乾と坤を操る神様達と無個性少年   作:プリズ魔X

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個性把握テスト!

◇◇グラウンド◇◇

 

「個性把握テストォォォォ!?」 

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」 

 

丸顔のうららかそうな女の子が相澤にそう聞いてくる。

 

「そんな悠長な事はやってられん。さっきも言ったろ?時間は有限だ。それに、雄英の校風は『自由』だ。入学式を踏み倒してもなんら問題はない」

 

だが、それを相澤は一蹴し、中学時代の乾坤のソフトボール投げの記録を聞いた。

 

「入試の首席は……東風谷だったな。中学の時の個性ナシでのソフトボール投げ、何mだった」

 

「えっと……確か57mだった筈です」

 

『私達ならどれぐらい飛ばせるかな?』

 

『こんなボール、能力を使わずとも投げた時の摩擦で消し飛ばせる』

 

『わぉ、究極の脳筋〜』

 

「俺は67mだクソが……!」

 

乾坤が記録を答え、二柱が体内で話している中、ウニ頭の少年が恨めしそうに小さく自分の記録を呟く。

 

「じゃあ今回は個性有りで投げてみろ。円から出ないでかつ、ボールが地面につかなければ何をやってもいい」

 

「分かりました。……諏訪子母さん、出番だよ」

 

『はいはいっと……ミシャグジ様! 出番だよ!」

 

「金髪が混じったぞ?」

 

「ミシャグジ様ってなんだ?」

 

「ケロッ……あの子から同族の匂いがするわ」

 

主導権が諏訪子に移り、ソフトボールを丸呑みできるギリギリの大きさでミシャグジ様を創り出す。

 

「行ってらっしゃい!」

 

ミシャグジ様はソフトボールを飲み込んで、そのまま這いずり、やがて見えなくなった。

 

「東風谷、その石蛇はどこまで動かせる」

 

「あれはミシャグジ様だよ!あのサイズならどこに居ても動かせるはずだよ!」

 

「……よし、記録は無限としよう。先ずは自分の限界を知ること。それがヒーローの素地を形成する合理的手段の第1歩だ」

 

「すげぇぇぇ!!」

 

「無限ってマジかよ!?」

 

「個性全力で使っていいんだ! 流石ヒーロー科!」

 

「なにこれ! 面白そう!」

 

「……面白そう、ね。お前ら、そんな気持ちでヒーロー科に在籍するつもりか?よし!トータル成績が最下位の者は見込み無しとして除籍処分としよう」

 

「「「「……はぁぁぁぁ!?」」」」

 

『……こりゃ大きく出たね』

 

『ま、全力でやるのは変わらないから気楽にいこー!』

 

「生徒の如何は先生の自由。ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

そう言って相澤先生が髪をかきあげてニヤリと笑う。パッと見、犯罪者にも見える。

 

「待ってください!初日からそうなんて、そんなの理不尽すぎます!」

 

そう丸顔の少女が抗議するが……

 

「自然災害、大事故、そして身勝手なヴィランたち、それらのいつどこから来るかわからない厄災……」

 

「世界は理不尽にまみれてる。そういうピンチを覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎様。……そんな奴はヒーロー科には不要だ」

 

「これから三年間、我々雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。さらに向こうへPlus ultraさ。……全力で乗り越えて来い!」

 

『……さて、どうする? 乾坤。先程の競技を見たところ、どれもやるには特化させた方がいいものだろうから乾坤の出番は無いかもしれないぞ?』

 

『あ、確かにそうだね〜!でもあの髭男、目はマジだよ?もし乾坤がやったら、手を抜いてると思われるかもね』

 

『諏訪子があれをやった後だから間違いなく勘違いさせてしまうだろうな』

 

(うーん……じゃあ能力の使い方は俺が決めて、母さん達が実行すればいいんじゃないかな?)

 

『じゃあそれで行こ〜!』

 

 

 

 

 

50m走

 

「む! 東風谷君とやるのか!」

 

「よろしくな、天哉!」

 

(……最初のソフトボール投げといい、今の言葉遣いといい、初対面の時と違うな……と、いけないいけない。今は自分の事に集中せねば……!)

 

乾坤(神奈子)が威勢よく答えると、飯田は少し引っかかるものがあったが、すぐに切り替え、いつでもスタートできる体勢に入る。

 

対して乾坤(神奈子)はオンバシラを地中から2本呼び出して、それぞれの腕で抱える。

 

「位置について、用意……スタート!」

 

「オンバシラ・ロケット!」

 

乾坤(神奈子)がそう言うと同時に、本当にロケットのように乾坤が飛び飯田を一瞬で追い越して、2秒3という大記録を叩き出した。

 

「なんていう速さなんだ……! 俺も精進しなければ!」

 

「いい走りだったよ天哉!」

 

 

握力

 

『さて、神奈子の能力はこれとは相性悪そうだし、となると私の番だね!』

 

『じゃあ諏訪子母さん、あのポニーテールの子を見た感じ、握らなくてもいいみたい。だから……』

 

「えいっ!」

 

ベギベギベギボギ!

 

乾坤(諏訪子)はミシャグジ様を体に絡ませて、蛇腹の部分で握力計を締め付け、複雑骨折のようにバキバキにへし折ってしまった。

 

「……これってどうなるの?」

 

「計測不能とする」

 

「クソっ!アレが女子だったらあんなことやこんなことも……!」

 

『なんだあのちっこいの……血涙が流れてるじゃないか……』

 

『本当になんなんだろうね……』

 

何やらブドウ頭の小さな少年が血涙を流していたが、乾坤達は見なかったことにした。

 

 

 

走り幅跳び

 

乾坤(神奈子)は突風を巻き起こしてそのまま帰ってこない。しばらくすると、浮遊した乾坤が戻ってきて、相澤先生に質問する。

 

「これっていつまで続ければいいんだ?私はいつまでも続けられるが」

 

「じゃあ無限だ」

 

「また無限が出た!?」

 

 

 

 

 

反復横跳び

 

「行くぞー?」

 

「「「「おーー!!」」」」

 

「……無理です。数が多すぎて処理しきれません」

 

「……計測不能とする」

 

今度は乾坤(諏訪子)が能力で乾坤を模した石人形を何十体も生成。そんな数で反復横跳びをするものだから、数えていた生徒が無理だと言って計測不能となった。

 

 

 

長座体前屈

 

「行け! オンバシラ!」

 

バゴォォォーーーン!!!

 

「……今まで見た生徒には長座体前屈で器物破損をした奴はいない。……お前が初めてだぞ?とりあえず記録は計測不能な」

 

「すげぇ強引な計測不能……」

 

 

持久走

 

「どけどけ〜!ミシャグジ様のお通りだぁ〜!!」

 

((((その割には脇通って邪魔しないようにしてる……))))

 

諏訪子が巨大なミシャグジ様を走らせてバイクやエンジンを鼻で笑いかねないスピードで疾走し、ぶっちぎりの1位となった。

 

 

「そんじゃ順位の発表だ。1位、東風谷。2位、八百万。3位、爆豪。4位、轟。………………最下位、緑谷」

 

「あ、除籍ってのはウソだから。」

 

 

「「「……はぁぁぁぁ!?」」」

 

 

「あれは君たちに本気を出させるための合理的虚偽ね」

 

「あんなの嘘だってすぐに分かりますわ……」

 

 

『本当に嘘かねぇ……?』

 

『まぁ嘘だったってこと自体が嘘っぽいよね〜』

 

そう黒髪ポニーテールの子が言うが、二柱は懐疑的であった……

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