ポケットモンスター 拳 〜超強い俺の嫁とめちゃくちゃに弱い俺の話〜   作:おしゃべりデブ

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連続投稿月間4日目 これ続いてんのマジで奇跡です。

ポケモンマスターズEXを少し前から始めました。
ピックアップもされていないサイトウを引く為だけに私は5万円を注ぎ込みました。しばらくは極貧2食生活です。

皆さん好きなポケモンっています?僕ですか?僕はそうだなぁ......バンギラスかなぁ。

今回も長いです気をつけてください。


強く、強く

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『サイトウ、お前は強くならなければならない。ガラル空手師範である私の娘として、弱気を捨て、強くあれ。』

 

『はい!父上!』

 

私の父はとても強い人だ。

 

ガラル地方という決して小さくは無いこの地方で、武術と言えばなにかという問に対し、100人中100人がガラル空手と答えるほど数多の人達に認められる伝統武術。

 

そんなガラル空手の師範とし、数多くいる門下生の頂点に立つ武術のスペシャリスト。

 

それが私の父だ。

 

私はそんな凄い父親を持てたことを誇りに思っている。

 

父は、私が幼い時から厳しく育てた。

 

『腰の入りが甘いっ!!踏み込みっ!そんな拳では羽虫すら倒せんぞっ!』

 

『はいっ!父上っ!』

 

物心着く前から武術に身を投じ、日夜修行に励んだ。

 

毎日毎日、早朝から夜遅くまで。

 

父上に認められるような強い人になるために。

 

父上に褒めてもらうために。

 

...思えば、父との記憶は修行以外には無いかもしれない。

 

 

『サイトウちゃん!この後みんなで遊ばない?』

 

『いえ、遠慮しておきます。私は稽古をしなくてはならないので。』

 

『そ、そうなんだ。...頑張ってね!』

 

学校の友達と遊んだ記憶も無い。

 

でも、問題無い。

 

強くなるために友達と遊ぶ必要はないから。

 

 

『おかあさん!わたし、ケーキが食べたいっ!!』

 

『そぉねぇ...じゃあ!帰りに買って帰りましょうか!』

 

『やったぁ!』

 

『......。』

 

 

『父上!あの...』

 

『菓子?あんなものは与えるな。甘えの素となる。...どうした?サイトウ?』

 

『......いえ、なんでもありません。』

 

甘いものは食べたことが無い。

 

でも、それは強くなるために必要では無い。

 

だから、それはいらないものだ。

 

 

『父上!見てください!私、大会で優勝したんです!』

 

『...だからどうした?』

 

『えっ......。』

 

『その程度の大会、お前なら制覇して当然だ。...そこで、お前は何を得た?何を学んだ?』

 

『その......すいません...父上。』

 

『なぜ謝る?お前は私に何をしたのだ?』

 

『......いえ、なにもしていません。なんでも無いです。』

 

父上が私を褒めたことはありません。

 

ですが、それも仕方がないことです。

 

私は父上の望むような結果を出していません。

 

だから、父上に褒めてもらうには強くならなければならないのです。

 

今よりももっと、もっと、もっと強く。

 

 

『......ねぇ。サイトウちゃんってさ...ノリ悪くない?』

 

『ちょっと家がお金持ちだからって調子に乗ってるのよ。』

 

『わたしたちのこと見下してたりして!』

 

『やだー!最悪ー!』

 

『性格悪ー!』

 

 

『............。』

 

クラスメイトの間では、どうやら私は酷く性根の悪い人間というような噂が流れているようです。

 

ですが、それも仕方ありません。

 

私が自ら進んで、強さを求めるために対人関係を捨ててきた結果です。

 

彼女らに嫌われようが、友人と呼べる人間が居なくなろうが、私の求める強さとは関係がありません。

 

だから、これも、この胸の痛みもいらないものです。

 

 

『セイヤッ!!ハァッ!!っ!...いっ......た...。』

 

最近、足首に違和感を感じるようになりました。

 

ですが、これは私がまだ未熟だからです。

 

真の強者は痛みなんか感じないはずです。

 

『どうした?サイトウ。...もう稽古はおしまいか?』

 

『いえ!大丈夫です!父上っ!』

 

この痛みはまだ私が未熟だから感じているだけなのです。

 

強くならなければ......強く、もっと強く、誰よりも強く。

 

......『最強』に......。

 

 

『っ!おい!あれ!』

 

『あ?っ!あの子!テレビで観たことあるぞ!確か、ガラル空手道場の一人娘っ!』

 

『ああ!まだ十才なのに空手大会を優勝したって奴な!』

 

『......でも、女の子なんだよな。』

 

『強いのも今だけかもなー。』

 

 

『......。』

 

世間では、私は強くなれないとの噂があるみたいです。

 

私が女の子だから、今は力で勝っていても、いずれは男の子に劣ってしまうから。

 

ですが、私は強くならなければなりません。

 

男の子なんかには負けない強さが必要なんです。

 

強く、もっと強くならなければ、父上に褒めて貰えない。

 

だから、私は強くならななければならないんです。

 

誰よりも、何よりも。

 

 

『勝者はタイチ選手っ!前回大会優勝者のサイトウ選手は惜しくも敗れてしまいましたっ!!』

 

『......っ!くっ!』

 

『......サイトウ。』

 

『っ!......父上。』

 

『なぜ負けた?』

 

『......私が、まだ未熟だったからです。』

 

『何が未熟だった?何が足りなかった?』

 

『......ち、力が......足りませんでした......。』

 

『......力で勝てるはずがないだろう。』

 

『お前は女なのだから。』

 

『..................っ!くっ!』

 

私は女だから弱いのですか?

 

私は女だから強くなれないのですか?

 

強くなれないから父上は褒めてくれないのですか?

 

私は......どうすれば...。

 

...父上に褒めてもらえるのですか?

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「っ!はぁはぁはぁはぁっ!......ゆ、夢?」

 

目が覚めると、私はどこか見知らぬ暗い場所で横になっていました。

 

「っ!いっ......たたた......っ!」

 

右足首に走る激痛に思わず顔を歪めてしまう。

 

どんな時でも心を無にしなければならないというのに、まだまだ自分の未熟さを感じます。

 

「それにしても......ここは......?」

 

起き上がって辺りを見渡すも、暗闇であまり視界もハッキリとせず、自分が今座っている場所は硬い岩の上ということだけが分かる。

 

時たま、ざばーんと波が壁を打ち付ける音が響きこの場所が海の近くであるということは分かった。

 

それと同時に段々とハッキリと見え始める視界の中私はあることに気づいた。

 

「っ!私!服!道着だったはず......っ!?......なんで、下着......っ!?」

 

確か私は道着を着ていたはず!あの憎たらしいサボという少年に連れられて山に入って!それで!!

 

「おっ!目ェ覚めたみたいやな?崖から海に飛び込んだ気分はどうや?」

 

「わんっ!わんっ!」

 

暗闇の奥から全身ずぶ濡れの少年とガーディが大量の木の棒を手に持ち現れて、私にそう声をかける。

 

っ!待って!?私!今!下着......っ!?濡れ...っ!?透け....っ!?

 

「きゃああああああッ!?み、見ないでください!?」

 

「っ!うるっさいわッ!洞窟の中でキンキン叫ぶなッ!!頭痛なるわボケェッ!!ガキの乳に興味なんか持つかバーカッ!!」

 

「んなっ!?」

 

頭を抑えながら私の出した悲鳴をかき消すかのように大きな罵声を吐き捨てる炎のように真っ赤な髪の少年。

 

赤髪の少年はイライラとした様子で木の棒を足元に投げ置いて、私に背を向け洞窟の奥へと再び進んでいく。

 

この島に来てからこの少年に振り回されてばかりだ。

 

本当に、無礼で、 稚拙で、品が無くて、無秩序で...それでも、私よりも強いことが憎たらしくて悔しい。

 

さすがに下着だけのほぼ裸のような格好で異性の男の子の前に居るのは恥ずかしく、背中を丸めて肌を隠していると頭の上からふぁさりと1枚の衣類が被せられた。

 

「ほら、ちゃんと着替え持ってきてやったんや!ホンマに重かったんやぞ!道着着たままのお前担いで海の中泳ぐの!!当のお前は気ぃ失っとるし!」

 

赤髪の少年は私に上着を渡し、やれやれと呆れながら、私の向かい側にある岩の上に背を向けて座る。

 

......裸同然の格好をしている私を気遣ってくれているのだろうか?

 

いや、彼はそんなお人好しな人では無いはずです。

 

借りた上着に腕を通し、ボタンを止める。

 

...うん、もう大丈夫なはず。

 

「あ、ありがとう...ございます......。あの、もう大丈夫です。」

 

「ん。...あー、すまん。いつまでも濡れた道着着てるのは重いし冷たいと思ってな......体調崩しても困るし、勝手に脱がした。」

 

「いえ、その...知らない間に服を脱がされていたのは驚きましたが......冷静な判断です。......ありがとうございます。」

 

「ん。......足、大丈夫か?」

 

「......はい。」

 

「ん。」

 

適切な処置をし、上着を持ってきてくれた彼に感謝の言葉を返すと、ぶっきらぼうに返事をし、また、洞窟の奥へと入っていきせっせと木の棒を運ぶ。

 

持ってきた木の棒に手をかけてしばらく見比べた後、「うん。これやな。」という言葉と共に木の棒を十字に組んで擦り合わせ始めた。

 

...もしかして...火を起こそうとしている?

 

「あの...火を起こすなら、そのガーディの吐く炎を使えばいいのでは?」

 

「ん?あぁ、こいつ火ぃ吐けんねん。」

 

「くぅん。」

 

「...っ!ご、ごめんなさい、ガーディ。私、知らなくて...。」

 

ガーディが悲しそうな声で鳴き、思わず謝った。

 

...炎の吐けないガーディ...なにか事情があるのだろう。

 

部外者である私が踏み込むのは褒められたことでは無い。反省しなければ。

 

少し落ち込んだ私を見て、赤髪の彼は居心地が悪そうに頭を掻きながら微妙な空気を遮るように「でも!」と声を上げた。

 

「でも、こいつめっちゃ温かいんや!ほれ!バディ自慢のお腹であっためたれ!」

 

「わっふ!」

 

「きゃ!ちょ、ちょっと!」

 

飛びかかってきたガーディに反射的に声が出てしまう。

 

トレーナーである彼はニヤニヤと笑いながら、棒を擦り合わせる手を速める。

 

「まーまー、ええからええから!」

 

ガーディが嬉しそうに舌を出しながらまだじっとりと濡れている私の膝の上にぽにゅっとした肥満気味のお腹をのせる。

 

すると、じっとりと濡れて冷たかった私の体温がじわりじわりと温まっていくのを感じた。

 

凍りついた雪が溶けるように、じんわりじんわりと。

 

「......ふふっ。ほんとだ、あったかい...。」

 

じんわりと伝わるほのおタイプ特有の日向のような温かさに思わず笑みが零れてしまう。

 

「......おっ!へへっ!初めて笑ったな?」

 

彼のニヤけたそんな声に思わずハッとなり、緩んだ頬をぐにぐにと揉んで緩んだ表情を元に戻す。

 

「笑ってません。」

 

「いいや!笑ってたな!」

 

彼はにやにやとこちらを見ながら腹立たしい顔でそう言い切る。

 

迂闊でした。この男の前で表情を緩めてしまうとは。

 

「笑ってません!」

 

あまりにしつこく嫌な顔で笑いかけてくる彼に思わず、声を荒げてしまった。

 

彼は私のその声にビクッと肩を震わせて、はぁっとため息をつき、棒を擦り合わせる手をますます速くする。

 

「頑なやな〜。お前、笑っとる方が似合っとったのに。」

 

彼は、火を起こしながら片手間で、なんてことないようにそんな頬が熱くなるようなことを言い退ける。

 

「......へっ!?」

 

想定外の言葉に変な声が出てしまった。

 

そんな慌てている私を尻目に、彼が擦り合わせていた棒からは白い煙が上がり出して、ついには。

 

「おっ!キタキタ!!いくぞいくぞ!!ふー!ふー!ふぅー!!......おっしゃ!!着いた!!みたか!!」

 

「わふぅん!」

 

受け皿となっていた木の棒から火種を取り出して、ふわふわとした綿のようなものに火を落とし、息を吹きかけて、ついには焚き火まで起こしてしまった。

 

私は人生で初めて見る焚き火というものに、少しだけワクワクした気持ちを抱えつつも、真の強者となるため心を無にして表情を作る。

 

焚き火が燃え、周囲を照らし始めると、暗闇がかった視界が僅かに明るくなり、初めて自分の周りの状況を知る。

 

周囲を見渡すと、一面岩壁に囲まれており、やはり自分が洞窟にいるのだということがわかった。

 

洞窟の外には入り江のような場所があるらしく、時たまざばーんと波が岩壁を打ち付ける音が響き渡る。

 

そして、何やら洞窟の奥には布団やら漂流物であろうボールに先程彼が持ってきた木の枝など、色んなものが散乱しているのが見えた。

 

私は、目覚めた時からの疑問を彼に投げかけてみた。

 

「ここは...どこなんですか?」

 

私のそんな質問に、彼は待ってましたと言わんばかりに鼻の下を擦って胸を張った。

 

「そういや言ってなかったな!...じゃーん!ここは俺の秘密基地!!あのクソジジイと喧嘩して帰りたく無くなった時とか遅くまで遊んで帰れんくなった時とかはここで寝泊まりしとるんや!!」

 

「ここで寝泊まりを!?」

 

こんな岩肌が剥き出しで足の踏み場も悪いような屋外で!?

 

まるで自慢の秘密基地のように語る彼に思わず動揺してしまった。

 

彼は私の驚いた顔に少し動揺した後、胸を張って自慢げに鼻を鳴らした。

 

「おう!ええぞおココ!俺以外の誰もこーへんから汚くないし、風も通るから今日みたいな蒸し暑い日も涼しいし、波の音で気持ちも落ち着く!それに......いいや!これはあとのお楽しみやな!!」

 

彼は誇らしげににひひと笑い、胸を張って自慢する。

 

......彼のこんな年相応な顔は初めて見たような気がします。

 

いつもはもっと私をバカにしたように見下し、嘲り、罵倒し...なんだか無性に腹が立ってきました。

 

それでも、時たまどこか遠くを見ているような...ここでは無い何かを見ているような、そんな目をしていることがあります。

 

私は初めて見る彼の子供らしい表情に少しドキリとしながらも、返事を返しました。

 

「...そう......ですか...。」

 

私のあまり羨ましそうには感じない返事を聞き、彼ははぁっとため息をついて頭をぽりぽりと掻いたあと、焚き火に木を投げ入れながらその場に座り込んだ。

 

「......まぁ。お前が気ぃ失っとる間に今日はもうこんな時間やし、お前の足もそんなんなっとるし、もうしばらくは満潮が続く。今日中に帰るのははっきり言って無理や。今日のところは、ここで我慢してくれ。」

 

彼は私の先程の返事にすっかり気を落としたようで、不貞腐れながらも拾ってきた木で洞窟の外を指す。

 

彼が指した洞窟の外はいつの間にか太陽が落ち、暗闇に包まれていた。

 

「......そう...ですか。」

 

私がそんな肯定とも否定とも取れないような返事を返すと、またも彼は大きくため息を着いて後頭部をポリポリと掻く。

 

「......元はと言えばお前のせいやけどな。」

 

しばしの沈黙のあと、彼は不貞腐れたようにそんなことを呟いた。

 

「...それはっ!....その.....申し訳ございませんでした。」

 

咄嗟に私は反論しようとしましたが、ぐうの音も出ないほどの正論に思わず謝ってしまう。

 

「へいへい。」

 

彼は私の謝罪をなんでもないかのように受け取り、ぱちぱちと弾けだした火から目を離して、頭の後ろに腕を組んで硬い岩の上に寝転がった。

 

「............。」

 

「............。」

 

互いに無言が続く。

 

しばらくの間、ぱちぱちと火花の弾ける音と、ガーディの荒い息の音だけが静かな洞窟の中に響いた。

 

初めに沈黙を破ったのは私だった。

 

「...サボ...でしたか。あなた、火起こしが手慣れていましたね。どこかで経験が?」

 

「んあ?...あぁ、()()()におった時もやってたしな。毎日しとったら慣れもするわ。」

 

...向こう......。

 

彼は度々、「向こう」という言葉を出す。

 

シジマさんの実の家族でもなく、親戚でもない彼は、多分、どこか別のところからこの島に来たのだろう。

 

なぜこの島に?シジマさんとの関係は?どこでその強さを?

 

彼と関わり知れば知るほどその度に気になることが増えていく。

 

思い切って聞いてみようか?

 

そんなふうに私らしくもない悩みを抱えていると、彼はゆっくりと口を開いた。

 

 

「.........で...や。......なんであんなアホしたんや?」

 




正直に言うと、バンギラスも好きだしハガネールも好き。
でっかくて硬そうなやつみんな好き。
子供の頃、将来はリザードンになるって言ってましたね。
今はカイリキーになりたいです。
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