混血のカレコレ【Over the EVOLution】   作:鬱エンドフラグ

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前回の投稿から4ヶ月…申し訳ありませんでしたあああああ!!

せめて年明け前にと思い、早足気味で作成し投稿したため、短く雑ですが、いずれ修正するつもりなのでご了承ください。


冥府の守護神、再び

ヒサメが飛び出て行ってから恐らく時間にして五分も経っていないであろうカレコレ屋内でカゲチヨとシディの間に重苦しさを帯びた空気が漂っていた。

 

「カゲチヨ、ヒサメを追え」

 

「は?俺達はイーラさんの依頼で、この壺を守らねーといけねーんだぞ」

 

強い口調で言ったシディに対し、カゲチヨは眉を寄せながら反論する。

 

「『トッププレデター』からな…」

 

トッププレデター。最後にそれを強調するように言った。

 

しかし、シディの眼差しは更に一層厳しさを増していた。

 

「いや、今回の依頼は俺一人でやる」

 

「は!?なんでだよ!!」

 

シディの冷静かつ断固な発言にカゲチヨは驚きを隠せずに反応する。

 

「今、お前は普通じゃない」

 

シディのその言葉に、カゲチヨの中でプツリと何かが切れた。

 

「普通でいられるかよっっ!!」

 

ガタッ!!とテーブルが揺れる勢いで立ち上がり、怒声を上げた。

 

「こっちはアイツらに全部奪われてんだっ!!全部だぞっっ!!」

 

カゲチヨは剥き出しにした怒りの感情に身を任せ声を荒げる。

 

だが、シディは一歩も引く様子無く、視線を強くして自信を睨みつけるカゲチヨを見詰めていた。

 

「…今のお前は冷静じゃない。正直足手まといだ」

 

「…っ!!」

 

足手まとい。その言葉にカゲチヨは口を一文字に結び、静かになる。

 

「…ハッ…そうかよ…」

 

カゲチヨの口から乾いたような声が漏れる。

 

 

「……お前は、本当に人の気持ちがわかんねえんだな」

 

 

そう吐き捨てるように小さく呟いた。

 

「…!!お、俺は…」

 

 

───おい。

 

 

「…!!」

 

突如響いた声にシディは言いかけた言葉を途中で止める。

 

 

───お前だよお前。

 

 

「…?どうしたんだよシディ」

 

(カゲチヨには…聞こえていない…?)

 

 

───俺の壺、返せよ。

 

 

壺。自分にしか聞こえない謎の声に動揺しつつもシディはテーブルの上に置いてある壺に目をやる。

 

(なんだ…?俺を、呼んでいるのか…?)

 

シディは壺を見据えながら考える。今自分がすべきことは…。

 

「カゲチヨ、すまん!お前は…、ヒサメの所に行け!!」

 

テーブルの上から引ったくるように壺を手に取ったシディはそのまま抱えながらカレコレ屋から飛び出して行った。

 

「シディ!?……チッ!」

 

 

 

同時刻。

 

地上から何百メートルも離れた遥か上空。

 

「地球に来んのも久しぶりだな。アイツとの戦い以来か」

 

ミサイルの如く轟音を響かせながら雷の如く速さで地上目掛けて飛んでいく少年は一人呟く。

 

「さーて、ホルスのヤローのDNAを継いだ奴を呼び出したはいいけど、オレの方が先に着いちまうな」

 

今も尚急降下しながら少年は考える。すると何かを思いついたのか口角を上げた。

 

「ちょっと寄り道していくか」

 

少年、否、少年の姿をした怪物…アヌビスのその瞳は、アメジストのように深く静かに輝く色を放っていた。

 

 

 

 

カレコレ屋を飛び出してからどれくらいの時間が経ったか、ヒサメは特に行く宛などなく未だ街中をフラフラと彷徨っていた。

 

(カレコレ屋は元々、トッププレデターを追うために作った……なら戦えない私は、あの二人と一緒にいちゃいけないんだ…)

 

レンガ道を上靴で踏みつける度にカツ、カツ、と乾いた音が周囲に響き渡るとともにヒサメの心は曇っていくばかりだった。そんなブルーな気持ちに比例するように、足取りも重くなっていた。

 

ザザァ…ン…

 

「…?」

 

突如聞こえた波の音にヒサメは足を止める。

 

(あれ?ここ…)

 

傾けてた顔を上げると、そこにはただただ青く広がる海と白い砂浜が視界に広がっていた。今さっきまで街中を歩いていたはずのヒサメは、いつのまにか浜辺にいた。それに気づいたと同時に波の音はより鮮明になり、ツンと鼻をつくような潮の香りが漂って来た。

 

(ここどこ!?私さっきまで街歩いてたよね…?)

 

困惑しながら周囲を見渡すヒサメ。そこに一つ小さな影が忍び寄る。

 

「キーッキーッ」

 

「!」

 

振り向くとそこには、パタパタと蝙蝠のような羽を小刻みに羽ばたかせながら飛んでいる一つ目の生物、ゲイザーがいた。

 

「ゲイザー…?てことは私幻覚にかかってたってこと…?」

 

「ノンノンノン、それは違うぜぇ?」

 

「!!」

 

突然響いた声にヒサメはビクッと身体を震わせる。その声が聞こえた方向、そこには大柄の男が立っていた。男は、顔には刀傷、左腕には鋭利な爪の義手を装備している。

 

「俺がお前さんを呼んだんだ。コイツでね」

 

「キーッ」

 

ゲイザーを肩に止まらせながら男はそう言った。

 

 

 

 

数分ばかり時間を遡り、カフェ『nascita』では店主である礎乃惣真は戦慄していた。

 

「……っっ!!この気配はっ…!!!」

 

その感じ取った異質なオーラに礎乃惣真は覚えがあった。

 

「まさか……っ、来てるのか……!?」

 

気配は確実にnascitaに近づいて来ている。

 

「アヌビス……!!」

 

そう、惣真が感じている気配とは、数年前に一度死闘を繰り広げた因縁の相手、アヌビスのものだったのだ。

 

惣真はエボルドライバーを取り出し身構える。

 

そしてついに気配が店のすぐ外、扉越しでもわかる程にまで近づいてきた瞬間…。

 

ドガアアアンッッッ!!

 

扉が吹っ飛んだ。否、吹っ飛ばされたと言った方が正しいだろう。オーラを放っていった者によって。

 

「…!!」

 

惣真はすぐさまエボルドライバーを装着し、エボルボトルを取り出しいつでも変身できるように臨戦態勢を取った。

 

 

「おっ、ビンゴ!やっぱりここだったか。人の姿に化けてても分かるぜ。…にしても本当に人間の飯屋なんてやってんだなお前」

 

現れたアヌビス。惣真はその姿を見て固まった。何故なら…。

 

「…いや、お前…なんだその格好…」

 

目の前に立っているアヌビスは某遊園地のマスコットキャラのカチューシャをつけ、赤と青のフィルムの3Dメガネを掛け、『鬼畜王』とプリントされた白いTシャツで温泉マーク入りののタオルを羽織り、右腕にサメのぬいぐるみを抱え、左手にはテラボールシェイク。日本刀、カヌレの紙袋をぶら下げてるなど、かなり情報過多の異様な格好をしていた。

 

「ん、ちょっと寄り道にな」

 

困惑する惣真の問いにあっけらかんとアヌビスは答えた。




エボル編の話の修正を先にやるか、エボル編の続きを作成するか、カレコレ編の続きから作成するかで、結局ほとんど手がつかずに、気づいたら前回の投稿からかなりの期間が空いてしまった…。

pixivの方ではたまにイラストやいつかやろうと思っている内容の予告的なものを投稿してたんですが…。

タスク管理が苦手なことに悩まされています。新しいアイディアやストーリーが浮かんできても気分が乗らないと、どうしても手つかずのままになってしまうことがあるんですよね。

元々計画性もなく見切り発車で進めていたこともあって、どこから手をつければいいのか分からなくなることもあります。

なかなか進捗が出て来ずヤキモキしてる状況ですが、この小説を楽しみにしている数少ない読者の皆様には今後も引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。
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