『さぁ!いよいよ最後の種目だ!頼れるものは己だけ!あるもの全て使って駆け上がれ!ガチンコバトルの始まりだ!』
プレゼント・マイクがややうるさめに司会を引き続き行い、説明を始める。
『ルールを説明するぜ!基本的には2人が向かい合って始まり、場外になるか戦闘不能になるまで戦う!それさえ守れば何やってもOKだぜ!』
(ほう? 何をやっても……ねぇ……)
(ふふふ……言ったねぇ〜?)
「……程々にね?」
『審判は引き続きミッドナイトと、追加でセメントスが行うぞ!』
『さて、運命のトーナメントの発表といくぞぉ!トーナメントの内容はぁ……これだぁ!』
乾坤が二柱の不穏な言葉に釘を刺している中、トーナメントが発表されていく。
Aブロック
緑谷 出久 対 心操 人使
瀬呂 範太 対 轟 焦凍
上鳴 電気 対 青山 優雅
飯田 天哉 対 発目 明
Bブロック
芦戸 三奈 対 尾白 猿尾
常闇 踏陰 対 八百万 百
東風谷 乾坤 対 切島 鋭児郎
麗日お茶子 対 爆豪 勝己
◇◇観客席◇◇
「切島君か……少し相性が悪いかな……?」
(確かに私達の攻撃方法で有効打を与えにくいのはキツいかもしれないな……)
(ま、その時は一気に速攻仕掛ければいいんじゃない?)
「いや、切島君には凄まじいガッツがある。速攻されるのも承知の上で戦ってくるだろうね……」
(なら……おろ? 最初の試合が始まったみたいだね! どっちが勝つか予想してみない?)
乾坤達が話しているうちに、ちょうどセメントスによるフィールドの形成が終わったようで、最初の試合が始まった。
「えーっと、緑谷君の対戦相手は……B組の心操 人使か……」
(そういえばあいつ、騎馬戦で目立った動きを見せていないな……)
(じゃあ、初見殺しの個性かな? わざわざ最後まで目立たないようにしているって事はそうなんだろうね……)
「あい…は…踏…台……!」
「……!!」
フィールドから遠いので声はよく聞こえないが、心操が何か言ってそれに緑谷が反応。急に動きが止まって、心操が指示らしき事を言うと場外へ向かって歩き始めた。
『ああーーー!緑谷ジュージュン!!』
「み、緑谷君!!行っちゃダメー!!」
「あんなやり方漢らしくねえ!!」
「フン、術中にハマったクソナードが悪い」
「爆豪! お前幼馴染だろ!?緑谷を応援するべきだろ普通!」
「黙ってろ!この勝負は友達ごっこなんて1ミリもいらねぇんだよ…!」
「ん。爆豪君の言う通りだよ。この戦いに友達とかどうとかは一切ない。ぶつかるのはみんな敵だよ。友達だからと手札を捨てて、その中で手段を選んだ奴から負ける……それだけさ」
プレゼント・マイクと葉隠が悲鳴をあげるように叫び、切島が非難すると爆豪は緑谷が悪いと返し、上鳴が緑谷を庇うが爆豪はそう言って勝負を見届ける。それを神奈子が同調する。
バキッ!
緑谷が場外ギリギリで何らかの方法により個性を発動。正常に動き始める。
そのまま心操と緑谷はもつれ合い、一進一退の攻防が続く。
「ああああああッッ!!!」
「ッ!?」
最後に勝ったのは緑谷。心操の足を押し出して場外にギリギリ持ち込んだ。
「心操君場外!!緑谷君、二回戦進出!!」
『二回戦進出!!緑谷出久ーーー!!』
ワアアアァァァァァァ!!!
審判のミッドナイトは手を振り、プレゼント・マイクは勝利の緑谷の名を呼び叫んで、歓声が巻き起こる。
殴られた事による鼻血や打撲跡がありながらも、緑谷は拳に力を入れてその勝利を小さく噛み締めていた……
「緑谷君、お疲れ様。いい戦いだったよ」
リカバリーガールによって指を治した緑谷が席につき、瀬呂と轟の試合が始まる。
「まぁ……勝てる気はしねーんだけど……つっても…負ける気はねーなぁー!!」
合図が響くと同時に瀬呂は肘からテープを伸ばし、轟に素早く巻き付けるとそのまま場外に向けて引っ張り投げ飛ばそうとする……が、轟が過剰な程のサイズで氷山を生成して瀬呂を一瞬で行動不能にする。
「ありゃ……こりゃやりすぎだね。明らかにオーバーキルってやつだよ」
(……何かあるんだろうな。あいつをここまで荒くする何かが……)
瀬呂へのドンマイコールが起きる中、轟のイラつきを敏感に感じ取った二柱はそう考察するのだった……
補足 心操チームには庄田君ではなく発目ちゃんが入っています。そして、合意の上でチームを組んでいます。ヒーロー科に入ったのなら、普通科に在籍している心操君より精神的に安定しているんじゃないかなと推測してこうなりました。