儚い恋、私はあなたに絡みつく、硬い絆
私、エイミィ・リミエッタは現在──
「クロノ君から誘ってくれるなんて珍しいね」
「まぁ、たまにはね」
想い人とデートに来ている。
「突然〝今度ピクニックに行かないか〟なんて言われたのはびっくりしたけど、静かで綺麗な場所だし……うん、期待しながら来て良かったよ」
「あぁ、ここは恭也さんに教えて貰ったんだ。穴場で落ち着きける場所だからって、せっかくだからエイミィと一緒に来たかったんだ」
「ふ〜ん……ソレは言外に私が落ち着きのない女の子って言いたいのかなぁ?」
「確かにエイミィは騒々しい所もあるが、別にソレは君の美点だ。どうこう言うつもりはない、ただ本当にこうやって君と落ち着いて……二人っきりで過ごしたかったんだ」
「そっそうなんだ、へぇ……そっかー……そっか……」
最近、ちょっと……そう、ちょっとだけクロノ君の言葉に弱くなってる自分が居る。
いやさ、褒めてくれるのは嬉しいのよ? 本当に嬉しい。好きな人から真っ直ぐに褒められて嫌な人なんてどんだけひん曲がってる性格なんだよって感じじゃん? だから嬉しいのは本音で、否定はしないよ。
だけどさ──
「…………」
「ん? どうしたエイミィ、僕の顔に何か着いてるか?」
「いや! なんでもない!」
「? 変なエイミィ」
こんなにも舞い上がる性格だったかな私?!
クロノ君が言ってくれる言葉が本当に嬉しくて、嬉しすぎてしんどい。ガラじゃないのはわかってるけど付き合ってからかなり乙女思考だ、どうにかしないと……
「恭也さんが言うには春にはこの一帯の木が全部桜の花が咲いてそれは凄い景色になるらしい、時間が合えば何時かまた着て花見でもしたいな」
「そうだね、でも私は今でもお花見は出来るよ」
「む? もう殆どは葉桜になっているがどうやって?」
そう疑問を落とす彼に、私は正面から向かい合ってコップを手に取る。
「なんせ、君は私にとっての花だからね」
「僕がかい?」
「学生の頃からずーっと世話してやったんだから花って言ってもいいでしょ〜、それとも私に世話になってないとでも?」
そう揶揄ってやったらおかしかったのか少し笑った後に、私の横に再度陣どり頭を肩に預けてきた。
「確かに僕は君に助けて貰ってばっかだな、にしても僕が君の花か……それならさしずめ、君は僕の太陽かな」
「へ?」
「何時でも僕の道を照らし続けてきてくれた、温もりで僕を包んでくれた、僕の闇を払ってくれた……太陽と言うには十分だろう」
そう言いながら私の手を優しく握って来る彼に私は──
「ばか」
そう言って手を握り返すことしか出来なかった。