遊戯王の世界に転生したが、原作イベントを踏み外すと世界滅亡なんて冗談じゃない 作:鏡路の一般兵
城之内 VS キースの前
バニラ主体でドラグマと戦わされる原作主人公がいるらしい……。
※前回の終了時からターンが飛びます。攻防の行間は脳内で埋めて貰えると嬉しいです。
視点: 城之内克也
遊戯と倉瀬のデュエルが進む中、城之内は震えていた。
『俺は魔法カード、救魔の標を発動。墓地から教導の聖女エクレシアを手札に戻す!
そしてフィールド上に融合召喚されたモンスター、痕喰竜ブリガンドがいるため手札から特殊召喚できる!』
『くっ、またサーチコンボか!』
『天底の使徒も既に使ってるから再利用は正真正銘これで最後、これから先は流石のドラグマと言えど、息が切れるから安心していいよ』
―― 目の前で行われているデュエルは常識を超越していた。
ライフポイント以外の有利を狙いに行く倉瀬の戦術眼は勿論。
手札の減らないサーチ戦術、墓地利用戦術の前に絶望的な状況に追い込まれながら、倉瀬本人から「息が切れた」と言わせるほどに耐え抜いた遊戯の粘り。
それは城之内というデュエリストが目指すべき高み。
それがあまりにも遠い場所であることを、100の言葉を語るよりも分かりやすく教えていた。
「やっべえ……あの魔法カード、俺がトレードで渡した奴じゃねーか……」
「え……、ちょっと城之内!?あんた何してるの!!」
「いや、まさかあんなに強いカードだとは思ってなくて……」
「馬鹿!そういうのはちゃんと調べとかないとダメだろ!」
「渡して良いカードの良し悪しも分からねえのかクソガキ!」
杏子と本田、ついでにキースからも責められるが、この震えは自分が渡したカードが敵に回ったからではない。
遊戯が押されているが故の震えである。
デュエリストとしての城之内にとって、遊戯とはデュエリストの頂点に位置する絶対の存在だ。
全国大会の猛者である羽蛾は汚い手を使った上で敗れて行ったし、今までに遊戯を苦戦させた梶木やプレイヤーキラー、迷宮兄弟も何らかの彼らにとって有利に働く要素があった。
決闘者の王国に呼び寄せたペガサスは、具体的手段こそ不明だが、心を読んだなどと公言している。
海馬にしても平然とデュエル以外の番外戦術として精神攻撃を仕掛けたり、それを抜きにしても遊戯が押されるのは超重量級のパワーデッキだからだ。
超重量デッキを相手にしているのだから、序盤に押し込まれるのは当然の話であり、それをいなせば自然と勝利が見えてくる。
しかし―― 倉瀬は違う。
まったくもって五分の状況でデュエルを始め、使うデッキはどちらかと言えばテクニカルタイプ。
遊戯のデッキと似た属性でありながら、互角以上に戦っている。
エクレシア1枚を起点に罠カードをサーチ。
罠カードで遊戯のモンスターを破壊してエクストラデッキからモンスターを墓地に落とす。
墓地に行ったモンスターの効果で手札を補充するという、手札の減らない一連の流れ。
そして1枚でこの流れを起動できるからこそ、それ以外のカードは汎用札や対策札で固められるが故、墓穴の指名者のようなあまり使われる事の無い、相手を対策するカードを多く投入できる。
本来、手札とはデュエルの中でドローする以上に減るものなのだ。
だからこそ強欲な壺のような手札増強カードは強力であり、多くのデュエリストが採用し、デッキに1枚しか採用できないと言う制限が生まれた。
この手札はデュエルの中で減っていくと言う鎖には、遊戯だけでなく海馬や、城之内の師匠である武藤双六も縛られている。
それは絶対の法則であるはずなのに――、倉瀬だけは縛られていない。
『強欲で貪欲な壺、発動!このカードはデッキの上から10枚のカードを除外することで、カードを2枚ドローする!!』
『強欲な壺と同じ効果の魔法!? だが、10枚ものカードをランダムにゲームから取り除くと言うのは――』
『エクレシアや落とした融合モンスターのサーチ効果で必要なカードは既にデッキの中から回収済み、10枚の除外のデメリットはほぼ無いに等しく、2枚目以降の強欲な壺として扱えるのさ!』
そう言って使いにくい手札増強カードすらも活かしてカードの総合数を増やし、場に残った融合モンスターを起点に、特殊召喚可能なドラグマモンスターを次々と並べる倉瀬。
羽蛾のように油断して攻撃表示にして聖なるバリア ミラーフォースで並べたモンスターを一掃されるようなヘマも無い。
守備表示で壁モンスターを増やし、遊戯にその対処を強制しつつ、自身は手札を温存。
対策に追われる遊戯は手札とフィールドの総合数を減らさないことでやっとだと言うのに、倉瀬のリソースは増え続ける。
アルバスの落胤の手札コストとして使われると墓地からセットされる魔法カードってなんなのよ!必死の思いで出した最上級モンスターを一瞬で奪われて超大型が出てくるのに!なんで手札が増えてるのよ!!と、あの勝気な舞ですら声を荒げている有様だ。
遊戯の手札とフィールドには合わせて4枚のカードしかないというのに、倉瀬は手札に6枚、モンスター3枚、セットカード2枚で合計11枚。
既に3倍近いカード・アドバンテージの差が付いている。
最強の手札増強カードと言われる天よりの宝札で最大のドローをしたとしても追いつかないほどの絶望的な差。
ライフポイントはお互いに半分以上残っているが、ここまでの状況になってしまえばそれはもはや誤差。
倉瀬が一度攻勢に移って総攻撃が通れば4000の初期ライフ――。それが2倍あっても一瞬で削り切るだろうし、逆にあれだけのカードがあれば例え残りライフが500を切っていても豊富なカードを駆使して当然のように防ぐだろう。
遊戯が凌げているのは、圧倒的に有利な状況であるにも関わらず倉瀬が攻め込んでこないからでしかない。
―― もっとも、攻め込んでいればミラーフォースに代表される罠カードの効果で一発逆転もありえるためそれが正解なのだが、それを読んで攻めず最低限の損害で抑えながら遊戯のリソースを削りに行くこと自体が彼の戦略眼の高さを物語っている。
「嬲り殺しかよ……!」
思わず、城之内は声が出た。
実際に嬲り殺しにしているわけでないのは分かっている。
倉瀬はじわじわと堅実にアドバンテージを重ね、押し込んでいるだけだ。
セットカードの一発逆転を許さないように、確実に。
だがそれは未だ初心者の域を出ない城之内の視点からすれば、圧倒的強者が弱者を追いつめているに等しく、1枚、2枚とカードの差が開いていくのを見ることしかできないのが悔しかった。
「果たして本当にそうでしょうか、まだまだこの勝負は分かりまセーン」
「……え?」
「おっと、そんなに驚いた顔をしないでくだサーイ、流石にショックを受けマース」
そんな思いを抱く城之内に声をかけたのは、首をすくめてわざとらしく自分の感情を表すペガサスだった。
驚いているのは城之内だけではない、遊戯一行以外の面々。
キースや舞ですらいつのまにか玉座から離れ、観客席に近づいてきたペガサスに驚いている。
「倉瀬ボーイの使うドラグマは強力なカード群デース。
その強さはデュエルモンスターズの創造者である私ですら計り知れまセーン」
「計り知れないってどういうことだよ!」
「そのままの意味デース、デュエルモンスターズの膨大なカード群。
皆さんは果たして私が全てのカードをデザインしたとお思いですか?」
そういうと茶目っ気を出したいのか、ウインクをしながらペガサスが問いかける。
「いや……流石にそれはちょっと難しいと思うけどよ」
「そう。私はゲームの創造主として全てのカードに目を通し、ゲームとしてのバランスを考えて登場させていマース。
しかし全てのカードを一人で考えているのかと言うと違うのデース!」
「じゃあトゥーンは?創造主1人しか使えないデッキというのはバランスも何もないと思うけど……」
「トゥーンは皆さんご存じの通り無敵の生命体ですが、デッキとしての弱点は勿論ありマース。
それを考えることこそがデュエルモンスターズにおける戦略の楽しみ、デュエリストとはどんなに強いモンスターやデッキが相手でも、その対策を本能的に考えて実行に移す生き物なのデース!」
そこでキースが歯ぎしりしながら身を乗り出して攻略法を考えているようにねと笑い、ペガサスは本田の回答とバクラの突っ込みをサラっと流し、続けた。
「ドラグマとはいわば未来のデッキ。
あのカードたちはあるデザイナーが考えた『烙印世界』というストーリーをモチーフにしたもので、そのストーリーに登場するカードたちは非常に革新的な発想を秘めていました」
「革新的な発想?」
「生贄召喚や融合召喚、儀式召喚以外の新たな発想デース。
しかし……残念ながらゲームのバランスを考えると新たな発想を実現するにはまだ早い。
故に、私は『烙印世界』の中で新たな発想に頼らないカードだけを先行して登場させることにしました。
纏めて死蔵しているだけでは勿体無いですし、デザイナーにもカードにも悪いですからね」
城之内はその目を見て息を飲む。
率直に言って、城之内にとってペガサスの評価は余り高くない。
人の心を読むと公言し、自分にしか使えないカードを作る。
それは創造主の特権を悪用し、皆が楽しむデュエルモンスターズで好き勝手にやっている悪党に見えている部分があるためだ。
しかし、デュエルモンスターズの未来について語るペガサスの姿は真摯であり、その思いに嘘は無いと直感的に理解することができた。
「皆さんは疑問に思ったことはありませんか?
何故、融合モンスターしかいないデッキのことをエクストラデッキと呼ぶのか」
「確かに、融合モンスターしかいないのなら、融合デッキでいい……つまり……」
「その通り、エクストラデッキがエクストラデッキであること。
そしてドラグマのカードたちがエクストラデッキのカードを起点にしていること、それこそが倉瀬ボーイの使うデッキが未来を見据えていることを表しているのデース
創造者である私ですら計り知れないと言うのは、そういうことデース」
なるほど。
そう思いつつ、城之内は口を噤んだ。
遊戯の勝ちを信じていないわけでは無い。
むしろどんな逆境からでも絶対に勝ってくれると信じている。
しかし、遊戯と同等以上のテクニックを持つデュエリストが未来のデッキを使っていることが本当なら。
「遊戯なら大丈夫」だと、そう無条件に勝ちを確信してしまう程の素人から、「遊戯でもまずいかも知れない」と思えるまで、決闘者の王国での激闘を経て城之内は成長していたのだ。
―――
視点:武藤遊戯/闇遊戯
「罠カード、威嚇する咆哮を発動!このターン、お前の攻撃宣言を封じる!」
「……ヨシ、これで残る伏せカードは……1枚!」
倉瀬が強欲で貪欲な壺を使ってからさらに数ターンが経過し、ドラグマを相手に脅威的な粘りを見せていた遊戯だが、いよいよリソースの限界が訪れていた。
手札は無く、残されているのは魔法・罠ゾーンのセットカードが1枚だけ。
(なんとか凌いだが……)
(次のドローがラストチャンスだね、もう一人のボク。)
倉瀬の場にはエクレシア、フルルドリス、テオ、アディンに痕喰竜ブリガンドという5体のモンスターが出せる限界まで並んでいる。
特にブリガンドはフルルドリスと並んで攻撃力2500を誇り、戦闘で破壊されない上に他のモンスターをモンスター効果の対象から守る効果を持つ超大型融合モンスター。
起死回生の想いで出したブラックマジシャンを素材に出された攻撃力3600を誇る灰燼竜バスタードはなんとか破壊したものの、遊戯は倒した直後に後続としてブリガンドを呼び出された時点で正攻法での勝利を諦めていた。
大型の融合モンスターを破壊するだけでも大変でこちらも大型のモンスターを要求されると言うのに、相手はそれを素材に更なる融合モンスターを出してくる。
しかもエクレシアの再利用で手札リソースも減らないとなれば正面から殴り倒すことは不可能。
海馬ならばウイルスカードで一掃したり、大型のモンスターを破壊した後に再度融合されるまでに勝利を決め切るパワーがあるだろうが、遊戯のデッキではその勝ち筋は望めない。
何より倉瀬は表の遊戯の言によれば対峙する相手を『敵』として見ていないというのだから、遊戯も同じ舞台で戦う必要がある。
先のデュエルでは目の前の相手を無視し、逸る気持ちを抑えられず苦戦したが、舞を『敵』として認めることで勝利に繋いだ。
ならばこのデュエルでは求められるのは目の前の『敵』を倒すためにライフポイントを0にする『見える何か』ではない。
倉瀬が重要視する『カード・アドバンテージ』のようなライフポイント以外の『見えない何か』を見つけることである。
そういう意味ではとにかく耐えれば勝利が見えるエクゾディアが理想だった。
このデュエルに関しては手札を使い切るほどに消耗させられたため、仮に1枚でもエクゾディアのパーツを引いていれば、その時点で遊戯を守るものは無くなり総攻撃が始まっていた以上、エクゾディアをデッキに入れていれば負けていた可能性もあるが、ライフポイント以外の『見えない何か』の勝ち筋としてみると非常に分かりやすい。
もっとも、遊戯は既にこのデュエルにおける自分が狙うべき『見えない戦い方』が何かには気が付いていた。
後はその『勝ち筋』を引き当てることが出来るかどうか。
「しかし…… 初めてだな」
「え?」
遊戯の疑問に倉瀬が間抜けな声を上げる。
「俺が今まで戦ってきたデュエリストはこういう状況になれば…… いや、こういう状況になる前でも勝利宣言をしてきた。」
「……」
「それなのに……倉瀬、お前は勝利宣言をしない。それが初めてだと思ったんだ」
「……ドローは無限の可能性。1枚のカードから逆転されるなんて、よくある話だと思っているだけだよ」
そういって倉瀬は静かに目を閉じて祈る。
それは圧倒的にカードアドバンテージで有利な側がする行為ではない。
一見すれば弱気にも見える行動だが、闇遊戯はそれを見て倉瀬と言うデュエリストの中に確かな強さを見た。
「―― いくぞ、俺のターン! ドロー!!」
刹那、闇遊戯は必要なカードを引いたのを見て笑みをこぼす。
だが勝ちの宣言はしない。
倉瀬の場には5体のモンスターの他に3枚の伏せカードと、6枚という潤沢な手札があるのだ。
今までのデュエル展開から、その内2枚は効果で伏せられたものであり発動条件を満たしていないのは分かっている。
しかし1枚は今までの展開から攻撃誘発系である可能性は高いもののまだ発動する可能性があるし、潤沢な手札にはフルルドリスのような手札から発動できるカードも存在しているかもしれない。
そもそもこの流れなら引けると確信していても、本当に引けるかは分からない。
何より、圧倒的に有利な盤面においてなお、勝ちを確信しなかった相手に油断すると言うのはデュエリストの行いでは無い。
「俺はドローしたホーリーエルフを召喚!」
「ホーリーエルフということは――」
「ホーリーエルフは魔法使い族! セットしていたワンダーワンドを発動して装備!そしてそのままリリース!!その効果は――」
召喚された聖なるエルフは杖を持つと同時に粒子となって消えていく。
それは倉瀬からトレードで貰ったカードであり、倉瀬もどのような効果を持っているかも分かっている。
故に、止める手段があるならここで確実に止めてくるが――。
「デッキからの2枚ドロー……! 引くなよ!!」
倉瀬は動かない、いや、動けない。
彼の伏せカードは闇遊戯の予想通り、攻撃誘発系のトラップ。
如何にカードのアドバンテージを稼ごうとも、魔法や罠の多くが使いきりであることは変わらない。
遊戯が脅威的な粘りを見せる間の攻防により、倉瀬からは王のドローを止める手段は既に失われていた。
そして遊戯は2枚のカードを引き――、そのうちの1枚をそのまま場に出した。
「魔法カード、天よりの宝札を発動!! お互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにドローする!!俺は5枚のカードをドロー!」
「今の手札は6枚……新しいカードのドローはできない……」
フィールドのドラグマモンスターたちが周囲に溢れた光の粒子を目の当たりにし、驚いたように倉瀬を見る。
一方の倉瀬はというと、何かを悟ったかのように笑みを浮かべている。
『流石だぜ遊戯!』という声と、『それでもまだ倉瀬の方が合計カード数が多い』『2倍以上の差がある!』と言う声が響くが、もう、彼にはここから何が起こるのか予想が付いているのだ。
遊戯はこの場全ての思い――、如何に逆境をひっくり返すのかという期待に応えるかのように次々に魔法を発動する。
「1枚のカードをセットして、手札抹殺!!そしてそれにチェーンして速攻魔法!連続魔法を発動!!手札をすべて墓地に捨て、発動したばかりの手札抹殺の効果をコピー!!」
『せっかく補充できた手札をすべて墓地に!?』
「手札抹殺の効果はお互いに手札をすべて捨て、捨てたカードの数だけドローする!!」
ざわめくギャラリーの中、笑みを浮かべている倉瀬の次に気が付いたのは元全米チャンプ、キースだった。
『まさか……! デッキ狙いか!?あれだけのカード・アドバンテージがあるなら、手札抹殺で一気にカードを引かせることが出来る!』
『あっ!確かに倉瀬くんは豊富なサーチとドローでデッキのカードをたくさん使っている!残りのデッキのカード枚数は――』
『でも遊戯だって今までの戦いの中でたくさんのカードを……天よりの宝札でドローした後に使ったら遊戯のデッキだって!』
『連続魔法のコストだ!連続魔法発動のコストでクソガキの手札はもう全て捨てられている!だから手札を捨て、引き直すことになるのは――!!』
カード・アドバンテージを維持し、潤沢に手札を持つ倉瀬だけである。
―― デッキからカードを引けなくなったプレイヤーは強制的に敗北となる。
デッキ切れでの敗北と言えば、ペガサスに破れた海馬の記憶が新しい。
もっともあれはウイルスカードを逆用されての自滅に近く、戦略的に狙われたのとは違うのだが――。
「手札抹殺が発動する前に……増殖するG!このカードを手札から墓地に送って効果を発動!これで俺はキミが特殊召喚を行う度に1枚ドローしなければならなくなるが……。現在の手札枚数を少しでも減らさせてもらう!」
倉瀬は悟りの表情を浮かべつつも終わらない。
手札からカードを減らすことで、手札抹殺の効果枚数を減らす。
遊戯は1枚のセットカードを残し、連続魔法のコストで天よりの宝札で得た手札をすべて失っている。
如何な遊戯とてここまでの攻防で防御系の魔法罠を使い切っている以上。
どうせ全てのカードを捨てられるからとブラフ目的で伏せただけなのだ。
倉瀬のデッキが1枚でも残れば、ドローできなくなる前に勝負を決められる可能性は、客観的に見て極めて高いと言えた。
「……有利状況での強貪はやり過ぎたかなぁ。
あと1枚や2枚デッキに残ってても勝てなかっただろうけど、盤面をより盤石にしようとした、あそこの手札増強が敗着になるなんて。」
但し、それはあくまでもあり得たかもしれない可能性の話。
ドラグマカードのサーチを使うことによりデッキを高速で圧縮したのが一つ。
強欲で貪欲な壺で10枚ものカードをゲームから取り除いたのが一つ。
そして、遊戯が早い段階でデッキ切れを狙って只管に粘る動きに切り替えたのが一つ。
いくつかの理由はあれど、手札抹殺と連続魔法のコンボの後。
倉瀬のデッキは残らなかった。
遊戯はライフポイントを0にすることなく――、『敵』を倒さないまま『見えない勝ち筋』を掴み取って見せたのだ。
ドラグマ相手に王国編で使えそうなカードを軸にデッキ切れまで粘る内容。
しっかり描写したとすると流石にグダグダがヤバいのでがっつり短縮です。
多分途中で護封剣で一息入れたりしてる。
王国編は『敵』というのを重要視した構成だと思っているので、こんな感じの決着にしてみました。
遊戯 VS 舞 → 城之内 VS キース は目の前の相手を敵として認識しているかどうかで勝敗が分かれるので、遊戯を敵としてみていないオリ主が相手なら、敵を倒さない(ライフポイントを0にしない)構成が一番自然になるのかなと。
原作のデッキ切れ決着であるバトルシティ編のオシリス戦では、無限の手札を操るマリクに対して今回の経験を元に手札抹殺コンボで破壊しようとしたら止められて、そこから無限ループに切り替える感じになってると思います(フレーバー)
しかしこの世界線、デッキ破壊が遊戯のファンデッキ扱いになってしまうの流石に治安が悪すぎないか?
三原式とかに加えて『遊戯式』とかそこらへんの名称で歴史に残りかねない。
次回、掲示板回!
前回と同様に「オリジナル主人公がアニメにいたら」が基準の世界線での掲示板回となります。
☆掲示板回でもやるか分からないこの世界線のアニメやカードの環境に関する設定
・倉瀬
なんと原作主人公とのデュエルなのに、その最中の心情が殆ど語られないウチのオリ主。
まあ、内心を語るとカードパワーの違いで生まれたハンドアドバンテージの差を利用してのデッキ破壊は流石は原作主人公!!
20年先のデッキを転生者が使ってガチでやっても勝てない!これから始まる原作イベントを安心して任せられる!
とかキャピキャピしながら味方陣営の実力確認イベントだと思って遊戯とのデュエルを楽しんでいるせいで、真面目なシーンがギャグになるからシカタナイネ!
なお前話で触れた遊戯VS孔雀舞戦の序盤だけはマジで焦ってた。
これ遊戯が舐めプ且つ上振れ手札だとワンキル決まるわって確信できるレベルの注意散漫っぷりに焦っていた。
・ドラグマの皆さん
事前に倉瀬から遊戯王DMの流れや王様の強さは聞いていたが、まさか本当にあそこからひっくり返されるなんてそんな嘘みたいなことある????って驚愕してる。
わざと負けるなら許さねーぞってぐらいのノリだったが、普通にガチで攻めていくので「原作崩壊」とやらはどうした!?ってデュエル中はわりと困惑。
その上でこの結末になってしまったので、これはマスターの認識が正しい……ってなってる。
・増殖するG
本作では「手札から任意のタイミングで墓地に送れる」ことを理由に最後の足搔きとして活躍(?)
その効果から王国倉瀬のデッキがヤバいと後世から評価される理由の一枚。
わざわざGを文章で描写したくないので多分掲示板回以外での出番は二度と存在しない。
・天よりの宝札
単純に手札を増強できるだけでなく、「6枚になるようにドローさせる」ことでデッキ破壊を狙うことが出来る最強カード。
仮に倉瀬が前のターンに手札を使い切っていたとしても、天よりの宝札で6ドロー。
手札抹殺からの連続魔法で6ドロー×2で18枚デッキを削れる。
倉瀬が手札を6枚抱えていたのは天よりの宝札からの手札抹殺による、原作壊れカードによるデッキ狙い対策、強貪で薄くなった自分のデッキと粘りまくる遊戯を見て「あ、これ不味いのでは?」と気が付いたのだが手遅れだった模様。