タンクトッパーイズク   作:規律式足

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久しぶりで書き方が。
とりあえず繋ぎ回です。


第113話

 

 ガチで雄英高校は僕を殺しにきてんじゃないかなって授業を受けたが、流石にやり過ぎなため校長は教師陣から罰を与えられることになったそうだ。

 まあ完全粉砕されたバスターバロンにかかった費用だけでも十分な気がするのだが、それても許せないことらしい。確かにセカンドの個性に目覚めていなければ死んでいたわけなのではあるが。

 今回発目さんの創り出したバスターバロンは本人の言うように新しいヒーローの形に成りそうな存在だが、それは見送られることになった。

 理由としては費用の問題、ヒーローが人気職業な理由の一つに身一つで始められる開業費用の安さがある。許可についてはヒーロー養成機関を卒業すればなんとかなるし、事務所は自宅アパートでも良い、コスチュームも規定がないためホームセンターで自作する人もいる(なおタンクトッパーはタンクトップ)。だがバスターバロンとなると流石に個人所有は無理だろう。それこそ国が施設を用意して運営しないと無理なレベルだ。

 もう一つはあるヴィランの存在。

 ロボット軍団を使役するメタルナイトと呼ばれるヴィラン。どうやら科学者であるそのヴィランにバスターバロンが奪取、操作されないという確証が政府は持てなかったのだ。ロボットの警備が一部を除いて一般化されない最大の理由がメタルナイトにあるのだから仕方ないことだろう。

 来たるべき大戦、その切り札に成り得る力はこうしてお蔵入りとなったのだ。

 

 そんな中過ごす日常で、泥花市において大規模なヴィランの事件が発生した。

 犠牲者多数で都市壊滅、被害規模は死傷者のでなかった神野とは比べ物にならないほどのものだったとのことだ。

 しかし妙だな、オールマイト現役時にも滅多になかった大事件にしては報道が少ない。それに事件の規模の割にヒーロー側にあまりにも情報が流れてこない。各地に派遣されるタンクトッパーはそれなりに顔が広いし、個人レベルの付き合いまで含めたら意図的に避けてるヒーロー以外は網羅していると言っていい。なのに誰も泥花市については関わりがない。

 疑わしいが、この規模の事件を改変できる組織なんているのだろうか。

 さらにヴィラン連合を警戒している公安が果たしてそんな予兆を見逃すか疑問に思うところだ。いかに当代最悪のヴィランであるホームレス帝に覚醒フェニックス男の足取りが掴めていないという大問題が発生しているとは言えあまりにもおかしい。

 マスターに相談すべきか、しかしタンクトップ事務所は依頼専門で独自調査は余計な疑念を持たれるからできないんだよね。

 受け身体質、これもヒーロー側の欠点だ。

 そしてヴィランにつけこまれる隙でもある。

 

 学生生活に専念しろ、そうマスターは言うが何かをしなければと焦ってしまう。

 いや分不相応なこの思考こそが力を得てから持ってしまった己の驕りなのだろう。

 やるべき立場の人がやることに力があるからと首をつっこむべきではないのだから。

 

 そんなこんなでいざ授業。

 特別講師として招かれた現役美麗注目株であると自称するマウントレディによるメディア演習。

 ショービズ色濃くなっていたヒーローに真の意味が求められている、と本人は言うがショービズの代名詞みたいな彼女に言われても。まあ女性ヒーローには特にこういった側面が強い業界だけど。

 しかしヒーローインタビューの練習か。

 タンクトッパーには無関係なんだけどソレ。

 というか世間に混乱を起こすからと公安に禁止されている業務の一つだ。

 そのことから僕とタンクトッパー志望の轟君は不参加確定だ。今までの事件から露出こそしてるが発言と報告は公安職員を介してのものだし。

 ヒーローとしてのスタンスが決まっている僕は割とこういった合わない授業がある。

 もっとも最近の情勢しだいではそうはいってられないかもしれないが。それでも無個性ヒーロー、そしてタンクトッパーはメディアに取り上げてよい存在ではないのだから。

 タンクトップ事務所に入るからと難色を示す轟君が強引に参加させられ、そのイケメンフェイスと天然ぶりに盛り上がる。必殺技のお披露目もおこない、インタビューにはあらゆる意味があるのだと理解する。

 クラスの皆が意外とちゃんとできている様子に僕は感心していた。

 何よりも笑顔、それがヒーローに必要なのだと伝わってくる感じだった。

 そして僕の番、必要ないけど授業だからやる。

 そう、ならば語ることは一つ、

 

「タ「お疲れさまでしたっ!!」」

 

 途中で遮るくらいならやらせるなよマウントレディ、さてはこないだの非公式人気投票でタンクトップガールに大差で負けた腹いせだな?

 

「こういった風に妨害される場合もあるから覚えておくようにね」

 

 メディアと揉めるとこんなことも意図的にされるらしい、真っ黒かヒーロー業界。アングラ系ヒーローが支持される理由だったりする。

 

 日常は過ぎる、嵐の前触れのように穏やかに。

 悪意という名のバベルの塔が積み上がる中で、果たしてヒーローは打ち砕ける雷となれるのだろうか。

 

 

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