ヒロとウサギのアポカリプス世界冒険譚   作:やみくらげ

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10話 食事

 

 『青銅の盾』のホームの中にある食堂。

 俺の目の前に置いてあるお盆の上に乗せられた物体。

 

 白い固形物、緑の固形物、黄緑の固形物。

 それぞれ20cm、10cm、5cmの長方形。

 それが1個ずつ皿に乗せられていて、どうやらこれが今日の夕食であるらしい。

 

 

「………何これ?」

 

 パタパタ

 

「え? マジ? これがこの世界の食糧なの?」

 

 

 テーブルの下にいる白兎が耳を揺らして教えてくれる。

 

 聞くところによると、この世界には穀物や肉、魚、野菜、果物といった食べ物は一般にほとんど流通していないらしい。

 代わりに食卓に上がるのが、この食料ブロック。

 マテリアル錬精器と呼ばれる機械によって製造される人工合成食料。

 

 様々な種類があり、まず素材系ブロックと呼ばれる『シリアル(穀物)ブロック』、『ベジタブル(野菜)ブロック』、『ビーンズ(豆類)ブロック』、『ミート(肉)ブロック』、『フィッシュ(魚)ブロック』、『フルーツ(果物)ブロック』等がある。

 

 この皿の上に載っているのが『シリアル(穀物)ブロック』と『ベジタブル(野菜)ブロック』と『ビーンズ(豆類)ブロック』。

 それぞれ炭水化物とビタミン、たんぱく質を摂取できる優秀な食料なのだそうだ。

 

 

「肉がほしいところだな……、ミートブロックだっけ?」

 

 フルフル

 

「へえ? 肉……、ミートブロックは少々お高いんだ………」

 

 ピコピコ

 

 

 白兎によると、『シリアル(穀物)ブロック』の上は『ライス(米)ブロック』か、『ブレッド(パン)ブロック』。

 『ベジタブル(野菜)ブロック』の上は『リーフ(葉野菜)ブロック』か、『ルーツ(根野菜)ブロック』。

 『ミート(肉)ブロック』の上は『ビーフ(牛肉)ブロック』、『ポーク(豚肉)ブロック』、『チキン(鶏肉)ブロック』というらしい。

 

 普通の人間はブロック以外食べたことが無いし、そもそもブロック以外の食料を知らない。

 だからブロック以外のモノを食べたいとは人前では言わない方が良いとのこと。

 

 

「ふーん………、ある意味、この世界のタブーか。気を付けるとしよう」

 

 

 皿の上の載っているシリアルブロックを手に取り、一口齧ってみる。

 

 口の中に広がるのは生米を齧ったような青臭い匂いと苦み。

 

 決して美味しいとは言えないお味。

 

 

「ボリボリ………」

 

 

 口に入れた以上は食べねばなるまい。

 皿の上に乗せられたモノも同様。

 

 自分の身体が飲食不要かもしれないから、普通にモノが食べられるのかどうか心配だったが、なんの問題ないようだ。

 ただし、今後出てくる食料が全部これなら断食しようかどうかと迷うくらい。

 

 

「隣、いいかい?」

 

「………どうぞ」

 

 

 しかめっ面してシリアルブロックを齧る俺に、話しかけてきた今の俺と同じ歳くらいの少年。

 

 横目で見れば、作業室で機械を弄っていた藍染屋志望の1人だったはず。 

 

 

「どうだった? 狩りの成果は?」

 

「ボチボチ………、いや、惨敗。何の成果も得られなかった」

 

「そうか………、まあ、ボチボチやろうよ。君は貴重な機械種使いなんだから、追い出されることも無いだろうし」

 

 

 そう言って、自分の皿の上に乗るシリアルブロックを齧る少年。

 

 ボリボリと白い固形物をかみ砕く顔には、マズイ物を食っている様子は欠片も見受けられない。

 少なくとも今の献立に不満を持っている様子は見られない。

 

 お盆に乗っている献立は俺と全く同じ物だ。

 つまり、特に俺がマズイ物を押し付けられている訳でもなく、少なくともここでは普通の食事であるということ。

 

 これは気が参るなあ………

 これから先、食糧事情についてはかなり苦労しそう。

 

 

「…………んん? ヒロはベジタブルブロック、嫌いなの?」

 

「え? いや……、食べるよ」

 

 

 食事中なのにぼーっとしていたので、不審に思われたのであろう。

 さっさと食べてしまおう。

 嫌いなモノは先に食べて視界から消し去ってしまうのが一番だ。

 

 

「ボリ………」

 

 

 うわあ、青臭い。

 生野菜のエグさそのまま。

 

 

「ガリ………」

 

 

 ビーンズブロックもかよ!

 茹で損ねた枝豆を食べたみたい………

 

 

 何とか口の中に押し込んで、水で流し込んで一息つく。

 

 これはもう苦行だ。

 もう家に帰りたくなってきた。

 帰り方なんて分からないけど。

 

 

「早いね。よっぽどお腹がすいてたんだ?」

 

「………まあね」

 

 

 目の前の試練を乗り越えたことで、周りを見る余裕もできてくる。

 

 俺の隣に座った少年。

 背は俺と同じくらい。

 茶色のゴワゴワした巻き毛で少し頬がぽっちゃり。

 別に太っている訳ではないからそういう顔立ちなのであろう。

 

 

「えっと、君は………」

 

「やっと名前を聞いてくれたね。僕はフロス。しがない青指、黄手さ。よろしく」

 

「しがない……って、『手』なんだろ? それって『指』の上だから……」

 

「あはははははっ、『手』と言っても『黄学』だからね。『青学』や『緑学』と比べると扱いは1段程下がるんだ。【手だけが黄色く】ても半人前扱いされるぐらいだからね。『黄』は『藍』に最も遠い学問だって」

 

 

 この世界独自の言い回しだろうか?

 確か『黄学』はこの世界における機械種以外、車両や生活設備関係の学問であったはず。

 『青学』が機械種のハードウェア、『緑学』が機械種のソフトウェアだから、機械種に関わらない機械関係は一段低く見られると言うことか。

 

 

「その学問については良く知らないけど、要はどうやって役に立つかだろ? 車だって社会にとって必要なモノだし、それに関する学問が低く見られるって、おかしなことだなあ」

 

「へえ? ヒロって面白いこと言うね。ひょっとして辺境出身じゃないの?」

 

「あ~…………」

 

 

 フロスに問われて、一瞬戸惑う。

 その辺りのバックストーリーって、まだ考えていないんだよな。

 後で白兎と打ち合わせして煮詰めておく必要があるか。

 でも、今は何て答えておこう………

 

 

「いや、失敬。このスラムに来た以上、あんまり過去のことは詮索してほしくないよね」

 

「ああ、まあね」

 

「危ない危ない。ヒロが狩人なら殺されてるや。気をつけよう」

 

「???」

 

 

 えらく物騒な言い方だな?

 過去を詮索されたくらいで、殺すような人間ってどんな狂犬なんだよ!

 

 ………『狩人』?

 そう言えば、その言葉、何回か出てきたな。

 確か機械種を狩ることを職業にしている人達だったな。

 そんな物騒な連中なのだろうか?

 

 

「そう言えば、さっき大変だったね。ジュレさんとバルークさんに挟まれて?」

 

「………仲悪いの? あの2人」

 

 

 あの諍いの後、ジュレは俺に食堂の場所を告げると、用事があると言って、どこかに行ってしまった。

 随分機嫌が悪そうにしていたから、よっぽどあのバルークという人が嫌いなのだろう。

 

 

「仲が悪いと言えば、悪いけど………、この『青銅の盾』はリーダーであるジュラクさん、一番の武闘派であるバルークさん、銃マニアで青手、黄手でもあるザードリさんの3つの派閥があるんだ。みんな機械種使いさ。その機械種使い3人でチーム内の主導権を争っているというところかな」

 

「この『青銅の盾』って、全員で30名くらいじゃなかったっけ?」

 

「うち10名が整備士だよ。戦えるのは10人もいない。残りは女子だから」

 

 

 そんな少人数で派閥争いするなよな!

 まあ、3人集まれば派閥ができるって言うけど………

 

 

「あれ? 確かバルークさんが機械種使いは4人いるって言ってたけど?」

 

「もう1人は女子なんだ。ほとんど女子寮から出てこないから、派閥は作っていない………というか、女子達のリーダーってところかな」

 

 

 意外だな。

 ジュレさんが女子のリーダーだと思っていたけど。

 あのグイグイと引っ張る感じなら、十分に女性陣を率いることができたはず。

 

 

 

 人が増えだしてきた食堂を見ると、食事の配膳や給仕、後片付けなんかを女性達が行っている様子。

 おそらく『青銅の盾』では男は戦闘員か機械種の整備、女は中で家事という風に役割が分けられているのだろう。

 耳を傾ければ、なにやら男女間の会話が聞こえてくる。

 

 

「なあ、そろそろ………」

「ええ! どうしようかな?」

 

 

 見れば、給仕の女の子と親し気に話をしている少年の姿。

 男女とも良い関係を築いているようだ。

 だからああやって親しくなる男女もあるのだろう………

 

 

 にしても羨ましい。

 俺もジュレとあんな風にイチャイチャしてみたい………

 

 元の世界では27歳。

 そんな俺が15,6歳の少女と付き合おうとするなんて、元の世界なら即通報案件だ。

 しかし、今の俺はジュレと同じ年くらいの少年。

 中身が27歳でも外見が少年ならOKのはず!

 

 男は何歳になっても若い女の子が好きなのだ。

 それはどれだけ叩かれようが変えようのない事実。

 気持ち悪いとか、ロリコンとか、中身の歳で考えろとか言われたって構うもんか!

 

 

「ヒロは女の子に興味があるの?」

 

「無い男なんている?」

 

 

 フロスからの無遠慮な問いにノータイムで答える俺。

 

 

「女の子に興味があるならアタックしたらいいじゃないか」

 

「いきなりそれができるなら苦労はせんわい!」

 

 

 彼女なんていたことも無い俺に、それはハードル高すぎる!

 まずは友達から初めて、ゆっくりと男女関係を意識させて………

 

 

「??? ヒロがその気なら、女の子なんて選り取り見取りだと思うけど? 声をかけただけでOKしてもらえるんじゃないかな」

 

「はい? な、何それ………」

 

 

 俺はニコポ(ニコッと微笑むだけで相手が惚れる能力)持ちでも、ナデポ(女の子の頭を撫でるだけで惚れさせる能力)持ちでもないぞ!

 

 しかし、フロスから返ってきたのはこの異世界独自の理由。

 

 

「ヒロは貴重な機械種使いだろ? 向こうから見たらこれ以上ない優良物件さ」

 

 

 フロスが言うには、機械種使いの才能は20人に1人くらいの希少なモノ。

 合わせて五体満足な若者ならそれだけで生きていくには十分なスペックであるらしい。

 

 

「機械種使いってだけでそんなにモテるの? ただ、街の外でも機械種を従属させていることができるってだけじゃない?」

 

 

 街の中、即ち白鐘の効果範囲内なら機械種使いでなくても、機械種のマスターになれる。

 しかし、街の外に出れば、外に満ちる赤の威令により従属させている機械種は、あっという間にレッドオーダー化してしまう。

 

 機械種使いは自分の従属限界数、従属範囲内であれば、そのレッドオーダー化を防ぐことができるのだ。

 

 言ってしまえば、ただそれだけ。

 街の中にいるのなら何の関係も無い……… 

 

 

「何言っているのさ。機械種使いじゃないと、レッドオーダー相手に生身で戦うことになるじゃないか。そんなの、機械義肢を入れた改造人間か、ブーステッドを飲んだ強化人間ぐらいしか無理だよ。あとは戦闘系の発掘品を持っている……とかね」

 

 

 『機械義肢を入れた改造人間』

 『ブーステッドを飲んだ強化人間』

 『発掘品』

 

 これまた新しい言葉が出てきたな。

 言葉のニュアンスからだいたい意味が分かるけど。

 

 

「つまり、機械種使いなら、従属させている機械種で安全にレッドオーダーと戦うことができるってことか」

 

「そういうこと。機械種なら壊れても修理できるけど、人間はそう簡単に治せないからね」

 

 

 ふむ。

 この世界では大きく稼ごうと思うと、レッドオーダーと戦って晶石を手に入れるのが一番の近道ということだな。

 だから機械種使いはモテる。

 

 うーん………

 理由は理解できるが………

 本当にそれだけでモテるのだろうか?

 

 

「そこまで疑うなら、食堂でイチャつくあのカップルで試してみたら? すぐに女の方は尻尾を振って乗り変えると思うよ」

 

「ま、マジですか?」

 

「そのまま物置でヤラせてもらえるかもね」

 

「おお………」

 

 

 何と素晴らしい異世界クオリティ。

 稼ぐ男はそこまで行きますか!

 機械種使い万歳!

 

 その女の子はジュレとまではいかないが、そこそこ可愛い感じ。

 ヤレるならヤリたいのは山々だけど………

 

 

「相手がいる子はちょっと………、俺、NTRは嫌いなんだよね」

 

「NTR? 何それ………」

 

 

 寝取られモノのことだ。

 自分がそうなるのも、他人がそうなるのも嫌だ。

 どっちも脳が破壊されそうになるから。

 

 

「何だか分からないけど………、まあ、それが正解かもね」

 

「んん? それ、どういうこと?」

 

「一度手を出したら、女の子はなかなか喰いついて離さないってこと」

 

「なるほど………」

 

 

 手を出せば最後、そこで俺のヒロインは確定してしまう訳か。

 厳密に言えば、別れてしまえばいいだけなんだけど、それをすれば俺の評価は女性陣からガタ落ち。

 もう二度とジュレにも笑いかけてもらえなくなりそう。

 

 やはり俺のヒロインは厳選するべきだな。

 せめてジュレくらいのヒロイン力はほしいところ。

 

 そう言えば、バルークさんがジュレはそう簡単に触れさせてもらえないって言ってたな。

 かなりお堅い性格なのであろう。

 まあ、身持ちが固いと言うのは悪い事ではない。

 でも、最後まで攻略するのに時間がかかりそう。

 

 一方で機械種使いの才能を持つ俺にすぐなびくような女の子もいる。

 

 

 さて、俺はどの方向性でヒロインを探そうか………

 

 ジュレ一本に絞るべきか?

 

 それとももっと他の攻略可能キャラを探すべきか?

 

 別にこのチーム内に拘らず、街を散策して新キャラをポップさせる必要も……

 

 そう言えば、このスラムには『青銅の盾』以外のスラムチームがあったはずで……

 

 ジュレが口にしていたチーム名も確か………

 

 

「………フロス。この『青銅の盾』以外にもスラムチームって幾つあるの?」

 

「ひょっとしてチームを移籍するつもり?」

 

「いやいや! ちょっとした好奇心だよ!」

 

「まあ、いいけどね。どうせ誰かに聞けば分かる話だし。うちを除くと4つだよ。スラム最大勢力の凶暴極まりない『黒爪団』、血気盛んな若者が集まる『チーム・ブルーワ』、猟兵団の下部組織で精鋭が集まる『魔弾の射手』、このスラム最古参の『チーム・トルネラ』………」

 

「『チーム・トルネラ』? 確かジュレが言っていた……」

 

「ああ、もし、ヒロが移籍を考えているなら、そこは止めておいた方が良いよ。あそこはちょっとおかしいんだ」

 

「どんな風に?」

 

「リーダーが女の子でね。結構な美少女らしいのだけど、どうも男を骨抜きにして良いように扱っているみたいなんだよ。自分の身体を使って、溺れさせて、僅かな報酬で危険な仕事をさせているそうだよ」

 

「…………怖!」

 

「怖いだろう? あそこは女が男を支配しているんだ。最初は良い目にあわせて男をジワジワと取り込んでいくらしいよ。そのうち逆らえなくなるって言うね。噂によると、男達は自慰の回数まで把握されているらしいよ。全く恐ろしいことにね」

 

 

 ヒエッ!

 怖いどころじゃねえな、それ!

 なんでそこまでされて反抗しないんだよ、その男達は!

 

 

「その……、虐げられている男達は反抗しないのか? いくら女の身体に溺れていると言ったって………」

 

「そのリーダーの女の子、サラヤっていう名前なんだけど、その子が機械種を1機従属させているんだ。軽量級の機械種ドワーフさ。これがかなり強化されているらしくて………」

 

 

 機械種ドワーフというのは、ハーフリンクタイプの上位機種であるらしい。

 機械種コボルトや機械種ゴブリンよりも強い機種で、さらに限界までチューンナップされているそう。

 

 

「チームトルネラに代々伝わっている機械種で、もう何十年も稼働しているそうだよ。たった1機で何十人もぶち殺すハイスペックな性能を持っているって噂さ」

 

 

 ぬぬぬっ!

 俺の白兎とどっちが強いのだろうか?

 

 しかし、そんな機種を従属させていて武力で脅し、さらに女の魅力で男達を操っているのか。

 

 チーム・トルネラ………

 そして、そのリーダー、サラヤか………

 宗教組織の教祖みたいな奴だな。

 

 美少女っていうのは気になるけど、絶対に関わらないようにしよう。

 

 

「ああ! もう一つ、スラムチームがあるのを忘れていたよ。チームというか、たった1人なんだけどね」

 

「1人でチーム? よっぽどボッチなんだな」

 

「ボッチっていうか…………」

 

 

 そこで言葉を切るフロス。

 じっと俺の顔を見つめながら、やや間を置く。

 

 そして、少しだけ悪戯っぽい表情を浮かべて発した続きの言葉は、

 

 

「『感応士』なんだよ。その人は」

 

「??? カンノウシ?」

 

「……………」

 

「……………」

 

「え? 知らないの?」

 

「…………うん」

 

「ヒロって、開拓村の生まれ? よっぽど寂れたところなんだね」

 

「あはははは、実は………」

 

 

 うーん…………、

 その設定は頂いておくか。

 少しは俺の世間知らずも誤魔化せるだろう。

 

 

「感応士は機械種を操ることができる特殊能力者のことさ。蒼石無しにレッドオーダーをブルーオーダーしたり、他人が従属させている機械種を奪ったり………」

 

「へえ? それは怖いな」

 

 

 超能力者みたいなモノか。

 でも機械種の支配権を奪うって、まるでハッカーみたいだな。

 

 

「機械種使いの天敵みたいなものだよ。もの凄く数が少ないからそう滅多に出会うものじゃないけどね」

 

「でも、そのボッチ1人チームの奴は感応士なんだろ?」

 

「そうさ。一体何でこんな辺境中の辺境にいるのか分からない人物なんだよ」

 

 

 ふーん。

 でも、俺にはあんまり関係ないかな。

 それに他人の機械種を奪うことができるなら、迂闊に近づけば俺の白兎も取られるかもしれん。

 チームトルネラのサラヤって子と同じく、できるだけ出遭わないようにしておこう………

 

 

「でも、もの凄く美人でね。銀髪碧眼の超美少女。一度遠目で見たことがあるんだけど、あれはまさに女神様みたい………」

 

「その話、もっと詳しく!」

 

 

 滅多にいない能力者に加えて、銀髪碧眼の超美少女だと!

 そんなの絶対にヒロインに決まっているじゃないか!

 

 

「え? 随分喰いついてきたね? そんなに話が聞きたいの?」

 

「もちろん!」

 

「まあ、いいけど。そのチームの名は『チーム白雪』。そして、たった一人の構成員である彼女の名前は………『雪姫』って呼ばれているね」

 

 

 雪姫!

 多分、通称かあだ名なのだろうが、それにしても実にヒロインっぽい名前!

 

 その子か!

 その子が俺の為に用意されたヒロインか!

 

 

「もっとその子について教えてくれ!」

 

 

 俺は齧り付くように、フロスにその子の情報を求めた。

 

 

 

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