「俺が時間を稼ぐ!その間に飯田君が救援を呼ぶんだ!」
「だがそれでは東風谷君達が危険だ!」
「だったら尚更早く救援を呼んでくれ! この中で1番早く向かえるのは飯田君か俺なんだ! このヴィランは俺が止める!」
『……単調な攻撃ですね。矢張り所詮は戦闘経験の浅い卵……』
乾坤がミシャグジ・オンバシラ形態に移行してオンバシラをヴィランに向かって飛ばすが、ヴィランの霧が周囲に展開されて乾坤の頭上にオンバシラをワープさせられるが、乾坤はオンバシラにブレーキをかけて止める。
「いくよ神奈子母さん……」
乾坤はオンバシラのような点での攻撃では有効打を与えられないと判断。かまいたちによる範囲攻撃に戦法を変える。
『ぐっ……』
かまいたちによる範囲攻撃をヴィランは首元の金属のような部分を隠すように霧で覆う。
「! そこが本体だね! 神奈子母さん! 出番だよ!」
『さて……私達の愛する乾坤だけじゃ飽き足らず、他の生徒まで傷つけようとするなんて、どう落とし前をつけさせるべきか、ねぇ!!」
乾坤(神奈子)は首をコキコキと鳴らして能力を発動。ノーモーションで空気中に電気を纏わせて巨大なかまいたちを放つ。
『がぁッ……!!』
ヴィランは咄嗟の攻撃に対応出来ずにかまいたちが首に直撃。怯んでしまう。
「そこだっ! オンバシラ・スマッシュ!」
『……ゲームオーバー、ですね』
ヴィランは度々飯田を妨害していたが、先程の怯みで妨害が間に合わずに飯田の救援要請を許してしまった為、ワープで広場に戻る。
「……皆、13号先生を守っててくれないか? 私達はあいつらを叩き潰す……!」
そう言って乾坤(神奈子)は風で飛んで黒い大男『脳無』にオンバシラを飛ばす。
ドゴッ!
「あ? 生徒が邪魔してきたか……脳無、あいつを殺すのを優先しろ」
「危ない東風谷少年!」
『あいつ、手応えが不自然だった! 衝撃はダメそうだ! 頼んだよ諏訪子!』
『任された! ミシャグジ様のお出ましだ〜!」
脳無が跳び上がって乾坤を叩き落とそうとするが、神奈子が諏訪子と入れ替わりミシャグジ様を創り出して脳無を丸呑みする。
「!? 脳無! その蛇の腹を突き破れ!…………なんで反応しないんだ!」
手男が脳無に命令をするが、脳無は全く反応しない。
「あれ、本当は死体動かしてるんでしょ? だから丸呑みにして頭をすり潰した。頭が無いと耳も脳みそもないんだから声なんて聞こえないからね!」
「ああぁぁぁぁぁ!クソックソックソッ!黒霧ィィィ!撤退だ! 完全にゲームオーバーだ!」
『こちらです死柄木 弔!』
「逃がさないよ!」
「捕まるかよ!」
乾坤(諏訪子)がミシャグジ様をけしかけて死柄木と呼ばれた男の手を噛んで止めようとするが、男がミシャグジ様に触れた瞬間ミシャグジ様の頭が崩れる。
物理攻撃がダメならせめてそれ以外でと死柄木を祟り、死柄木達は這う這うの体で去っていった……
◇◇とあるBAR◇◇
とある廃ビルにあるBARに黒い渦が生成されて死柄木が息を切らして出てきた。
「はぁ、はぁ、はぁ……先生、話が全然違うじゃないか! 脳無は生徒に瞬殺!雑魚達は時間稼ぎにもならない! あんな無茶苦茶な奴知らな……ゴホッゴホッ!」
『何!?儂と先生の共同作が生徒にやられたじゃと!?』
『すまない、どうやら戦力を甘く見積もりすぎたようだ。こちらの不手際だね……ところで弔、大丈夫かい? 随分と体調が悪そうだが……』
「クソッ……なんかさっきから体調がおかしい……休めば何とかなる。先生は気にしないでくれ……」
『そうか。ゆっくり休むんだ弔。まだ焦る時期じゃない……黒霧君、脳無を倒した生徒の情報はあるかい?』
『私が戦闘した限りでの事なら話せます。物を浮かす、風を起こす、空気に電気を纏わせる、石の大蛇を創り出す、そして最低でも3人の精神を持つ多重人格でした』
『ふむ……複合型を考慮に入れても一貫性がない個性だね……こちらでも調べておくよ。黒霧君は弔のケアを頼むよ』
『かしこまりました。では……』
『……さて、これはワンフォーオールに近い個性が僕の個性で意図せず作ってしまい、今まで姿を隠していただけで存在していたと考えるべきかな。予想外の敵が現れたようだ。警戒するべきか……』