何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様) 作:カルデアの廃課金マスター
d月4日
またパパウロとルーデウスが猥談していた。
今回の件でパパウロは少しだけ開き直り、リーリャを第二夫人として迎えるつもりらしい。
ここは異世界だから一夫多妻が認められているとはいえ、元日本人の一般人の女の子としては複雑な気持ちだ。
l月q日
ゼニスママもリーリャも身重と言う事で、家事のお手伝いを行った。
これまでも少しだけ手伝っていたのでパパウロよりは数段マシ。
前世の記憶もあって、何も出来ないと言う事にはならなかった。
しかし、それでもルーデウスの方がよっぽど役に立ってるのは何で?
M月I日
二人ともかなりお腹が大きくなってきた。
身内の妊婦さんを見るのは前世も含めて初めてだと思うから、かなり新鮮である。
U月T日
日課になってる「お腹に手を当てて赤ちゃんの様子を探る」をやってたら、リーリャの赤ちゃんが足で蹴ったのが分かった。
お腹の中から元気である。
I月G日
剣術の鍛錬も頑張る。
赤ちゃんが産まれて自我を持った時に頼れるお姉ちゃんになる為だ。
ルーデウスが魔法で行くなら、私は剣術でやってやる。
そう考えると、より一層鍛錬に励める様になった。
A月N日
そろそろ出産日を迎える。
前兆が起こりだしてきた。
現代日本なら病院に入院する時期だけど、この異世界にそんな設備は存在しない。
少しの事が赤ん坊と母親の命取りになると聞いたことがある。
これは私も気合いを入れないとね。
A月K日
今日から私はお姉ちゃんだ。
この数日間は大忙しだった。
まず、ゼニスママの出産が行われたけど、逆子?だったせいで物凄く大変だった。
応援に呼んだ産婆さんが全く役に立たない。
何とかリーリャやルーデウスが頑張って無事に出産が終わった。
すると、今度はリーリャの出産が始まった。
母体が違うのに双子みたいな関係なのは良い事だと思う。
ルーデウスは何時もの天才ぶりを発揮して物凄く貢献してるのに対して、パパウロはオロオロして心配するばかり。
私とルーデウスが産まれた時はどうしてたよ……。
私?私はルーデウスと産婆さんの指示に従って雑用してた。
生まれてきた赤ちゃんは二人とも女の子。
二人もいるのだから、弟が一人くらい居ても良い気がしたけど、それはそれ。
妹は妹で可愛かった。
頼れるお姉ちゃんになるために頑張るぞー。
U月N日
昨日は舞い上がって肝心な事を忘れていた。
妹達の名前だ。
ゼニスママが産んだのはノルン、リーリャが産んだのはアイシャ、そう名付けられた。
二人共ゼニスママとリーリャの腕の中で寝ている。
小っちゃくて可愛い。
赤ちゃんは何でこんなにも可愛いのだろう……?
A月R日
ノルンとアイシャが生まれてから、パパウロの剣術の鍛錬がより一層厳しくなった。
カッコイイお父さんを見せたいのだろう。
分かる。物凄く分かるよ。
私もカッコイイお姉ちゃんを妹達に見せつけるのだ。
ただ、張り切ったせいか午前の部が終わった時にルーデウスがぶっ倒れた。
張り切り過ぎたようだった。
でも、これでルーデウスよりも体力と根性がある事が証明されたし。
I月m日
今日は久しぶりの休日だ。
何時もの様にルーデウスと家事を手伝おうとしたのだが、リーリャに拒まれた。
どうやら最近頼りっぱなしなのが気に入らないらしい。
私は好きでやっているから大丈夫だよ、と伝えても今度はゼニスママがリーリャの味方になって反論してきた。
最近自由に遊ばせてあげられないのを悔やんでいたようだ。
まだまだ子供なんだから遊んでいらっしゃいと言われたら、流石のルーデウスも言い返せずに家を出た。
手持ち無沙汰になった私は久しぶりにルーデウスについて行った。
驚いた顔で見てきたけど、特に拒否反応はなかったから問題無かったはずだ。
というわけで、今日はルーデウスとシルフ君ちゃんと一緒に遊んだ。
まあ、熱々なお二人は魔法の練習をして、私が茶々を入れる感じだった。
A月S日
今日も今日とて剣術の鍛錬だ。
もう何も言われなくても剣を振るっている気がする。
少しだけ手を抜いたパパウロとはいい感じに斬り合いが出来る様になって来たけど、未だに本気パパウロの背中は見えない。
うーむ。
壁にぶつかったって言うのかな?
I月T日
今日の鍛錬中。
パパウロから学校のお話が出た。
学校に通えるほどの一般的な家庭だと6歳くらいになったら、一番近くの都市であるロアにある教育機関に行くらしい。
と言っても、ここは中世ヨーロッパ風の異世界。
前世の記憶にある様に国中の子供が全員無償で通えるわけではない。
大抵はお貴族様か、大富豪、大商人が主な入学する学校だったはず。
お貴族の最底辺に居るパパウロのお陰で私たちにも話が回ってきたのかな?
だがしかし、私とルーデウスはもう読み書きと(私の場合は簡単な)算術が出来る。
その上にルーデウスは水聖級魔術師で、私は中級水魔術師だ。
学校で学ぶ事などないだろう……って思っていたんだけど、当の本人は物凄く行きたそうにしていた。
もちろん私も行きたい気持ちがある。
同年代のお友達……と言うか知り合い?はソルマ君やシルフ君ちゃんがいるけど、友達か?と言われたら素直に頷けないのが残念なところだ。
ソルマ君はルーデウスが喧嘩してから疎遠だし男の子。
シルフ君ちゃんは女の子だけどルーデウスのお友達以上恋人未満の関係で私はルーデウスの妹と言った認識だろう。
……同年代同性のお友達が欲しいです。
が、学校なんて堅苦しいだけで私達だと絶対に耐えれないと行かせてくれなかった。
実体験っぽいのでパパウロがそこまで言うのなら私も諦める。
前世の小学校みたいな場所ではなさそうだ。
しかし、ルーデウスよ。
綺麗な女の子と仲良くなりたいが為に学校に行きたいと言うのはどうかと思うぞ?
君にはシルフ君ちゃんが居るではないか。
今度機会があればシルフ君ちゃんに言い付けてやる。
A月。日
最近シルフ君ちゃんがよく家に遊びに来る。
語弊があった。
「遊びに」でななく「勉強しに」が正しい。
ルーデウス曰く、魔法の練習に大事な事を教える為だそうだ。
そういう名目で部屋に連れ込んで如何わしい行為をしてないか心配になってくる。
あのパパウロの血を濃く引いてるルーデウスだからなぁ……。
つ月な日
今日も剣術の鍛錬。
魔法無しルーデウスにはほぼほぼ勝てる。
が、パパウロには勝てるビジョンが見えない。
最近は成長率が落ちてる気がする。
これ以上伸びないのかな?
6月.日
ルーデウスが遂にやってしまった。
私はいつかやると思ってたよ。
午後の剣術の時間、ちょっと小休憩ということで家の中に戻ったんだけど……シルフ君ちゃんが泣いていたのが聞こえた。
遠かったので詳細は不明だが、「いやいや」言っていたのでこれはもう確定だろう。
キスか乙女の大事な部分を舐めたか、その先かは知らんが大人の階段を登ったということは分かる。
ふむ……ゼニスママにチクるか否か……。
5月し日
悩んだがゼニスママには伝えなかった。
手紙が届いたかなんかでパパウロが部屋に突撃したからだ。
色々と評価が落ちているパパウロだけど、やる時はちゃんとやるお父さんだと私は思ってる。
だから、彼が何も事を立てないのなら、何もなかったのかもしれない。
それはそうと、手紙は幼女先生からで私にも来ていた。
内容は「魔法の鍛錬は続けていますか?」だった……。
ヤバい。
剣術の鍛錬しかやっていない事がバレてる。
何故だ?
ょ月う日
手紙を貰って次の日。
家族一同が揃った時にルーデウスがラノア魔法学校に行きたいと言い出した。
何処かで聞いた覚えがするけど、何処で聞いたか全く思い出せない。
しかもルーデウスはシルフ君ちゃんと離れるのが嫌だから二人で入学するとか言い出した。
パパウロの返答は勿論ダメ。
前世なら小学生に通う年頃だけど、ラノア魔法は物凄く遠くにあるらしくそんな場所に一人で入学なんてさせられない。
第一にお金が無い。シルフ君ちゃんの分を合わせたら到底出せるものでは無い。
そこでルーデウスは仕事をすると言い出した。
……まだ7歳だよね??
私の兄の思考回路がぶっ飛んでる件。
結局、パパウロが折れる形でこの話は終わった。
夕食に重たい話をぶっこんで来ないで欲しい。
朝食でも困るけど。
さ月い日
幼女先生の時と同じく、仕事を探そうにも直ぐに見つかる事は無い。
まだ7歳児なのだから、適当な場所で働かすわけにも行かないのだろう。
まぁ、私には関係無い話だ。
さあ、今日も剣術の鍛錬がんばるぞい。
こ月う日
幼女先生の手紙を貰ったからには魔法の方も頑張らなきゃならない。
と思って自由時間を使って自主練習を再開してみたものの、先生が居ないんじゃただの復習だ。
何かいい手は無いか……?
だ月っ日
久しぶりに気分が落ち込んでる。
今日はルーデウスとシルフ君ちゃんの魔法教室に突撃してみた。
そうしたら、シルフ君ちゃんが既に私の手の届かない領域まで成長している事が判明。
ヒントを得ようと軽い気持ちで来ただけなので、自尊心を削られるとは思いもしなかった。
た月ね日
気持ちが沈んだ時は剣を振るに限る。
午前中の剣術の時間だけでなく、今日は一日中剣を振り回していた。
T月Y日
バカだ。
後先考えずに剣を振ったせいで腕が筋肉痛で死にそう。
流石に動かせないと判断された私は、午前中の剣術の鍛錬を初めて休んだ。
O月U日
今日も筋肉痛はまだ治らない。
腕が使い物にならないからと、魔法の練習をしようにも身に入らない。
ホントにどうするればいいのだろう……。
K月A日
まだ治らない。
どんだけ回復が遅いのだろうか?
ボケーッとリーリャが家事をしている間にノルンとアイシャの相手をした。
と言っても腕が動かしにくい関係上、主に目を離さずにいるだけだ。
妹たちは可愛い。
私の精神安定剤だ。
K月U日
今日もダメだった。
一生このままなのかな?
少しだけ不安になる。
I月L日
流石に不思議に思ったゼニスママには見て貰ったら疲労骨折だった。
骨折してるのに日常生活には困らなかったのは不思議だ。
腕を固定すると思いきや、ゼニスママが治癒魔法で治してくれた。
……治癒魔法だ!!
t月s日
ゼニスママは治癒魔術師だ。
幼女先生も使えるが、専門外で私には時間が無かったので教えて貰えなかったのだ。
ゼニスママの時間が空いた時に教えて貰えるようになった。
初級でも覚えられたら軽い怪我を治せるし、中級なら骨折も治す事が出来る!!
当面の目標をこれにして頑張るぞい!!
A月い日
先ずは初級治癒魔法の練習からだ。
主に午前中の剣術の鍛錬で出来た怪我を練習台にしてやる。
普通の初級魔法よりも早く、1日で習得出来た。
と言っても、詠唱をキチンと全部して、全魔力の1/3を使ってようやく発動できる程度。
しかしそれでも怪我を気にしないで動ける様になった。
ただ「怪我を前提に動くと実戦でも癖が抜け無くなるからあまりするな」とパパウロに怒られた。
明日からは辞めよう。
D月E日
妹は正義だ。
アイシャはノルンよりも成長が早いみたい。
だからノルンに愛着が湧く。
だって私を見ているみたい。
まぁ、アイシャが嫌いってわけでは無いから安心して欲しい。
n月あ日
今日はゼニスママに付いて育休中だから、私がしっかりしなければ……。
い月D日
午前中は剣術の鍛錬。お昼ご飯を食べた後は診療所で初級魔法の練習。
魔力量の低さと詠唱を一々唱えないといけない点を除いたらある程度バッチリになったと思う。
明日からはいよいよ中級治癒魔法に入り込む。
E月S日
ルーデウスが仕事をしたいと言い出してから1ヵ月ほどが経った今日。
別れは突然だった。
剣術の鍛錬中、急にパパウロはルーデウスに向かって本気で剣を振るった。
私も初めはただの鍛錬の内容なのかな?と思ったが、パパウロはルーデウスの魔術を避けるとルーデウスの意識を奪った。
そしてそのままルーデウスは知らない猫耳剣士さんとドナドナ……。
私はただ、呆然と立ち尽くすだけだった。
U月k日
次の日。
寝て起きたらルーデウスが居なかった。
ようやく実感が湧いてきたと思う。
今日の自由時間は昨日の事を整理していた。
ルーデウスはパパウロの伝手を使って、フィットア領の中心都市ロアへ家庭教師の仕事に行ったらしい。
手荒な真似を使って追い出したのは、ルーデウスの意志確認とこうでもしないとシルフ君ちゃんと離れ離れにならないと判断したらだそうだ。
言われて納得できた。でなければ家族に激甘なパパウロがDVをするはずがない。
水月着日
ルーデウスが居なくなって早数日。
デメリットとメリットに気が付いた。
まずデメリット。
双子の片割れであるルーデウスが直ぐに会えない距離まで離れたので少し寂しい。
何だかんだでルーデウスがいるのが当たり前の日常になっていたのだ。
デメリット二つ目。
シルフ君ちゃんが家に来る様になった。
この年で完全にルーデウスの事を意識しているようで、家に来てリーリャから礼儀作法を、診療所に来て治癒魔法の練習をしている。
ルーデウスが頑張ってお金を稼いでいるのに、泣き言を言って待っているだけじゃなくて成長していたいらしい。
これで家では妹二人を取られただけでなく、診療所では私の存在意義も取られた。
憎いって程ではないけど少しだけ気に要らないって思ってしまうのは、まだまだ子供の精神に引っ張られていからだと思いたい。
次にメリット。
パパウロとの鍛錬の時間を独占出来る。
午前中の鍛錬時間を独り占め出来るだけ。
と言っても、より濃厚な鍛錬を受けられるのでメリットと言えばメリットだ。
デメリットの方が大きくて嫌になるけど、そこは朝から剣を振るって、昼には診療所では魔法の鍛錬、夜は妹たちの相手をして癒されよう。
ルーデウスが帰って来た時に、少しでも成長しているように頑張ろう。
ようやく1巻部分終了。次回からオリジナル要素増えます。