森育ちのお嬢様にネットは難しい 作:ワクワクを思い出すんだ!
そろそろ「おい、デュエル(描写)しろよ」とか言われそうでビクビクしていますが、これでハノイの騎士編は終わりです。
時系列的にはアニメの32〜46話あたりです。
人類滅亡の危機と聞いて、何を想像するだろうか。
大地を割るほどの地震や全てを飲み込む津波。
未来や外宇宙、あるいは別次元からの侵略者の襲来もあるだろう。人それぞれの捉え方により千差万別あるはずだ。
つまり、この文明社会において依存度の高い“ネットワーク”の崩壊も立派な人類滅亡の危機とも言えるだろう。
直接的に人の生き死に関わるわけではないが、人類の文明は遥か数十年回帰することになる。少なくとも医療などが立ち行かなくなり、人類の何割かは影響を受けることになる。果たして、それに人類が耐えられるかは、まさに“神のみぞ知る”ことだろう。
そんな机上の空論を考えることは、余程の変わり者でなければあり得ない。
実際にその問題に直面しなければ、の話だが。
「やべぇよ、やべぇよー! やべぇって!」
Den cityの中央広場。
大型モニターにはニュース番組が流れる。動物園でパンダが出産したなど平穏なものが流れる中、島は歩きながら手に持ったタブレットの画面を食い入っていた。
いや、もはや中の世界を覗き込もうとしているように画面を顔に貼り付けている。
痛々しい様子をしているのも無理はない。
彼が見ているネット中継には、現在のLINK VRAINS内の生中継が放送されている。
画面には荒廃したLINK VRAINSの街並みと、そびえ立とうとするひとつの塔。そして、データにされた一人の男。
ちっぽけな正義感よりも危機感の方が遥かに勝るこの状況。さすがの島もLINK VRAINSには近づかないことを決め、英雄の登場を待つことにした。
ちょうど近くにあったベンチに座る。
梅雨が近づいているせいで蒸し暑くなる時期でも、カラッとした春の陽気が心地よい。大変なことになっているLINK VRAINSとは対照的な光景が広がっていた。
「ぽけー…………」
ふと、隣をよく見てみれば、よく話す女子が空を見上げながらぼーっとしている。
まさに現実の平和さを具現化した存在に、島は温度差で頭が痛くなりそうだった。
「……鴻上、お前なにやってんの?」
「あら、島くんごきげんよう〜。わたくしは日向ぼっこしている最中ですわ〜。本日はお日柄も良く〜」
「うっわ、呑気だな」
短い高校生活の中で相当贅沢な使い方をしていると思った。まあ島もネット中継に夢中なのであまり人のことを言えないのだが。
「ああ違う。今それどころじゃないんだった。LINK VRAINSがやべぇことになってんだよ!」
「やべぇことですの〜?」
おそらく半分寝ていると言われてもおかしくない緊張感のない返事をする結。
口でどうこう説明しても伝わらないと判断した島は持っていたタブレットを彼女が触れない程度の距離を保ちながら見せつけた。
『“警告”です。
今、LINK VRAINSに入れば、彼のようにデータになってもらいます。
それでも構わないという方はどうぞご自由に』
ちょうど、LINK VRAINSの中でも動きがあった。
ひとりの男がハノイの騎士とデュエルし、無残にも敗北した末路を見せつけられる。
確か、記者会見でも出ていたSOLテクノロジーのセキュリティ部長の北村だったか。情けなく命乞いをしてみっともないと思った島だが、つい最近自分も同じようなことを口にしたため強く出れない。
パッと見“とんでもないことをしようとしている”ことしかわからないが、ハノイの騎士たちの企みを阻止できるのは、あの男しかいないのだ。
「くっそ〜、ハノイの騎士のやつら〜! もうすぐPlaymakerたちがやってきてギッタンギッタンにやってくれるからなぁ〜!」
彼もこの光景を目にしているに違いない。
それに、Go鬼塚やブルーエンジェルだって、この危機に立ち向かうはず。
今に見てろ、と画面を睨みつけると、今度は結の方に視線を向ける。どうだ、これでどんな状況かわかっただろうと反応を期待していた。
「あら、スペクターさん?」
「へ?」
結は目を丸くして、残った男の方を見ていた。
さらに明らかな個人名を口にしていた。
さすがの島も、結へ意識を向ける。優先順位が入れ替わった。この問いを口にせずにはいられなかったから。
「お前、
「──────」
いつも絶やさなかった笑みが消えた瞬間。
入学してから一度も見ていなかった少女の表情に、島は圧倒されてしまった。
「……ごめんください」
だからこそ、結がベンチを立ち上がって広場を離れた時に何も言えなかった。普段どおり鈍くさい動きでも、彼女にとっては出来る限りの急ぎ足で街中を駆ける。
少女は、スペクターが何をしているのか、何をしようとしているのかはわからない。その結論を結びつけるための知識が、彼女には決定的に足りていない。
故に、わかる者に聞くしか状況を理解することはできなかった。
「──────お兄さま」
目指すは彼女の家。デッキから【メルフィー】の動物たちがぽこぽこと現れ、結の前を駆けて先導する。
信頼する“おともだち”たちがいれば何も怖くないはずなのに、走る度に彼女の胸中にある不安な気持ちは膨らんでいく。
着いた頃には既に陽は暮れてしまっていた。
普段歩く分には苦労はなくても、走ればさすがに健脚も悲鳴を上げる。
肩で息をしながら周りを伺うと、時々近くで見かけるキッチンカーが玄関前に停まっていた。
汗を拭くよりも前に、家の扉を開ける。
一面の海が広がるリビング。父と兄がいる空間に、今日ばかりは客人の姿が見えた。
「鴻上……!?」
「藤木くん?」
クラスメイトの、仲の良いと思っていた友人が驚きの表情を浮かべていた。
そして、その奥には彼を睨む
彼女はここまでに至るまでの背景や過程は何一つ知らない。
よく知っている者たちが多い中、悲しいまでに部外者でしかなかった。
◆◆◆
嫌な予感が的中してしまった。
どれだけ思いついても必死に考えないようにしていた事実が、遊作の背後からやってきてしまった。
LINK VRAINSに現れた“ハノイの塔”。
人間をデータ化するほどに膨大な情報量がカタチと化したそれは、完成したら最後──────ネットワーク全体にかつてない程の負荷を与え、波及させる形で世界中の電子機器を機能不全に貶める代物だった。
最悪人類に多大な傷を残すそれは、世界を破壊するEMP兵器そのもの。しかしこれは“
標的にされたAiの立場を人間に置き換えてみれば、
それを止めるべく、遊作はハノイの騎士たちとの決戦に臨んでいた。
ゴーストガール、ブルーエンジェル、Go鬼塚。
同じく立ち上がった仲間たちの犠牲を経て、ようやくリボルバーの元へと辿り着くことができた。
彼と命運を賭けたスピードデュエルの最中、何かを察した引き分けに持ち込まれ強制的にログアウトさせられた遊作だったが、彼の溢した発言から現実でのリボルバーの居場所を突き止めることに成功する。こうして鴻上了見と対峙している中──────彼女が戻ってきてしまった。
鴻上結。
後ろめたい過去が複雑に絡み合う場面には似合わない、平和の象徴がこの場にやってきた意味を、理解せざるを得なくなってしまった。
「彼女は確か、Aiが撮影した学校の映像で……まさか!?」
『あいつ、やっぱり!?』
「……お前らの想像通りだ。そして、私のたった一人の妹でもある」
了見が肯定したことにより、予感は確信に変わる。
遊作は無意識に拳を握り締める。爪が掌に食い込み、血が滲み出そうになる。
思えば、ハノイの塔へ目指す際に対峙したスペクターが、こんなことを言っていた。
『……正義の味方である貴方から見れば、私達は悪者なのでしょう。それは否定しません。我々はこのネットワーク社会を破壊しようとしているのですから。
ですが、この世界に生き辛さを感じている者だっているのです。この私のように。あの方のように』
『あの方……?』
スペクターの背後にそびえ立つ大樹。
彼の母とも言える【聖天樹の大母神】が燃え尽きようとしている様子を眺めながら、力のない声で言葉を続ける。
『そう。ネットワーク社会が、文明が発展を遂げる度に、あの方の居場所がなくなっていく。ですが、この塔が完成すれば全てがゼロになるのです。
そもそもあの方が貴方達に合わせる必要なんてない。
貴方達が、あの方と同じ立場になるべきなのです』
『さっきから何言ってんだコイツ!?』
『私が貴方と戦う理由はイグニスを滅ぼす以外にも、大きなものがあるということですよ』
ようやく、スペクターはPlaymakerの方へ振り向く。
母を焼かれ、子どものように泣きじゃくった後のような顔。
『故に、私は──────貴方に負けるわけにはいかないのだ!!!!』
しかしそれでも、戦意は折れていなかった。
風前の灯火となったライフで、エースモンスターを失ってもなお、破竹の勢いでまくり上がろうとするスペクター。辛くも勝利を納めたが、ひとつの判断ミスでPlaymakerが負けてもおかしくない接戦であった。
スペクターが口にした“あの方”。それはきっと──────
「そうですか。お父様は旅立たれたのですね」
結は遊作たちに一礼をした後、了見のもと──────正確には、脇で眠る鴻上聖へと歩く。
冷たくなった手を握り、額に当てるその顔は果たしてどんな顔をしていたのか、遊作から見えなかった。
「父さんを、頼む」
「わかりましたわ、お兄さま」
父を優しく抱えて立ち上がる結。
家の奥へと消えていく中、振り向かないまま彼女は己の兄へと声をかける。
「後ほど、詳しくお話させてください。お兄さまが一体何をやろうとしているのか」
「…………ああ、わかっているよ」
家の中から彼女の気配が完全に消えるまで、誰ひとり言葉を口にしなかった。いや、できなかった。
了見が意図したことを察した遊作と草薙は複雑そうに視線を落とすだけ。
しかし、生存の危機が迫っているAiが口火を切る。
『へっ、やっぱり妹もハノイの騎士だったのか! 兄妹そろって俺達を騙そうとしたってそうは──────』
「黙れ」
『ひえっ』
「二度と世迷い言を口にするなよAI風情が。次同じ発言を聞いたら、私は今度こそ冷静でいられなくなる」
『す、すんません。ちょっと黙ります』
妹に向けていた優しい様子とはうって変わり、底冷えする了見の声。今までリボルバーとして相対していた頃よりも殺気を鋭くさせたそれに、Aiはあるはずのない心臓が締め付けられるような錯覚を覚えた。
「妹は──────結は何も知らない。ハノイとは全く関わりのない人生を歩んでいる。SOLテクノロジーだけではない、あらゆる悪意から我々が守ってきた」
あの一連のやり取りから、Aiを除いた遊作たちは察していた。特に、同じ学校に通い、交流してきた遊作は普段の生活を振り返り、納得する。
「……妙だとは思った。機械に触れたら爆発するウイルスなんて、ハノイの騎士でもなければ開発することはできない」
「それは私にもわからない」
『いや知らんのかい!?』
黙ると言っていたAiが飛び出してきた。
「私達が仕込んだのはハッキングや個人情報を抜き取ろうとするシステムに対する迎撃プログラムだけだ」
了見はデュエルディスクを見せつけるように腕を掲げる。
なるほど、肌見放さず持ち歩くデュエルディスクであれば、その仕込みによる防衛は効果的に働くに違いない。
「そもそも、触れるだけで機械を破壊するような御伽噺のようなことがあってたまるか」
『だから、なってる、やろがい!』
さらにAiが大声で主張する。
普段の行いはアレだが、こういう時に遊作を含めたこの場にいる一同の気持ちを代弁してくれるのは有難かった。実際、最低限の緊張感は保つことができている。
遊作は一歩踏み出し、最も確認を取りたかったことを口にした。
「本当に、鴻上結はハノイとは関係ないんだな?」
「ああ。ロスト事件も、父が昏睡状態になった理由も知らない。ハノイの活動については今さっき感づいたようだがな」
どこで手段を誤ったのか、と自嘲する了見。
遊作はここでようやく、握った拳の力を解くことができた。
「勘違いするな。お前を安心させるために言っているのではない。お前らの勝手な想像で妹の名誉を汚されることが不本意なだけだ。
──────これは私だけではなく、父を含めたハノイの騎士の総意だ」
「余程大事にされてるんだな……」
草薙の口からこぼれたのは、そんな複雑な思いだった。
了見や結。鴻上博士からは確かに己の子供に向けた思いやりや後ろめたさが垣間見えた。
ならば、その気持ちを少しでも被害者の子供たちや、その家族にも向けてくれても良かっただろうに──────
……今更、こんなことを口にしても無意味だと理性が止めた。この場にいる者は、ロスト事件の被害者しか残っていないのだから。
「無駄話も終わりだ。決着をつけるぞ、藤木遊作」
「……どうしても戦うしかないのか」
「くどいと言っている」
和解の道はない。
了見は父の悲願を叶えるために戦うしかない。仲間たちを失い、愛する妹にも見られたからには、もう後戻りする選択肢は既になくなっていた。
遊作は強く頷く。草薙へ帰ってくることを約束し、デュエルディスクを掲げる。
──────In to the VRAINS!
ついに、決戦の狼煙が上がる。
しかし、彼らを取り巻く光景は変わることはなかった。
「LINK VRAINSにログインできない……?」
『ンだよ! こんな時に故障かよ!?』
遊作は己のデュエルディスクに視線を落とす。
しかし、壊れた様子はない。第一、そんなことをAiと草薙が見逃すはずがない。
否、壊れたのは別のものであった。
「違う──────アカウントが消去されている!?」
「……私もだ」
『ゲェー! マジでなくなってるしー!?』
「あり得ない! そんなことできるわけが……」
LINK VRAINSで活動するためのアカウントが綺麗さっぱり消え去っていた。
いつ攻撃を受けたのか、この家の中にいるという条件下でのみ発生する特殊な阻害プログラムでもあるのか。
アカウントの削除は外部からハッキングでもできなくはないが、それはAiがいる中で不可能に近い。しかも了見すら同じ事象が起きている。
想像の範疇を超える出来事に混乱する草薙。直前のスピードデュエルの最後に何か起こったのだと推論を立てられたが、どれも確信に至る材料が足りない。
「父さんか……」
この場で結論に至ることができるのは、デュエル中に時間が止まった際、父が最後の力を振り絞った瞬間に立ち会えた了見だけだった。
草薙の推論は正しい。先のスピードデュエルで、鴻上聖が何か細工を施したのは間違いない。目的も動機も察することはできる。
「つくづく幸運に恵まれているようだな。これでお前もデータにされることはなくなったわけだ」
『じゃあ、ハノイの塔が止まんねぇじゃねーか!!! どーすんだよーー!!!』
「落ち着け。私を倒せば止まる。虚構でも現実でも、やることは変わらない」
了見はデュエルディスクを操作する。
LINK VRAINSと同様に、マスターデュエル用のフィールドが現れた。
皮肉なことだ。まさか妹とデュエルをするために精度を上げたソリッドビジョンシステムがこんな形で使われることになるなんて。
「決着をつけるぞ」
だが、了見は前を見据える。
目の前の決闘者はハノイの騎士にとっての最大の障害。相手にとって不足はない。そして、10年に渡る因縁の精算に、もはや舞台は虚構も現実も関係ないのだ。
対する遊作も相手を迎え撃つように視線を返す。
事件で苦しむ己を救ってくれた存在。それが最大の敵として立ち塞がっている現実を直視するのは心が軋む。
しかし、彼は示さねばならない。
人とAI。遊作と了見。二人が手を取り合う未来への
「
Playmakerとリボルバー。
否、藤木遊作と鴻上了見。
剥き出しの姿となった自分たちの理想を貫き通すための、極限領域へと至る決闘の幕が今度こそ開く。
◆◆◆
“私が息を引き取ったら、ここに埋葬してほしい”
遺書に記された場所は、なんてことのない家の近く。しかしそこは、海を一望することができる高台の上だった。
父は、ここから見える景色が好きだった。
星々が海から宇宙へと続くように一本の道のように照らされるこの幻想的な景色が。
父と兄。二人に手を繋がれ、この景色を見ることが少女にとってのかけがえのなかった幸せだった。
「──────」
手を合わせ、目を閉じる。
果たしていつまで続けていたのだろう。
髪の毛に潮がついていることにようやく気づいて、惜しむように目を開く。
見えるのはもう──────暗闇の海だけだった。
父は無事に天へと昇れただろうか。
「お兄さま」
そして、水平線の先へと消えていった兄はどこへ行ったのだろう。その疑問に答えてくれる存在は誰一人いない。
少女は花束を添えた墓石を後にする。
風に揺らぐのは、溢れんばかりの白い菊と、少しばかり紫のスカビオサやキンセンカ。
『………………』
そんな少女の孤独な背中を、獣たちはじっと見つめていた。
こうして、ひとつの戦いは終わりを告げる。
不思議なAIとも別れを告げ、復讐を終えた少年の生活は、平穏に過ぎ去っていく。
ぼう、と退屈な授業を聞きながら教室にいる生徒たちを見渡した。
そこに──────少女の姿はどこにも居なかった。
いやあ、最悪の結末は免れて安心ですね。
全体墓地送りロボがいないと平和です。
◆◇◆ 以下、解説にもならない雑記 ◆◇◆
・アカウント削除
鴻上博士が最後の力を振り絞った結果。息子がイグニスたちと心中し、娘が一人取り残されるのを黙ってみているはずもなし。三騎士たちも同じ思いだった。息子なら勝負を預けて自分のもとへ来るだろうなと踏み、一度ログアウトするとアカウントごと消し去る強引な細工をしていた。
遊作まで巻き込んだ理由はご想像にお任せする。
・カエル&鳩
セキトモカズコンビ。崩壊の危機の中でも必死にありのままの中継をやり抜いた報道者の鏡。しかし、決戦の舞台はハノイの塔ではなく鴻上家と移ったため、残された彼らはプルプル震えながら「誰でもいいから何とかしてくれーー!」と気が気でなかった模様。だが、いつの間にか塔は崩壊し、データ化された人も元に戻り一件落着。命あっての物種というが、特別手当はそこまで貰えなかったらしい。
・一連の事件について
当然、最終決戦は中継されないまま。世間的には「ただの突発イベントだったのでは」「SOLの自作自演だったのではないか」「Playmakerたちの誰かが何とかしてくれたんだろう」等々、様々な通説がでてくるが、結局真相は闇の中。
しかし、これにより救われた人間もいた。
・鴻上了見
原作通り自家用クルーザーで逃走。再起を図るために収容されているバイラの救出も含め、水面下での行動をすることに。当然、妹を連れて行くわけにはいかず、「会わせる顔がない」という気持ちもあり、業腹ではあったが遊作たちに任せることに決める。「SOLよりはマシ」という気持ちは当然だが、疑いはすれど姑息な手を使わず友人関係を続けてくれた彼への信頼はあったのかもしれない。
何にせよ、家族を失ったばかりの少女には追い打ちでしかなかったが。
・メルフィーの皆様
難しいことはわからないが、少女には幸せになってほしいと思う気持ちは本物。
無論、それが世間一般的な幸せと同じとは限らない。
次回、?????編:“かくれんぼ”
1.5期、始まります。