乾と坤を操る神様達と無個性少年   作:プリズ魔X

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豊穣と大地、そして粉塵

モニタールームで皆が観戦している中、乾坤達はパートナーをどうするか話し合っていた。

 

『……で、どうする? ただ単に信仰を得るのだったら味方は選ばなくてもいいが……』

 

『まぁそんな事したら最悪乾坤が孤立しちゃうよね〜…ここは味方を選ぶのが無難かな』

 

(じゃあ索敵役の子が適してるかな?風の流れを読めばできないこともないけど、まだ同時にこなすのはちょっと不安だから、その中でも俺がカバーできない音波か視覚で感知できる子が望ましいかな。あの耳がイヤホンみたいな子とか…)

 

『『絶対ダメだ』』

 

(……え?)

 

二柱の突然すぎる否定の言葉に乾坤は一瞬思考が止まってしまった。

 

『これで乾坤とお近づきになってそのままの勢いでゴールインとか絶対ダメだ! 乾坤にはもっとじっくりゆっくりと決めてもらわないと……!』

 

『まぁ乾坤を誑かさせる訳にはいかないよね〜……』

 

(……え? え?…………えぇ!?)

 

……なんとも親バカな理由であった。

だが、憑依していなければ二柱はきっと目の光が消えてどす黒い色の瞳となっていただろう。

 

(じゃ、じゃあ今戦ってる目と耳を増やせる子とかどうかな?)

 

『うん!それなら構わないよ!』

 

『あぁ、いいと思うぞ?』

 

(じゃああの子で決まりにしよう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて! 最後に東風谷少年との試合だ!まずは希望者を募ろう!」

 

「「俺がやる」」

 

手を挙げたのはウニ頭の少年と、紅白カラーの少年だった。

 

(よし、目当ての子は立候補しなかったな)

 

「うむ!爆豪少年に轟少年の2人だね! では東風谷少年はこの2人以外から選ぶんだ!」

 

「えっと……障子君で合ってるよね?」

 

「…あぁ。俺にするのか?」

 

「うん。……オールマイト、抽選を」

 

「決まったみたいだね! えーっと……? 東風谷少年達がヴィランチームで、爆豪少年達がヒーローチームだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは東風谷の個性を聞いていいか?」

 

「分かった。俺の個性は『守谷の二柱』だよ。八坂 神奈子っていう母さ……神様と、洩矢 諏訪子っていう神様が憑依してるんだ。二柱は俺の育ての親なんだ。神奈子母さんは天に関係すること、諏訪子母さんは地に関係することを操ったり、創り出したりできるんだ。……索敵も風を使って出来なくはないけど、そこまで得意じゃない」

 

「よし、概ね理解した。俺が正確に索敵をして、東風谷が個性で遠距離から2人を抑える……これでいいか?」

 

「うん。その作戦で行こう。多分相手は俺の個性がまだ分かりきってはいないから。……そうだ、時間も余ったし母さん達を紹介しようかな。諏訪子母さん!」

 

「はいはいっと……ふふっ、驚いた?私が洩矢 諏訪子! 乾坤に金髪が混じって瞳がアメジストみたいになったら私が動いてるんだ! これでも土着神の頂点だったんだよ?今は乾坤に憑依してるからもう土着神とは言えないんだけどね。このケロ帽が私の象徴だと思えばいいよ!ケロ帽の諏訪子で覚えてね!」

 

「ケロ帽……東風谷が被っているやつか…覚えた。よろしく」

 

「じゃあ次は神奈子母さん!」

 

「私が八坂 神奈子だ。紫がかった青髪で、ルビーのような瞳の時は私が出ている。守矢神社の表向きの神様だ。元々は諏訪子の神社だったけど、色々あってね……まぁ乾坤をよろしく頼むよ」

 

「問題ない。クラスメイトを信頼するのは当たり前のことだ」

 

「はっはっはっ!これは頼り甲斐のある奴がいたもんだねぇ!……っと。そろそろ時間だね!乾坤!私達の出番は無さそうだから、今回は乾坤1人で頑張れよ!」

 

 

 

 

『それでは……始めっ!』

 

オールマイトの合図と共にヒーローチームが動き出す。直後ビルが凍りつき……

 

「……凍らせてきたか。ミシャグジ様、氷を叩き割って」

 

ミシャグジ様が体に纏わりついていた氷を身震いして砕き、続いて障子と乾坤の足元の氷をのしかかりの衝撃で砕く。

 

「ありがとうミシャグジ様。……歩きづらいね。障子君、このスパイクを靴に嵌めて。これで少しはマシになるはずだよ」

 

乾坤はミシャグジ様の頭を撫でた後、障子にスパイクの生えている石板を渡し、障子がそれをコスチュームの靴に嵌めると、スパイクからベルトのようなものが伸びてきて、靴に固定される。

 

「ありがとう、東風谷。……こんな事もできるのか。……どうやら2人は固まって移動中。ここに一直線に向かっている。罠の場所に辿り着くまであと10秒……8、7、6、5、4、3、2、1、今だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……奇妙だな。扉が塞がっている。手応えからしてこの方向で合ってはいる…………もしや、誘導されている?」

 

「俺達を真正面から倒せる算段なんだろ……! 避けろ半分野郎!」

 

爆豪が轟の首元を掴み引っ張ると、巨大な────諏訪子の出す最大サイズほどでは無いが────ミシャグジ様が床を砕きながら轟達に巻き付こうとした。爆豪が引っ張っていなければ轟は瞬く間に行動不能となっていただろう。

 

「……すまねぇ」

 

「けっ! 謝る暇があるならさっさと進むぞ!」

 

 

 

 

 

 

「……避けられた。相手が橋を架けている内に次の罠を仕掛けよう。……予想よりも早い。第3ポイントで罠を使おう。接触まで5、4……」

 

 

 

 

 

 

「さっさと走り抜けるぞ! アイツらの目的は時間稼ぎだ!」

 

「分かっている」

 

爆豪が手から爆発を発生させ、轟が氷による加速でスピードを上げて核の置いてある最上階を目指した。

 

爆豪達が曲がり角を曲がった瞬間、足元の感触に違和感を覚える。

 

「……土と小麦粉?」

 

轟が足元の感触の正体を確かめた瞬間、空間が爆ぜた。

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