バスから降りてドーム状の建物に入ると、まるで某大阪アトラクションのような施設が点在していた。
「これ……USJかよ!?」
「はい!これぞ僕が設計した、『嘘の災害や事故ルーム』……略して!U ・ S ・ J!」
(((ホントにUSJだった!!)))
『版権とか大丈夫なのかね……?』
「HAHAHA!私も来た!」
『あ、オールマイトもちゃんといるね。ちょっと無茶してそうなオーラなのがちょっと気になるけどね……』
「オールマイト! 大……いえ、なんでもありません!」
乾坤達と緑谷はニュースでオールマイトが通勤がてら2件の事件を解決したのをスマホアプリで見ており、制限時間について聞いていた2人と二柱は少々心配になる。
「スペースヒーロー『13号』だ!私、ファンなんだよね!」
「13号君は救助に秀でたヒーローだ!レスキューについては私なんかよりも学ぶことも多いだろう!」
「オールマイト……僕もそこまででは……」
「HAHAHA!むしろ私はどちらかというとレスキューが苦手な方なんだ!この体格と個性の都合上、瓦礫とかは吹っ飛ばさなければいけないからね!下手をすれば救助対象を危険に晒してしまう!今回はどうすれば自分の個性で安全に救助に行けるかも学んで欲しい!そういった障害も乗り越えてこそプロヒーローってもんさ!」
「オホン。では、お小言を2つ、3つ、4つ……」
((((増えてる……))))
「ご存知の方もいるかもしれませんが、僕の個性は『ブラックホール』。吸い込んだモノをチリに変えます。」
「それで炎や土砂を吸い込んで沢山の人の救助をしているんですよね!」
「はい。ですが……」
「それと同時に『人を簡単に殺せる個性』でもあります。」
「「「!!」」」
「今でこそ、法律によってヒーロー以外は公共の場での個性の使用は制限されていますが、1歩間違えれば、簡単に人殺しにもなってしまうでしょう。皆さんにもそのような個性を持つ人はいるのではないでしょうか?」
「「「……」」」
13号先生の言葉に何人かの生徒は表情を暗くする。
「今日の授業では、貴方達のチカラが人を助ける為のものだというのを学んで帰ってくださいね?」
「ハイ!」
「ステキー!」
ズズズ……
「! お前たち、動くなよ!」
13号の演説が終わる直後に広場から黒い渦が出現し、大勢の人が出現する。
「なんだ?もしかして入試の時みたいにもう始まってるパターン?」
瀬呂の疑問を相澤が否定して警戒体制に入る。
「違う!あれは……ヴィランだ!」
「おぉ……やっぱりカリキュラム通りだ。オールマイト……お前を殺す。黒霧、お前は13号の始末だ。ここは脳無と俺で時間を稼ぐ」
『どうかお気をつけて……』ズズズ……
霧のような男が黒い渦を出して何処かに周囲のヴィランをワープさせる。
「さぁ脳無……ゲームスタートだ」
「13号は生徒の避難を!ここは俺とオールマイトでやる!」
「先生、侵入者用センサーは!」
「もちろんありますが…!」
八百万がセンサーについて聞くが、13号からはセンサーが反応しなかった事を告げられる中、轟が冷静に分析する。
「現れたのはここだけか学校全体か…、何にせよセンサーが反応しねぇなら向こうにそういったことができる個性やつがいるってことだな。校舎と離れた隔離空間、そこにクラスが入る時間割…、バカだがアホじゃねぇ、これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサーの対策が頭にある敵だ、電気系の個性が妨害している可能性がある。上鳴お前も個性で連絡を試すんだ!」
「っス!」
「先生とオールマイトの2人で戦うんですか!?あの数じゃいくら個性を消すっていっても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ、正面戦闘は……「大丈夫、緑谷君。先生達を信じよう」……分かった!」
「緑谷、よく覚えておけ。ヒーローは一芸じゃつとまらん」
そう言って相澤先生は階段を飛び降り、次々とオールマイトが取りこぼしたヴィランを捕縛してはヴィラン同士をぶつけたりなどして気絶させる。
「皆さん!早く避難を!!」
『させませんよ』
13号が生徒を避難させようとするが無情にも黒い靄のヴィランが生徒達の前に瞬時に移動して立ちはばかる。
『初めまして。我々は敵連合。僭越ながら…この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは……
平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして』
突然の敵のカミングアウトに生徒達は思考が停止する。何せあのオールマイトを殺すと言ったのだ。
「本来ならば今頃オールマイトとあなたの相手をしているのですがイレイザーヘッドがいる……何か変更があったのでしょうか?まぁ…それは関係なく…私の役目はこれです」
と同時に靄が噴き出そうとするが待ったをかけた生徒がいた。爆豪と切島だ。先に攻撃を仕掛けるが相手は霧状なので攻撃は通用しなかった。
「2人とも下がって下さい!あとは僕に……」
黒い霧の男が2人を吹き飛ばすと同時に13号がそう言うと13号の指先にある蝶番がガチャリと動き指先のブラックホールを起動すると、ヴィランの霧がみるみるうちに13号の指先へと吸い込まれていく。
『甘いですね!積極的にヴィラン退治をしなかったツケが回ってきたのでは?』
だが、相手の方が1枚上手だった。ヴィランは自身を構成している霧を展開、そして13号の背中にワープゲートを開けて13号の指先近くにいる自らと繋ぐ。
「しまった!……吸い込まれる……!」
最初こそブラックホールの吸引に耐えていた13号のコスチュームだったが、すぐに背中の部分にヒビが入り、背中と一緒に引き裂かれてしまい13号はドサリと倒れてしまう。
「や、やられた……!」
『さて、守っていた盾はこれで倒しました。貴方達は我々の目的の邪魔なので…散らして、嬲り、殺す』
狼狽えていた生徒の大半をドーム状の霧で包んだヴィランは無作為にワープさせられて、残ったのは障子と、たまたま範囲外だった瀬呂、芦戸、砂藤、麗日、飯田、そして乾坤の7人だった。