混血のカレコレ【Over the EVOLution】 作:鬱エンドフラグ
医者「あなたは前回の更新からずっと昏睡状態だった」
医者「ええ、ええ、わかってます。どれくらいの長さか?」
医者「あなたが眠っていたのは—————————2ヶ月半です」
鬱エンドフラグ「っっっ!!!??」(体にオレンジ色のノイズが走る)
医者「まずい!!」
医者「
医者「これより緊急オペを開始する!」
<タドルクエスト!>
<ガッシャット‼︎>
『let'sgame!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム⁈ I'm a 仮面ライダー』
喫茶店『nascita』
ここはコーヒーはもちろんのこと軽食メニューがおいしい魅力の場所だ。店内にはクラシック音楽が流れており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
その店内にまた一人足を踏み入れる。
ドアを開けると、ふわっとコーヒーの香りが客を歓迎し、ここが喫茶店だということを実感する。
扉は開けた際にベルが鳴る仕組みとなっている。
来客を告げる音に反応し、カウンターの奥にいた一人の少女が顔を上げる。
「いらっしゃいませ!」
明るい声を出しながら立ち上がり、額から角の生えた少女は金髪のポニーテールを揺らしながら客の元へ駆け寄る。
「お一人様ですか?」
nascitaの看板娘は今日も笑顔で接客をする。
フィーアSIDE
『人類の発展の為』
そんなことを毎日研究者達に何度も聞かされ、私も自身にそう言い聞かせつらい実験に耐えてきた。そうしなければ私は確実に壊れていたから…。
でも正規品に選ばれ、別の施設に移されてからが本当の地獄だった。
異宙人、キメラ、ガーディアン、スマッシュ…
送られた施設でよくわからないガスを浴びせられてからは何度も何度も化け物と戦わされる日々が続いた。
『うぅ…ぐ…っ…』
何時間も戦わされ私は遂にその場にドサッと倒れてしまう。
しかしそこにガーディアンたちが私を囲み容赦無く蹴りを入れる。
『あがッ⁉ぐぅッぅぁああああああああッ』
ガーディアンたちの金属の足がまだ幼い私の体を傷つけていく。
一体のガーディアンの足が私の腹部に直撃する。
『ゔっ!?…うっ…ッ…ゔぉぇぇ…!!』
私はたまらず嘔吐してしまった。
それでもガーディアンたちは攻撃をやめなかった。
その様子を観察している研究者たちの顔は嗜虐的な笑みを浮かべていた。
その時、私はここに来る前失敗作として廃棄された子たちを羨ましく思った。
あの子たちはこの地獄を味わうことも知ることもなく解放されたんだから。
何度も繰り返される実験は私の身も心も壊していった。
…もういっそ人形のように空っぽになってしまおう…。
そうすれば恐怖も不安も、痛みも苦しみも感じなくなる……。
そうだ。私は兵器なんだ。兵器は兵器らしくただ命令に従っていれば良い。
そんなことを考えていたこの時の私の目はきっと虚ろになっていたのだろう。
しかし私の運命を変える出来事が起きた。
その日の実験が終了して私は牢屋へと戻り就寝した時のことだった。
突然警報が鳴り響き慌ただしい雰囲気に包まれる。
その音で私は何事かと思い目を覚ますと突然研究員が牢屋に入ってきた。
『あの…一体何が…』
『我々は現在襲撃を受けているっ!!あなたには襲撃者と戦闘し、我々を守るという大変名誉な役目を与えます。今すぐ準備しろっ!!』
私はこの時、自分が兵器として使われるのだと悟った。
『………はい』
私は黙ってコクリと首を縦に振った。
私は研究員からドライバーとボトルを渡され、襲撃者がいる場所へと向かった。
着くとそこにいたのは————黄金の蛇。
コブラを彷彿とさせる顔。それはまるで神様にも牙を剥くような鋭い目つき。
金色を中心としたパーツがごちゃごちゃした装甲はとても禍々しい。
怪人が放つオーラに私は気圧される。
勝てない。次元が違う。
戦闘で培った私の勘が告げる。
『良いですかフィーア?アレは人類の敵です!!そして我々は人類の味方!!つまりあなたの仕事はライダーシステムを使って奴を殺すこと!!殺せなくても奴を足止めし、我々科学者という人類の発展に必要な財産が逃げるための時間を稼ぐことです!!』
『…はい』
しかし兵器である私に拒否権などない。ただ命令に従うだけ。
私はボトルをドライバーに装填した。
『Rider system standby, Ready?』
『…変身』
そしてドライバーのレバーを押し込み、変身————することはなかった。
『ッ!アァッ!アァ、ァァァアアッ!!』
全身がバチバチと電流が走った様な感覚に襲われ、私は倒れてしまった。
変身に失敗した。原因はわかりきってる。ハザードレベルが足りなかったからだ。
そのため凄まじい拒絶反応に襲われた。
研究員たちもわかっていたはずなのに私を駆り出した。
きっと藁にもすがりたい思いだったのだろう。
研究員の一人が私に怒鳴りつける。
立ち上がろうにも体が言うことを聞かない。
そうこうしてるうちに黄金の怪人は目の前にいた。
ああ…私ここで死ぬんだ。
あんなに苦しい思いしたのに、兵器としてすらろくに使われないまま終わるんだ。
私の人生は、何だったのだろう。
何のため、生まれてきたんだろう。
でもよかった…。これで私も解放されるんだ。もう戦う必要なんてないんだ。
これでやっと…私も———————————————————————————————————————————————死にたくないなぁ…
そして怪人は私に近づき—————
ポン
私の頭に手を置いた。
『え…?』
私は一瞬何をされたか理解できなかった。
目の前の怪人が私の頭を撫でた…?
私は恐る恐る顔を上げる。
『少し待っててくれ』
蛇を彷彿とさせるフルフェイスからは考えられない優しい声色でその怪人は言った。
戸惑う私を差し置き、怪人はいつの間にか研究者たちの前まで移動していて、両手からエネルギー弾を放ち研究者たちを吹き飛ばした。
何がどうなってるの…?
私が困惑してると怪人が私の方に歩いてきた。
『立てるか?』
『え、あ…は、はい』
手を差し伸べられ、私も戸惑いながら手を伸ばした。
体が痛むが、怪人の手を掴みなんとか立ち上がった。
すると
『ハァ…!ハァ…!どうせ人類の敵になるなら…処分するしか無いですねぇ…!!』
『ア…ッ、アア……アァッ!!』
突然苦しくなり、私は倒れる。
何をされたかはすぐわかった。
私の首に装着された首輪から毒が注入されたのだと。
ああ、今度こそ死んでしまう…
私が諦めかけたその時、怪人が私の体に手を当てる。
するとさっきまでの苦しみが嘘のように消えていった。
そこで私の意識は途絶えた…。
目が覚めると私はベッドの上に寝ていた。
研究所にいたときは部屋の隅の地面で寝ていたので今思えばベッドで寝たのはこれが初めてだった。
『おっ、目が覚めたか!』
声のする方に向くとそこには白いシャツの男の人がいた。
男の人の名前は蛇塚惣真さん。
どうやら今私がいる喫茶店『nascita』の店主であり…あの時、研究所を襲撃した黄金の怪人だった。
話によると私が意識を失った後、研究員がヤケになり研究所内の全てのガーディアンの自爆機能を作動させ研究所を爆破したらしい。
それを察知した惣真さんが咄嵯に助け、この喫茶店で保護してくれたそうだ。
『…どうして、私を助けたんですか』
私は聞いた。助けても、貴方にはなんの利益もないはずなのに。
私の質問に惣真さんはこう答えた。
『お前からトッププレデターについて知ってるかぎりの情報を聞きたかったからだな。それに、子供をあんな場所に放っておくわけにはいかないだろ?』
前半はまだ納得できるが後半の言葉の意味がよく分からなかった。
子供だから?そんな理由だけで?
私が沈黙していると惣真さんが口を開いた。
『腹減ってないか?飯、用意してるからさ』
私は惣真さんにリビングのテーブルの前まで案内され、椅子に座った。
そして出されたのは一杯のお粥とお皿に乗った黄色い物体。
私は戸惑ったがお腹が空いてるのは事実だし惣真さんに促され、私はフォークで黄色い物体…卵焼きを恐る恐る口に運んだ。
…美味しい。
初めて食べた温かい食事に気づけば私は涙を流していた。涙の流し方なんてとっくに忘れてたはずなのに…
私は涙を流しながら卵焼きとお粥を平らげた。
食べ終わった後、私は惣真さんに今までのことを話した。
『デュアルコアプラン』、『ライダーシステム』、私自身のことやあの施設で受けた実験のことまで。
話し終えると惣真さんの顔が段々と険しくなっていった。私が心配し声をかけると惣真さんはすぐに元の表情にもどった。
すると親はいるのかと聞かれ、私は首を横に振った。私を含め実験体に親はいない。もしかしたらいたのかもしれけど…
次にこれからどうしたいと聞かれ、私はわからないと答えるしかなかった。
私は生まれた時からトッププレデターの兵器になることを強いられてきた。それ以外の生き方を知らない。かといってまたあの地獄に戻りたいとは思わない。
惣真さんは少し考えたあと、こんな提案をしてきた。
『なぁフィーア、よかったらここに住まないか?』
『住む…?ここに、ですか?』
『ああ、他のとこで保護してもらってもいいんだが、お前の安全を考えると俺の近くにいたほうがいいと思うんだ。もちろん無理強いはしない。フィーアの意志を尊重する』
なぜこの人はここまで親身になってくれるのだろう。私は迷い少し考えてから答えた。
『…お願いします。迷惑じゃなければ、私を…ここに置いてください』
会ったばかりの人を信用するのは早計だと思う。でもこの人なら信用できると思ったから。
そうして私は喫茶店nascitaに住むことになった。
惣真SIDE
やぁ、みんな!俺だ!nascitaのマスターこと蛇塚惣真だ!
フィーアをnascitaで保護してから5年近く経った。
短かった髪も長くなりポニーテールに纏めている。
表情も最初の頃と比べ豊かになり、よく笑うようになった。
いつだったか、ある日フィーアが料理の作り方を教えてほしいと頼んできたことがあった。
理由を尋ねると、「私は惣真さんにお世話になってばかりで何も返せていない」とのこと。
そして、何か自分に出来ることはないかと考え、そして思いついたのがnascitaの手伝いをすることだそうだ。
そのためにも料理を覚えたいと言ったのだ。
俺は少し迷ったが、フィーアがこうやって自分から何かをしたいと言い出したのは初めてであり嬉しく思った。
それにnascitaの手伝いはともかくとして、料理を覚えるのは良い事だろうと思い快く
承諾した。
その日から俺はフィーアに料理指導を始めた。
最初は包丁すら握ったことがなかったフィーアだったが、毎日練習するうちに上達していった。
当然失敗も多くあった。
焦がすこともあれば、普通の材料で作ったはずなのにカレーが紫色になったりもした。
その度にフィーアがシュンと落ち込み、俺が慰める光景はもはや日常となっていた。
しかしそれでもフィーアは諦めずに一生懸命に頑張り続けた。
そうしてようやく、nascitaでお客さんに出せるレベルの料理を作ることが出来るまでになった。
そんなこんなでフィーアの特訓の成果もあって今では立派なnascitaの看板娘である。
(子供の成長は早いものだなぁ)
なんてしみじみ思っていると…
「ゴハアァァァッ!!??」
突如一人の男性客が口からコーヒーを吹き出し椅子ごと後ろに倒れ込み、ドガシャンッッ!!と大きな音を立てる。
その音に他の客も驚き、何だ何だと倒れた男性客の様子を伺う。
「ちょ、ちょっと!?大丈夫お客さん!?」
俺は慌てて駆け寄ると男性客はピクピクと痙攣し、白目を剥いていた。
ふと俺が目を落とした先に、男性客が倒れる直前に飲んでたであろう、コーヒーカップがあった。
カップは床に落ち割れており、中身がこぼれてしまっている。
しかし問題はそこではない。
それはコーヒーというにはあまりにもドロリとしており黒く濁った色をしているではありませんか。
これはどう考えても俺が淹れたコーヒーじゃない。
こんな暗黒物質生み出せるやつは一人しかいない。
「フィーア、まさかとは思うが…お前コーヒー淹れたか?」
「あ、はい。お父さんが料理を作るのに忙しそうだったので私が代わりに淹れました」
「お前が作るコーヒーは特級呪霊も即昇天するレベルの劇物なんだから絶対に入れるなとあれほど言っただろ!」
「ご、ごめんなさい!今日はうまく作れそうな気がして…」
俺はフィーアを叱り、フィーアが申し訳なさそうに頭を下げる。
実はフィーアは料理は作れるようになったのだが、ただ一つだけ、コーヒーをいれると何故かヤベーイぐらいに激マズになるのだ。
それもビルド本編のエボルトが寄生しているのではないかと疑いたくなるレベル。
以前フィーアのコーヒーを飲んだことがあるが、あまりの不味さにぶっ倒れたことがある。…いや違う。脳が不味いことを認識する前に倒れたんだ。
その時一瞬「立ちました!」と言いピコピコハンマーがついた鎌を持った『死亡』と大書された黒いTシャツを着た女の子が見えた気がするが幻覚だろう。
ブラッド族である俺ですらこうなるんだから、お客さんが飲んだら大事件だ。
だからフィーアには絶対にコーヒーを作らないように厳重に注意していたというのに…
「だ、大丈夫ですか!?」
フィーアは男性客に駆け寄り声をかける。
すると男性客はゆっくりと瞳を開けた。
「────………まっぱだカーニバル」
男性客は虚な目をしており、機械のような抑揚のない声で喋った。
………やっちまったあああああああああああああああああああああぁぁ!!!
完全に何らかのダメージ負ってるよ!!どうしてこうなった!? …あ、フィーアのコーヒーのせいか。
「えっと、どうしよう“お父さん”?もう一度私のコーヒーを飲ませてショックを与えたら治ったりとかしませんかね?」
「治るわけないでしょうが!昭和のブラウン管テレビか!!」
俺はよくわからないツッコミをしてしまった。
それは…ある男の
「カゲ…好きだよ」
「私はカゲチヨを愛してます」
「ヒビキーーー!!」
「え…?ヒビキ…?シロウ…?」
「うわああああああああああああああああああああ!!」
「血を吸ったんすか?」
「いや血を与えた。眷属にしたんだ」
「上手く行けば、吸血鬼とゾンビのハーフの完成だ」
「…してやる…絶対に殺してやる…!!」
長らくお待たせしました。
書きたいものはあるのにそれを書くための文章力がない…
プライベートで忙しく後回しにしてたら2ヶ月以上たってもうた…
コメントも全然返せてなくてごめんなさい…
あ、あと気づいたら10000UA突破してた。ありがとうございます。
次の更新はいつになるかわかりませんがド〇えもんのような温かい目で見守ってもらえると幸いです。