モンスターハンター・トータス2   作:綴れば名無し

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 ヘルシャー帝国の革命から数日が経ったある日の帝国領辺境のゲブルト村。
帝国の皇帝ガハルド・D・ヘルシャーが行った改革により、村は以前よりも遥かに賑わい、離れたところにある隣町ブルックと同じようにハンターズギルドが集会所を設置するまでに至った。

 亜人族の国家フェアベルゲンと帝国が対立関係にあった事で、ハルツィナ樹海に足を踏み入れたハンターが亜人族に襲われる事例が幾つもあった。

 数週間前、ゲブルト村に住む例外ハンターの活躍でフェアベルゲンとの和解が成立し、帝国が数年前から実施していた亜人の奴隷制度廃止と奴隷だった亜人達の返還を条件に、ハルツィナ樹海で人間が活動する事に対して亜人側から手を出さない事を約束させた。
その後ゲブルト村を拠点にして今まで足を踏み込み辛かったハルツィナ樹海に挑む命知らずなハンター達が増えて、ハンターズギルドが町と同規模の集会所を設置することになった。

 そんなゲブルト村の集会所から飛び出す三人のハンターがいた。
一人は身の丈よりも巨大な大剣”ハルバードLv4”を背負い、全身”バトルSシリーズ”を装備した無精髭の男。彼は後ろを追いかけてくる二人の仲間に向かって叫ぶ、

「お前ら、さっさと済ませるぞ!」

「んもぅ!一人で突っ走らないでよ!」

「は、はひぃ、今行きますぅ…!」

 いつも猪突猛進な男の相棒として振り回されっぱなしな弓使いの女ハンターは”フロギィリボルバーⅢ””レイアSシリーズ”を装備した橙色のショートボブヘアーの少女。

 そんな二人の後を小走りで追いかけるのが、ハンターズギルド始まって以来初の亜人族ハンターの少女。まだハンターになったばかりの彼女は”レザーシリーズ””アイアンハンマーLv2”を装備して、特別にレザー頭装備の帽子部分に穴を空け、そこから兎耳をぴょこっと出している。

 村を囲う柵を通過して、見張り台に立つ兵士から手を振られながら三人は受注したクエストの目的地であるライセン大峡谷に向かった。
この後、三人にとって意外な人物と再会を果たす事になるとは夢にも思わなかった。



ライセン大峡谷での再会、思いがけない帰郷

 

 今、オルクス大迷宮の最奥にある屋敷から転移してきた俺達の目の前には荒涼とした大地が広がっている。赤茶けた土の色と、洞窟から降り立った先で空を除く視界の前後を埋める約50mの岩肌には見覚えがあった。

 

「…ライセン大峡谷か?」

 

「そのようですね。この場所には見覚えがあります」

 

 俺の呟きに教授が同意して周囲の景色を見渡す。

…あの人、アーティア装備で視界の殆どは塞がれてる筈なのに…見えるのか?

俺と教授、ルゥムさんの3人でアレーティアを守るように周囲の状況を探る。

 

 洞窟を出る直前、モンスターの咆哮が聞こえた。

この景色同様、あの鳴き声には覚えがある。ブルックの町からフューレンに向かう途中で、いま俺が背負っているヘビィボウガン”老山龍砲”の最初の獲物だった。

 

―――オオオォォォッ!

 

「………!」

 

「―――いましたね」

 

「あそこかっ…!」

 

 またアイツが叫んで、声のした方を向いていたルゥムさんが先に反応する。

次いで教授、俺が目を向けた先で大量の砂塵が舞っていた。

俺の視界の端、岩肌にベチャリと黄緑色の粘液がついていたのを見て確信する。

この先にいるのは蛮顎竜”アンジャナフ”だ…!

 

「―――回り込むんだ!」

「はいっ…!」

「…!アッシュ、後ろ―――」

 

 谷底で反響する人の声、間違いなくアンジャナフと戦っているハンターの声だ。

狙いが外れた巨大な矢が岩肌に当たってはじけ飛ぶのが見える。

 

「教授、ルゥムさん…!」

「分かっていますよ。君は後方支援を」

「はいっ!」

 

 教授の言葉に俺が返事をすると同時にルゥムさんが真っ先に駆け出していく。

あの人の持っている太刀”鬼哭斬破刀”は雷属性だ。火属性のアンジャナフとの相性はあまり良くないが、攻撃力自体が滅茶苦茶高い太刀だから真正面から戦っても苦戦することはないだろう。

教授の片手剣”神封龍剣【絶一門】”も龍属性の属性攻撃力が高い武器だが、そもそも上位を越えた規格外の性能を誇る武器だ。あの人自身の強さもあって、攻防一体の片手剣にアンジャナフは手も足も出ない。

 

「アレーティア、後ろの警戒を頼む!」

 

「ん、了解!」

 

 ハンターである俺達3人とは違い、アレーティアは現状非戦闘員の扱いだ。

あのとてつもない魔法を使って援護して貰えると助かるが、ここはライセン大峡谷。

理由は分からないが、此処では魔法の一切が使えなくなるらしい。

洞窟に転移した時、彼女が魔法を試しに発動しようとして魔力を下に吸い取られ、ムッとした表情を浮かべていたのを覚えている。

 

「――――――っ見えた!!」

 

 凸凹の岩を足場に走るというよりは跳ねるような動きでアンジャナフの近くまで来た。

狂暴な性格とは不釣り合いなピンク色の毛皮と、退化して飛行能力を失った背中の翼。

赤熱化した鼻から零れる火花を見て炎熱蓄積と怒り状態に移行していると気づいた。

無言で抜刀し、距離を詰める二人に代わって、俺は戦っていたハンター達に叫ぶ。

 

「援護するぞ!!」

 

「ッ!ありがとう!!」

「すまん、回復中だ!助かる!!」

 

「―――っい、いまのって―――」

 

…んん?なんか今聞こえた二人の声は聞いた事があるような…

帝都の北、森丘で偶然再会した同期のハンター二人の声がした。

しかも最後に驚愕の声を上げた少女の声にもすごく聞き覚えがある。

ハルツィナ樹海で怪我していたのを助けた、亜人族の可愛い女の子のような…

―――って、んなこと暢気に考えてる場合じゃねえな!!

 

「食らえ…!」

 

 展開と同時に胴体へ狙いをつけた俺は迷いなく引き金を引いた。

老山龍砲に装填されているのは”通常弾Lv3”反動はデカいが、威力は一級品だ。

谷底に響き渡る銃声、掌に収まる礫ほどの弾丸が音の壁を突き破り、真っ直ぐと飛んで行ってアンジャナフのピンク色の毛皮に覆われた肉に突き刺さる。

痛がる様子もなく、ギロリとアンジャナフの黄色い瞳が俺に向けられた。

 

 通常弾が大したダメージを与えられないことくらい承知していた。

頭部狙いならそれなりに怯みも期待出来たが、硬い毛皮と鱗、筋肉に守られた胴体だ。弾丸が弾かれることなく、狙い通り俺に注意を惹きつけられただけ良しとする。

―――その隙に、二人の刃がアンジャナフの体に届く距離までの時間は稼げたからな。

 

―――グルォオッ!?

 

 青と白、赤と黒の雷光が迸りアンジャナフの巨体が地面へと横倒しになる。

ルゥムさんの抜刀ダッシュから始まるダッシュ溜め、ダッシュ溜め斬りのコンボ。

教授の抜刀ダッシュからのジャンプ回転斬り。

二撃をまともに食らって倒れた時点でアンジャナフの死は確定した。

 

「今です―――!」

「………(こくっ)」

 

「了ッ解ぃぃぃ!!」

 

 俺は既に老山龍砲の弾倉を通常から特殊仕様の狙撃竜弾に変えている。

地面にスライディングする形でうつ伏せになって照準器(スコープ)を覗き込む。

ガンナーの猛者であれば照準器を覗かない(ノンスコープ)でこれを当てることが出来るかもしれないが、俺にはまだそれだけの経験はなかった。

地面で藻掻くアンジャナフの頭目掛けて引き金を引いた。

 

 ドンッ!!!ズドドドドドド!!

 

 いつ聞いても狙撃竜弾の直撃の音と、連鎖爆発は気持ちがいい。

怒り状態になった時点で疲労困憊だったアンジャナフが死にかけとなる。

罠や捕獲用麻酔玉があれば捕獲も視野に入れたいが、今回はそんな余裕もない。

 

「終わりですね」

「………」

 

 頭の前まで回避攻撃で距離を詰めた教授のシールドブロウ連打。

ルゥムさんの瞬間移動の如き前進と強力な斬撃を組み合わせた瞬斬。

これを食らってアンジャナフは口から炎の代わりに血を吐いて動かなくなる。

 

 時間にして凡そ30秒弱、多分このアンジャナフは下位の個体だろうな…

もし上位個体だったら、老山龍砲の弾は弾かれていただろうし、二人の攻撃を食らっても倒れていなかった可能性がある。

…稀にいる上位を越えた個体とかじゃなかったのが幸いだった。

もしそんなのが相手だったら俺は手を出す事も出来ずにやられていた。

 

 まあ、何はともあれ…これで周囲の安全確保は出来た。

俺はうつ伏せの状態から立ち上がって、老山龍砲を背負おうとして――――――

 

「あーっ!!!やっぱりハジメ君だ!」

「久しぶりだな…というか、お前どこから来たんだ…?」

 

「っ!?その声、やっぱ”リーナ””アッシュ”か!!」

 

 俺達3人が助けたハンターというのは、同期のリーナとアッシュだった。

森丘で会った時とは違い、アッシュは骨と鉱石素材の大剣”ハルバード”の強化版と上位の皮と鉱石素材で作れるバトルSシリーズ防具を、リーナは背負っているのは鳥竜種の弓と俺がハルツィナ樹海で戦った事のある雌火竜”リオレイア”のシリーズ防具を着ていた。

 

「お前ら帝都を離れたのか?」

 

「うん、今はゲブルト村の集会所を拠点に活動してるんだ~」

 

「ゲブルト村で!?というか、あそこに集会所できたのか…」

 

「少し前に出来た新しい集会所だからな。―――ハジメ聞いたぞ?ブルックの町で、お前が例外のハンターと一緒にあのラオシャンロンの討伐クエストに挑んだって…無茶するなぁ相変わらず」

 

「それに関しては俺はほぼお荷物状態だったよ。その例外ハンターと二人いた偉大な先輩ハンターがいなかったら、俺は確実に死んでた…そんくらい強かったよ、老山龍は…」

 

 懐かしい同期との再会に思わず頬が緩んで、驚きの事実を知りながら俺はこの辺りがゲブルト村に近い場所で、集会所のある設備を今後に使えると閃いた。

 

「…なぁアッシュ。ゲブルト村の集会所に伝書鳥はいるか?」

 

「あ?伝書鳥?そりゃいるけど…」

 

「…なら、決まりだな…この後、俺は村に――――――」

 

 と言いかけた俺の体にドン!と強い衝撃が走って言葉が途切れる。

何かが体当たりして、俺の体が遥か後方へと転がっていくのに気づいた。

大して痛くはないが、次の瞬間俺の耳が死ぬことになった。

 

「ハジメざああああああんっっ!!!どおして私になにも言わず村を出ていっちゃったんでずがあああぁ!!?私っ!ずっと寂しかったんですぅぅぅぅ!!」

 

 キンキンと甲高い濁点付きの泣き声を上げながら、俺の胸倉を掴んで揺さぶるウサ耳の少女。

背負ったハンマーを見て「あぁ」と俺は悟り、罪悪感と喜びの入り混じった声で問いに答えた。

 

「…すまなかった”シア”色々あって、お前が帰って来るのを待っていられなくなって…」

 

「フ”ヴぅ”っ”!ふ”え”え”ぇ”ぇ”ハ ジ メ さ”あ”ぁ”ぁ”ん”!!!」

 

 女の子が出しちゃいけない鼻の啜り方と男顔負けの泣き声。

彼女は”シア・ハウリア”俺がかつてゲブルト村にいた頃に助けた兎人族の少女で、俺が村からいなくなった後ハンターになっているだろうとは思っていたが…まさかリーナ達と一緒にいるとは…

そんな俺の様子を見てリーナとアッシュがニヤニヤと笑っている。

 

「…なんだお前ら、言いたい事があるなら言えよ…」

 

「ん~?べーっつぃ?ハジメ君が見ない内につよーいハンターの先輩達と仲良くなって、女の子を置き去りに旅に出た酷い男だーとか思ってないよー?」

 

「そうだなぁ…シアが泣くのを見る度に慰めてた俺も別に思うところはないぞ~?」

 

「…色々あるんだ俺にも…村に戻るまで全部話すから…」

 

 前は俺の素性を知られたくなかったから、同期の皆には黙っていた。

けど、もう隠す必要もなくなった…俺が神の使徒だった事やこれまでの事。

湖の町で待っている彼女達にも俺の無事を伝える必要があった。

まだスンスンと鼻水を啜って泣き顔のシアが俺の言葉を聞いて、とりあえずは納得してくれたのかスッと離れていく。…俺のボーンメイルが鼻水と涙でえらい事になってるが、俺のせいか…

 

 俺達が会話を終えると、先にアンジャナフの剥ぎ取りを終えた教授が近づいてきた。

珍しいアーティア装備の教授と終始無言+無表情のルゥムさんにリーナ達は戸惑ったが、ルゥムの名前を聞いて彼女が噂の雷光剣鬼と知った二人は目を丸くして仰天する。

 

「強いとは思ってたけど、マジで最強の太刀使いだったのか…」

 

「は、ハジメ君…こんな凄い人達と何処で知り合ったのよ貴方…」

 

「…いやホント、村に帰るまで全部話すよ…これまでのこと」

 

 まだハンターになりたてのシアは二人が強い以上のことは分からずキョトンとしている。

とりあえずは3人のクエストの目標であったアンジャナフの討伐は終了ということになり、その場に言わせた俺達3人は探索の最中に出くわしたという体裁で報酬は無し。代わりに剥ぎ取りだけは参加させて貰う事にした。

…剥ぎ取り場所が悪かったのか、俺は蛮顎竜の鱗3枚しか剥ぎ取れなかった…解せぬ。

 

 あとずっと後ろで警戒してくれていたアレーティアが、何故かシアを見る目が鋭い。

俺が何か気になる事でもあるのかと聞いたら「別に…何でもない」とそっぽを向かれた。

…なんか少し前に誰かが似たようなリアクションをしてたけど…まさか…そういう事か?

 

………いや、いやいやいや!それは絶対にない。自意識過剰すぎるぞ俺…

こっち(トータス)に来てから女運が向いてきたとは思うが、複数人に好意を向けられて感覚がバグってんじゃないのか…?アレーティアがさっきの俺とシアのやりとりを見て()()()()()とか…思い込みも大概にしろよな…

 

「――――――相変わらず鈍いなぁハジメ君」

 

 おいリーナ、小さい声で言ったから聞こえないと思ったら大間違いだぞこの野郎。

鈍いってどういう事だ。まだお前とアレーティアは名乗り合ってすらいないだろうが…

 

 

 

 

 

 

―――そんなこんなでまだ陽が真上に来ない内に、俺達はライセン大峡谷を出た。

俺は掻い摘んで神の使徒だった事や、それが理由で村を出た事、途中でオルクス大迷宮から抜け出せなくなった事や、アレーティアの事を本人の証言含めて話した。

 

 想像していたよりもアレーティアの話がヘビーだったらしくリーナ達はショックを受けている。

元から涙もろいのか、シアがポロポロ涙を零してアレーティアに話しかけた。

 

「大変ッ…だったんですね…!アレーティアさん…グスッ!」

 

「―――ん、ありがとう…でも、そんなに泣かれると…困る」

 

 さっきの鋭い目つきはどこへいったのやら、シアの純粋さにアレーティアがたじろいでしまう。

次に俺の方へと3人の視線が集まった。神の使徒についてシアは以前話した事があったが、過去の話をしたらまたぶわっと涙を溢れさせた。

…暫く見ない内に感情の起伏が激しくなったなシア…これが素なのか…?

 

「そんな事情があったなんて…ハジメさん、さっきはすいませんでしたぁ…!」

 

「謝らなきゃいけないのは俺の方だ。俺の勝手な都合で、帰りを待てなかった…それは俺の怠慢に他ならない。本当に悪かったなシア。それと遅くなったが、ハンター試験合格おめでとう」

 

「は、ハジメさん…えへへっ…ありがとう御座います!」

 

…うん、やっぱりシアは泣き顔より笑顔が一番よく似合う。言葉には出さないけどな。

そんな風に俺がシアと話していると、後ろでリーナがヒソヒソ声でアレーティアと話す。

 

「やっぱりハジメ君って無自覚な女誑しなのかなぁ…あんな台詞を躊躇いなく吐けるなんて、あのイケイケな見た目も相まって普通の女の子なら簡単に落とせちゃうよね~」

 

「ん、大迷宮でずっと見て来たけど…ハジメは天然の乙女殺し。あと可愛い」

 

「えっ可愛い?…あ~でも…分からなくは…ないかな?」

 

 だから聞こえてんだよ、つーかアレーティアさん貴女まで何を言うてはるんですか。

可愛いとか言わないで貰えますかね…恥ずかしいのも相まって顔が赤くなるんだが…

―――それと後ろで口を震わせて笑い我慢してるアッシュ。お前後で集会所裏来い。

 

「…それにしても、ハジメ君がまさか異世界から来た使徒様だったなんてね~」

 

「元な、元。とっくの昔に辞めて、今は善良な一市民のハンターだってーの」

 

「そんな普通の仕事みたいに辞められるものなのか神の使徒ってのは…」

 

「細かいこと気にすんなよアッシュ。ストレスで禿げるぞ?」

 

「おいコラ!ハジメ、テメェ俺の髪に触れるとはいい度胸だな殺すぞ銀髪赤目野郎」

 

「やれるもんならやってみろや顎髭チンピラ野郎」

 

「もぉ~二人とも!再会して早々喧嘩しないでよぉ!」

 

 この程度は喧嘩の内にも入らない。同期の男ハンター同士のじゃれ合いなんだが…

以前にも似たようなことをレイと訓練所でやらかして、同期のリーナを始めとする女達に止められた際にそれを伝えたんだが、一同声を揃えて「バカじゃないの!?」って怒られたっけか。

肉体言語のコミュニケーションほど分かり易いものはないと思うんだが…

状況が呑み込めないのか、リーナの後ろでシアもオロオロしてる。

 

「お、お二人とも…喧嘩はダメですよぅ…!」

 

「喧嘩じゃないぞシア。ハジメが俺の触れちゃいけない領域に触れたのが悪いんだぁ」

「そうだぞシア。アッシュが俺の見た目を馬鹿にしたから俺は怒ってるだけだぁ」

 

「「………あ゛?なんだとコノヤロウ!」」

 

「二人ともいい加減にしなさああぁぁぁぁい!!!」

 

 結局俺とアッシュはゲブルト村に戻るまでリーナからたっぷりお説教を食らった。

アレーティアに呆れられ、シアに心配され、ルゥムさんは無表情だけど視線が時折動くシアのウサ耳に向けられている。教授は暢気に「いやぁ、今日も良い天気ですねえ」と呟いている。

 

…この後、村に着いてから衝撃的な話を聞くことになると俺は想像もしていなかった。

オルクス大迷宮を出た時から、それよりもずっと前から、いつかこうなるとは思ってはいた。

過去の事もあって「こうなって欲しい」と思う心が無かったと言えば嘘になる。

ハイリヒ王国と聖教教会。今後の大迷宮探索で最も障害になると思っていた二大勢力が、帝国によって崩壊に追い込まれたなんて…

 




 転移先を多数考えましたが、この流れだけは原作リスペクトで締めました。
何気に第一作目の初期から久しぶりのハジメ君視点の話になりましたが、違和感があったら教えて下さい。タグで表記している通り本作は第三者から始まってハジメ君視点で物語をどんどん進行するつもりなので…

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
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