混血のカレコレ【Over the EVOLution】 作:鬱エンドフラグ
エボルトのコーヒーが美味いことに驚きというコメントに対して、
エボルト「この小説での俺は『津上翔一』や『天道総司』のように料理が得意な設定だぜ」
—2000年〇月〇日—
しかし、人類は予想できていたであろうか……
地球の常識を覆す事態が起こり、突如として長らく続いていた平和は崩れ去ることに…………。
…………いや、思えば必然だったのかもしれない。
人類のこれまでの歴史を振り返れば明らかだ。
終戦から約50年、世界大戦が起こっていたころに比べれば世界はある程度平和が続いていたとはいえいまだどこかの国や地域では紛争やテロが続いている。
環境破壊を繰り返し、寄生虫の如く地球を食い物にしている。
差別、いじめ、虐待、悪意、恐怖、憤怒、憎悪、絶望、闘争、殺意……
嗚呼
嗚呼
嗚呼っ!!
人間はなんと愚かな生き物なのだろうか。
これは、地球の意志だったのかもしれない……。
地球が傲慢な人類に対して与えた試練、いや……罰なのだと。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!?」
「ぎゃああああああっ!!?」」
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そこには地獄のような光景が広がっていた。
痛々しい断末魔が響き人々はパニックに陥り、生存本能のまま全力で走る。
突然目を覆うほどの強い光に包まれたと思いきや、上空から続々と飛来してきた存在が暴れている。
それらは『ドラゴン』に次いで、空飛ぶエイ、飛行機と同じサイズの昆虫、地球のような丸い頭部をした細身の巨人、悪魔を彷彿とさせるような姿の怪物など、空想上でしか存在しない生き物。
ある者は捕食され、ある者はドラゴンが噴き出した炎で焼かれ、ある者は怪物が突っ込んだことにより倒壊したビルの瓦礫の下敷きとなるなど、
人々は怪物たちに次々と無差別に蹂躙されていく。
一体何が起きている……?
エボルトこと『
この名前は前回紹介するのを忘れていたが、エボルトが地球で生活するため作った偽名である、とそんなメタ話は置いといて……
地球に来て約5ヶ月、慣れ親しんだ街は突如として一変し地獄と化した。
惣真はあらゆる可能性を考慮して、いろいろ準備はしてきたが……
こんなこと完全に予想外だった。
(まさか
惣真が空を見た時に気づいた違和感……
通常の人間の肉眼ではわからないが、ブラッド族である惣真はすぐに気づいた。
そう…地球は宇宙から異世界に転移していたのだ!
………って、いやいやおかしいおかしい!!
トラクターに轢かれかけてショック死したひきこもりが駄女神と共に転生するとか、クラスメイト全員が異世界に召喚されるとかならわかるけど…………
地球丸ごと異世界に行くことってある?日本国召喚ならぬ地球召喚?スケールデカすぎない?カズマさんもびっくりですよ?
地球の周りが『仮面ライダーセイバー』のワンダーワールドみたいな景色が広がっている状況に惣真は頭を抱えた。
……それにしても
惣真は周りを見渡す。
逃げ惑う人々。
不規則に殺戮と破壊行動をし、挙げ句の果てには仲間意識がないのか共食いをする怪物達。
辺りに広がるのはドラゴンの炎に焼かれ、或いは倒壊したビルの瓦礫に潰され鉄骨や破片が身体中に突き刺さり肉塊となったかつて人だったモノ。
それはまるでスプラッター映画のワンシーンのように悲惨で残虐な光景が広がっていた。
そんな光景を目の当たりにし、惣真が思ったことは……
(ああ……人間ってのはなんて脆い生き物なんだろうなあ)
常人であれば嘔吐感と生理的嫌悪感を催す光景を前にして、
地球丸ごと異世界に転移した時は流石の
目の前の怪物達の行いに対して「ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」などと怒りを表すような正義感は持ち合わせていない。
全てを破壊し全てを繋ぐ『
キルバスがブラッド星の破壊を始めた時もそうだった。
同胞が目の前でいくら殺されようと故郷が破壊されても、エボルトが思ったことは、
『今まで滅ぼしてきた奴らが滅ぼされる側になるなんて、皮肉だねえ』
だった。
地球に来る前、発見した宇宙船にいた奴らの感染症を治療してやったときもあったが、単なる気まぐれだ。
数多の命を奪い去ってきた自分が今更『仮面ライダー』として人助けするつもりなどなかった。
「あ〜あ、せっかく喫茶店のマスターやるのも楽しくなってきたのに……まあ、この星が滅んでいく様をじっくり眺めるのも悪くねえか………………………………ん?」
惣真が傍観を決め込んだ矢先、ふとあるものが目に映った。
「うぁあああああぁぁ…ママぁ……パパぁ……どこぉ……」
親とはぐれたのか、十歳にも満たない幼い男の子が大声で泣いている。
しかし周りの人間は見向きもせず走り去っていく。
当然だ。こんな状況で他のやつに気にかけてられない。自分のことで精一杯なのだ。
すると近くの倒壊しかけてた建物が崩れ、男の子は ちょうど瓦礫が落下する位置にいた。
男の子はそのまま瓦礫の下敷きに────────
「あぶねえっ!!」
「わっ……」
────────なることはなかった。
惣真が咄嗟に男の子を抱きかかえ、ギリギリのところで瓦礫に潰されるのを防いだ。
「……はああぁ〜、危機一髪だったぜ。…よしよし、大丈夫か?坊主」
「う…うん」
「太郎!!」
「大丈夫か!?」
男の子の無事を確認すると、両親らしき男女が慌ててやっててきた。
「ママ!パパぁ!」
「ごめんね!ごめんね太郎!」
「ありがとうございますっ!!息子を助けてくれて…」
「いえいえ、それより息子さんを連れてどこか安全なところに避難してください」
「あなたは…?」
「あー、自分ははぐれた友人を探しにいくんで」
惣真はそう言ってその場から走り去った。
「おじちゃーん、ありがとー」
その際男の子はひらひらと手を振って惣真にお礼を言う。
「おじっ…見た目は
男の子の何気ない一言が惣真を傷つけた。
(あー、くそっ…なんで助けちまったんだよ)
安全な場所?そんな場所あるわけない。
地球丸ごと異世界に転移してんだぞ。
ここだけじゃない。この惨劇は世界各国で起きている。
助けたところで、人類が滅ぶことはすでに確定している。
それがわかってるのに、なんで俺は…
『ありがとうございますっ!!息子を助けてくれて…』
『おじちゃーん、ありがとー』
ふと思い出すのはさっきの男の子とその子の両親の笑顔。
『ありがとう!エボルトさん!』
そして宇宙船で惣真が治療した人たちの中にいた女の子の笑顔。
—誰かの力になれたら心の底から嬉しくなってくしゃっとなるんだよ俺の顔—
『
俺もエボルのマスクの下でくしゃっとなってたんだろうか。
だが俺はラブ&ピースを胸に抱いて闘った『
それとは程遠いどころか真逆の破壊することしか知らない『
そんな俺が『仮面ライダー』を名乗る資格はあるのか?
「…ただでさえ客来ねえのに、こんな状況じゃ誰一人コーヒー飲みに来ねえよな」
新規の客どころか修さんのようにまた来ると言っていた常連すらも来なくなる。
もしかしたらあちこちに転がっている死体の中には、肉塊になっててわからないが惣真が経営する喫茶店『nascita』の常連がいたかもしれない。
もちろんそれはわからないが…
『nascita』に客が来る機会をあの怪物達は奪ったのだ。
「営業妨害したツケをアイツらには払ってもらわねえとなあ?」
それが
それは
「…俺は俺のために戦う」
惣真はあくまでそれが『仮面ライダー』として闘う理由だと自分に言い聞かせ、決心した。
『エボルドライバー!』
惣真はエボルドライバーを装着し、未知の物質を充填された2つのボトルを取り出し、ドライバーのスロットに差し込む
『コブラ! ライダーシステム! エボリューション!』
惣真はハンドルレバーを勢いよく回す。
それと同時にベートーベンの交響曲第9番が流れる。それに合わせてコブラの顔のエボルボトルのパーツが歌唱しているかのように稼働する。
エボルドライバーに搭載されたエネルギー生成ユニット『エヴォリューションチャージャー』装置内部の発動機『EVダイナモ』が高速稼働し、必要なエネルギーを生み出す。
ドライバーから透明なパイプが出現し惣真の前後にプラモデルのランナーのような型が形成され、
パイプの中を赤と黒の液体が流れ、前後の型の中に凝縮し、
赤黒い霧のようなエネルギーに包まれた装甲を成形し、そして三つの歯車のような金色のリングが出現する。
『
「
その声に反応するように全てが融合し、惣真を中心に三つの金色のリングが宇宙ゴマのように回転し、
『コブラ! コブラ! エボルコブラ!』
そしてエネルギー波が弾け飛ぶ。
『フッハッハッハッハッハッハ!』
黒い霧が晴れた時には、ソレは姿を顕した。
「エボル、フェーズ1……!」
そのスケールは地球や火星と言った惑星レベルを飛び越え宇宙を支配するとまで言われている最凶最悪の仮面ライダー。
仮面ライダーエボル
最初異宙に転生した時はドラゴンなどの飛行するタイプの知性のない異宙の生物が暴れたと自分は思います。
次回戦闘回だけど戦闘描写とかどうやって書けばええんやろ……
追記
主人公の名前を変更しました。
蛇塚惣真→礎乃惣真