ポケットモンスター 拳 〜超強い俺の嫁とめちゃくちゃに弱い俺の話〜 作:おしゃべりデブ
ここまで来たのにまだガーディ以外の手持ちポケモンが出てないんですか!?
これじゃあポケットモンスター 拳 じゃなくてポケットモンスター 犬 じゃないですか!!
ガーディってめっちゃ可愛くない?俺毎回旅で見つけたら手持ち入れちゃうんだけど。技外しても「この駄犬め~後で説教やぞ!」て言いながらニヨニヨしてる。
あ、今回短いです。
「.........で...や。......なんであんなアホしたんや?」
彼は、手を頭の後ろに組んで寝転がり、目を閉じたまま私に純粋な疑問をぶつけた。
あんな...アホ......?
私をアホと言っているのでしょうか?それはそれでムカつきますが、まずはなんのことかを聞きましょう。
「あんなアホとは?」
私がそう聞くと、彼は大きく息を吸い込み、はぁぁぁあと大きくため息を着く。
そして、寝転がった状態から腰を起こし、そのまま硬い岩の上であぐらをかいて座った。
「あの時や!さんざんおれは言うたはずやぞ!あいつらは危ないって!隠れてやり過ごせって!!それをお前!隠れるどころかあの《キング》にボールまで投げつけて......死にたいんかボケェ!!」
彼は強い怒気を孕んだ声で私を睨みつけながらそう言った。
父上以外から受けた初めての叱責......私は初めての経験に思わず身をすくめてしまった。
ですが、私も負けてはいられない。
「......私は、強くならなければならないのですっ!そのためには、もっともっと強い相手と戦わなければならないっ!あの強そうなケンタロスには特訓相手になってもらわなければならないのです!遊んでいる暇なんて無いんです!!」
こんな言い分は子供の我儘でしかないと分かっている。
でも、この生意気で憎たらしい男に言われっぱなしでいるのは私のプライドが許さない。
「っ!ちっ!またか!またそれか!!強く強くって言うけど、お前強くなった先に何があんねん!!お前のそういう曖昧なところがおれは気に入らんのや!!なぁ!!お前は何がしたいんや!!」
「っ!」
彼は、私の子供じみた言い訳に対して、舌打ちをしながらまっすぐに私を見つめてそう問う。
私をまっすぐに見つめるその瞳に、思わず言い淀んでしまう。
でも、ここで引いたら私の信じる道を否定されたままで終わってしまう。
私は口だけじゃないっ!苦しくても辛くても努力を続けてきた!!その事だけは否定させないっ!!
「っ!!あなたに......あなたなんかには分かりませんよ!!才能に溢れ、努力なぞせずともそれほどの力を持つあなたには!!」
「......おい。今なんて言った......?」
私は思いのたけ全部を吐き捨てた後、嫌な雰囲気を感じてパッと彼の顔を見ると、彼は立ち上がり、今にも飛びかかってきそうな程に怒り震えるようなそれでいて、苦しみを思い出したかのような泣きそうな顔で私を睨みつけていた。
「才能に溢れ?努力なぞせずとも?......履き違えるのも大概にせぇよ。屋根があって、時間になったら飯も出てきて、毎日風呂も入れる。...お前なんかに分かってたまるか。おれだって好きで強くなった訳やない。強くならざるを得なかっただけや。」
彼は溢れ出そうな怒りを抑えるように肩を怒らせて、私を睨みつける。
今にも飛びかかってしまいそうな自分を律するように、歯を食いしばりながら。
......怖い。
本当に...怖い。
今までに数多もの相手と対峙してきましたが、ここまでの恐怖を感じたことはありませんでした。
試合や手合わせでは感じることの出来ない。
本能的に感じる殺気に対する恐怖。
私とあまり変わらない程の歳の、同年代の男の子から発せられるはずの無い殺気に思わず泣いてしまいそうになる。
ですが、それと同時に一つの疑問が浮かび上がる。
......彼の過去に何があったのだろう。
私と同年代の彼が、こんなにも恐ろしくおぞましい殺気を身につけねばならなかったほどの彼の過去。
......知りたい。
........聞いてみたい。
それで私の強さの糧となるなら。
彼の放つ殺気に震える唇を何とか動かして、まずは彼の逆鱗に触れてしまった謝罪をしなければなりません。
「...っ。...その......ごめんなさい。言葉が過ぎました。」
私が頭を下げて謝罪をするも、彼の怒りは冷めないようで、恐ろしい眼光をいまだに収めようとしない。
「くぬん...。」
私の足に寝転がっていたガーディが彼に対し悲しげな声をあげると、彼は舌打ちをして腕をくんでそっぽを向いた。
「......ちっ。......はぁ。お前が謝ったんやし、いつまでもイライラしてても大人気ないわな。ええよ。おれも言い過ぎたわ、すまん。」
彼はあんなにも恐ろしかった殺気を抑えて、そっぽを向いたまま頭を掻く。
ぶっきらぼうに謝って、私に背を向け腰を下ろした。
彼のおぞましい殺気が収まり、幾分か私の気持ちや身体の震えも治まってきたタイミングで、私はずっと聞きたかったことを聞いてみる。
「その...サボ...でしたよね?あなたは何者なのですか?」
「はぁ?おれはおれやけど?それ以外になんかあるんか?」
彼は何を言ってるんだこいつとでも言いたげな顔で私のいる方向に振り向いた。
本当に一挙手一投足全てに腹が立ちますね...。
「そういうことではなくて......すいません。言葉が足りませんでした。.....シジマさんに聞きました。あなたの事を。」
私がそこまで話を続けると、彼は大きなため息をついて立ち上がると、私の膝の上にいたガーディを抱えあげて自らの膝の上に乗せた。
きょとんとした顔だったガーディは、頭を撫でられるとにへらと笑い舌を出して彼の膝に頭を預けた。
「.........んで?どこまで聞いとんのや?」
彼は俯いてガーディを撫でながら、面倒くさそうに言う。
「シジマさんはあなたの事を『拾った』とだけ......。」
「最低限まともな説明ぐらいしろやクソジジイッ!!」
「きゃうん!?」
勢いよく立ち上がり、膝の上に座るガーディを吹き飛ばしながら素早いツッコミを入れる。
吹き飛ばされたガーディを思わず受け止め、心地良い触り心地に私は思わず撫で始めてしまう。
ガーディも少し楽しかったのか、キラキラとした目をこちらに向けてへっへっへっと舌を出した。
「私は強くならなければならないのです。......あなたは、強い。今まで戦った誰よりも、恐らく、私の父にも匹敵するほどに......。
......私は知りたいのです。私と同年代に見えるあなたが、何故そこまでの強さを持っているのか。...誰に師事を受けたのか。」
彼は腕を組んでしばらく目を閉じ、嫌そうに長々と唸ったあと、ため息をついて腰を下ろした。
「......多分、お前は知るまで満足せんのやろ?」
「......はい。何度でも問います。」
「......はぁぁぁぁ。......あんまり人には言いたくない話なんやけどなぁ。......おもろい話やないぞ?」
彼は大きなため息を着く。
私には、その姿がさっきよりもうんと小さく弱々しく見えた。
「......捨てられたんや......親に。」
壮絶な過去、始まります。