『今日、あたしは、はじめて空中給油を受ける』

 擬人化された飛行機が空中給油の訓練をするだけの話です。


 ジャンルを『日常』にした理由は、『日常の中の少し特別な日』だからです。
 少しだけ『青春もの』や『スポ根』の要素が混ざっているかも。
 『バトル』は匂わせるだけで、戦闘シーンはありません。

 

1 / 1
 
 まえがき

 ヒコーキを擬人化したおはなしです。
 擬人化のタイプは、下記のどれでとらえても構いません。

[A] 人がモノに感情移入して、人に見立てている状態。モノ自体に心や魂は無い。
[B] リアルなモノ(見た目は変わらない)に魂や人の心が宿っている感じの擬人化。
[C] 比較的リアルなモノに顔や表情が付いている擬人化。
[D] デフォルメされたモノに顔や表情や動きが付いている擬人化。
[E] [D]と[F]の中間。乗り物ならロボット風。
[F] 見た目がほぼ人間で、元のモノをイメージしたコスチュームを着ている。
  『人間に見えるだけで、実体(内面)は元のまま』
[G] 場面やカットによって[A]~[F]の間で変化する。
[H] (番外)高度なAIによる自動化。

 ↑ [A]~[H]は、あとがきでもう少し詳しく書きます。


 空中給油の様子が分かりにくい場合は、本文にある挿絵画像をご覧ください。
 閲覧設定で『挿絵表示』を『有り』にするか、画像を別ウィンドウで開くと良いと思います。
 写真は筆者が撮影したものです。加工しています。

 マウスオーバーで脚注が出ますが、ウィンドウの幅によっては右にはみ出して切れます。
 ウィンドウをディスプレイの幅いっぱいに広げるか、文の幅ギリギリまで狭めるかすれば、全部見えるはずです。
 


お空でごはん

 

 いっぱい飛んで、おなかすいた……。

 

 

 上は青空、下はまばらな雲。その隙間からは濃い青の海が見える。

 

 中型旅客機ベースの空中給油機(タンカー)のKCさんと、あたしと同じ戦闘機の先輩が、細長い棒でつながっていた。フライングブーム方式の空中給油だ。 *1

 あたしはちょっと緊張しながら、なかよく給油しているふたりを眺めていた。

 

 

 今日、あたしは、はじめて空中給油を受ける。

 

 

 先輩が、KCさんから下後方へ離れ、右に舵を切った。

 最適解のロール角。スムーズでキレのある動き。かっこいいなぁ……。

 

 見とれている場合じゃない! あたしの番だよ!

 

 あたしの残りの燃料は、近くの基地にたどり着ける程度。つまり、逃げ帰ることはできない。この前みたいな仮病……じゃなくて “軽微な不具合による訓練中止” の可能性は消えた。

 

 先輩からの無線。

先輩  「訓練通りやればできる! 緊張しすぎて頭ぶつけるなよ!」

 

あたし 「あ、はいっ!!」

 あたし、模擬給油の訓練では失敗ばかりだった。怖がって近づけなかったり、一気に距離を詰めて怒られたり……

 ……でも、この前の訓練は上手くできたんだ! いけるよ! がんばれあたし!

 

 体の電子機器をチェック。KCさんの飛行を妨げる電波を出していないか確認。

 燃料タンクの圧力バルブを調整。

 KCさんの6時方向下側へ向かう。後方乱気流に気をつけて……。*2

 *3

 

 くぱーっと、背中の受油口(リセプタクル)のカバーを開けた。 *4 クジラみたいな背中の受油口。整備の時しか見せたことがない、自分からも見えない所にある、秘密の穴が丸見えになってしまう。KCさんのおなかには、後ろを見る『目』があるから、思いっきり見られちゃうんだ……。 *5

 受油口にひゅーひゅー風が当たる。恥ずかしいし、寒いし、カバーの隙間に風が入って、ちょっと痛い……。

 

 KCさんのおなかにある黄色いセンターラインと、あたしの体の中心線をぴったり合わせて、ゆっくりと距離を詰めていく。正面斜め上に、細長い棒、『空中給油ブーム』が近づいてくる。 それは、KCさんの後部胴体から、こちらにたれ下がるようにのびている。

 

 ブームの先っぽから、おいしそうな灯油(ケロシン)のにおいがする。ピトー管でにおいを感じるんだ。*6 先輩には、『はらぺこすぎる!』って笑われそうだけどね。

 ……あれ? ちょっと違うにおいがしたような……気のせいかな?

 

 KCさんのおなかの前側にある、給油位置の指示ライトを見つつ、声で指示を受けて、高度と前後の位置を合わせる。

KC  「……上昇、前へ、前へ、前へ……」

 KCさんとの距離を、さらに詰めていく。

 

 大きな飛行機のおしりって、すぐ近くで下から見るとえっちだよね。 *7 あと、このブームも、マックスまで伸びると立派というか……なに考えてるのあたし!

 

 ブームの先っぽが、あたしの頭上を越えた。

 

 行き過ぎないように、ほんの少しエンジンパワーを落とし、ごくごくわずかに機首を上げ……同時に、右へ、左へ、微調整してセンターを合わせ続ける。風が同じでも、体の大きなKCさんとあたしでは流され方が違う。向こうが動いてから反応しても遅い。体中のセンサーと動翼で風を感じて、未来を読んで、姿勢をコントロールするんだ。

 

KC  「よし……いい位置だ」

 

 突然横風が吹いて、あたしは左右にふらついた。この程度の乱れは想定内だけど、きつい……。

 どっしりまっすぐ飛ぶKCさんに対し、あたしは ひらひら不安定。これは飛行特性の違いだけじゃない。経験した数が違うからだ。

 

KC  「暴れるな。風はおさまった」

 ブームが上下左右に揺れて、迷っていた。

 

あたし 「わかってる、けど……」

 正直怖い。勢いよく奥まで入ると、すっごく痛いって聞いた。

 

KC  「大丈夫。あせらなくていい」

 もう少しで、ブームの先っぽが穴に入るはず。

 ヒューン、ヒューンと不安定になっている心臓(エンジン)をなだめて落ち着かせた。 *8

 

KC  「やさしくするから、翼の力を抜け」

 

 スーっと エルロン の力を抜いた。自然と体が安定する。

 

KC  「いい子だ」

 ブームがまっすぐに安定して、あたしの背中に狙いを定めたのが分かった。

 

あたし 「あたし……はじめてが、あなたでよか……」

 

 ガコン! っと衝撃。

あたし 「あぅっ!!」

 

 入るとすぐ、先っぽが抜けないように自動で固定される。

 一瞬体がふらついた。必死で、でも慎重にコントロールする。

 

 ……KCさんと繋がっちゃった……すんなりまっすぐ入って、痛くなかったな……。もしかしてあたし騙されてた? そうじゃなくて、KCさんが、すごくやさしくて上手だったんだよね。

 でもまだ油断できない。繋がっている時の方があぶないんだ。KCさんと呼吸を合わせ、同じように飛ぶ。

 

 ブームからあたしの中へ燃料が入ってくる。ストローで吸うみたいにごくごく飲む……というより、びゅーびゅーと流し込まれる。枝分かれした配管を燃料が流れていく。空腹の体にしみわたる。あぁー……しあわせー……。

 あれ? 燃料がサラサラ流れてる。それに、いいにおいで心臓(エンジン)がうずく……期待感? なんだろこれ? 燃料になんか混ぜたのかな?

 

KC  「ほら、ボーっとするな!」

 

 ふたりの位置がズレて、受油口ぐりぐりってなると気持ちいぃ……じゃなくて痛い。結合部に変な力がかかれば抜けるけど、それは、ふたりともすっごく痛いだろうな……。

 

 翼の中まで燃料で満たされる。おなかに吊り下げているタンクにもたっぷりと燃料を入れる。燃料の重さで高度が落ちないように、機首を上げていく。エンジンパワーも自然と上がる。

 初めての感覚だ。高く飛んでいるのに、フル装備で離陸する時みたいに体が重い。これじゃ機敏に動けない。さっきの先輩の動きがいかにすごいかわかる。

 

 燃料計が予定量に達した。

 

あたし 「とめてとめて! 出しすぎです!! あぁっ! あふれちゃうぅー!!」

 

KC  「ぷふっ」

 やった! KCさんがちょっと笑った!

 

先輩  「エロかわいい……」

 あたしは何も聞かなかった。

 

 ノリで言ってみたけど、燃料があふれるわけがない。安全対策ばっちりだからね。

 でも、ブームが抜ける時、プシュッ! ってクジラみたいに燃料吹いちゃったら嫌だなー。 *9

 

KC  「離すぞ」

 ブームと受油口の固定を解除すると、ガクンとブームが外れた。

 

あたし 「ぁうっ!」

 スルッ! って棒が抜けるの気持ちいい。

 ちょっと上下にふらついてしまった。これは気流ではなく重みのせいだ。

 

あたし 「あの……燃料、もれませんでした?」

 

KC  「………………」

 

KC  「……大丈夫だ」

 

 今の間はなに!?

 

 

 燃料タンク、機内・機外共、圧力に問題なし。

 KCさんが『大丈夫』って言ってるんだから大丈夫だよね。受油口のカバーを閉じた。

 

 降下して、KCさんから離れていく。

 

 

 …………やった……ちゃんと給油できたよ……あたし…………

 

 

あたし 「はうっ!?」

 燃焼室くすぐられた!

 

 地上で入れた燃料がなくなって、今入れた燃料が心臓(エンジン)に入ったんだ!

 なにこれ……タービンがキュンキュンする……燃料が違う?

 

 エンジンがよろこんでる……懐かしい味で、気持ちよく回る……。

 

 ……もしかして……これ……

 

あたし 「JP‐4 !?」

 

 灯油(ケロシン)とガソリンのブレンドだ! あたしがはじめて飛んだ時は、このワイドカット系燃料だった。今は、ケロシン系のJP‐8ばっかり飲んでるけど……。 *10

 

KC  「そんな燃料は知らん」

あたし 「知らないわけないですよね? いっぱい中に出しておいて」

 

 これ、どうやって手に入れたの? 準備とか、ものすごく大変だったんじゃ……。

 

先輩  「ふふふっ」

 先輩が無線ごしに笑った。

先輩  「ちょっとしたお祝いだよ!」 *11

 

あたし 「『ちょっとした』じゃないですよ先輩!」

 こんなことしたら謹慎処分ものだよ……。

 

先輩  「 はじめての空中給油、成功おめでとう 」

 

あたし 「……あ……ありが…ぅ……」

 泣いちゃだめだよあたし……。

 

先輩  「ワイドカットが好きなんて、渋い趣味だよなー」

KC  「最初の燃料の味は、忘れんからな」

 全部知ってたんだ。ふたりとも。

 

あたし 「……ま…まぜまぜした方が深みが出るんですっ!」

 

 あたしは、何かをごまかすように旋回して、KCさんから離れ、先輩の斜め後ろについた。

 

 

 

先輩  「訓練はこれからだよ!」

 

あたし 「はい!」

 

 そう。空中給油は、次のミッションの始まり。

 

 先輩と間隔を開いた編隊を組んで飛ぶ。

 

 

 

 レーダーに反応があった。2時の方向……東北東に2機。

 

先輩  「来た。あの子ら せっかちだよなあ……」

 

 あの子たち、なんであんな無防備な……。先輩があきれてるよ。

 

先輩  「ステルス機が堂々とレーダーに映ってどうする……」

 あきれるというより引いてるね……。

 

 敵機は、シャイでかわいい後輩たち。でも、模擬戦では凶暴な猛禽になるんだ。

 

先輩  「消えた!」

 

 2つの機影がレーダーから消えた。旋回したか、高度を下げたか、あるいは……。

あたし 「先輩、あの子たちの 電波 反射板 (レーダーリフレクター)って、しまえるんですか?」

先輩  「知らないよ。あのふたり、機密だらけでしゃべらないから」

 ……もしかして、あたしたちを挑発してるの?

あたし 「最新鋭機の考えることは、わからないですね……」

 ……まさか、いきなり襲い掛かる気?

 

先輩  「360°見える目を持ち、全身が敏感なレーダーで、昼も夜も関係ない。だが自分はレーダーに映らず、赤外線もほとんど出さない。暗号化通信で仲間と情報共有して、真横に飛ぶミサイルを見えない距離から撃てる」

 

 先輩、すっごく楽しそうに語るね。

 

先輩  「バケモノみたいなエンジン持て余してるから加速力があって、普通なら即落ちるような不安定な体を、よくわからん理屈で あやつってるから、ぐるんぐるん動けるんだってさ。おまけに体も頑丈で、10Gくらい楽勝だし、30mm機関砲10発食らっても落ちないとか」

 

 それは猛禽じゃなくて 神鳥 (ガルーダ)だ。

 

あたし 「んふふ……かわいい後輩ですねぇ」

 

先輩  「まあ、まだまだ かわいい ひよこ だね」

 ひよこって……。

先輩  「幸い今日はいないけど、ひとりで同時に8機の無人戦闘機(ドローン)を あやつるらしいよ? 

     自分の体の一部みたいに」 *12

 方向舵(ラダー)が、ぞくぞくぞくっと震えた。

あたし 「……ふたり合わせて18機……ひよこ祭りですね……」

 

 あたし、ガルーダの ひよこを育てているんだ。 *13

 

先輩  「さて、ひよこちゃんは、どっちから来るかな……」

 やっぱり、奇襲が来るよね。さっきのレーダーの動きから推測するしかないけど……。

あたし 「どこから来ても返り討ちですよ!」

 ……ルートは無数に考えられる。笑っちゃうくらい不利だ。

先輩  「それは、敗北宣言か?」

 怖い。

あたし 「……いえ……」

先輩  「ひよこなら真っ正直に最短ルート、東回りだな」

 先輩の恐ろしく鋭いカンに頼るしかない。

先輩  「……いつもの おとり作戦……と見せかけて……」

 

 燃料たっぷりってことは、バーナー全開で思いっきり暴れられる……。 *14

 軽くスロットルを上げた。燃料がタンクから心臓(エンジン)へ、サラサラサラ……と流れる。

 激しく飛び回って、燃料を燃やせば燃やすほど身軽になる。その先はあたしの得意分野だ。カラになったタンクは、思い切って捨てちゃおう。 *15

 

 未知の領域だけど、最高に気持ちいいのは間違いないね。……荷重で翼が折れなければ。

 

あたし 「あたしが おとりになります!!」

先輩  「ダメだ」

あたし 「えー」

 

 

 あたしは、ガルーダが相手でも戦えるって、証明してみせる。

 

 おなかがすいたら、またKCさんに “おいしいごはん” をおねだりしよう。

 

 

 

 おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
 フライングブーム方式は、給油側が長い棒(ブーム)を操作し、受油機の受油口(リセプタクル)に接続する方式です。

 これとは別に『プローブアンドドローグ方式』もあります。こちらは、終端に傘状のもの(ドローグ)が付いたホースを垂らして、そこに受油側が棒(プローブ)を突っ込む方式です。

*2
 飛行中の航空機の後方には空気の乱れ(渦)があります。フライングブーム方式では、斜め下につくので影響は少なそうです。プローブアンドドローグ方式の場合は、高低差が少ないので結構危険かもしれません。

*3
  空中給油の様子が分かりにくい場合は、下の挿絵画像をご覧ください。

 『閲覧設定』で『挿絵表示』を『有り』にするか、画像を別ウィンドウで開くと良いと思います。

 写真は筆者が撮影したものです。加工しています。

*4

 この子は、キャノピーの後ろに受油口(リセプタクル)があります。アメリカ空軍の戦闘機は、背中に受油口がある機種が多いですね。F-15は特殊ですが。

 F-2A / F-16Cの受油口カバーは、扉が内側に倒れる構造で、F-35Aは観音開き(左右にスライド?)だったような……。F-35B / F-35Cは、引き込み式の空中給油プローブ(棒)が付いていますね。

*5
 フライングブーム方式の空中給油機には、後方斜め下を見るカメラ又は操作員(ブーマー)用の窓があります。比較的古い機種では、操作員が床に腹ばいになって、窓から外を見ながらブームを動かしていました。比較的新しい機種では、ここがカメラになっていて、操作員はモニターを見ながらブームを動かします。

 あと、受油口の周囲に『ここに入れてね』的な線が描かれているので、『秘密の穴』じゃないです。

*6
 ピトー管は、対気速度(全圧)を測るためのもので、化学物質の解析はできません。

*7
 旅客機はそんなでもないですが、空自のC-2のおしり(主脚を格納しているバルジから胴体後端までの流れ)を下から見ると、なめらかな曲面がエロいです。

*8
 航空機のジェットエンジンを人間の体の部位に例えるなら、『心臓』よりも『肺』の方が近い気がします。推力を生む点を考えると『筋肉』かも。でも、『心臓』って言った方がエモい(?) ですよね。

*9
 フライングブーム方式で燃料が飛散することはあまり無いようです。プローブアンドドローグ方式では、給油後、プローブが抜けた直後に、ホース内に残った燃料が霧状に飛散することがあります。いずれにしても、燃料が飛散するとしたら燃料を送る側からでしょう。受油口から燃料が噴き出すなんてことはまず無いと思います。

*10
 なんか変な設定ですが許してください。ジェット燃料の規格の話です。航空自衛隊では『JP‐4A』を、米軍では『JP‐8』を使っています。 “どっちがおいしいか” なんて知りません。

*11
 お赤飯みたいなものです。

 『ジェットエンジンは雑食』と言われますが、飛行中に燃料を入れ替えるのはまず無いと思います。

*12
 なにそのラスボス感……。

 このドローン達は半自立制御です。ドローンが収集した情報をマスター(新鋭機の子)に集約して、マスターはドローンに指示を出します。

 敵の目線だと……

 『ドローンを追うのに夢中になっていたら、突然、何も無い所からミサイルが飛んで来て、気づいた時には自分が空中分解していた……』

*13
 こういった模擬戦闘訓練は、新鋭機の子とドローンのAIに、敵の行動(飛行)パターンを学習させる狙いがあります。自分が天敵や獲物の役になって、無知な若鳥に逃げ方や狩りの仕方を教えるわけです。

*14
 『アフターバーナー』を、『バーナー』と略すのは、写真を撮る飛行機マニアかも……。ダイヤモンド模様入りの炎が撮れると最高ですね。『アフターバーナー』はGEの商標で、『オーグメンター(オグメンタ)』が一般名のようです。ロールスロイスは『リヒート』と呼ぶとか……。

*15
 現代では、増槽(ドロップタンク)はポイ捨てせずにお家へ持ち帰るのがマナーのようです。ぶら下げたままでも普通に機動飛行ができます。ただ、米軍のF-16のデモフライトなどでは、ミサイルも増槽も無いクリーンな状態(パイロンまで外すこともある)で飛ぶことが多いので、やはり無い方が機敏に動けるのでしょう。




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。

 筆者が休日にぼんやりしていた時に、ふわっと思いついたものを、テキストでポチポチ打って、膨らませて整えたらこうなりました。私はいつもそんな感じで書いています。




――――― 設 定 ―――――


 下記の設定は、いい加減で間違いだらけだと思います。ゆるい感じの作品なので、こんなものかな? と書きました。下の方は、設定というより『擬人化もの』に関する考察です。

 キャラの機種名の設定はありません。架空機の可能性が高いです。モデルはありますが、あえて曖昧にしています。


 【 あたし 】

 主人公の戦闘機。女の子っぽいが性別は無い。モデルはF-2AかF-35A。
 機齢は10年程度で、ベテランの域に入りつつある。それにもかかわらず空中給油の経験が無かったのは、空中給油機の導入(出会い)が遅かったことと、本人が空中給油を怖がっていたため。
 明るくておっちょこちょいで、先輩から可愛がられるキャラ。
 ひらひらと機敏に動ける反面、繊細な動きが苦手。



 【 先輩 】

 主人公の先輩の戦闘機。女の子っぽいが性別は無い。モデルはF-2A、F-35A、F-16Cあたり。
 機齢は12~15年程度。お姉さんっぽくて少し姉御肌。
 経験豊富で飛行能力が高い。格闘戦も対地攻撃も器用にこなす。
 予知能力のような、鋭い『カン』を持つ(超能力ではなく、経験に裏打ちされたもの)。



 【 KCさん 】

 旅客機ベースの空中給油機。男っぽいが性別は無い。モデルは、KC-767かKC-135。
(KC-46Aは新しいので対象外)
 新造機ではなく、中古の旅客機を大改修した機体。トータルでの機齢は30年を超える。
 ぶっきらぼうで寡黙な感じ。


 
 【 後輩のふたり 】

 主人公の後輩の戦闘機コンビ。機齢11か月(もう少しで1歳の誕生日)。
 試験運用が始まったばかりの新型機種。
 双子の子供っぽい。試験運用のため、ふたりは少し仕様が違い、微妙に性格が異なる。
 モデルは、未来の戦闘機(F-3?)。レーダーステルス機。敏感肌(スマートスキン)。
 データリンクを使う。非常に高性能で頭も良いが、カンは鈍い。
 無口で、おっとりした天然キャラ。戦闘になると豹変し好戦的になる。
 経験が浅いため無謀な行動に出ることがある。



 【 機齢のイメージ(軍用機の一生) 】 ※ 現実とは違います。個体差が大きいです。

機齢0年~2年: 子供。試作・試験運用・量産などの区分がある。生まれてすぐは飛べない。
  初飛行までの期間は、機種により大きく異なる。試作機は1年以上かかることも珍しくない。
機齢2年~3年: 基本的な飛行パターンをマスターし、一人前の大人になる。
機齢5年~10年: ベテラン一歩手前。任される任務のレベルが上がる。
機齢15年~20年: ベテラン。経験豊富なリーダー格。
機齢20年~30年: 大ベテラン。まだまだ第一線で戦える。痛んで補修した箇所が増えてくる。
  このあたりで旧式化してリタイアする機もある。
機齢40年以上 : 老齢。延命改修を受け長く活躍することもある。
リタイア・用途廃止 : スクラップになり部品は再利用される。
  ごく一部の機体は、基地内展示(ゲートガード)になるか博物館入りする。
モスボール : 休眠状態。比較的綺麗な状態で保存されている。レストアすれば飛べるかも?



 【 擬人化の分類 】

 まえがきの『擬人化のタイプ』を、もう少し説明します。
 『お空でごはん』の、筆者の脳内イメージは [B] でした。
 なお、『1機種ひとり』ではなく、『同じ機種の子がたくさんいる』設定です。

[A] 人がモノに感情移入し(情を移し)て、人に見立てている状態。
 客観的なものであり、現実の姿は変わらず、人の心も持たない? ←ここを濁す。
※ [A]は全ての擬人化のベースなので、以下に挙げるものとミックスされると思います。

[B] リアルなモノ(見た目は元と変わらない)に魂や人の心が宿っている感じの擬人化。
 付喪神的な何か。[A]と見分けがつかない場合も多い。
※ 『トイ・ストーリー』はここに入るような違うような……。

[C] 比較的リアルなモノに顔や表情が付いている擬人化。
※ 筆者は、『きかんしゃ』なら『トーマス』より『やえもん』派です。
※ 『シャークティース』のように、乗り物に顔っぽいペイントをするのは、ここに入るかも?

[D] デフォルメされたモノに顔や表情や動きが付いている擬人化。
 『カーズ』『プレーンズ』など。動物の場合は、動物に近いデザインの “ケモノ” 。

[E] [D]と[F]の中間。乗り物ならロボット風、動物なら、体形や体の一部が動物に近い
  (人間寄りの “ケモノ” )。

[F] 見た目がほぼ人間で、元のモノをイメージしたコスチュームを着ている。萌え擬人化。
 内面(性格)は、擬人化元を強く反映し、大抵の場合、特殊能力を持つ。
 『人間に見えるだけで、実体は元のまま』。ある意味、コスプレとは逆の存在。
 『OSたん』『艦隊これくしょん』『刀剣乱舞』『ウマ娘』……等々。
 動物の擬人化では、お約束で『けもみみ(獣耳)』と『しっぽ』が付く。
※ けもみみのキャラは、『萌え擬人化』とは別のジャンルとされる場合もあります。
※ 『萌え擬人化』は日本独自のジャンルかもしれません。2010年代くらいに一般にも広がり人気が出ましたが、オタクの世界では古くからありました。1990年代の模型雑誌に『MS娘』っぽいのが載っていました(あれはコスプレかも)。定義を拡大すれば、原型はもっともっと昔からあります。キツネが美女に化けるとか……。それなら、海外にも似たものがたくさんありそうです。

[G] 場面やカットによって、[A]~[F]の間で姿が変わる。
 変身する設定、心象変化(実際には変身していない)映像的な演出などがその理由。
 (擬人化とは違うけど)『トランスフォーマー』『平成狸合戦ぽんぽこ』など。

[H] (番外)高度な人工知能による自動化。 『ナイトライダー』など。


※ 実際の創作物では、[A]~[H]の要素が複雑にミックスされていると思います。
  もちろん、ここに当てはまらない要素も多々あるでしょう。
※ [C]~[E]はグラデーションなので、はっきりと切り分けることができません。
※ “ケモノ” の分類は擬人化とは別の話なので、あんまり触れません。
※ 『インサイド・ヘッド』は分類が難しい……[D]か[E]かな?
※ 『けものフレンズ』は[F]+[G]で、“ヒトの姿とヒトの服装” に異常にこだわっています。
  やさしい世界に、けもの の知識を大量に詰め込み、間接的にヒトを描いている作品。
  どストレートに見えて、実はかなりの変化球だと思います。
※ [A]と[F]の組み合わせは残念です。

 筆者は、[A]と[B]が日本語の『擬人化』の本来の意味だと思います。[F]も好きですけど。



 【 世界の設定 】

 『お空でごはん』が、どんな世界のおはなしなのかは、深く考えていません。
 時代は現代で、以下のパターンのどれかです。

① 飛行機が心や魂を持っており会話もする。それが当たり前の世界。人間もそれを知っている。
 『きかんしゃトーマス』的な世界。
※ 『トーマス』は機関車が自分の意志で動いているのに機関士もいるという不思議な設定です。
  この点は『やえもん』も同じで、 “運転席があるのに無人で動いていたらおかしい” から
  かもしれません。 “機関車と機関士は一心同体” という考え方なのかも。

② 飛行機が心や魂を持っているが、人間はそれを知らない。
 あるいは、“擬人化された飛行機は人間と意思疎通ができない” という設定。
 『トイ・ストーリー』的な世界。
※ この設定だと、パイロットや整備員が擬人化に気づいていないのはおかしいです。
  パイロットは機体と一心同体であり、操縦中はシンクロしているから気づかない……とか、
  無理やりな言い訳はできます。

③ 人間がいない。その代わりに、擬人化された飛行機がいる。
 『カーズ』『プレーンズ』的な世界。
※ 人間を排し、擬人化キャラに合わせて世界を再構築する荒技ですね。
  ①と②で生じた『操縦士・ドライバー・パイロット等をどう扱うか問題』を解決できます。

④ 整備員、あるいはパイロットの空想。飛行機そのものに心や魂は無いという設定。
(例文) とある整備員が、戦闘機の背中の受油口カバーを点検しながら言った。
 「おまえ、やっと空中給油ができるなぁ。今日は頑張ってくれよ」
※ 筆者はこれが好きかも。擬人化の根源というか源泉というか大元です。感傷的。


 『擬人化の分類 [A]~[H]』と『世界の設定 ①~④』の組み合わせで、作品設定の基礎ができますね。『お空でごはん』は両方とも曖昧ですが……。


 人は なぜ モノを擬人化してしまうのでしょうね。



 [ 初投稿日時 2022/05/05 17:55 ]
 

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