何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

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山奥に行ったら物凄く執筆時間が取れたので10日ほど早めに更新できました。

馬琴は天井しました。為朝は普通な確率。7周年が楽しみですね!


6冊目

Z月I日

 剣を振る、昼ご飯を食べる、診療所で治癒魔法の鍛錬、晩御飯を食べる、妹と戯れる、寝る。

 この繰り返しを何日、何週間、何ヶ月繰り返しただろうか?

 

 

k月お日

 子供の成長は早い。

 生まれたばかりであればあるほどだというのを実感した。

 アイシャがハイハイで動けるようになったのだ。

 パパウロと私は一緒になって喜んだ。

 ノルンも早くハイハイができる様になればいいなぁ。

 

 

n月n日

 今日も剣術の鍛錬。

 腕を疲労骨折?して以来、限界を超えてまで剣を振るのは止めにした。

 というか、ゼニスママとパパウロに止められた。

 何度も何度も怪我をするくらいなら、剣を没収するって言いだされたのだ。

 頼みの綱であるリーリャに助けを求めても、彼女もゼニスママとパパウロの味方らしい。

 このままじゃあノルンとアイシャに頼られるお姉ちゃんになれないし、ルーデウスとの差は開く一方だ。

 もっと頑張らなきゃ。

 

 

g月E日

 シルフ君ちゃんに魔術のコツを教えて貰った。

 前世の化学みたいな事を話された。

 これをルーデウスから習ったというのか……。

 私には理解し難くて無理ゲーだったよ。

 やはり幼女先生のようにコツコツ頑張ろう。

 

 

t月う日

 アイシャから数日遅れでノルンがハイハイできる様になった!!

 可愛いのでゼニスママと手を取り合って喜んだ。

 可愛いは正義である。

 

 

h月あ日

 ルーデウスの事が少しだけズルく思えるようになる事実をパパウロから聞いた。

 ルーデウスがドナドナされた日、知らない間に居た謎の猫耳剣士さん。

 彼女はなんと剣王でパパウロとゼニスママの古い友人らしい。

 話が旨く行っていればルーデウスは現在、剣王である猫耳剣士さんの鍛錬を受けているとのこと。

 剣王直々のご指導とは……私もロアの街に行きたくなってしまった。

 

 

M月A日

 次の日。

 私も猫耳剣士さんのご指導を受けに行きたいとパパウロに話した。

 そしたら「お父さんを倒せる様になってから言いなさい」と言われた。

 確かにそうだと思う。

 上級剣士であるパパウロを倒せないのであれば、2つも階級が上の剣王の手ほどきを受けても、何も得られない可能性の方が高い。

 先ずはパパウロに勝つのが目先の目標に変わりはなかった。

 

 

Z月I日

 やる気が漲ってきたけど、何も変わらない。

 

 

G月あ日

 パパウロとゼニスママが絶賛別居中だ。

 別居と言っても家の中で、同じ部屋で寝ないでいると言う意味でだ。

 なぜこうなった……?

 仲を取り戻したルーデウスの兄貴が出稼ぎに行ってしまったからだろうか?

 明日、ゼニスママとお話してみようと思う。

 

 

K月Y日

 ゼニスママとお話した。

 子供としてはパパウロとゼニスママが仲良くしていないのは良くないと思う。

 前世の記憶があり精神年齢が身体年齢を超えている私はともかく、生まれたばかりのノルンとアイシャには多大な影響を与えるはずだ。

 それに、ルーデウスが帰ってきた時に喧嘩してたら悲しむ。

 的な事を慣れない調子で話したら、夜には仲直り出来ていた。

 仲がよろしいのは良い事だけど、ノルンとアイシャがまだ歩けもしない内に子供をまた作るのは止めてもらいたい。

 ……今度は弟でお願いします。

 

 

O月K日

 午前中の剣術の鍛錬。

 パパウロが見るからにやる気が漲っていた。

 ゼニスママと一緒のお布団で寝たのがよほど聞いたのだろうか?

 とりあえずボコボコにされた。

 本気パパウロの背中は遠い。

 

 

 

 

 

D月E日

 8歳になった。

 変わったことと言えば、ノルンとアイシャが1歳を迎えて、物に掴まって立てる様になった。

 子供の成長は早いものだなぁ。

 アイシャなんて、リーリャが英才教育を施しているのか、少しだけ単語を言葉に出す事が出来るくらいだ。

 ノルン……私みたいに劣等感を抱かないか、将来が心配だ。

 その時は先駆者として慰めてあげよう。

 

 

U月T日

 剣術の鍛錬は相変わらずと変化していない。

 少しづつ中級に近づいていると思いたいけど、少し真剣になったパパウロと打ち合うだけでヘトヘトだ。

 完全に壁にぶつかったまま終わってる。

 このまま登り切れないかもしれない。

 パパウロに「女の子なんだからここまでやれてるだけで十分過ぎる」と慰められた。

 それって、これ以上伸びないって言外に言ってる様なものじゃないかな?

 

 

E月I日

 魔法の方は少しだけ進んだ。

 診療所に通う毎日。

 努力が実を結んだのか、遂に中級治癒魔法を習得できた。

 ここまで長かった……。

 上級ともなれば、詠唱も長く覚えられないし、魔力も膨大に必要なので諦めた。

 これにて魔法の練習は一区切り着いたと言っても良いだろう。

 魔法には憧れがあるけど、ここまで習得が難しいとなれば憧れも醒めてしまうもの。

 これ以上の上達は見込めない、そう判断した私は新たな魔法を求めるのはここで終了。

 まぁ、先生が居ない以上、どう足掻いても新しい魔法の習得は難しいんだよ。

 後は復習がてらに自由時間に魔法を復習する程度で良いだろう。

 

 

 

b月あ日

 ここ数日は特に何もなし。

 

 

K月I日

 と思ったらアイシャが立ったぁあ!!

 予兆はあったものの、赤ちゃんの成長は何気ない時に起こるものだなぁと実感させられる。

 次はノルンだ。

 頑張れ、お姉ちゃんは応援してるぞ。

 

 

 

 

 

n月N日

 9歳になった。

 妹たち二人はすくすくと成長していっている。

 3歳と言えばルーデウスは魔法の練習を独自に行っていた頃だったと思う。

 私と言えば、パパウロやリーリャに強請って文字を覚えようと必死になっていた頃?

 アイシャはルーデウス並みの才覚の鱗片を見せているのか、既にたどたどしく喋っている。

 ノルンは私と同じ様に、まだ単語だけをぽつぽつと口に出す程度だ。

 贔屓してるわけではないが、お姉ちゃんはノルンをとても応援してるよ。

 

 

T月E日

 剣術の鍛錬は引き続き続けている。

 が、成果は微妙と言える。

 上達の為というより、習った事を習慣にする為にやっていると言った方がいいほど。

 何か突破口は無いか……。

 

 

N月N日

 一日中剣を振りながら考えた。

 ……一日中というのは過大表現だった。

 前回の反省点を活かし、休み休み休憩を挟みながら剣を振るった。

 これなら少し手が疲れるだけで済んだ。

 素振りしながら考えた結果だけど……特に何も思い浮かびませんでした。

 無心で素振りしながら考えるだけで思いつくなら、既に思いついてるだよねー。

 

 

Z月Y日

 数日経ったが何も思いつかず、悶々とした日々を送っていた。

 そんな時、剣術の鍛錬中にパパウロから思いがけない提案を受けてしまった。

 それは、パパウロの仕事に少しだけ同行して魔物の討伐を体験するという提案。

 この調子で対人の鍛錬を続けても成長が見込めないのなら、魔物相手の実践を行って別方向からアプローチをかけると言うもの。

 完全に考えなかった所からその考えが出てきた。

 パパウロとの対人で伸びないなら、魔物での実践で伸ばすなんて、剣術を習いたいと言ってダメだと言っていたパパウロから出る言葉とは思えない。

 あれだけ娘の私を溺愛してるなら、パパウロとの鍛錬よりも遥かに危険な実践を言い出すとは思えなかった。

 何はともあれ、剣術の鍛錬は次なるステップへと進む事ができる!!

 

 

O月U日

 と、意気込んだのは良いものの、数日間は音沙汰なく過ぎてしまった。

 幾らパパウロが村の駐在騎士とはいえ、9歳の子供を職場に連れ出すのに即決は出来ないらしい。

 「もう少し待って、森の魔物の活性化が終わったら連れて行ってあげるぞー」とパパウロは申し訳なさそうに告げてきた。

 仕方ない、これも私の身の安全という事で我慢しようではないか。

 

 

S月I日

 1週間が経った。

 まだ森へは連れていて貰っていない。

 ゼニスママに「やっぱり森は危ないから止した方がいいんじゃないか?」と心配された。

 ゼニスママの心配も分かるが、森が危なくない時に行くんだし、何よりもパパウロと一緒に行くのだ。

 あの親バカ父親が一緒に居て怪我をするはずがない。

 

 

M月A日

 まだダメな模様。

 ノルンとアイシャの相手をして待とう。

 

 

S月I日

 もう一度パパウロに聞いた。

 何故か魔物の活性化が戻らないらしい。

 早く沈静化しないかなぁ〜。

 

 

T月A日

 アイシャに「ねぇね」と言われた。

 は?可愛過ぎだろ?

 この可愛さの前には全てがどうでも良くなった。

 

 

T月A日

 お姉ちゃんの凄さを見せつける為に、今日の鍛錬は物凄く頑張った。

 久しぶりにパパウロとの戦績がいい感じになった。

 本気…かは分からないが、真面目になったパパウロと数合打ち合いが出来たのだ!!

 

 

 

 

 

M月E日

 もう1ヶ月以上が過ぎた。

 もしかしたら数ヶ月かもしれない。

 森の魔物の活性化はまだ治っていないのだろうか?

 明日夕食の時にでも尋ねてみよう。

 

 

T月O日

 もうッ!!

 信じられない。

 約束を忘れられていた。

 何が「最近は調子が良いみたいだし、めっきり言い出さなくなったから忘れてた。すまん」だ!!!?

 こっちは言い分を守って大人しく待っていたというのに……。

 頭にきた。

 少し早いが反抗期だ!!

 

 

M月O日

 次の日、早速反抗を始めることにした。

 まず朝起きて朝食時、パパウロとは目も合わせないし喋らない。

 次に午前中の鍛錬、準備運動と素振りが終わった後は黙ってパパウロに切り掛かる。

 休憩と言われても奇襲作戦だ。

 午後は家から出て村に行く。

 夕方以降、家に戻るのは夕食ギリギリ。

 もちろんパパウロとは関係を断ち切る。

 それ以外は普段通りだ。

 

 

 

 

H月A日

 反抗期を始めて数日。

 パパウロが目に見えて焦り始めた。

 流石に私が避けているのを理解したらしい。

 軽い気持ちで謝ってきたが、そんなもので私の怒りが消えることは無い。

 まだまだ反抗期は続く。

 

 

k月A日

 反抗期はまだまだ続く。

 同時にある計画も進行中だ。

 

 

K月U日

 反抗期中。

 パパウロは泣きそうな顔で仲直りしようと懇願してきた。

 しっかりと反省しているようだ。

 だが断る。

 

 

R月I日

 ゼニスママに「もう仲直りしたら?」と和解を持ちかけられた。

 私の早い反抗期に「少しは痛い目を見たら良いのよ」と応援してくれたいたはずだけど、流石に長すぎる期間とパパウロに泣き落としされたのだろう。

 リーリャも似たような感じだった。

 ここまで言われたら悩ましい。

 要熟考だ。

 

 

T月U日

 リーリャがアイシャに英才教育を施そうとしているので、今日はノルンと遊んだ。

 色々あって反抗期中だが、パパウロ以外との関係は非常に良好だ。

 普通に談笑するし、ノルンとアイシャのお世話したり遊んだりする。

 ノルンはアイシャと比べられたりするので、私とルーデウスとの関係に似ている。

 初めは私の一方的な気持ちだったが、物心が着いて感性を持ち始めてからは、私の気持ちにも共感してくれる良い姉妹だ。

 ただ……ノルンはパパっ子なようで、私とパパウロがバチバチしているのが悲しいらしい。

 妹にここまで言われたら腹を括るしかない。

 

 

D月O日

 ノルンに悲しい表情はさせられない。

 朝ご飯の時、いつも通り話しかけてきたパパウロに返事を返した。

 物凄い驚いて笑顔になった。

 それほど反応を返さなかったのが心に来ていたのか……。

 だったら初めから私との約束を忘れなければ良かったのに。

 これが女泣かせのパパウロか。

 

 

U月R日

 反抗期を表面上辞めた次の日。

 鍛錬中のパパウロが物凄くイキイキしているのが分かった。

 やる気満々過ぎて最後の方は着いていけなかったよ……。

 

 

 

I月D日

 今日は休日だ。

 最近はコンを詰め過ぎてたのでしっかりと身体を休ませようと思ってた。

 昼ごはんを食べた後、村を進んで風の気持ち良い丘で風を感じていたら、奴が現れたのだ。

 ルーデウスの嫁シルフ君ちゃんだ。

 なんか、ルーデウスの双子の妹である私とも仲良くしたいらしい。

 最近は私が忙しそうに村をかけ回っているのを見て、中々声を掛けづらかったそう。

 ルーデウスがいない間に、グレイラット家を囲いに来てた……。

 結果、シルフ君ちゃんのマシンガントークを喰らった。

 全然休めなかったぞ。

 

 

E月S日

 数日が経った。

 私から再び言い出していないが、パパウロはいつも通りだ。

 数ヶ月前にした約束は何処かへ行ってしまったらしい。

 もう一度言い出さないとパパウロは思い出してくれないのだろうか?

 それともサプライズ目的で秘密にしている?

 もう少しだけ待ってみよう。

 

 

I月T日

 鍛錬鍛錬。

 そういえば、そろそろ10歳になる。

 例の慣習により祝う日だ。

 もう10年か……。

 長いような短い時間だった。

 

 

A月Z日

 パパウロが嘆いていた。

 ルーデウスの10歳の祝いを直にしてあげられないと。

 仕事の関係で村を空けるのが難しいらしい。

 

 

E月S日

 ゼニスママの提案でルーデウスに手紙を書くことにした。

 最近は剣術の鍛錬ばかりだったので、文字を書くのは久しぶりだ。

 習慣付いていないから間違わないか不安だ。

 内容は寝ながら考えよう。




次回から10歳です。無差別転移事件が近づいてきましたねー。

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