混血のカレコレ【Over the EVOLution】 作:鬱エンドフラグ
—1999年7月〇日00時〇分—
「―…ヨシっ!とうちゃ〜く!………………………さて、これからどうするか」
「とりあえず変身解除するか………………………………あっ……エボルト怪人態…」
「誰かに見られる前に擬態しとくか」
—1999年12月〇日〇時〇分—
風情のあるレトロな街並み
少し入り組んだ路地にある喫茶店。店の前には『Cafe〜nascita~』と書かれた立て看板がある。
その喫茶店は、知る人ぞ知る大人の隠れ家と言っていい。待ち時間がないのは、ここにはあまり多くの客が訪れないからである。この穴場の店は、静かな雰囲気と上質なサービスで、都会の騒がしさから逃れたかのようなくつろぎを提供している。
店内では『店長』が何時ものように、コーヒーを淹れていた。
窓側のテーブル席にはサラリーマン風の男性が仕事をしてるのかノートパソコン開いている。カチャカチャとキーボードをうつ音が店内に響いている。。
『店長』は先ほど淹れたコーヒーをサラリーマン風の男性のいるテーブルにひとまず持って行く。
コーヒーカップの中はブラックホールの如く黒々とした色をしていた。
「はい。お待ちどう」
「ああ、どうも」
サラリーマン風の男性はパソコンの画面から目を離さずにコーヒーカップを手に持ち口に含む……
「…いやあ〜、やっぱりマスターが淹れたコーヒーは美味いなあ!」
「ははは、嬉しい事言ってくれるねえ、そんじゃサービスとして今回はコーヒータダにしとくよ」
「ありがとう!いやあマスターチョロいから少し
「よし!やっぱりちゃんと払ってもらうぞ!」
地球に来てからかれこれ5ヶ月。俺は、喫茶店「nascita」を経営している。
地球に来たばかりの頃、俺はまず金銭面をなんとかする前にすぐに住み込みのバイトを始めた。
そして血の滲むような努力の甲斐あって、『仮面ライダービルド』で出てくるカフェ、「nascita」を開店することができた!
……え?バイトだけで喫茶店を開店できたのはおかしいって?
ちなみに今俺の淹れたコーヒーを絶賛してくれたサラリーマン風の男性は、『藤田 修』さん。ウチの常連客だ。
いつもこの店のテーブル席でコーヒーを飲みながらパソコンを開いて仕事をしている。
いちばん最初に店に来た客でそれ以来ここの常連と化した。
ちなみに俺が地球で初めてできた友人だ。
「今日もコーヒーおいしかったよ!またくるねマスター」
「おう、またのご来店をお待ちしております」
数少ない客が帰って、店内は静かになる。
いやーそれにしても、…ここは一体何の世界なんだろうか?
地球に来て5ヶ月いろいろ調べてみたが、まずこの世界に『仮面ライダー』は存在しないらしい。
となると漫画、アニメ、ライトノベル、ゲームの世界だろうか。
もしそうならできれば知ってる作品だとある程度無駄なトラブルを避けることができるんだが……いや、知ってる作品だとしても「エルフェンリート」や「バイオハザード」とかだったら嫌だなあ。
ブラッド族ならなんとかなるだろって?確かにエボルトだったらディクロニウスやB.O.W.ぐらいならいろいろ対策はできるだろうけど、胸糞展開とか生物災害なんて見たくないんだよおおおおおおおおおおお!!!作品自体は好きだけど!!
…そういえばそろそろ西暦2000年になるよなあ。
俺の頭に『2000年問題』が頭に浮かんだ。
『2000年問題』とは西暦2000年になるとコンピュータが誤作動する可能性があるとされた年問題であり、ミレニアム・バグとも呼ばれた。世界規模でプログラムの訂正が行われたので結果としては直前にメディアで騒がれていたような生活に直結するほどの大きな混乱は一切起きずに終わったが…
(たしか、
『仮面ライダーエグゼイド』に出てくる『バグスターウィルス』は2000年問題によって誕生したと本編で言われていた。どうやって生まれたのかは本編でははっきりとそのあたりは判明していないが…
この世界に『仮面ライダー』の情報は一切なかった。現状で言えばこの世界にいるライダーは俺一人だが、これから先ライダーが誕生する可能性だってある。
『幻夢コーポレーション』は存在してなかったが、もしかしたらディケイドのリ・イマジネーションライダーのように、この世界は俺の知るエグゼイド本編とは違うパラレルワールドで、バグスターウィルスが誕生する可能性がある。
だがそれはエグエイドに限った話ではない。
人類の進化形態である『オルフェノク』が突然発生するかもしれないし、ブラッド族がいるなら同じく地球外生命体である『ワーム』や『メガへクス』が地球へ襲来してくるかもしれない。
あらゆる可能性を考慮して用心するに越したことはない。
「とりあえず念のためにゲームフルボトルとドクターフルボトルを生成しておくか」
────この時俺は、西暦2000年に予想だにしない出来事が地球規模で起きるなんて思いもしなかった。
—2000年〇月〇日—
俺はいつも通り店内でコーヒー豆を挽いていた。
「やっぱコーヒーは豆からこだわらないとなあ〜♪」
これは「nascita」ではいつも通りの光景だ。
店の外でも人々はいつも通りの風景の中でいつも通りの生活を、いつも通りの日常を送っていた。──…いつも通りの…はずだった…。
「っ!?」
俺は突然妙な感覚に襲われた。
(なんだ…?今何か…)
次の瞬間…
「ッ!?なっ、なんだ───」
店内は───
「うわあ!?───」
「な、なに────」
「まっ、眩し───」
人々は───世界は───地球は───
光に包まれた……
「な、なんだったんだ今のは……」
光が止むと俺は外の様子を確認するために外に出た。
「さ、さっきのなんだったんだ?」
「突然光ったと思ったら……」
外に出ると先程の出来事に人々はザワザワと困惑していた。
しかし街の景色は特に変わった様子はない。
……ん?
ふと空を見上げた俺は違和感を感じた。
広がっているのは相変わらずの蒼天である。しかしなんだろう…何かがおかしい…
「あれ?なあ、何か飛んでね?」
「鳥…?にしてはデカいような…」
「なんかこっちにきて…ぅ、うわあああああああああっっ!!!」
「きゃあああああああああああああああああああっっっっ!!?」
俺が空の違和感の正体を考えていると、悲鳴が響き渡り、慌てて悲鳴が聞こえてきた方へと目を向けると……
「っ!?」
理解できない光景が広がっていた。
―ギャォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!!!!―
鱗に覆われた爬虫類を思わせる体、鋭い爪と牙、羽ばたかせる翼。それは空想上にだけにしか存在しないはずの生き物、『ドラゴン』
それに似た生物が上空を覆い尽くさんばかりの数え切れない程の数でこちらに向かってきていたのだ。
「なんじゃ…ありゃ……」
西暦2000年
突如として地球は『異宙』と呼ばれる異世界に転生してしまった。
小説書くの楽しいけど難しいンゴ