ポケットモンスター 拳 〜超強い俺の嫁とめちゃくちゃに弱い俺の話〜   作:おしゃべりデブ

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連続投稿月間2日目。 2日目って言っていいんか?これ?

最近、暑すぎないですか?

私は夏バテに倒れて1週間会社を休み、その後、夏風邪に襲われ1週間休み、その1週間後にコロナを発症し、再度1週間会社を休みました。
職場の視線が痛いです。まぁおかげでここまで駆けてるんですけどね。

そんなこんなで始まります。



強さの秘訣

 

「おーい!なにしとんねん!はよ上がってこんかい!」

 

「わん!」

 

「はぁはぁはぁはぁ、ま、待ってください。」

 

おれ達はいつも遊び場にしている西の裏山に到着したのだが....。

 

ぜぇはぁと息を切らしながら、重そうなリュックを背負っておれ達の後ろをなんとかついてくるサイトウはやっとのことおれ達に追いつくと、そのまま倒れ込んだ。

 

バディは元気よく吠えながら、倒れ込んだサイトウを心配するようにペロペロと頬を舐める。

 

おいおい、体力ないのぉ。まぁ、ちょっと厳しめの道歩いてきた自覚はあるけど、まさかここまで体力ないとは思わんかったな。

 

「お前.....反射神経やらなんやらより、まずは体力つけなあかんのちゃう?」

 

「はぁはぁはぁ、あ、あなた達がおかしいんです。....こんな、急斜面を、はぁはぁ.....このペースで、....走っていくことが、はぁ...異常なんです。あと、はぁはぁ、あなたのガーディに....っうぅはぁ、私の顔を舐めさせるのを、はぁはぁはぁ...やめさせてください.....息苦しいです。」

 

「やってさ、バディ。その辺にせぇ。」

 

「わっふ!」

 

バディは元気よく吠え、やりきったような満足げな表情でサイトウの元からこちらに戻ってくる。

 

サイトウは汗とバディのよだれでびちゃびちゃになった額を道着の裾で拭いながら、身体を起こして体力の回復に努める。

 

「はぁはぁ、なんという、無尽蔵な体力。....っはぁ、この険しい道を毎日.....なるほど、はぁはぁ。あなたの、身体能力の秘訣を...はぁはぁ、垣間見た気がします。.....っはぁはぁはぁ。」

 

「別に、そこまでのもんじゃないけどなこれくらい。こっちきた時から普通にここまで来れてたし。」

 

「わっふん!」

 

「はぁはぁ、学校のマラソン大会でも、.....はぁはぁ、ずっと一位だったこの私が....はぁはぁ。」

 

どことなくいつもの無表情が落ち込んでいるようにも見えるけど、まぁ気のせいやな。

 

「ほら、さっさと立てえ!もうちょい先やぞ!」

 

「わうふ!」

 

「ま、まだ進むんですか?....はぁはぁ。んくっ!はぁはぁ」

 

「しゃーない。ほれ、手ェ貸したるから早よ立て。」

 

まだまだ息を整えることの出来ていないサイトウの前に手を差し出す。

 

「はぁはぁ...別に頼んでません。結構です。」

 

おれの差し出した手をチラリとみた後、そっぽを向きまためんどくさいことを言い出すサイトウ。

 

「....ほんま、お前めんどくさい女やのう。なんでもいいからほら立て。」

 

そっぽを向くサイトウの手を掴んでそのまま座り込んでいたサイトウの体を引き上げる。

 

「ちょ、ちょっと......っ。やはり....。あなた、その手は....。」

 

「なんでもええから行くぞ!」

 

サイトウが何かを言おうとしていたが、いちいち話を聞いていたら遊ぶ時間もなくなるので、話を遮り先を急ぐ。

 

「なっ!?ま、待ってください!ッ!?きゃあ!」

 

背後からズザザザッと音が聞こえ振り返ると、サイトウは尻もちをつき座り込んでいた

 

どうやらサイトウはこの斜面で足を滑らせたらしく、転んでしまったらしい。

 

ここ数日の快晴で土もカラカラに乾いとったし、慣れてないやつが歩いたら滑るのもしゃーないか。

 

「っ!いッ!はぁはぁ....つつ...あ、足が...。」

 

「おいおい、大丈夫か?無理すんなよ。」

 

「はぁはぁ...いえ!この程度なんでもありません!」

 

「さいですか。ほな行くぞ!」

 

「わん!」

 

しばらく斜面のキツい山道を歩きそのまま進み続けると、少し開けた場所に出る。

 

「ほい!到着!ここがおれらがいっつも遊びに使っとる場所や!」

 

「わうわふん!」

 

「とりあえず、せやなぁ......おっ!あの木ええなぁ!バディ!ロボ女!行くぞ!」

 

周囲を見渡すと、ちょうど良く木登りがしやすそうな木を見つけた。

 

「わん!!」

 

「はぁはぁ、待ってください!もう少し、はぁ、休ませて...。それと、はぁはぁ、...ロボ女は、はぁ、...うぅっ、はぁはぁ、...て、訂正してください!」

 

後ろでサイトウが何か言っとるけど、いちいちめんどくさいし無視や無視。

 

めんどくさいロボット女を無視しつつ、手頃に木登りしやすそうな木に飛びつき枝に手を掛け登り始めた。

 

「よっ!ほっ!よいしょっと!おーい!はよ登ってこい!」

 

手慣れた動きで木に登り、下を見下ろすと、サイトウはおれを見上げながらポカンと呆気にとられて開いた口が塞がらないでいる。

 

「おーい!なにしとんねん。いつまでも休んどったらじきに夜になってまうぞ!」

 

ほーれほれと登った木の枝を右手で掴みぶらんぶらんとぶら下がって左手を振って見せてみると、サイトウは息を切らしながらもまるで信じられないものを見たかのような唖然とした表情を浮かべる。

 

そういやこいつのこんな表情初めて見たな。いっつも無理に作った無表情でなに考えとるんかわからんかったけど、こんな顔もできるんやな。なんやちょっとおもろいやん。

 

「んなっ!?なんという跳躍力......くっ!野生のサルノリですかあなたはっ!」

 

「わん!」

 

バディもおれの動きを真似ていつものように木に登る。

 

「ガーディまで...。」

 

「お!バディも登ってきたな後はお前だけやぞ!ほら、はよ登ってこい!」

 

おれがサイトウにそう声をかけると、サイトウは恐る恐る木の幹に触れた。

 

そして、木の出っ張りに手をかけて登り始めたのだが....どうやら手こずっているらしい。一向に登って来れる気配がしない。

 

なんかずっと「くっ!」とか「ああ!」とか言いながら尻餅ついとる。

 

まぁ、見るからに木登り初心者みたいやしコツの一つでも教えたるか。

 

「次に手ぇ置くとことか考えとかないつまで立っても登れんぞー!」

 

「くっ!言われずともわかってます!」

 

苛立ちながらおれの助言を無視して同じことを繰り返すサイトウ。

 

せっかく教えたろうと思ってたのに聞く気ないんやったらもうええわ。

 

「....へいへい。左様でございますか。」

 

しばらく木の枝の上で寝転がり、お腹の上にバディを乗せてサイトウが登り終えるのを待っているとサイトウの声が聞こえなくなった。

 

.....登れんくて諦めたか。

 

チラリと視線を下に移してみると、サイトウはぶつぶつと何かを呟きながら拳を構える。

 

.....ッ!?こいつまさか!?

 

「はぁあああ!セイヤァァッッ!!!」

 

サイトウのキレのある正拳突きが炸裂し、どしんっ!!と大きな音が響き渡り、自分が寝そべっていた木が大きく揺れる。

 

「どぉわっ!」

 

その振動におれはバランスを崩し、思わず落下しバディを腹に抱えたまま背中を地面に強く打ち付けられた。

 

「うぐエェッ!?......ぐぐぅ...な、なにさらすんじゃこの怪力クソ女ボケェ!!ぶっ飛ばすぞ!!!」

 

「ふん!自業自得です!」

 

「あぁん?.....ええ度胸しとるのお、われコラァ!またギャンギャン泣かせたろかこんボケェ!!」

 

「ふん!」

 

サイトウは鼻を鳴らしてそっぽを向く

 

この野郎...人がせっかく優しいしとるのに舐めたことしよる。マジでもういっぺん泣かせたろかこのガキ。

 

ギリギリと睨みつけているとサイトウは俺を睨み返す。

 

「私は...こんなところに遊びに来た訳じゃありません!!...私は強くならなければならないのですッ!!...もっと...もっと強くっ!...っ......すみません、取り乱しました。」

 

サイトウは声を張り上げて捲し立て、ハッとしたように冷静になって静かにそう告げる。

 

......こいつのこういうところが気に食わんねん。

 

「へいへい、ご希望にお答え出来ず申し訳ございやせんねぇ。」

 

苛立ちながらも平謝りをして、木登りを諦めて他のところに行こうかと足を踏み出した。

 

 

.....その時、ほんの少しだけ、僅かに、森がザワつくのを肌で感じた。

 

 

もしかして...今日はあれの日か。

 

くるりと振り返りサイトウを見ると、何も気づいていないようで怪訝な目でおれを見つめる。

 

「おい!ロボ女!こっちに来いっ!!」

 

おれはサイトウの右手を握り、茂みの方に引き寄せる。

 

サイトウは突然のことに驚きながら、されるがまま手を引かれて茂みに隠れる。

 

「いっ...つ...な、何をするっ!んんっ!!」

 

「今は黙っとけ。」

 

声を上げるサイトウの口を手で塞ぎ、茂みの中で身を潜めていると、森の奥から鳥ポケモン達が大きな羽音を立てながら一斉に飛び立った。

 

それに続くように森の奥からは、何かから逃げるように走る野生ポケモンたちが現れる。

 

「クーサー!!」「コーンっ!!」「ディグダ!ディグダ!」

 

 

「あれは...クサイハナ?ロコンにディグダ...何かから逃げている?」

 

「シーっ!!黙っとけ言うたやろこんボケ!!はぁぁ...そうか、今日やったか...。ちとしくじったな。」

 

思い思いの鳴き声を上げながら逃げるポケモン達を見ていると、どしりどしりと大きな足音が響き出す。

 

それも、1匹や2匹ではなくもっと複数の足音が。

 

のそりのそりと動く大きな影が、足元に響く程に大きな足音を鳴らして森の奥からゆっくりゆっくりと姿を見せた。

 

「グルルルルッ!」

 

「落ち着けバディ。まだ見つかっとらん大丈夫や。」

 

「ブルルムオオ......。」 「ブルホーン......。」

 

「ブルル...。」

 

その2本の角は白く鋭く伸び、鞭のような三本のしっぽを振り回しながら四足歩行でどしんどしんと地響きを鳴らしながら歩く森の奥から現れた猛牛達。

 

「あれは......まさか。ケンタロスっ!?」

 

やっぱり、今日はアイツらの凱旋日だったのか。

 




ぶもぉぉお

実はケンタロスはポケモンの中でもかなり好きってかめちゃくちゃ好きです。
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