない。

 間違ってはないけど、ルーデウス程の強者が更に実力を伸ばそうとするのは私の心象的にはちょっと引く。

 十分強いのだから、もっと自信を持っていて欲しい。

 今日もオルスデッドなるものの資料が見つからなかった。

 

 

3月5日

 またパウロみを感じる騎士にナンパされた。

 コイツ、実は暇なのだろうか?

 いい所のお貴族様なのだろうから、結婚相手や愛人は引く手あまただろうに、よくもまあ私みたいな剣しか脳の無い庶民に声をかけるのだろう。

 幾らシルフ君ちゃんの仕事仲間だと言っても限度がある。

 余りにもしつこいとルーデウスを嗾けちゃうぞ。

 

 

3月6日

 遂にオルスデッドなる者の情報をゲットした。

 図書室で自力で見付かったのだけど、私の我慢の限界が先に訪れてルーデウスに直接聞いた。

 聞いたと言うよりも問い詰めたと言った方が正しいかな?

 シルフ君ちゃんや幼女先生には話しているのに、私だけ除け者にされていたし。

 話しながらも私には絶対に関わらせてくれなそうな雰囲気をしていた。

 私が皆に心配をかけていたのは知っているし分かっているけど、もう数か月も前の話だ。

 この世界の成人年齢もとっくに過ぎているらしいので、独り立ち……は家族が許さないにしても、もう少し自律した大人として扱って欲しい。

 だからルーデウスが困っているなら私だって役に立ちたいと考えて行動しているのに、それを何かと理由を付けて拒んで来ないで欲しい。

 話が逸れてしまった。

 私が聞いたオルスデッドなる者の情報だけど……一言で言えば『最強』ならしい。

 こんな情報伝達が発達していない世界で最強って言われても、周辺地域で一番強いだけなのではいないか?

 私から見てとっても強いルーデウスが強いって思ってるだけ、周囲の人間が皆そう言っているからそう思い込んでいるから、勝手に評価値が上がってるだけなのではいないか?

 ルーデウスがオルスデッドなるものの評価を開口一番にそう伝えてくれたが、私が勘違いしている顔をしていると言ってそれはもう詳しく教えてくれた。

 曰く、数年前に一度だけ出会った時に殺された、魔術アリのルーデウスが手も足も出ないくらい強いルイジェルドなる初耳の人も子供の様にあしらわれる。

 ルイジェルドなる人がどの位強いのか知らないけど、ルーデウスの表情を見るに相当強い人なんだろう。

 損な人が子供に例えられるくらい強いのがオルスデッドなる者。

 七大列強とか言う世界最強トップ七の第二位に君臨して、文字通りの世界最強。

 そんな胡散臭いランキング、本当に正しいのか疑問に思う所だけど、私よりも遥かに強いルーデウスがそこまで強い強い最強だぁって震えながら言うなら信じるしかない。

 そんなに震えるくらいトラウマならわざわざ敵対する必要もないのに。

 神を名乗る不審者だって直接何か出来る訳じゃないんだから、無視してしまえば良いのに。

 でもまぁ、ルーデウスがそうするしかないって言うなら、本当にそうするしか方法は無いのだろう。

 何か出来るとは思わないけど、私も手伝えることが有れば率先して手伝いたいところ。

 

 

3月7日

 ルーデウスが殺したい相手が分かったところで私の日常はそう変わらない。

 せいぜい今まで図書室通いだった時間が鍛錬とか別の事に使える程度。

 調べ物が終わったモヤモヤが消えた鍛錬は気持ちが良かった。

 仮想敵としてオルスデッドなる者を想像してみたけど、実際に目にしてないからどのくらいか分からなかった。

 世界最強って事は私よりも強いのは確かだけど、どんな戦い方をするのか、得物は何を好むのか?魔術の有無は?と分からない事だらけで諦めたのだった。

 

 

3月8日

 最近はずっとルーデウスの案件にかかりっきりだったので、今日からしばらくは妹達と遊ぼうと思う。

 遊ぶと言っても、言葉通りの意味ではない。

 まだまだ小さい二人だけど、ノルンは学校で生徒会のお仕事を頑張っているし、アイシャは家の家事を殆どやってくれている。

 多分お母さんのリーリャに憧れているのだろう。

 でなければ家族に弱いルーデウスがそんな事をさせるはずもないし。

 話が逸れてしまった。

 妹達と遊ぶと言っても、今まで離れていたからノルンやアイシャが何が好きとか、何を良くやっているとか知らない。

 それを知るための一環でもあるのだけど、取っ掛かりと言うのはとても大事で難しい。

 転移事件前は毎日の様に構っていたが、あの忌々しい事件で十数年も期間が空いてしまった。

 子供の成長は早いもので、私が見ていない内に立って歩けるようになり、言葉を発して、今では立派に育っている。

 アイシャは賢そうだし、ノルンは可愛いし。

 そうじゃない。一緒に何をしたら楽しいか、妹達が嬉しがるか?だ。

 ここは無難に買い物ショッピングデートだろうか?

 

 

3月9日

 一度気になったらそれにばかり考えが行ってしまうのは私の悪い癖。

 朝の素振りも全く身に入らなかった。

 というわけで早期解決しなければ。

 

 

4月0日

 一人で悩んでも時間だけが過ぎていくのは前回に学んだ事なので、今回は早目に頼れる人に頼らせて貰う。

 サプライズ、と追う訳では無いけど本人に直接尋ねるのは姉としてのアレコレがあって憚れたからリーリャとゼニスママに頼った。

 相談した結果、何故か私が甘やかされる時間で終わってしまった。

 何故だ?

 

 

4月1日

 しょうがないので、いつも以上に二人に時間を割く事で交流を深める事にした。

 家ではアイシャ相手に手伝いを申し出て会話したり、学校ではノルンの様子を伺って暇そうな時間帯に魔法で分からない所を訪ねたり、逆に私が剣術の講義をしたりしようと思う。

 つまり、いつもの延長上だ。

 鍛錬の時間を減らして、妹達との時間を増やすだけ。

 それが今の私に出来る精一杯。

 もう少し時間をかけて妹達の事を知って行けば良い。

 ……何か忘れてる気がする。

 

 

4月2日

 学校がお休みだった。

 前世の日曜日に当たる日だ。

 今までも休日はあったけど全部鍛錬してた。

 でも今日は早朝の鍛錬だけに留めて、残りの時間をアイシャに使った。

 ノルンは学校の寮生活なのでまた今度。

 会いに行こうと思えば行けるらしいけど、年頃の女の子的に急に自室に押し掛けるのは嫌われかねないから断念だ。

 学業に生徒会、二つに比べたら趣味よりだけど剣術と多忙なノルンを捕まえるには、前もって予定を聞いておかねばなるまい。

 私は相手の予定を優先できるお姉ちゃんなのだ。

 というわけで今日はアイシャと過ごす一日だった。

 急に言われてもアイシャは困っていたけど、お手伝いと称して色んな事をした。(妹を困らせる姉だった?)

 料理洗濯掃除と言った基本的な家事から、郊外に建っているからこその広い庭のお手入れまで。

 アイシャはそれはもう家の事なら何でも手広くやっていた。

 手際だって物凄く良い。

 「お母さんにはまだまだって言われるけど……」と零していたけど、家事なんて殆ど出来ない私からすれば毎日キチンとこなしているだけで大金星だ。

 むしろ、私が変に付きまとったせいで普段よりも時間が掛かったかもしれない。

 そこだけは残念。今度は私の自己満足じゃなくてアイシャがもっと喜ぶ様な内容にしようと、寝る前の時間になって反省した。

 

 

4月3日

 アイシャに構ってあげ……私が構って貰ったのだから、次はノルンの番だ。

 昨日の反省を生かして、ノルンが迷惑そうなら即座に日を改めようと思っていた。

 えぇ、ノルンは今日も忙しくてとても私の我儘に付き合って貰える様子ではなかったの。

 仕方ないのでルーデウスで我慢した。

 暇な妹だぞ構え、とばかりにルーデウスの周囲をウロウロ。

 相変わらず人形好きの長身や知らない人……確かルーデウスの友人兼先輩兼シルフ君ちゃんのおばあちゃんの夫???(友人で先輩なのは分かるけど最後の何?)と一緒にオルスデッドと戦うための装備を作っていた。

 魔術師の装備と言えば高そうな魔石と樹を組み合わせた杖とか、特殊な防御効果の付いたマントなどを想像してたけど、ルーデウスが作っているのはロマンのカケラもないような鎧だった。

 鎧というよりも、人間が乗って操作する中型ロボット?

 ロボットを作って乗るのなら、宇宙で戦うデカいロボットくらい大きいのを作ればいいのに。

 ロボットアニメの代名詞とも言える奴くらいなの。

 ……まぁこんな世界でそんな世界観の違う物を作ってどうするのか?とも思えなくもないけど……。

 逆に、魔法で災害を起こせるこの世界だと、大きすぎるのは的になるだけだったり?

 ほへー、ルーデウス以外と考えているだね。

 それは置いておいて。

 私が暇そうにウロウロしていたのが鬱陶しかったのか、製作の行き詰まりを解消する為か分からないけど、ルーデウスと模擬戦を行うこととなった。

 本番では作りかけのロボットに乗って戦うみたいだけど、それでも剣士の動きと言う物をできる限り把握しておきたいらしい。

 私とオルスデッドでは天と地、月と鼈以上もの実力差があるだろうけど、それでも何も経験を積まないよりもマシだとか言っていた。

 交友関係の広いルーデウスだけど、こと剣術においてはこの街近辺では私が一番上手くて強いらしい。

 ちょっとだけ認められてるような気がして嬉しかったのはナイショ。

 万が一にも工房に被害が出るとダメなので少し移動していざ模擬戦闘。

 結果は敗北。

 天才であるルーデウスに、私が剣術以外の事で勝てるわけがないのは当然だった。

 剣だけの勝負なら、長年の経験と鍛錬で負けないけど、魔法アリの戦闘なら私如きが勝てるはずもないよね。

 でもまぁ、近接戦闘の経験や魔道具の耐久テストとして役に立ったのなら私も嬉しい。

 

 今日は長々と回想してしまった。

 久しぶりに鍛錬以上の戦いをしたので疲れた。

 もう寝よう。明日からも色々と頑張ろう。




アニメでの社長戦が終わる前に、こっちでも社長戦終わらせたいですね。
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