乾と坤を操る神様達と無個性少年   作:プリズ魔X

14 / 20
体育祭

臨時休校の次の日、ホームルームで重大な事を伝えると相澤先生がドアを開けながら言った。

 

「はい、皆おはよう……今日は重大な事を伝える」

 

「相澤先生、大丈夫なんですか!?」

 

「内臓と肋骨が数本やられた程度だ。13号に比べたら大したケガじゃないから授業に支障は無いと判断した。ばあさんは止めようとしたがな」

 

プロヒーローの仕事はそれほどキツいのだろう。……いや、内臓と肋骨がやられたら普通なら即入院で戦線離脱だ。戦うのがメインの傾向にある職業であるヒーローなら尚更の筈なのだが、雄英にリカバリーガールがいるのと、きっとイレイザーヘッドの精神力が異常なのだ。というかそうであってくれ。

 

「さて、ヴィランの襲撃があった中悪いが、新たな戦いが迫っている……!」

 

相澤先生の新たな戦いという言葉にクラスのほとんどが息を飲む。

 

「また襲撃が来たのか!?」

 

「……雄英体育祭が迫っている!」

 

 

「クソ学校っぽいの来たァァァァ!!」

 

相澤先生の言葉に切島達何人かが興奮するが、耳郎、尾白、瀬呂の3人から不安視する声が聞こえる。

 

「ヴィランに侵入されたばっかなのに体育祭なんかやって大丈夫なんですか?」

 

「また襲撃されたりしたら……」

 

「今回は大丈夫だったけど、次も大丈夫って保証は……」

 

「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示すって考えらしい。警備は例年の五倍に強化するそうだ。何より雄英の体育祭はお前らにとって最大のチャンス。プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。年に一回……計三回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対に外せないイベントだ!」

 

『うーん、そういえば私達は雄英体育祭、見てないなぁ……』

 

『東風谷家は代々巫女や神主をつとめる家系だったからな……ヒーローという職業にあまり興味が無かったのも事実だ。結婚相手もそのような傾向にあったな』

 

「そういえば雄英体育祭って俺、見た事無いんだよね」

 

「「「えぇ!?」」」

 

乾坤の言葉に緑谷、峰田、瀬呂が驚くような反応をする。

 

「東風谷……お前それ本当か!?」

 

「雄英体育祭を見てないなんて人生の50%は損してるぞ!?」

 

「ヒーロー志望なら必ずといっていいほどの視聴率だよ!?」

 

 

「あー、母さん達があまりヒーローに興味が無かったのと、色々と忙しかったから……」

 

乾坤は意外にも雄英体育祭を見た事がないのだ。神主としての仕事やいじめを二柱に隠すのに追われていて、家では大抵寝ているか勉強しているかのどちらかであったためテレビはあまり見ていなかった。

余談だが、幸いにも守矢神社は険しい山道にあったので乾坤の体力はかなりある方だったのでヒーロー科に受かれたし、二柱の能力行使にも耐えられる。

 

 

 

 

 

◇◇◇放課後◇◇◇

 

ガヤガヤガヤガヤ……

 

「「何事だぁ!?」」

 

放課後、A組の面々が教室から出ようとすると、沢山の普通科らしき生徒に出口を塞がれて通れなくなっていた。飯田が注意をし、峰田が出れない事に文句を言う。

 

そして爆豪が……

 

 

 

 

「敵情視察だろザコ。所詮モブ共がやることだ……意味ねぇからどけ」

 

「うん。言い方は兎も角、こんな所で特訓もしないで他人の妨害をしてるようじゃ絶対勝てないのは確実。無意味なのは確かだね〜」

 

『ちょっと、諏訪子母さん!?』

 

『…まぁ合ってるっちゃ合ってるのがな……』

 

諏訪子が更に油を注ぎ、神奈子が呆れ、乾坤が慌てふためくが、諏訪子は堂々と生徒をかき分けて帰路に着いた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、アパート内で乾坤達はある事の習得に集中していた。

 

「……ダメだなぁ。同時思考がこんなにも難しいなんて……別の特訓をするべきかな……? でも体育祭前には習得したいしなぁ……」

 

『まぁ乾坤、焦るのは良くないよ!私達の同時思考なんて難しい事をやるんだから時間がかかるのは仕方ないって!』

 

『まぁ体育祭までに習得すれば有利になれるのは確実だな……』

 

乾坤達は同時思考の習得に力を入れていたが、脳がキャパオーバーを何度も起こして失敗してしまう。

 

『うーん……個性も能力も使い続ければ使い続けるほど強くなったり、新しい使い方をできるようになったりするけど……ちょっとストイックすぎじゃない?』

 

諏訪子の言う通り、乾坤の特訓内容は明らかにオーバーワークだった。

 

脳がキャパオーバーを起こしている間は地力を上げる為に筋トレをし、その間に脳が休まったら再び同時思考の習得を目指すを繰り返し、これを休憩も取らずにやっているのだ。

 

『あまり根を詰めすぎてもいい結果は得られないぞ? 流石に休憩を挟んだ方が……』

 

「いや……俺はスタートの時点で大幅に遅れてるんだ。これくらいで大丈夫って甘えていたら、いつまで経っても皆と同じラインにたどり着けない。いつかは母さん達が暇をするくらい強くならないと、NO.1ヒーローなんてなれない。だから、もう少しやらせて欲しいんだ」

 

神奈子達が心配するが、構わず乾坤はその充血した黄金色の瞳を震えさせながら再び同時思考の習得を目指す。

 

『……あと3セットだ。それ以上やるつもりなら強制的に主導権を奪ってでも体を休ませる』

 

「わかった。……優しいよね、母さん達は」

 

『そりゃあ、乾坤のお母さんだからね!』

 

『育ての、が着くがな……だが乾坤を愛しているのは事実だ』

 

「…俺は最高の母さんを持ったよ……」

 

 

 

 

各々が特訓をし、雄英体育祭当日が来た……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。