混血のカレコレ【Over the EVOLution】 作:鬱エンドフラグ【旧名:無名永久空間】
とある場所
そこには避難してきた人達で溢れかえっていた。
一緒に避難してきた医師や消防隊がゲガ人の応急処置・治療などをおこなっている。
さらに自衛隊やライオットシールドを持った特殊装備の機動隊、その近くには一般人にとっては映画などでしか見ないような何台ものゴツい装甲車。
人口密度は凄まじいものになっている。
自衛隊や警察は無線で他の部隊と連絡を取り合い周囲を警戒する。
『こちら〇〇!未確認生命体による襲撃を受けている!至急応援を求む!』
『こちら△△!こちらでも未確認による被害が!応援を求む!』
『至急!!至急応援をっ…ギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!??』
無線から聞こえてくるのは銃声と爆発音、そして他の部隊の断末魔。
「クソっ!冗談じゃねぇぞ!!」
自衛隊の隊長は吐き捨てるように言った。
(いったい何が起こってやがる…!?)
数刻前、突如として上空から現れた未確認飛行生物による襲撃が始まった。
多くの人間はこの事態を信じられなかった。だが信じざるを得ない。
現実感のない、それこそ、まるで出来の良い怪獣映画のような出来事が実際に起きたのだから。
空想上の中でしか存在しないような異形の怪物の襲撃で人々は恐怖と混乱に陥っている。
念仏を唱える者もいれば、「これは夢だ、これは夢だ…」と現実逃避する者や「ノストラダムスの予言が遅れて当たった!!」と喚く者も。
(ここも安全ではない、いつ、いかなるところからバケモン共が現れるかーー)
―ギャォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!!!!―
「!?、今のは…」
「た、隊長…あ、アレ!!」
自衛官の一人が震えた声で指を差す。
そこには─────────
「ギャォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
大きく裂けた口、生え揃う凶暴な牙、野太い腕や脚、鋭い爪、横に広がる両翼。
全長十五メートルほどほどの体躯の青いドラゴンがこちらを獲物と定めて飛来してきた。
「ひぃぃぃぃいいいい!!!!」
「イヤアアアアアアアアアアア」
人々は一気にパニックに陥る。
自衛隊は一列に並んで、隊列を組み銃を構える。
それ以外の者は一般人の避難誘導を行う。
「う、撃てぇーー!!」
一斉に手に持つ機関銃を発砲する。
しかし全く効いてる様子はない。銃弾はドラゴンの鱗に当たっては貫くことなくパラパラと落ちていく。
「チクショウッ!全く効かねえ!!」
「狼狽えるな!なんとしても食い止めろ!!」
自衛隊は発砲し続けた。しかしその抵抗も虚しくドラゴンは口を開き鋭い牙をみせこちらを襲い掛かろうとしていた。
(くっ……もはやここまでか)
その時だった。
ドガァアアアアアアアアン
「グウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!?」
「は……?」
赤色の光弾がドラゴンに直撃した。
ドラゴンはその衝撃で吹き飛び地面に転がり地響き土煙が舞った。
「な…なんだ……?」
人々は光弾が飛んできた方向に目を向けた。
そこにいたのは────────黄金の怪人だった。
天球儀や星座早見盤等など全身の装甲の一部に宇宙関連の器具のようなパーツがあしらわれており、その顔は────────────
「コブラ………?」
誰かがそう呟いた。
牙を剥き威嚇するコブラを彷彿とさせる顔つき。
その顔も相まって赤、青、金、といった鮮やかな色合いなのにどこか禍々しい。
「………………」
その正体不明の存在はこちらに見向きもせずに先ほど吹き飛ばしたドラゴンの方に歩いていく。
「グウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
ドラゴンは起き上がり咆哮をあげる。
ドラゴンは自分を攻撃した黄金の怪人─────『仮面ライダーエボル』を敵と定めて襲い掛かる。
エボルはドライバーのハンドルに手をかけ勢いよく回す。
するとドライバーから明るい雰囲気の、でもどこか不気味な音楽が鳴り響く。
それを聞いて誰かが「交響曲第9番……?」と呟いた。
ハンドルを回すのをやめ音楽が鳴り止むと、
『Ready go!』
それはまるで、目の前のドラゴンに対する死刑宣告に聞こえた。
エボルの右脚に赤いエネルギーが収束する。
そしてエボルは高く舞い上がりドラゴン目掛けて蹴りかかる。
エボルの蹴りがドラゴンの頭部に直撃し───────
『エボルテックフィニッシュ!』
「ギャオッ…」
ドラゴンは断末魔を上げる間もなく頭部が爆発し、顎から上がなくなっていた。
『Cia~o!』
頭部を失ったドラゴンは力無く倒れ伏す。
「た、倒した……?」
エボルは何かを思いつたのか、ドラゴンの死体に近づく。
するとエボルはドラゴンの胸を貫いた。
「ひっ!?」
その光景に誰かが悲鳴を漏らした。
エボルが腕を引き抜くと血まみれの手の中には、拍動して動脈から血を吹き出しているドラゴンの心臓が握られていた。
「ウプッ…」
「う、おえっ…」
そんな残虐なエボルの行動に人々は嘔吐しそうになる。
「…フンッ」
エボルはドラゴンの心臓を強く握りしめる。
するとドラゴンの心臓は青い光りを放ち、段々と形を変えていく。
そして最終的に
エボルがソレを眺めていると……
―ギャォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!!!!―
「!?」
「な、なんだ!?」
「ひぃぃいい!!!おっおい!!アレ!!!」
先ほどエボルが倒したドラゴンと同じ体躯のドラゴンが何体もの群れでこちらに迫っていた。
人々はパニックになるが、エボルは特に動じず、ドライバーに手を伸ばす。
エボルはコブラエボルボトルを抜き、今エボルがドラゴンの心臓から生成した『ドラゴンエボルボトル』を差し込んだ。
『ドラゴン! ライダーシステム! エボリューション!』
エボルはハンドルレバーを勢いよく回す。
エボルの前後に青黒いオーラを纏った装甲を成形され、エボルはソレに挟まれる。
『ドラゴン!ドラゴン!エボルドラゴン!』
『フッハッハッハッハッハッハッ!』
「エボル、フェーズ2、完了……」
「姿が…変わった…?」
ソレは、蛇が龍を喰らいし得た姿。
大体のアーマーは変わらないが、肩と頭部がドラゴンを彷彿とさせるアーマーへと変化した新たな姿のエボル。
仮面ライダーエボル ドラゴンフォーム
ドラゴンフォームとなったエボルはドラゴンの群れを見捉える。
『ビートクローザー!』
エボルは手にイコライザーのようなメーターのついた剣、『ビートクローザー』を召喚する。
『スペシャルチューン!』
エボルはビートクローザーの柄の部分にコブラエボルボトルを装填してグリップエンドを3回引く。
『ヒッパレー!ヒッパレー!ヒッパレー!』
音声が鳴り、その出力に応じてそのゲージが上下する。
すると刀身に蒼炎を纏ったあと、コブラの形の赤いエネルギーが形成される。
「判決を言い渡す…死だ!………なぁんてなあ?」
底冷えのするような声でエボルはドラゴン達にそう告げた。
『メガスラッシュ!』
エボルはドラゴンの群れに向けて赤いコブラの斬撃を放つ。
コブラの形のエネルギーがドラゴン達を喰らわんと牙を向ける。
そして……
『ギャォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ……!!?』
斬撃を喰らった…否、斬撃に喰われたドラゴン達は断末魔をあげ、上空で大爆発する。
空からボトッ…ボトッ…とドラゴン達の体の一部や臓物が降り注ぐ。
「嘘だろ…?あの数をを…一瞬で…」
その光景を人々は呆然と見ていた。
─────するとエボルは人間達の方を向いた。
「っ!!!!」
人々の全身に緊張が走る。
自衛隊はすぐさまエボルに向けて銃口を向ける。
人々は顔面が蒼白にさせ恐怖に駆られた。
自分達では全く歯が立たなかった怪物達をあっさり倒した力。
その力が今度は自分達に向けられるのではないかと。
先ほどのドラゴンよりも目の前の黄金の蛇の存在が恐ろしく感じた。
自衛官達は銃を持つ手が震え、冷や汗を流す。
自衛隊とエボル。双方とも一歩も動かない。
「…………………フゥ」
エボルはため息吐き、ワープ能力でその場から姿を消した。
地球は、西暦2000年に突如としてこの異宙と呼ばれる異世界に転生してしまった
その日各国で異宙からきた生物による被害が多発した。
当時の人々はパニックとなったが、多くの犠牲が出たが、被害は最小限に抑えられた。
その要因として各国で目撃された黄金のコブラの怪人が関係してるとか──────────。
エボル「どうした?戦わないのか?」(^U^)
異宙の生物(悪意があるタイプ)「ウワァァァァァァァァァァ!!」(0M0;)
サブタイの意味
「Eは止まらない」
↓
「エボルは止まらない」
↓
「Evolutionは止まらない」
↓
「進化は止まらない」