幼馴染はどうやら転生しても続くらしい   作:ぶり大根(元・孤高の牛)

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モブせかの共和国編って、三章書いてた時も言ったと思うんですが本当にWeb版と書籍版で全くの別モノなんですよね
Web版じゃ出てこないキャラも複数いるし、末路が違うキャラもいるし、何なら出自の違うキャラまでいますからね
どちらも知ってる方はそういう差異も踏まえた上で楽しんでもらえればなと思います


第八十六話『学院登校初日!』

「……事前に聞いてはいたけど本当にお前らの世話係ピエールなの?2人の話だとピエールが改心する可能性は無いって事だったが」

 

「だから意味分かんないんだって、しかも知ってる性格とはまるで真逆。誠実で実直、野心も無ければ平民からの評価も上々……キツネにでも化かされた気分だ」

 

「アタシかアルのどっちかに取り入る為の作戦とも考えたけど、それっぽいのも無かったし」

 

 学院登校初日の朝、俺ら転生者組3人はこっそり集まって話し込んでいた。お互いの情報交換だ。

 リオンの方を聞く前に俺の情報を出しているがこれは一応事前に通達していたものだった。細かい話をするには時間が無かったからピエールの実態をリオンに言うのは初めてだ。

 にわかには信じ難い事だが俺達が嘘を言う訳がないと知っている為に引き攣った顔になっていた、まあ噛ませ悪役が綺麗になってたら誰でもビビるだろうよ。俺もこえーよ。

 

「はぁ……これは先が思いやられるな。俺の方は……っと、ルクシオン。どうだった?」

 

『簡潔に結論から言うと特定には至りませんでした』

 

「こっちもこっちでイレギュラーかよ……」

 

「なんかもう、うん、ドンマイ」

 

「さすがにアタシも頭を抱えるわそんな事言われたら」

 

『そもそも昨日まで春休み期間です。学院内での人間関係を調査するには、時期が悪いですからね。それに問題も発生しました』

 

「イレギュラーに加えて問題も!?」

 

 まあ、俺にとってこれはイレギュラーではないがな。

 何せ『アルトリーベ』にはいなくて『モブせか』にはいる超絶ややこしい存在がいるからな、コイツが共和国編の実質的な黒幕……自覚は無いだろうが、と元凶というあまりにも終わり切った奴なのだから救いが無い。正直言ってモブせかキャラの中でもトップクラスで嫌いなキャラの1人と言っても過言では無い。

 

『2人の情報から、主人公のベルトレという苗字の生徒を探しました。十名近く該当者がおり、そこから確認作業をしたところ特徴に合致する生徒は情報にはない双子でした。なのでどちらが主人公なのか現在特定には至っていません。その為、マスター、マリエ、アル様に確認していただく必要があります』

 

「勘弁してくれ、本当に……」

 

 リオンの嘆きに俺はもう一度『ドンマイ』という他なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「では皆様お揃いのようですので教室へ向かいます。それと校内は聖女様と親衛隊の皆様は引き続きフェーベル家次男、ピエールが案内を致します。リオン様やユリウス殿下の案内はこの者達が行います」

 

「引き続きよろしくお願いしますね」

 

「ジャンです、分からない事があったら是非聞いてください」

 

「よろしくね」

 

 とりあえず1つ言いたい、やっぱりこうなるのかと。

 俺視点ピエールだけでも胃が痛いのにリオンとマリーから見たらジャンは問題ないとしてもう1人がノエルなのが圧倒的に頭痛の種だ。しかも原作とは違ってマリーがこっちに来るせいで色々とややこしい事になりかねない。頼むから平和に終わってほしい。

 

 そう言えば原作では死ぬほどグダっていたユリウス達の支度だが、一応コイツらも成長しているのか何とかして自分で着替えや支度をしていたらしい。まあ慣れてなかったせいでクリス以外はとても見れたものじゃなかったみたいだが……その辺は努力を買ったのと見かねたリオンが直していたとか。

 今後リオンとルーデによる鬼講習が待っていると聞かされたが俺には骨を拾うことしか出来ないだろう。

 

 一方クリスだけはギリギリものになっていたとも聞いた、こっちはその状態で来たのでステファニーがちょっとだけ直していた。後でマルも交えて3人で講習があるとか言ってたっけか。クリスは俺を意識していたのか他の4人より成長速度が早いみたいで感心感心。骨を拾う事は無さそうだな、まあ頑張れお前みたいな性根が真面目なヤツならすぐ出来るようになるから。

 

 ……ふぅ、さて現実逃避の時間は終わりだな。

 

「うん、じゃあピエールはまたよろしく頼む」

 

 ああ、気が重い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 始業式を終え各人クラスへと向かう。原作と比べて10と人くらい多い留学生の配置は3人ずつ6クラスに分割された。ある程度上級貴族子息には護衛が必要なのでユリウス達5人組とルーデのクラスにはそれぞれ1人マリー親衛隊の騎士が着いている。

 着かなかったマルとセミエンのクラスには14歳と正確には留学生待遇ではないラウダが一緒にいる。クラスには在籍していないものになるが、年齢だけで除け者にするのはさすがにまずいという共和国学院教師陣の談合の結果実質的に留学生待遇として扱うこととなったらしい。

 

「しかしまさか隣の席がピエールになるとはな」

 

「俺としてはアルフォンソさんの隣の席になれて光栄ですよ」

 

「そうか?」

 

 あと、隣の席はピエールになった。前の席がマリー、少し離れた席にリオン、その前の席にノエルという配置だ。そもそもコイツ原作で同じクラスだった記憶が無いんだがとか考えてしまったがもう深い事は考えないようにする、そうじゃないと心の中のツッコミが追いつかなくなる。

 

「ええ……本当に、なれて良かった」

 

「そんな噛み締める事かよ。ま、そう思ってくれるなら吝かでも無いけど、だったらフランクに接してくれても良いんだぞ?友達になってくれよ」

 

「……良い、のでしょうか。俺なんかが」

 

「なんかとか言うなよ、平民からも良い話を良く聞くしその努力はピエールのものだ。それに共和国で最初に話した同年代だしさ、仲良くやっていきたいんだよ」

 

 深く考えないと割り切ってとりあえずは仲良くしてみようと思う、警戒はするがそれはそれとして今言った『最初に話した同年代』というのも事実。あと何なら同じ男同士でもある、共和国で最初から仲良く出来そうなネームド男子なんてジャンくらいだろうと思ってたから本当に改心か改変を受けて素がこれならここで仲良くなっておくメリットが大き過ぎる。

 

「……分かった、それじゃあよろしく頼むぜ、アル」

 

「こっちこそ、よろしく」

 

 しかし……なんというか不思議だ、ピエールに愛称を初めて言われたのになんでこうしっくり来るのだろうか。まるである程度長い間一緒にいたような気が……それだけ相性が良いって考えると凄いな、人生分からん事だらけだ。

 

 マリーは警戒してるのかあまり接触したがらないが、それがまた男同士の空間になってて寧ろ悪くない。

 

「お、ピエールと仲良くなったんだ〜」

 

 但し今はノエルがこっちにも興味を示しているのかリオンと話した後俺の方にも来ている。というかこの子もこの子でコイツに悪い感情抱いて無さそうだな。

 

「ノエルさんか。ああ、まあな。今んとこ共和国でしっかり話した事ある同年代の男子はピエールくらいだからな、それに人当たりも良いし」

 

「あ、やっぱそう思う?六大貴族の子息でここまで話しやすい雰囲気なのも珍しいよね」

 

「身分の差で見方を変えてしまってはいけない、ととある人に教えてもらったからな。俺はその人の事を心の底から尊敬しているんだ」

 

「なるほどなあ、それってフェーベル家の誰かに教えてもらったとか?」

 

「はは……そうだったらもしかしたら良かったのかも知れないんだけどな」

 

「あーその、スマン」

 

「良いよ、今更気にはしてない。慣れてるから」

 

 ふむ、少し探りを入れてみたがこの感じだとピエールが改心した理由は家族には無いみたいだな。フェーベル家が良い家族であったならコイツが良い奴になってる理由にもなるが……そうなると今度はあの悪名高いフェーベル家に何があったんだと言う連鎖事故になるからある意味違って良かった。うんほんと、そこまで行くと共和国の歴史を一から調べ直さないといけなかったし。

 

 しかしそれにしても、大ヒントは手に入れられたな。

『尊敬している人』、キーはここに眠っているんだ、間違いなく。転生者かそうでないかは分からないが、流れが変わったのはここだ。それが聞けただけで収穫としよう。

 

 さて、次に聞くのはノエルの事だが……

 

「そう言えばノエル……さんには姉妹とかいるの?」

 

「あたしの事もピエールみたいに呼び捨てにしてもらって良いわよ、アルフォンソくん。あと姉妹なら双子の妹がいるわ、あたしと違って気立てが良くてお淑やかで要領も良いのよ。でもあの子には恋人がいるから、ナンパは禁止よ」

 

「双子の妹か、まあ狙いはしないさ。俺には可愛い可愛い婚約者がいるからな。な!マリー!」

 

「ちょ、みんなの前で堂々と言うのは恥ずかしいじゃない……」

 

「良いじゃん、俺の自慢の婚約者なんだから自慢したいんだよ」

 

「もう、ほんとアタシのことになるとすぐこれなんだから」

 

「お〜やっぱりアルフォンソくんって婚約者いたんだ……それもこの人だとはねぇ……ふふ、後でお話聞かせてもらっても良いかしら?」

 

「おっと2人で会うのはマリーに悪いからな、みんなで集まってる時に俺に聞くとかマリーから聞くなら良いぞ」

 

「じゃあそうさせてもらうわね!」

 

「ええ!?アタシに!?」

 

 妹の方は原作と変わりなく恋人あり、恐らくエミールだろう。

 仲の方は期待しないでおく、あの性格が簡単に変わるとはとてもじゃないが思えない。

 

「てかノエルに恋人は?結構な美人だと客観的に考えて思うし、いてもおかしくないと思うが」

 

「あたし?あたしはリオンくんの方にも言ったけどガサツだからね〜、それに面倒な奴にも絡まれてるから男連中は近付いて来ません。彼氏募集中なんだけどなあ。あ、面倒な奴っていうのはリオンくんにも言ったけどラウルト家のお姫様よ。なんでいつも絡んでくるのかしら……」

 

 だが重要な情報はゲット出来た、この『ラウルト家のお姫様』というワードだ。これはWeb版では出てこないキャラである『ルイーゼ・サラ・ラウルト』の事だ、つまりこの時空はリオンがガチギレして共和国を滅ぼそうとするWeb版ではなく共和国を守ろうとする上に学院での描写が大幅増加されてある程度学生らしい明るい雰囲気がある書籍版だ。

 

「ノエルも大変だな……っと、俺の事も気軽にアルと呼んでくれて良いよ」

 

「そう?ありがと、アル」

 

 という事はセルジュは転生者ではない方か、書籍版のセルジュは可哀想な奴だから何とかして助けられたら良いんだが……Web版?あっちは救いが無いから無理だ。転生前30過ぎの社会人でまるで中学生レベルの知能しか持ってないようなムーブをしてる奴をどうやって救えば良いんだよ。

 いやほんと、転生者じゃなくて助かった。

 

 色々情報をゲットして友人も出来て、まあ悪くない出だしかな。

 

 ……マジでピエールこのまま本当に改心しててくれないかな。

【調査その3】独自解釈で話を進めていく展開が将来的にあるけど大丈夫そう?

  • 大丈夫だ、問題無い
  • 無理
  • アルマリでイチャイチャしろ
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