【完結】キアラの望みを叶えるために、全能の神が君臨するお話【挿絵有り】   作:ロウシ

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あとがきです。改訂版になっております
本作のネタバレと考察を多分に含んでいますので、その点ご注意を


あとがき(改訂版)

書き終わって、改めて。

世界中に花束をってエミヤだよなぁ。

とバックホーンのアルバムを聴きながら、たびたび空想に想いを馳せるのであった。

 

というわけで後書き(改訂版)です。

前回の後書きが色々見苦しかったので添削しました。前作の後書き同様に、キャラの考察やらなんやら含めて書いていきます。

 

 

■前提として

 作品を書くきっかけ自体はインタールードのCCCの未消化部分をクリアしていたこと+西出ケンゴロー先生のコミカライズを読んで、セラフィックスのキアラさんがあんまりにもあんまりな結末を迎えたことに対する、「救いがあって欲しい」という情からでした。

 

 前作【妖精國に落ちた〜】同様に全能者(それも超つよい)に登板いただいた理由も、ひとつは趣味ではありますが、獣と化したキアラさんを救うためにはこのぐらい強い方が説得力があると考えたからです。

 無論、それは俺TUEEに直結する要素なので、作中の扱いはものすごく気をつけています。

 気をつけているように見えるかはともかく……

 

 以下軽い考察など

 

■セラフィックスについて

 箱庭の環境に押し込められ、秩序が崩壊した世界。つまり一種のソリッド・シチュエーションですね。

 作品を書く上で一番連想していたモデルケースとしては、作中で書いたようにゴールディングの「蝿の王」です。

 

 舞台とする上で気をつけていたのは季節感の変化。つまり、時間の経過に着目しました。

 というのも、二〇一四年からのセラフィックス書いていく上で困ったのが、舞台としてキャラクターを動かす範囲が狭いため、背景としてワンパターンになりがちなところでした。

 キャラクターにせよ、原作ゲームだとキアラさん以外は実質舞台装置のモブキャラなので思い切り二次創作としてキャラ付けをさせていただきましたが、西出ケンゴロー先生の漫画版がなければ、おそらくまず、ここが書けなかったと思います。

 

 西出ケンゴロー先生の漫画版

 『深海電脳楽土 SE.RA.PH』は8/28現在第六巻まで発売中です。

 ゲーム本編とは随所でかなり変わっていますが、めちゃくちゃ面白いので是非。

 

 

■殺生院キアラについて

 「彼女を救いたい」、それも、納得のいくカタチで。その作品のベースはやり切ったと思います。

 

 最も注目して、作中で気をつけていたのは、彼女は決して「普通にはなれないのだろう」という点です。

 彼女は判明してる未来として、エクストラ(CCC)時空、FGO時空、月姫R時空とあり、またエクストラ自身が主人公の選択で若干のルート分岐するため結構いろんなキアラさんがいるのですが、困ったことにどれもこれも社会の普遍性とは相慣れない生き方をしています。

 奈須きのこ氏のブログによれば、おそらく全てのキアラさんが十四歳までは共通する状態であり、そこから謎の医者の関与の有無でルート分岐するみたいです。

 FGO時空では、言わずもがな医者に救われたルートですね。

 絵本にハマっていることと、老け顔扱いに憤るのも共通のようです。

 キアラさんの、無辜の人々を無償で救おうとするサガは、プラスに働いた場合は生来のものと言っていいだろうから、相応のリスクは背負ってきているはずだと思い、この作品では過去の時間であり得そうな不幸の一面を抽出して、前面に出してみました。

 

 他に注目したのは月姫R時空にいる埋葬機関のキアラさんで、このキアラさんは一度魔天(つまり全能)に至ったものの、自ら下界に戻って埋葬機関に籍を置いています。

 設定と解釈を交えるなら、並行世界の自分の有り様は全能のキアラさんには醜く映り、全能者の領域では自身の獲得した全能は、ただ虚しかったわけになる。

 つまり、このキアラさんの性格は元々、魔性菩薩のそれよりかなりまともよりだったと思いました。

 ふうん、こんなキアラさんもいたのかあと。

 そこで、元々エクストラというかCCCは舞台設定が──おそらくはわざとでしょうか──意外と大雑把な部分があるので、あの世界のキアラさんがことさら変な感じだったのでは? と思ったわけです。

 つまり、逆説的(?)に、幼児性の内面とアダルティな外面に極端に振れているのではなく、その中間の性質を持つことも可能なのではと思いました。

 その結果が、当作品のセラフィックスでのキアラさんの言動です。

 

 書いていて可愛いんですよ。

 本当に懐の深いキャラクターだと思いました。

 ただ、水着キアラさんは腕がいくらなんでも細すぎるので、もっとちゃんと食べてほしいです。

 そういえば、なんでかずっと、結構大食いなイメージあるんですよね。

 いや、下の意味ではなく。

 

■アルミロについて

 影の主役になりました。

 この人、めちゃくちゃ聖人じゃないですか。

 キアラと身体は重ねていた(奈須きのこ氏曰く、『始末屋』以外はキアラとは全員肉体関係があった)にせよ、あの状況でキアラを本当に大切に想っていたっぽいし、なにより天体室の起動を最後の最後に躊躇って、結局できなかったんですから。

 漫画版だと一層酷い目に遭わされてて、西出先生の画力も相まってすごい形相で「アイツらに思い知らせてやる!!」とか言ってるのに、起動してないの…? すご……! ってなります。

 

 だから、今作ではセラフィックスサイドで一番スポットを当てることにしました。

 作中で書いた通り、超常と普通の狭間に立つ、超重要人物です。

 よくよく考えて『ヒデヤスから信頼を得ていてセラフィックスの内情も知っていて三魔術学者とも顔見知りな仕事上は一応一般人サイド』とか何言ってんだお前? な人で、割と謎が多いですよね。

 

 エンディングの転生世界でも、彼と、実はトラパインさんに関しては記憶を引き継いでいます。

 大役を任せてしまいましたが、きっと彼なら、キアラさんが幸せな道を歩む支えになってくれると思っています。

 

■エミヤ[オルタ]について

 カルデアサイドの主役です。

 いや、書いていてすごい好きになっちゃったんですよ。

 元々僕が、アメコミを始めヒーローの創作物に異様な執着のあるオタクなもので、エミヤ族のことをいやらしい目で見ていたのはあるんですが、書いてみたらもう面白くて面白くて。

 

 エミヤ、特にオルタに関してはいろんな方がいろんな考察をされていますが、今作においてはスタンダードな感じに書けていると思います。

 原作の情報として出ている、「化け物じみた存在を殺し慣れている」「別世界のキアラのせいで狂った」「無辜の民の犠牲を出したことを、心から悔やみ、それが侮辱されることに怒れる」点に関しては充分書けたかな、と。

 

 厳密には彼ではないでしょうがらエンディング後の世界での『エミヤ』はきっと、生涯のサイドキックを見つけて、正義の道を、彼なりに進んでくれると願います。

 

■ベックマンについて

 正直申し訳ないです。

 もっと(良くも悪くも)活躍を書き、それなりにちゃんとした決着があったはずが、メンタルの問題で書けなかった点があります。

 本当に申し訳ないです。

 原作の彼の役割を考えると、徹底して舞台装置にしてヘイトタンクなので、扱いに気をつけなければ作品ごとぶっとびかねない意味で、実はキアラさん以上の爆弾でした。

 

 擁護できそうなポイントを全部自分で潰していくんだから参ります。

 漫画版だと例によって例の如く恐ろしい顔してますのでそこも注目点しています。

 

 ただ、彼はそれこそ良くも悪くも普通の人間。型月的な意味の普通ではなく、ごくごく普通の人だったと思わなくもないです。

 閉所環境でバランスが崩れてしまい、秩序の側に立って総括し始めるのは、それこそゴールディングの『蝿の王』のジャックそのままだなあと。

 

■ゴウについて

 オリキャラについて考察も何もないだろう、と思うので、補足です。

 作中書く必要がなく、スペースもなかったのでここに。

 

 結論から言うと、ゴウという人間は、作中で全く新しく生まれてしまった人間です。

 

 どういうことかというと。 

 まず『ゴウ』という存在がキアラたちに齎したセラフィックスの日々は、『ゴウという神と混ざった人間』にとっては真実です。

 人間状態の彼は、本当に(セラフィックスの)キアラのことを好きになっていました。

 憑依している神は、セラフィックスの中では常に、身体も能力も彼に主導権を渡している状態で、つまりアルミロやトラパイン、三人の魔術学者たちの前に現れた時も、『神』の側面が少し強く出てはいましたが、主体性を持って接触しに行ったのは、人間の彼でした。

 神の時と人間時のどちらが強く出ているかは、一人称や口調の違い、纏う空気の違いとして描写しています。

 

 その後、SE.RA.PHにおいて、主体を『神』に託し(つまりこの時点で『神と混ざり合った、人間としてのゴウの大元(死体)』はあの世界から完全に消滅した)、その折りに『神』にセラフィックスの世界を滅ぼすか救うか否かを尋ねられ、彼は滅ぼすでもなかったことでも救うでもなく、「()()()()愛しているので救いたい」と答えました。

 

 なので、深層世界でキアラの手を取ったゴウは、肉体、能力的には『全能の神』とヒトが混ざり合って、神のその一部を受け取った新人類となっています。

 これは、キアラさんが転生後の世界で『獣』や魔性菩薩以外の人類を脅かす存在になったときに、それを止めるためのストッパーとするためで、『神』が抑止に対する説得の決め手となったものでした。

  

 バレたら間違いなく時計塔やらに狙われるでしょうけど、それはまた別のお話…ということで。

 

 

 

■次作について

 ネタはあるし練ってはいます。

 一応現在(9/1)では、

 『マイティ・ソーが北欧異聞帯にいく話』

 というクロスオーバーの、全七話ぐらいの短編を書いています。

 ハーメルンには既に同様のキャラのクロスオーバー作品はありますが、おそらくだいぶ違った内容になるかと。

 

 

 それでは、お付き合いくださりありがとうございました。

 

 




お付き合いありがとうございました!!
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