何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

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1ヶ月から少しオーバー。すまぬ。
ぐだぐだイベントが美味しいので周回してました。


8冊目

6月m日

 は????

 今日は何が起こったのか全く分からない。

 何処……此処?

 

 

あ月N日

 手が痛い。

 どうやら、落下の衝撃で骨折したみたいだ。

 何とか詠唱を思い出して中級の治癒魔法で治した。

 お腹も減った。

 此処何処だろう……。

 

 

N月D日

 現状は全く変わっていないし、今後の不安も大きいけど、とりあえず現状を振り返って見ることにした。

 まず、最後に覚えてるのは、私が森に勝手に入って魔物にボコボコにされて迷子になった挙句パパウロに保護されて怒られた次の日だ。

 朝起きて厳しい目をしたパパウロに小言を言われ続けながら午前中の鍛錬。

 昼ご飯をモソモソと食べた私は、流石に鍛錬を続ける気にはならなかったので家を出た。

 ここでも小言を言われてイラッと来ながら、何処に行こうかと村を歩いた。

 行く当ても無く歩いて辿り着いたのは、ルーデウスとシルフ君ちゃんが二人でよく遊んでいた大木だ。

 

 何をするでもなくボーっと過ごしていた。

 次第にルーデウスならどうやっただろうか?

 相談してたら違った結果になっただろうか?

 あの出来の良い兄ならもっと良い解決策を教えてくれただろうか…。

 そんな風に考えていると、遠くの天に奇妙な物を見つけた。

 天の色が奇妙な感じで変わっていた。

 何だろう……と、ボーっと見ていたが、途端に変な気配を感じた。

 なんて言うんだろう、第六感?今まで感じた事の無い、物凄くヤバいって思える感覚だ。

 怖くなったので家に帰ろうと、腰を上げた所で変化は起こった。

 漫画の世界で見るようなレーザーが宙から地面に撃ちだされ、地面が爆発。

 爆発した白いナニカはどんどん、どんどん広がっていく。

 視覚的、地理的な距離の事は詳しいどころか全く分からないけど、多分数キロレベルの範囲じゃなかった。

 白いのは止まる気配は無い。

 このままじゃ巻き込まる、と判断した私は家に向かってダッシュ。

 鍛え上げた私の足は既に村の同年代を圧倒するほど。

 それでも、白いナニカはだんだん私の背後に迫て来て……。

 

 白いナニカに巻き込まれたと思ったら、私は空中に居た。

 は?って慌てて、理解して体制を整える暇もなかった。

 理解不能のまま地面に叩きつけられた。

 唯一出来たのは無意識レベルに刷り込まれた受け身だけ。

 しかし、それでも建物の2.3階なんて目じゃない高さから落下した衝撃は抑えきれない。

 右腕から落ち右腕の骨折は当然、治癒魔法を何度もかけたのに未だに痛い。

 昨日と今日はそれで落下地点から殆ど動けなかった。

 明日は痛みを我慢してでも動かないと……。

 体力の回復に努める為にも早目に寝よう。

 

 

E月お日

 今日は食糧確保と周囲の探索を行った。

 食糧の方は微妙だ。

 食べられるか食べられないかも不明な果実が数個見つかっただけ。

 幸い、治癒魔法で軽い毒なら治せるから、ホントに何もなければ食べよう。

 水に関しては魔法があるので問題ない。

 ルーデウスみたいなバカ魔力量が無くたって、毎日の最低限の水分補給が出来るくらいは確保出来る。

 ただ、生活に魔力を使う関係上、無駄な事で魔法を使う訳には行かなくなった。

 

 周囲の探索だが……。

 軽く歩いた感じ何もない。

 辺りは森。

 ジャングルって感じじゃないけど、近くに村らしきものがある風には思えないほどの自然。

 此処、ホントに何処?

 

 

W月A日

 お腹すいた。

 今日は人を探して歩いた。

 なんの成果も得られませんでした。

 明日こそ何か見つけたい。

 

 

T月A日

 吐いた。

 最悪な気分だ。

 思いだしたくもないので寝る。

 お腹すいた。

 

 

Z月E日

 昨日から気分が優れず、今日は体力と気力の回復に務めた。

 何せ、昨日はぐちゃぐちゃになった死体を見たのだから……。

 

 

☆月・日

 今日は気持ち悪かったので魔法で水を出して気分を落ち着かせていた。

 

 昨日の死体は謎の白い光に巻き込まれた人の残骸だろうと推測した。

 辛うじて分かった服は普通の村人か町人の物だった。

 冒険者なら周囲に争いの形跡があるはず。

 死因は……多分落下死。

 あの日、地面を走っていた私が高い場所に瞬間移動させられた事から分かるように、少なくとも高低差は同じ高度と言う訳ではないのだろう。

 何かが基準になっているのか、それとも完全ランダムなのかは私には分かるわけもないけど、一つだけ最悪な事が分かった。

 場合によっては私もアレの様になっていたかもしれないっていう事。

 偶々骨が折れる程度の高度に飛ばされただけ。

 もっと高ければ、咄嗟に受け身が出来ていなければ…、意識を失っていたのなら。

 嫌な『もしも』が頭を過る。

 

 だめだ、今日はもう寝る。

 

 

K月Y日

 体の状態や周囲は調べたけど、持ち物に関しては気にしていなかった。

 身につけていた物と一緒に飛ばされたみたいで、毎日の鍛錬で少しボロボロな服とズボン。

 あの日、鍛錬の姿のママ飛び出したので動きやすい服装だ。

 後は、家に居る時以外は持っている真剣。

 10歳の誕生日にパパウロからプレゼントして貰った物。

 ……喧嘩別れみたいな感じになっちゃったんだよね。

 きっと助けが現れて無事に家族全員が元に戻るって希望を抱いているけど、このままバラバラのまま一生が終わったら。

 そんな考えが頭を過ってちょっと鬱になった。

 

 

O月H日

 今日も歩いて人里を探した。

 かなり歩いたはずだけど、全く人の形跡が見当たらない。

 どれだけ奥深い場所に飛ばされたんだろうか。

 

 

R月A日

 何とか倒した魔物の肉は不味かった。

 焼くだけではダメだった?

 それはそうと、足跡らしき痕跡を見つけられた。

 数名ではなく、最低でも数十名はいるっぽい。

 でなければ私は見つけられなかっただろう。

 久しぶりの人の痕跡にホッとした。

 明日からは足跡を辿って見よう。

 

 

R月I日

 悲報:昨日の足跡は物騒な人達だった件。

 今は全力で存在を消して逃げている。

 昨日見つけた足跡を辿って人を探した。

 が、いざ見つけて見れば喧騒。

 人と人が殺し合いをしていた。

 私と同等以上に剣士が斬り合い、魔法が乱発。

 ……どうやら、お取込み中だった模様。

 そんな中に疲労困憊な私は入って行けるはずも無く、あえなく退散。

 何で争っていたのかは分からないけど、本能が関わったらダメだと訴えている。

 明日はもっと逃げないと……。

 

 

K月O日

 今日は一日中逃げていた。

 昨日の人の発見を皮切りに、人の集団に沢山合うようになった。

 遭遇した人達は皆、こぞって私を攻撃して来た。

 幸運だと思うが、少しの怪我は負っても大怪我は負わないで逃げ切る事が出来た。

 それが数回。

 流石に私も気づいた。

 此処の人達はヤバい。

 人型なのに全く知らない言語で喋り、私を見つけた途端に襲ってくる。

 見た目は本当に人間だけど、話がまるで通じない。

 何でもいいから言葉が通じる人に会いたい。

 

 

R月E日

 何と無く状況が理解できたかもしれない。

 謎の光に巻き込まれて飛ばされた先は、どうやら戦争のど真ん中だったらしい。

 見るからに装備や家紋?みたいな模様が付いたものを持って戦う人達。

 それが1箇所どころか、周り全てがそうだった。

 そりゃあ動物も少なくて、人里から離れた場所だよ。

 逃げるのは当たり前だけど、これからどうしようか……。

 

 

K月U日

 食べ物が欲しい。

 飲み水は魔法で何とかなるけど、食べ物はどうにもならない。

 戦争のせいで動植物は少なく、数少ないそれらは兵士達に狩り尽くされてるみたい。

 さらに言えば、安全な地じゃないと理解した動物たちは殆ど逃げて行ってしまってるみたい。

 幸運にも空を飛んでいた小鳥を魔法で撃ち落とすのが、ほぼほぼ唯一の肉の狩り方だと思う。

 一発で魔法を当てられる命中なんて無いし、当たるまで撃つと先に魔力切れで動けなくなってしまう。

 つまり、木の実以外に食べられる物が殆ど無いということを理解してしまった。

 ……早急にこの危険な場所から逃げるべきだ。

 

 

S月Y日

 悲報:軍人に見つかって追いかけ回された。

 逃げ切ったかも分からない。

 物凄く暗くなったのでせめてもの抵抗として、土魔法で土を少しだけ盛って壁にする事で寝床を確保。

 しかし、相手は夜でも探してるかもしれないから、おちおち寝れるわけもない。

 少しだけ休んだら暗闇の間に場所を変えようと思う。

 

 

O月N日

 移動だけの日。

 

 

N月K日

 遂に捕まった。

 なんか、片方に見つかって追い回されてる最中にもう片方が接近。

 一網打尽にされて私もついでに捕まった。

 縄で手錠をつけられて、足にも鎖を巻かれてる。

 パパウロの誕生日プレゼントである剣は没収された。

 これからどうなるんだろう。

 

 

U月E日

 食べ物どころか、水すらない。

 と言うか性別とか関係無しに一か所で纏められてるから臭い。

 人によっては怪我でボロボロだし、治癒魔法を使わないまま放置なら死んでしまうかもしれないほど、酷い傷を負っている人もいる。

 あぁ、捕虜なんだからせめて生かしては欲しいなぁ…。

 

 

S月U日

 歩かされた。

 陣地に向かってるっぽい。

 考えてみたけど、戦争してるなら10歳ほ幼女がこんな場所にいるのが可笑しいと思わないのかな?

 剣か?剣を持っていたのがダメだったのか?

 

 

T月O日

 陣地に帰ったみたい。

 数名居た女性が少なくなった。

 ……。

 考えたくもない。

 

 

H月A日

 幼くて良かったかもしれない。

 うん、ただそれだけ。

 相変わらずお腹空いた。

 最後に満足に食べられたのが家でやった誕生日会か……。

 

 

 

 

I月G日

 数日経った。

 男の人も数人居なくなった。

 同性愛者でもいるのか、それとも女兵士がヤったのか。

 どうにかして逃げれないかな?

 

 

A月I日

 創作物によくある、戦争捕虜の待遇は悪くない、というのは嘘だ。

 現実は非道でやはりあれは創作だからこそなんだと改めて知った。

 この世界に転生してからずっとそうだった。

 凡人程度の才能しかなく、都合のいい助けは来ない。

 だとしたら、私がこの世界に来た意味は何だったのだろうか?

 前世だって満足に生きられたか分からないのに、この世界すら簡単に終わってしまえば……。

 

 

T月O日

 駄目だ。

 悪臭、生きて行くのに最低限以下の食事、変わり映えのしない部屋、居なくなる人。

 こんな場所に閉じ込められて可笑しくなりそう。

 実際に、壊れた人が戻って来る時がある。

 見たくないけど、嫌でも視界に入る。

 目を瞑っても悲鳴、喘ぎ声が聞こえてくる。

 あぁ…何でもいいから出たい。

 

 

K月A日

 今更ながら。

 ここは戦場の基地みたいな場所、だと思う。

 日夜人が攻めてきたり、ここの陣営の人が攻めたりしている。

 今日は酷かった。

 ここの基地から見て敵陣が攻め入ってきた。

 私がここに閉じ込められてから一番深刻な状況下だったと思う。

 一緒に掴まってる人達の仲間らしき者が開放してくれた。

 此処までは良い。

 先導してくれる人がいたけど、誕生日にパパウロから貰った剣を捨てて逃げる訳には行かない。

 一人で基地内を彷徨っていると私を捕えていた側の人間に見つかって元の場所に戻された。

 やはり、そう簡単に行かないものなのだ。

 

 

 

 

N月N日

 騒動から数日。

 腹いせなのか、数日水だけだった。

 限界になると腐りかけた物でも食べられるものなのか。

 

 

T月A日

 痛い。

 物凄く痛い。

 数日経った今更、牢屋から逃げた罰として折檻を受けた。

 子供だからか女の子だからか分からないけど、鞭で叩かれた程度で済んだのは幸いかもしれない。

 他の人を見ると、酷い人は殺されていた。

 足を切断されて逃げる意思を削がれた者も居た。

 そんな人たちを見せつけられていたら、四股が無事なだけマシだと思う。

 鞭で撃たれたくらい、何とでもない。

 

 

N月N日

 こんな時、ルーデウスが居たらと思う。

 あの天才が居たら魔法でも知識でも何でも使って簡単に逃げ出す作戦を思いついて実行してるだろう。

 双子なのに能力値全部持って行ったのはズルいよ……。

 

 

 

 

D月E日

 期間が終ったのか、それとも飽きたのか分からないけど、体罰の鞭打ちがなくなった。

 そうなると何も無い。

 忙しいのか、人手が足りないのか、両方なのかは知らないけど、最低限の守りを残して進軍したらしい。

 誰も居ない。

 一日中何も出来ない日が続いた。

 

 

 

S月I日

 ルーデウスなら、ルーデウスなら。

 ルーデウスならどのようにしてこの窮地を脱出するだろうか?

 最近はずっとそう考えている。

 お貴族様の館で数年ぶりに再会した時はあまりしゃべれなかった。

 それでも、短時間話しただけでもルーデウスは魔法でも、知能でも、そして剣術でも成長している事を知った。

 私なんて比べものにならない速度。

 ルーデウスなら……、この窮地をどうやって突破するだろうか?

 

 

T月A日

 ルーデウスなら、と考えているからか、そう言えば他の家族はどうなったのだろうか?と思い始めた。

 白いナニカはかなり遠距離から広範囲に渡って被害を及ぼしたと考えるべきだ。

 私だけがピンポイントで何処かに吹き飛ばされたとか考えにくい。

 ここに掴まる前に見た死体から分かるように、あの白いナニカが全部を吹き飛ばしたんだろう。

 家に居た家族も無事ではないはずだ。

 特にノルンとアイシャの事はとても心配になる。

 良くてパパウロが一緒なら良いが、この際大人の誰でも良いから一緒で居てくれと願うばかりだ。

 ……会いたい。

 そう願う気持ちで涙出てきた。

 




まだ序の口です。原作のターニングポイントは今回ですが、この物語のターニングポイントは次回になります。
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