この馬鹿らしいエルデ王に祝福を!   作:ポポァ

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Law(法)とLow(低い)間違えるマン(頭褪せ人)
カルマ値だと高いと悪いのか低いと悪いのかはっきりしないので修正してます。

何度も見直してるのに誤字が無くならないからちくしょう!誤字報告助かります……

書いていて妙に長くなったので今回はカズマ視点だけです。


第6話 狩りに優れ、無慈悲で、血ま酔っている狩人

 

〈カズマside〉

 

「いやー……昨日はなんというか、踏んだり蹴ったりというか、悲喜こもごもというか……そんな日だったな」

 

 

 昨日は風呂から上がり、ハザマと別れて冒険者ギルドにクエストの報告に行ったのはよかったが……討伐クエストの報告にはカードの討伐記録を使うらしく、合流しためぐみんのカードの分は確認できたものの、ハザマの討伐分のジャイアントトード二匹の確認ができなかったんだよな。

 幸いそっちの刀で斬られた二匹の死体は回収できたので、後々本人と一緒にカードと報酬受け取りの確認をすることを条件にクエストクリア扱いにしてもらったのだ。

 問題はその後……疲れたから休むとさっさと二人が帰って行った後だ。

 一人で食事をとる俺のもとに、とても美しい金髪の女騎士が声を掛けてきたのだ。

 

「失礼……まだこのパーティー募集はやっているのだろうか」

「ぜひ!この私をパーティーに入れて欲しいのだ!」

「先ほど街の門あたりで私は見たのだ!粘液と泥に塗れて呻く少女が……た、ただの荷物のように台車で運ばれるところを!わ、私もぜひあのような……いや、騎士として見逃せないのだ!私が彼女たちの盾となり、あらゆる責め苦を代わってやりたいのだ!」

「これでも私は上級職のクルセイダ―だ。あなたたちのパーティーには剣士はいたが盾職はいなかっただろう?ならば私を純粋な盾として、ガンガン使い倒して欲しいのだ!」

「毎日粘液まみれになるかもだと?むしろ望むところだっ!」

「ちなみに私は攻撃が全く当たらない」

 

 

 会話したのは短い時間だったが、その興奮っぷりと発言の内容からかなりのダメ人間であろうことがよく分かった。

 

 

「この世界の可愛い女は全員頭おかしいダメ人間になる法則でもあるのか?ってくらいひどいな。いや、まだたった三人だし、厳密にはアクアはこの世界の人じゃないから決めつけるのは良くないか」

 

 

 朝とは言えないけど昼にはまだ早い時間。

 昨日他のメンバーには昼頃にギルドに集合と言っておいたので、このままギルド内の酒場で飯食ってのんびり待つか。

 

 

「うーむ……スキルの習得ってどうやるんだろ?」

 

 

 討伐クエストを終えた俺のレベルは四になり、スキルポイントが三ポイント溜まっている。

 せっかくだから記念に、安くて便利なスキルでも習得して出来ることを増やしてみたい。しかしスキルの習得方法がよく分からない。

 そうしてカードを眺めて唸っていると。

 

 

「ねえキミ。良ければあたしがスキルの習得方法を教えてあげよっか?」

 

 

 そうして声を掛けてきたのは盗賊風の恰好をした、サバサバした明るい感じの銀髪の女の子だった。そしてその隣には昨日ギルドで会話した、一応美しい金髪の女騎士がいる。

 

 

「あ、はい。教えてくれるんなら助かります」

 

「うんうん。キミは見たところ冒険者だろ?他の職だったらカードに習得できるスキル一覧が最初から表示されるんだけど、冒険者だけは違ってね。一度見た事のあるスキルを、そのスキルを習得している人に使い方を教えてもらうことで、初めてカードの取得可能欄に表示されるようになるんだよ」

 

「なるほど……だから俺のスキル欄はまっさらなのか」

 

「そういうこと。今ならサービスでクリムゾンビアを一杯奢ってくれるだけで盗賊スキルを教えちゃおう!盗賊スキルは安いポイントで便利なサポートスキルが習得できてとってもお得だよ!」

 

 

 それは安い!前衛も後衛(一応)もいるし、パーティーの安定性を高めるためにも小回りのきく便利スキルは確かに悪くない。むしろぴったりと言えるな。

 

 

「それじゃあお願いします!すいませーん!こっちの人に冷えたクリムゾンビアを一つ!」

 

 

 

 

 冒険者ギルド裏手にある人気のない広場に移動し、お互いに簡単な自己紹介をする。盗賊の少女の名前はクリスで、クルセイダーの女騎士の名前はダクネスというらしい。

 そうして自己紹介を終えたあと、さっそくスキルを教えてくれるというが。

 

 

「いや……ダクネス?これは彼のスキルの習得のためにしかたなくやってるんだからね?だから怒らなああああああああああああああああ!」

 

 

 まずは潜伏と敵感知スキルからだと言い、クリスはダクネスに後ろを向かせ、その頭に石を投げつけ素早く樽の中に隠れた。当然すぐにバレて怒ったダクネスに樽を転がされて悲鳴を上げているが……え?これでスキル覚えられんの?

 クリスが四人目のアレな女なのか、実はこの世界が相当適当に出来てるのか。だんだんと不安になってくる。

 

 

「うう……気持ち悪い……。き、気を取り直して、次はあたしの一押しの窃盗スキルを教えよう!これは使用した相手の持ち物を何でも一つランダムで奪い取るスキルだよ。手に持っている武器だろうが、鞄に仕舞ってあるサイフだろうが、身に着けた防具だろうがお構いなしに奪い取る。成功確率はステータスの幸運次第で、どんな強敵相手でも運さえよければ通用する使い勝手のいいスキルなんだ」

 

 

 それは確かに便利そうだ。なにより俺の唯一の強みである幸運のステータスを活かせるっていうのがいい。

 

 

「じゃあキミに使ってみるよー。『スティール』!」

 

 

 クリスが手を前に突き出しスキルを発動すると同時、その手に小さな袋が握られている。

 

 

「あっそれ俺のサイフ!」

 

「おっ当たりだね。じゃあ……そのまま返すってのもつまらないし、さっそく今教えたスティールを習得してあたしに使ってもらおうかな。冒険者たるもの、奪われた物は自分の力で取り返さなくっちゃね?」

 

「そうきたか……よし。俺も冒険者だ!その話乗った!」

 

 

 正直こんないかにも冒険者!ってやりとりに憧れていたこともあってテンションが上がる。

 冒険者カードを取り出し、確かにスキル欄に表示されていた潜伏、敵感知、窃盗の三つを習得する。どれも一ポイントで習得でき、性能は使ってみないとまだ分からないが、安いのは確かだった。

 

 

「よし習得できたぞ。じゃあ勝負だ!何を盗っても恨みっこ無しでよろしくな!」

 

「いいとも。なにより……キミはきちんと価値のある物を盗めるかな?」

 

 

 そう言ったクリスが両方の手の平を上にしてぱっと開くと、そこにはたくさんの石ころがあった。

 

 

「あーなるほど。そんな対策もあるのか……」

 

「勉強になるでしょ?どんなスキルにも対抗策はあるもんさ。さあいってみよう!」

 

「よーしやってやる。俺のやたら高い運を舐めるなよ!『スティール』ッ!」

 

 

そしてスキルを発動し、突き出した手の中に何かが収まる。それを確かめてみると……

 

 

「ヒャッハー!大当たりだぜえええええええええええええええええ!!」

 

「いやああああああああ!ぱ、ぱんつ返してええええええええええ!!」

 

 

 手の中にあったのは白いぱんつ。見事な大当たりだった。

 

 

「クックック……こりゃあそんな小さなサイフに入っているようなはした金では交換してやれないなあ?価値が釣り合ってないもんなぁあああ?」

 

「わ、わかったから!あたしのお金も渡すから!はやくぱんつ返してよお!」

 

 

 まぁ実際ぱんつ貰っても仕方ないので素直に交渉に応じる。差し出された大きなサイフを受け取り、代わりにぱんつを返そうとしたその時。

 

 

待 て い ! !

 

   !?

 

「なっ…」

 

 

 路地裏から一人の男?が颯爽と現れる。鍔の大きな帽子に口元が縫われた白仮面、高級そうな鮮やかな青の長衣に黒い長手袋に黒ズボン。そして背中に波打つような形の大剣を背負っている。

 もしかして今までのやり取りを見られていたのか?ぱんつ奪って脅迫してたのを怒られるのかもしれない。

 

 

「全く……見ていられんな」

 

 

 そう呟くと俺の手からクリスのサイフを抜き取り彼女に返した。やはり仲裁か説教の為に割り込んできたようだ。

 そして俺の手からクリスのぱんつを回収すると、はちきれそうなサイフ*1を代わりに俺に渡してくる。ん??????????

 

 

「カz……少年は良いことを言った。価値が釣り合っていないと。全くその通りだ……私の名はぱんつを狩る者、S!これが等価交換だ……!」

 

 

 いや変態だったわ。

 

 

「いやいやいや!あたしのぱんつなんですけど!?普通に返してよ!?」

 

「物の価値の分からぬ輩め。美少女のぱんつには特別な価値があるのだ。古事記にもそう書いてあったろう?」

 

「コジキって何!?あとそれ本人に言う事じゃないでしょ!だったら力尽くで返して貰うよ!『スティール』ッ!」

 

 

 関わりたくないのでこっそり後ずさりしていると、クリスが窃盗スキルを発動。そして突然がくんと前に倒れ込む。その突き出した手には……巨大なハルバードが握られていた。

 

 

「重っ!!え、なにこれ?どう見てもこんなの持ってなかったじゃん!!」

 

「ゴーレムの斧槍だな。そこそこのレアものだが……構わん!くれてやろう!」

 

 

 そして謎の変態はぱんつを懐に仕舞いこもうとし……ぴたりと動きが止まる*2。なんだ……?

 

 

「あー……残念だが私は、これを手に入れる運命に無いようだ。無念なり」

 

「何が何だかもう分かんないけど……じゃあはやく返してよ」

 

「しかし、すでに払うものは払ったあと。よって……スパッツと交換だ!」

 

「くぅ……正直すっごく嫌だけど……こんな得体の知れない変態にいつまでも関わりたくない……!」

 

 

 ハルバードを置いて物陰に行き、「『敵感知』!」そしてスパッツを手に戻ってくる。

 

 

「確かに。ではさらばだ少年少女たちよ。あとノーパンショートパンツすっごいえっち」

 

「死ね!!二度とその顔見せないで!」

 

 

 散々場をかき乱した変態がフワーッと光って消えていく。立ち去り方までおかしいとは異世界の変態は恐ろしいな。

 

 

「あー……じゃあ、俺はギルドに戻るんで……色々おつかれっした」

 

「うん……ほんとにね……なんか変な魔法使ってて全然正体分からなかったし……」

 

 

 挨拶も済ませたので冒険者ギルドに戻ることにする。なんだか疲れたな……

 ちなみにダクネスはずっとハアハア言いながら興奮して見てただけだった。お前騎士として盾になるとか言ってなかったっけ?

 

 

 

 

Tips:クリスのスパッツ

 

シンプルな黒のスパッツ

盗賊の少女、クリスの物

 

まだほのかにぬくもりが残っている

また、不思議と僅かに神聖な力を感じる

 

これは間違いなく確実に一切特別でないただの衣服であり、足甲に分類し収納している

貴重品に収納しなかったので、とりあえず許されたようだ

*1
狼とて、微かに笑みがこぼれる重さ

*2
思い...出した!




ぱんつを狩る者、S……一体何者なんだ……(すっとぼけ)
まぁ別に狭間の地でもぱんつ狩って回ったりしてないんですけど。
貴重品欄には小さなラニが収納されています。つまり言動ではなくインベントリだけ見張られている訳ですね。

兄Dさんは極めて全うな黄金樹教徒で、特にネタ要素のない人なので双子防具は使いませんでした。普通に正気で、割と親切な人の装備をぱんつトレジャーに使ってはいけない。なお弟D

カズマが前クエでカエル二匹分の止めさしてないから経験値足りなくない?と思った人へ。許して
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