エルデンだと"魔術"だけどこのすば世界では"魔法"なので人に説明するときなどは魔法呼ばわりします。
今更だけど祝福は導かれてないと見えないので山賊のみなさんが祝福見えてるのはおかしいですね。まぁ導かれしゴッド親切な人たちだったということでオネシャス!
「ではハザマエルデオーさん、冒険者について簡単に説明いたしましょうか?」
「はい」
「ではまず、冒険者とは――
名前も名乗ったところで受付の巨乳お姉さんから冒険者について説明を受ける。こっそりと魔術『内から見える兜』を使用し、自らの兜を透視することで顔の向きを変えずに視界を確保。……でかい!これは100センチ前後はありそうだ。谷間を見せつけるがごとき胸元が大きく開いたデザインの制服も合わさり非常に眼福である。
――というものがございます。ここまではいいですか?」
「はい」
やばい聞いてなかった。たわわが持つ白王が放つ引力波のごとき吸引力に抗えずガン見しつつも、きちんと話にも耳を傾けるよう気をつける。
巨乳のお姉さんはテーブルの引き出しからカードを取り出し見せてくる。
「こちらにレベルという項目が――
テーブルの引き出しを開ける時に少し屈んだことでさらに谷間がはっきり見えた。間違いなくノーブラだ。雰囲気はエッチではないこの巨乳お姉さんがブラを着けていないということは、ブラを着けることが一般的でない、またはブラが存在しないということだろう。この世界では胸が垂れたりしないのだろうか?レベルとか魂とか経験値とか言ってるしそのあたりに秘密があるのかもしれない。
――上げをして下さいね」
「はい」
マズいあまり聞いてなかった。よく食べてよく殺せば魂奪って突然強くなれるよみたいな感じだったと思うが自信は無い。多分ステータス画面みたいなヤツだろう。祝福と似たようなシステムだし、おそらくこの世界はそういう
「ではこちらの書類に身長、体重、年齢、身体的特徴等の記入をお願いします」
「はい」
巨乳さんが差し出した書類に自分の特徴を記入する。
身長185センチ、体重80キロ、年齢?700歳はいってないくらいしか分からないのでサバを読んで25前後と書く。黒髪、目は竜眼でたまに黄色く光る、体に大きな火傷痕*1がある、目と口からビームが出せる、兜を脱ぐと超イケメン……
「……はい結構です。ではこちらのカードに触れてください。あなたのステータスが表示されますので、その数値に応じたなりたい職業を選んで下さいね。レベルを上げると職業に応じた様々な専用スキルを習得できるようになりますので、そのあたりも考慮にいれて職業を選んでください」
「はい」
職業?エルデの王じゃないのか?いやこの世界には多分エルデンリング無いから実質無職になるのか?考えてみればそもそも王らしい仕事なんて受け持っていなかった気もする。たまに下界に降りて珍しい素材や持ってない装備なんかを回収していたくらいだ。内心ひやひやしながらカードに触れる。
「はい、ありがとうございます。……おおっかなりすごいです!知力は低めですが他のステータスは全て大幅に平均を超えた高水準なものです!これならアークウィザード以外のほとんどの上級職にも最初からなれますよ!」
拙者知力だけ低いの?なんだか納得いかないが他はきちんと高いようだ。もやっとした思いを抱えつつも職業欄を見せてもらう。エルデの王ないじゃん!ここに表示されていない以上、この世界では拙者王族ですけど?みたいなキングムーブはやめておいた方がいいようだ。
正直すでに魔術と祈祷と戦技で不自由していないので、なんかいい感じの職がないかと探す。……ルーンナイト。魔法剣士系の上級職だろうか?ルーンサムライじゃないのが不満だが、職についての説明をちゃんと聞いていなかったので、馴染みのあるルーンを使う職に決める。
「ルーンナイトですね!多くの前衛向けスキルと、攻撃と補助魔法のどちらも使える隙の無い強力な万能職ですよ!ではルーンナイトっと……登録は以上となります!今後の活躍を期待していますね!」
ルーンで攻撃?ルーンで補助?早くも混乱しつつ巨乳さんの笑顔に見送られ受付を離れる。分かったことは"食べる""殺す""拙者強くなる"の3点だけだ。
現在レベルは4。おそらく親切隊長たちの分だけレベルが上がっていて、葦名の分も狭間の地の分もカウントされていない。向こうでは誰をぶっ殺しても魂吸収なんてしていなかっただろうし、フォーマットが違うから無効みたいなノリだろう。鍛えられた能力等は失われていないのでお得まである。
討伐数のページには山賊:10とだけ書かれているから間違いないだろう。狭間の地の分まで含まれたら、しろがね人:9999*2とか書かれて人に見せられないカードになっていた可能性があるので一安心である。
「うむ、まずは駆け出し同士のパーティーなんかを組んでみたいところでござるな。旅は共に歩む友がいればなお楽しいもの。独りぼっちで墓から抜け出し、外にでてすぐ変態白仮面にディスられる*3ような旅の始まりはもう御免でござる」
早速ギルドの壁に張られたパーティー募集の張り紙を見る。
・僧侶募集中!女の子だとなお良し!
・PT募集@1 魔僧戦戦弓 カエル狩り2h
・パーティメンバー募集"優しくて話を聞いてくれて仕事が終わってからも(ry
・上級職のみ募集!アットホームな雰囲気です!
・彼女募集!おっぱい大きくて可愛い子!!
「この中だと上級職募集くらいかな?ベテランパーティーでなければいいのでござるが……」
「……なぁ、やっぱりハードル下げようぜ。さすがに魔王討伐が目的だからっていきなり上級職オンリー募集ってのは厳しいだろ」
「うん?」
ピンポイントな話題が聞こえたので振り向くと、隅っこのテーブルに黒髪ジャージの少年と、……神!?神がいる!?青い髪に明らかに人間離れした美しい容姿、尋常じゃない気配と強大すぎる魔力に神聖オーラから一目で神、または神に属する何かであると分かる。推定女神を連れたこの少年は何者なのか。ジャージ着てるし日本人だろうとは思うが。
「このままじゃ一人も来ずにまたアクアと二人で工事現場に……なんか騎士っぽい人がこっちめっちゃ見てる。アクアお前なんかやらかしたのか?」
「はあ?なんで私が何かした前提なのよ?私の美貌に惹かれたんじゃないの?美しすぎるって罪よねー!」
向こうもこっちを見て好きに言っている。確かに美しいのは間違いないが。
どうもこの二人組が張り紙の上級職限定パーティーメンバー募集を出しているようだ。正直めっちゃ気になるペアなので、せっかくなのでパーティーに入れてもらえるか交渉してみようと思う。
「なぁ少年。上級職の募集をしているようだが――
「上級職の冒険者募集を見てきたのですが――
「あれ?」
「あれ?」
同じタイミングで声を掛けてしまった少女を見る。ややダウナーな雰囲気の赤い瞳に肩口くらいまでの黒髪、黒マント黒ローブ黒ブーツに黒トンガリ帽子に杖と、超正統派魔法使いスタイルの美少女だ。
「失礼。どうやら被ってしまったようだが、貴公も同じくパーティー募集を見てきたようでござるな。お先どうぞ」
「あっ丁寧にどうもです。……我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操るもの……!」
「えっそんな感じ!?……拙者の名はハザマ!ルーンナイトをさっき始めた、とにかく色々できる万能型イケメン侍……!」
「えええ……急に濃いのが二人も現れたんだけど!これはどっちから突っ込めばいいんだ……?」
どうやら自己紹介のインパクトに負けてスタンが入ったようだ。少年が頭を抱えて現実と戦い始めているのを尻目に、推定女神のアクア殿がめぐみん殿の方を向いて問う。
「その赤い瞳、もしかしてあなた紅魔族?」
「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手めぐみん!……優秀な魔法使いはパーティーにいりませんか?……そして図々しいお願いなのですが、面接の前に何か食べ物を恵んでもらっていいでしょうか……?もう何日も食べていないのです……」
「まぁいいけど。そっちの騎士みたいな人は……すごい変な魂してるわね?火の付いた闇鍋に針を刺して凍らせたみたいな魂してるけど本当に人間なの?」
「拙者の魂ってそんなんなってんの!?それ言われるまでは自信を持って人間だったでござるよ!」
いきなりの宣告に心底驚愕する。見た目は多少アレ*4でも大事なのは心じゃよ!みたいな感覚で生きてきたのに、神的存在にお前の魂すっげーキモイな!とか言われては流石に人生を振り返ってしまう。火はともかく凍ってるのはラニ殿が何かしたのだろうか?多分加護的なものをくれていると信じたい。
「あー、とにかく二人ともパーティーの募集を見て来てくれたってことでいいんだよな?俺はカズマ。こいつはアクアだ。飯を食べながらどうするか話し合おうぜ」
Tips:魔術『内から見える兜』
夜の魔術のひとつ、『見えざる姿』を改変したもの
兜を内側からのみ透過し視界を確保する、分かりやすく実戦的な魔術
狭間の地で手に入れた、前が見えない頭防具への対策で生み出された
さらにこれを応用した、自らの衣服を一部透過する魔術『見えるチ○コ』が存在する
君、隠したまえよ
数字が漢字だったりそうじゃなかったりするけど、九千九百九十九とかかえって分かりにくいかなって。ゆるして
話を聞いてなくてもとりあえず「はい」って言っちゃうタイプの褪せ人。