ポケットモンスター 拳 〜超強い俺の嫁とめちゃくちゃに弱い俺の話〜   作:おしゃべりデブ

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思ったより早く書けちゃった!てへぺろ!

前回のお話を書いてる途中を友達に見られたんですけど、
「ずっとええやんええやん言うとるから主人公の口調がザコシショウとほぼ一緒」って言われました。
ぶちのめしてやろうかこの野郎。

キリのいいところで区切ったので今回ちょっと短いです!お楽しみに!


第2章 銀の燻り
悪ガキ共


 

 

「シジマさーん!こちらですー!」

 

「おーう!それにしても、珍しいな!お嬢から稽古をつけて欲しいと言い出すのは!」

 

「はい!少し悩んでいることがありまして......。」

 

 

おれ達が洞窟で自分たちの夢を語り明かし、家に帰った後から一週間が経った。

 

サイトウの怪我もだいぶ良くなったようで、走れはしないものの稽古には参加している。今もクソジジイに稽古をつけてもらうために家の庭に呼び出しているところだ。

 

クソジジイがサイトウの元に近づくために、縁側を降りてスリッパを履いて一歩一歩と近づいてくる。

 

すたっすたっすたっすたっ。

 

足音が近づく。

 

せや、もうちょい、もうちょい前に......きたっ!今っ!!!

 

「っっっっしゃぁぁぁあっ!!行けっ!!バディっ!!ジジイの背中に《たいあたり》やっ!!」

 

おれの大声の合図とともに、バディは茂みから飛び出した。

 

「わおーん!!」

 

どたばたとした動きで砂を巻き上げながら駆け抜ける。

 

そして、そのままの勢いでクソジジイのがら空きの背中に体当たりを叩き込んだ。

 

「っ!?!?んなっ!?」

 

完全に不意をつかれたクソジジイはバランスの取りづらいスリッパということもあり思わず体勢を崩し、海老反りのまま前に倒れ込みそうになる。

 

サイトウはジジイの大きな体に巻き込まれないように2.3歩後ろに下がり距離をとった。

 

よしっ!!ここまではバッチリや!!あとはっ!!!

 

「セイヤァァァアッ!!!」

 

おれはその瞬間を狙って思いっきりロープを引っ張った。

 

するするすると長い長いロープが引っ張られたことで埋まっていた大きなブルーシートが勢いよく剥ぎ取られ、それは姿を現す。

 

「なぬっ!?!?」

 

ジジイの目の前に広がるは大きな大きな落とし穴。

 

しかも、底には大量の水を流し込んで作った泥がたっぷりの特別製。

 

さぁっ!!落ちろっ!!クソジジイっ!!

 

「わしを舐めるなよクソガキがぁぁあ!!」

 

だがジジイも負けてはいられまいと、倒れかかった身体を支えるべく勢い良く右足を踏み出した。

 

「ちぃっ!しくじったか!」

 

「このガキいっ!!今日こそ痛い目見せてくれるわっ!!覚悟しろっ!!サボォォオ!!!」

 

ダンっと地面を踏み締めて、ゲンコツを食らわせようとジジイがこちらを振り返った。

 

その瞬間。

 

 

 

「そぉいッ!」

 

 

「......はへ?」

 

 

 

サイトウは飛び出し下がっていた距離を詰め、そのまま両手でジジイを穴の方向に突き飛ばしたのだ。

 

思ってもみない一瞬の出来事にジジイは情けない声を上げる。

 

「んなっ!?お嬢!?!?」

 

予想外の攻撃に思わず裏返った声を上げたジジイ。

 

「お、おおう!?おおおおああああっ!?」

 

そしてそのままよたよたと足元が緩み、ついに穴の中へと足を踏み入れてしまった。

 

「お、おじょぉぉぉぉぉぉおう!?!?!?!?」

 

予想外の深さの穴に落ちていくジジイの断末魔が響き渡った。

 

おれ達は穴の中を覗き込み、ジジイが尻もちを着いたのを確認すると、大きく手をあげてハイタッチを交わす。

 

「っしゃ!!作戦成功っ!!ざまぁみあがれクソジジイっ!!」

 

「わおん!!」

 

おれ達が作戦成功の喜びにふけっていると、落とし穴の中から地響きのような声が響く。

 

「貴様らァァァァァッ!!今日という今日は容赦せんぞっ!!」

 

「へっ!やり返したかったらそのでっかい腹引っ込めてからこんかいクソジジイ!!足元見えるか?手伝ったろか?へへっ!!」

 

「なにぃっ!?このクソガキがぁッ!!お嬢ッ!!そのクソガキを引っ捕えといてくれっ!!」

 

ジジイはサイトウに助けを求めるが......。

 

「やりましたね!サボっ!!」

 

残念やったなクソジジイ!サイトウはこっち側や!

 

「っ!?お、おおお、お嬢!?な、何を......!?」

 

「へへへっ!ナイスアシストやサイトウっ!」

 

「わん!」

 

「あはは!ありがとうございます!」

 

「そ、そんなっ!?お、お嬢っ!!騙されてはならん!!そんなクソガキと一緒に居るとお嬢まで......っ!いかん!!いかんぞ!!」

 

クソジジイは泥にまみれながら顔を真っ青にし、頭を抱える。

 

いやーいい気味やな!ひっさびさにここまで完璧に決まったわ!!

 

「サイトウ!ジジイで遊ぶのも飽きてきたし、そろそろ他んとこ行こか!」

 

「そうですね!今日は何をするんですか?」

 

「せやな~......裏山の川とかどうや?水ポケモンもおるし楽しいぞ!!」

 

「わんっ!」

 

「良いですね!行きましょう!!」

 

「うしっ!決まりやな!ほれ!サイトウ!お前の帽子!ほんで......んっしょと、ほら!乗れサイトウ!」

 

「はいっ!ありがとうございます!では、失礼します!」

 

次の行先も決まったところで、おれはいつものようにサイトウに麦わら帽子を被せた後、しゃがんでまだ走ることの出来ないサイトウを背負う。

 

「そ、そんな!?さ、サボっ!お嬢に変な事を教えるでないっ!!コラっ!!話を聞け!!サボっ!!せめてここから出してからにしろっ!!コラァっ!!サボォォオ!!!」

 

落とし穴の中からやかましい声が響く。

 

ほんま、このおっさんで遊ぶのは飽きへんわ~。次は何しかけたろかな?

 

そんなことを考えながら、落とし穴から響く声を完全に無視しておれ達は走り出した。

 

「っしゃー行くぞー!!」

 

「しゅっぱつしんこー!!」

 

「わおーん!!」

 

「コラァァァアッ!!話を聞かんか悪ガキ共ォォォォオッ!!!」

 

 

_____________________________________________________________________

 

サボ達がシジマを罠にかけてからしばらく、シジマの息子であるケベリは、いつも通り箒を掃きながらシジマの落ちた落とし穴を覗き込んだ。

 

「あっはっはっ!またやられたんですか?父さん」

 

「ぬ?ケベリっ!貴様、見てたのなら止めんかっ!!」

 

「いやー、ねぇ?あのサイトウちゃんがあんなにも楽しそうに笑っているもんだからつい...ねぇ。」

 

「くっ!だからと言ってだな!実の父親がこうまで遊ばれているのに少しは止めようとする気概をだな!」

 

「でも、父さんだって言ってたじゃないですか。サボくんとサイトウちゃんが仲良くするのは好ましいって。」

 

「わしはだな!!お嬢とサボが仲良くなることによって、少しでもあの悪ガキの悪癖が治ればと思っておったのだ!!それがまさか......くっ!うぅ、親父さんになんと詫びれば良いものか......っ!」

 

「あははは、でも、サイトウちゃんほんとに、楽しそうに笑うようになったよね。前までは、何があってもくすりともしなかったのに、今朝なんてサボくんと二人で厨房に潜り込んでつまみ食いしてたしね。」

 

「なっ!?お嬢そんなことまで!?......うぅ、清廉潔白だったお嬢が...野生児に染められていく...くっくそっ!許さんぞサボッ!!」

 

「それにしても、サイトウちゃん......あんなにもサボくんを嫌ってたのにねぇ...心做しかサボくんを見る目が変わったような?......へー、これは、面白くなってきたな~。」

 

「何も面白くないわい!!それよりも、ケベリっ!頼む!ここから出してくれ!一人じゃどうにもならんくてな!ヤツめ......相当深く掘りよってからに......はっ!まさか、お嬢っ!?これも手伝ったのかっ!?だ、ダメだっ!早くお嬢からヤツを引き離さなければっ!!さ、さぁ!ケベリっ!早く引き上げとくれっ!!わしはヤツを追わねばならんっ!!」

 

「...............ところで、父さん。......僕、欲しいものあるんだよね。」

 

「はぁ?そんなもの自分で買え!いい歳した大人が!こ、これっ!やめんか!砂をかけるな!おい!ケベリ!わかった!わかった!買ってやるから!だからやめろと言うておる!!」

 

「さっすがー!父さんは太っ腹だなー!ところでもうひとつ頼みたいことがあるんだけど......。」

 

「ま、まだ言うか!?そんなもの......お、おい!砂をかけるなと言うておろうがっ!!や、やめろっ!!か、母さァん!!た、助けてくれぇぇえ!!!」

 




サイトウとサボくんが遊んでる様子はBGMに『夏めく坂道』でも流して楽しんでください。あ、アニポケのデコロラアドベンチャーかな?そんぐらいの時のオープニングです。
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