遊戯王の世界に転生したが、原作イベントを踏み外すと世界滅亡なんて冗談じゃない 作:鏡路の一般兵
記憶編導入~終盤
「もう一人のボクがいなくなったんだ、千年パズルの中からも、ボクの心の中からも……」
今、俺がいるのはエジプト、古のファラオに関連する記憶の石板前。
ペガサスからミレニアムアイを預かった俺はアメリカからエジプトに直行、空港で遊戯一行と合流する前にマリクと鉢合わせするという、壮絶に気まずい状況に置かれてしまったのだが……。
まあ、闇の力に囚われていないマリクはなんだかんだでいい奴だった。
むしろいい奴だったからこそあれだけの事件を引き起こしておきながら遊戯と和解することができたと言えるだろう。
最初こそお互い、「これどうしたらいいんだろう……?」というような雰囲気が漂ったが、イシズから促されるとマリクが自身の行いを謝罪。ペガサスからの温情で罪そのものは軽くなったとはいえ、これからどうやって償っていくつもりなのかについての心情と展望を聞けば、こちらとしても怒る気も無くなるというものだ。
正直、闇の力に囚われていない素の性格がこの通りなら、どうやって償うかを考えていること自体が罰なのではないかと思う程の好人物である。
その後は童実野町で詰まりに詰まった過密スケジュールを超えて来たであろう遊戯一行と合流。リシドの運転する車に乗り込み、万が一、三幻神を記憶の石板にかざしても何も起こらない等といった不測の事態に備え、現地まで俺も同行することになった。
何か致命的な見落としがあった時は、俺の予知能力ということになっている原作知識で対応するという算段だが……。勿論、俺が知っている王様の名前を彼らに伝える気はない。これは遊戯たちが行うべき戦いであり、俺が介入して良いと、そう思う事がどうしてもできなかったからである。
まあ、正直一番の仕事は記憶の世界に行く時。石室の中で倒れることになる遊戯一行。彼らが体を痛めたり、怪我をしないようにしてあげることだと思っているのだが……。
「お、おい。どうなってるんだ?」
「もう一人の遊戯が消えたって……」
「わ、分からないんだ!」
あれ? これ不味くね? なんか遊戯たちが一向に記憶の世界に旅立たないぞ?
記憶の世界には確かシャーディーから……。 あ、これは俺のせいです? 先日の病室での一件もあって、俺がいるせいでシャーディーが出てこれなくなってる? もしかして壮絶に原作イベントを踏み外した? まって、これで世界滅亡とか流石に冗談じゃないぞ。 し、仕方ない……。
「遊戯、ファラオの魂は記憶の世界に旅立った。だから君の中からファラオの魂が消えたんだ」
「倉瀬……?」
「記憶の世界とは3000年前、ファラオが実際に体験したものによって作られた舞台。ファラオはそこで自分の運命を辿り、千年パズルにその魂が封じられた謎を解き明かすことになる」
俺の語り口にシンと静まる一同。
所謂未来知識によるものと言うより、現在の状況を確認するための言葉だと言う事が伝わったようだ。
「じゃあ、もう一人の遊戯は、もう戻ってこないっていうのか?」
「いや。自分の記憶を解き明かし、3000年前の真実を知ることが出来れば戻ってこれる。但し、その行程は俺の知る未来では極めて厳しいものだった」
どこまで話していいものか。原作ではどこまで語られていたのか。
とりあえず、どこまで語って良いのかと悩んでいると、城之内と本田が居ても立っても居られない様子だったので続ける。
「記憶の世界で行われるのは究極の闇のゲーム。そこでファラオの魂はバクラの闇人格と再び戦うことになる」
「そんなこと聞いてねえぞ!」
「そうか、もう一人のボクは心配をかけたくなくて……」
究極の闇のゲーム。3000年前のエジプトを舞台にした超巨大TRPGとでもいうべき戦い。その存在とバクラと戦うという事実を明かした俺は、意味ありげに振り返る。
勿論何も意味はない、遊戯たちの視線が集まり、俺が責められているような気分になって落ち着かない気分になっただけ……だったんだけど、なんか階段でバクラが倒れてるんですけど……。止めてよ……。
「獏良くん!?」
「獏良がなんでここに!?」
城之内が駆け寄って抱き起こし、とりあえず記憶の石板が安置されている部屋の隅に寝かせる。
予知能力って思った以上に見えてるんだな……と、一同からちょっと同情的な目線で見られるが、これに関しては完全に偶然である。なんで都合よくバクラが倒れてるんだよ。自分でもびっくりしたので、精神を落ち着けるために意味ありげな視線をバクラに向けつつ黙り込む。
バクラって千年パズルにパラサイトマインドしてたから参戦してきたんじゃなかったっけ……。本人がいるのは本当に知らないんだけど……。
「それより倉瀬くん!もう一人のボクを助けに行く方法は無いの!?」
「全部教えてくれって訳じゃねえ! 助けに行く方法だけでも教えてくれ!!」
「お願い!」
遊戯一行から詰め寄られ、思わず後退る。
記憶の世界にどうやって入ってたかな。千年錠の力で千年パズルの中に入ってとかだっけ?千年パズルの中にある王様の心の迷宮の先とかだったのは覚えてるんだけど、千年錠の力で入ったのか、友情パワーで千年パズルの中に入ったのかが曖昧だ。とにかく一度落ち着こう、冷静になるために時間を稼ごう。
「千年パズルだよ、遊戯」
「え?」
「君は千年パズルの中、ファラオの心の中に迷宮があることを知っているはず。その心の迷宮を解き明かした先、究極の闇のゲームの舞台となる記憶の世界は存在する。迷宮に迷ってしまえば二度と出てこられなくなるリスクもあるけれど……」
そう説明すると、それなら!と喜んで自分の意識を千年パズルの中に落とそうとする遊戯と、それじゃあ俺たちが助けに行けないじゃないか!という城之内。
皆を危険に遭わせることはできない、一人で危険な場所に行かせたくはないと、お互いが心配するが故の舌戦が始まるが……。
「いるんでしょ?シャーディー。そろそろ出てきなよ」
「……君には、本当に驚かされてばかりだな」
とりあえず、俺は最初から出待ちしていたであろう男に声をかける。病室での一件もあり、俺がいるせいで出てこれなかっただけで、よく考えればこの場にコイツがいないわけが無い。それは一度落ち着いて考えをまとめればすぐに辿り着いた事実。
この場にいなかったはずの男が現れた事、その男が度々彼らの前に顔を現していた男だったことでこの場に緊張が走るが問題無い。こと記憶編に関して言えば、コイツ程信用できる男はいないのだから。
「ファラオには現世での友がいる。連れて行ってあげて欲しい」
「心得た。ファラオの魂を宿す者、そしてその友人たちよ。手を繋ぎ、心を揃えて意識を集中せよ」
遊戯一行に有無を言わせないまま話を進める。
いや、遊戯一行にも有無を言う必要が無いと言うべきか。彼らは固い結束で結ばれた仲間たち。遊戯が一人で行こうとするのも、それを仲間が認めないのも分かっている。彼らはそれでもお互いを思いやっているのだから、全員で行くと言う選択があるならそれに乗る以外の答えはない。
勿論、俺はいかない。精神状態が改善したことで、闇のゲームに対する耐性は改善したのではないかとペガサスは言うが、これまでがこれまでである。下手に記憶の世界に突入して、究極の闇のゲームによる影響を受ける可能性を考えると、参加すると言う選択肢は取りにくい。
だからこそ俺が彼らにできる最後の援護として、これくらいならば大丈夫だろうとトランス状態になり始めている彼らに声をかける。
「記憶の世界は現実世界とは法則が違う。記憶の世界へとたどり着いたら、自分のデッキとデュエルディスクの存在を念じるといい。そうすればデッキは……精霊は君たちの力になってくれるはずだ。だが心得ておいて欲しいのは、記憶の世界でのライフは君たちの命そのもの、究極の闇のゲームへの参加権であるということ。絶対に0にならないように気を付けてね」
「分かった!ありがとう!倉瀬くん!」
「サンキュー!倉瀬!」
そんな皆からの感謝の声を聴いていると、その場にいた全員が崩れるように倒れ込み、シャーディーが現世から消えたことで、千年錠と千年秤がガシャリと音を立てて落ちた。
この場にいた俺を除いた全員が記憶の世界へと向かったのだ。
もう、できることは何もない。
ただ見ていることしかできず、皆が無事に帰ることを信じ、待ち続けるしかないという事実。これに俺は酷く寂寥感を覚えながら、遊戯一行の帰りを待つ。
―――
「倉瀬か」
「海馬社長」
遊戯たちを楽になるように寝かせ直した後、暇を持て余して記憶の石板の前でデッキを回していた俺の前に現れたのは社長だった。そういやアニメ版だと普通に参戦してたなこの人。
でも、アニメ版だと社長ってどうやって記憶の世界に来たんだっけ?
「端的に言おう、俺を遊戯の記憶を巡る戦いとやらに連れて行け」
「ええと……」
考え込む。本気で考え込む。
マジで覚えていないのでわからないのだ。社長が何故記憶の世界に突入できたのか。
その様子を見て俺が教える気が無いと判断したのか、社長の機嫌が悪くなる。
「貴様が教えないと言うのなら……」
「いや、そうじゃなくて社長がどうやったら戦いに参戦できるのか、分からなくて……」
俺は自分の原作知識……予知が完璧では無い事。
その中で社長は究極の闇のゲームに参戦していたが、どうやって参戦していたのか本当に分からないことを告げる。
「ふぅん。行き先は分かれど、そこに至るまでのロードが分からない。思った以上にその力は当てにならんな」
「まったくです」
原作知識、それは絶妙に頼りになるようでならない力だ。
純粋な知識、誰がどんなデッキを使っているのか。そのデッキにはどのようなカードが入り、効果を持っているのか。
こういった知識は何度も俺を助け、同時に悩ませてきたが、原作でのイベントやそれに介入する手段という意味では、未来を知っていても驚くほど役に立たない。
ドーマ編での黒幕がダーツであるということが分かっていても、ドーマの神殿の場所が分からなかったように。記憶編でも記憶の世界で何が行われているかが分かっていても、そこへの行き方、解決の方法が分からない。仮に俺が遊戯たちと一緒に記憶の世界に向かったとして、役に立てたかという点は実の所怪しいと言わざるを得ない。
王様の真の名前であるアテム。
これを俺が教えたとして、ホルアクティへと繋がる鍵になるとは正直思えないのだ。名前とは、文字と音を揃えて初めて意味を成す。音しか知らない俺が王様にその名を伝えたとして、本当に自分の名前を思い出したと言えるのか。
俺は思い出したとは言えないと思う。
自分の名前がまったく違う文字で書かれていれば、それが自分の名前だと認識できないのと同じことだ。結果として遊戯たちが文字の形を求めて王墓へと向かう必要が出てくる以上、どこが名前を隠した場所なのかが分からないようでは、本当に原作知識が彼らの役に立つかというのは怪しい所だろう。むしろ、余計な先入観を与えて足を引っ張ることになりかねない。
「で、貴様はそのままそこで時間を潰すだけなのか?」
「それは……どういう意味です?」
「倉瀬、貴様が未来を変えてしまうリスクを恐れていることは分かっている。介入する様子を見せず、そこに一人でいることがその証だ」
などと考えつつ、まあ社長なら自分の力で記憶の世界に入るでしょ。
魂の因縁とかで記憶の石板側から勝手に呼び出しが入るんじゃないかなと思っていたのだが、そんな俺を社長は挑発的な瞳で見つめながら言葉を紡ぐ。
「ドーマとの戦いの中、お前はこの世界に存在する意義を見出したと言える。だが、本当にそこで満足なのか?」
満足、満足か。
「貴様の精霊、フルルドリスにはモクバの幸せを踏みにじるリスクを抱えてでも未来を変える覚悟があるかと問われ、あの時オレは不覚にも言葉に窮してしまった」
確かにそういうことがあったということは聞いている。
社長にとってモクバとは自分の在り方を構成する一要素であり、如何に進むべき道を自らの手で切り開く覚悟があったとしても、即決することは難しいだろう。
「だが、ここで断言しよう。オレならばモクバの幸せを踏みにじるリスクを抱えてでも未来を変える。否、未来に至る全ての道筋を自らの手で切り開き、踏み記した道を以って未来とする!」
そうだろうな。海馬瀬人というのはそういう人間だ。
原作知識としてではない、この世界にきて言葉を交わした仲として、彼ならばそうするという確信がある。自分の運命、未来を他人に委ねるという事を海馬は許さない。
「何故ならば、そうでなければオレ自身が納得できないからだ。
己の力で自らの道を切り開ける場面、そこで立ち止まった人間に未来は訪れない。
未来永劫、立ち止まったという事実そのものが己を苛み続けることだろう」
「っ……」
「故に問う、この世界に根を下ろした貴様が、ここで立ち止まったままで満足できるのか?」
海馬は問う。
俺個人がここで満足できるのかと。
自分が世界に存在しても良いのかと自問自答しなくなった俺が、この世界に居場所を見つけた俺が、世界のリスク程度を気にして、遊戯たちに全てを任せてここにいること。
それで未来に後悔を残さないのかと問いかけている。
「ふぅん。そこそこ見れる顔にはなったが、まだ足りんか」
どうやら、機嫌が悪かったのは俺が記憶の世界への行き方を知らなかったからでは無く、うじうじしていたように見えたかららしい。
自覚は無かったが、社長が言うなら実際そうだったのだろう。
「そもそも、未来を変えなければ全てが上手く行くなど誰が保証してくれるというのだ?」
「それは……」
社長からの言葉に俺は思わず顔を上げる。
そう、顔を上げた。……俯いてたのか、俺。気が付かなかった。
「誰も未来のことなど保証しない。貴様の未来予知がどれほど正確であろうとも、絶対というのはこの世界に存在しない」
今、貴様の予知では記憶の世界で戦っているはずの俺が、この場で足踏みをしていることがその証明だろうと言う。確かにそうだ。どこで何があったのかは知らないが、言われてみればここに社長がいるという時点で、記憶の世界での戦いがどう転ぶのかが分からない。
漫画版では社長の援護が無くとも相棒が王様へ名前を届けるのが間に合っていたが、アニメ版ならばどうなるだろうか。もしかしたら、社長がここに足止めされている分。時間を稼げなくなって王様の敗北、そして世界の滅亡を招くかもしれない。
「故にもう一度問うぞ、貴様はそこで時間を潰し、結果を待つだけなのか?」
「……そこまで言われちゃ、結果を待つだけじゃ居られませんね」
「貴様は数年後、デュエルアカデミアの教師として、多くのデュエリストを育てることになるのだ。そこで燻って居られても困る」
デッキをホルダーに収め、衣服に付いた埃を払う。
記憶の世界への行き方は分からない。しかし、この場には数多の千年アイテムがある。
「倉瀬!やる気になったのなら、このオレを遊戯がいる舞台へ!
記憶の世界とやらに連れて行ってみせろ!」
「フフッ、結局それが目的ですか?」
「ふぅん。ただの善意で発破をかけているとでも思ったか?」
いやまったく。
社長のしてやったりといった表情は、俺に発破をかけたのはあくまでおまけ、主目的は記憶の世界への突入を目的としたものだとありありと示している。
確かに言われてみれば、先程までの俺が悩んでいた姿は、社長にとって好ましい姿ではないのは明らかだ。そんな俺に発破をかけるなんて、そんなに気に入られてたっけ?などと思っていた部分もあったのだが、しっかりと打算があって逆に安心した。
とりあえず、千年アイテムや神のカードが記憶の世界に至るキーアイテムであることは間違いない。遊戯の千年パズル、バクラの千年リング、シャーディの千年錠と千年秤、この場にはいくつもの千年アイテムがあるのだから、上手く使えば記憶の世界に入ること自体は不可能ではないはず。
だが、この場で俺が頼るべき千年アイテムなんて、一つしか存在していない。
「……ミレニアムアイよ。ペガサス会長、力を貸してください」
そう、ペガサスから預かったミレニアムアイ。ミレニアムアイは千年パズルの心の奥底すらも見通すほどの力を持っている。例えどんなに迷宮があろうとも、その全てを超えて記憶の世界に辿り着くはずだと俺は信じている。
「海馬社長と俺を―― 記憶の世界へ――!」
そう願った数秒後、思ったより簡単なんだなと。
思わずそう呟いてしまったほど、ミレニアムアイはあっさりと記憶の世界の上空へと俺たちを導いた。あまりの高度に顔を引きつらせ、なんとか着地に成功するもよろめいて体勢を崩す俺と、当然の如く着地に成功して周囲を見渡す社長。
鍛え方が足りないと言わんばかりの視線が突き刺さるが、まあ、そんなことは些細な話だ。むしろ体勢を崩す程度で済んだ俺もデュエリスト特有の身体能力だとは思うのだが、それを軽々と上回る社長は一体何なのだろうか。
俺が記憶の世界に参戦することで、何が起こるのかは分からない。
もしかしたら原作が崩壊し、世界が滅亡してしまう事にも繋がるかもしれない。しかし、社長が言ったように、この世界に正しく根を下ろすことが出来た俺には、世界の危機……いや、友人の危機を見過ごし続けることはもうできそうにない。
介入するか、しないのか。
何を選ぶにしても、立ち止まるという選択はありえないのだ。
もっと先の時代になれば、後進の成長を促すため、あえて見守るということはあるだろう。
しかし、遊戯や海馬は同じ時代。同じ世代の人間として競ってきた仲間である。
その繋がりは短いようでとても深い。この世界のデュエルは遊びであっても魂をぶつけ合うもの。一度魂をぶつけ合った相手が、仲間が戦っているというのに、自分だけが異物ですと言いながら、素知らぬ顔を続けるのは納得できない。
原作イベントを踏み外した程度で世界が滅亡するなんて冗談じゃない。
そういった決意を胸に秘め、俺はデュエルディスクの存在をイメージする。
呼び出すのは俺と戦い、遊戯と共に旅をしてきた精霊であるエクレシアとフルルドリス、それ以外のメンバー……特に教導の大神祇官や邪神 アバターは呼び出せる気がしない。ちょっとどころではなく、彼らを呼び出すには俺の魂(バー)が足りてない。呼び出しただけでぶっ倒れるという確信がある。原作では三幻神をまとめて呼び出していた挙句、彼らがゾークに倒されてもなお意識と戦意を保っていた王様は流石のファラオといった所か。
「マスター」
「マスター!」
記憶の世界という特別な環境故か、嬉し気に声をかけてくる新たな装いの彼女たちの姿を見て思わず、お前らも自由に書き換われたのかと、俺は思わず吹き出しながら呟く。
はい!と自信満々に答えられるが、悪い気分ではない。それは彼女たちが今まで俺を気遣ってくれていたという証であり、この記憶の世界にやってきたことで、彼女たちとの関係をまた一歩進められたということなのだから。
「遊戯たちを助けに行こう」
「勿論です!」
そんな俺の気持ちと決意を一つの言葉に秘めて示し、それに彼女たちが応える。
ペガサスはここまで俺の知識から、こうなることを予測していたのだろうか。彼女たちと話せる最後になるかもしれない機会。きっと、それを聞いても否定するだろうけど……。
その機会が世界を救う戦いという大舞台なのは、この世界に生きる倉瀬カインという人間にとって、なんとしても世界を滅亡させないという気持ちにさせる、最高の贈り物だった。
以上!
今回を持ちまして本作、『遊戯王の世界に転生したが、原作イベントを踏み外すと世界滅亡なんて冗談じゃない』は、一度完結となります。
原作ではこの後にゾーク戦、戦いの儀と続くこともあり、遊戯王DMの二次創作として見ると区切りがいいような、悪いような感じもしますが、倉瀬の物語としてはここで終わらせるのが綺麗かなと思い、こういう形で幕を引かせていただきました。
GWを機会に読み専から転向し、初投稿となる作品で日刊1位、週刊1位、月間1位、総合の累計ランキングでも二桁順位になるほどの好評を頂き、これは絶対にエター出来ないぞと思っていたので、無事完結できて一安心。約一ヵ月にもわたるお付き合い、誠にありがとうございます。
皆さまからの評価や感想、お気に入り登録はとても励みになりました。本当に感謝としか言えません。
まだ評価や感想を行ったことがないと言う方は、今回を機会にやって貰えたりすると、僕が日常回や番外編、別作品を製作するモチベーションになりますので、是非よろしくお願いします。
一応、現時点では番外編として『某大百科風の倉瀬カイン』を投稿することを予定していますので、こちらも気長にお待ちいただければと。
GX編以降に関しては、事前に準備していた設定や構想の多くを使いきってしまったので、投稿できるとしてもかなりお待たせすることになりそうです。
(教導とデスピアの主要なカードは概ね登場させてしまったので、新カードの情報を待ちつつ、それを設定と組み合わせないと、デュエルがワンパターンになってしまうため製作に取り掛かれないんですよね。凶導を除けば未登場の切り札級がデスピアン・プロスケニオンぐらいしか残っていないので……。)
ちなみにあまり製作に関する話やマスターデュエル以外の遊戯王の話をあまりしておらず、作者へのイメージを著しく崩す可能性もありますが、実はTwitterもやっておりますので、興味がある方はこちらもどうぞ。
作者のイメージを崩したくないと言う人は、リンク先に飛ばないことをお勧めします。
鏡路の一般兵 Twitter
☆掲示板回ではもう補足できない色々な設定
・掲示板世界線アニメ
記憶編の終盤から倉瀬と海馬が参戦。王様の隣に立ってゾークと対峙しつつ、相棒が名前を伝えるまでの時間を稼ぐ。
エクレシアは基本的に倉瀬の護衛枠だが、戦線に参加したフルルドリスの戦い方が滅茶苦茶上手く、消耗したマハードやハサンと入れ替わる形で数話に渡って雷撃による支援を行ってくれているはず。多分最初は姿を現さずにどこからともなく定期的に雷撃が飛んでくる感じで、ゾークが「そこか!」とか言って攻撃した煙の中から現れるみたいな感じになる。
・エクレシア&フルルドリス
攻守1500+攻守2500=初期ライフ4000、倉瀬の魂で呼び出せる限界ギリギリの戦力。
記憶編でBMGと同様(?)に新衣装……白の聖女 エクレシアと妖眼の相剣師の姿で参戦する。カードでの登場はかなり後なので、この時点で白の聖女版エクレシアがチューナーであることが判明したりはしない。
・本来アニメ版で海馬が参戦する経緯
①バクラがモクバを拉致して海馬を挑発
②ミレニアムアイを海馬に渡してエジプトへ誘導
③海馬がエジプトに到着して過去のビジョンを見る
④バクラが海馬が到着したのを察知して究極の闇のゲームに呼び込む
⑤バクラが海馬の魂の一部を拝借して盗賊王復活からゾーク召喚に繋げる
そのため倉瀬本人は忘れていますが、実はペガサス襲撃に介入するのは両陣営にとって致命傷になりうる特大ガバでした。
ただミレニアムアイをエジプトに持っていけばええやろ!じゃすまない話だったんですね。
本作では海馬がドーマ編でこの手の話を聞いているので、海馬は勝手にエジプトにやってきて、遊戯側のガバは自動的にリカバリーされました。
・バクラ
元々は海馬を誘導して参戦させたのに、自分の想定外のタイミングで海馬&倉瀬が遊戯への援軍として参戦。本作だとペガサスを襲撃した王国編以外に出番は無いが、実は裏でひたすら改変の被害を受け続けている。
ドーマ編では日本にお留守番だったため倉瀬の秘密を知らず、究極の闇のゲームが始まってから突然予知能力者が沸いて来るという大ファンブル。想定外過ぎるので王様とやりあってる時に海馬と合わせてコイツら一体何なんだよみたいな感じで多分愚痴ってて、王様は悪い笑みをしてる。