モンスターハンター・トータス2   作:綴れば名無し

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「先生!!」

 鈴は飛んでくる”黒槍”を見て咄嗟に両手を前に突き出した。
詠唱が無ければ発動することが出来なかった”結界”を彼女は運良く発動させる。

「………あ、ぁ…」

 愛子の眼前、ほんの数センチ先で”黒槍”の先端が止まっていた。無詠唱で咄嗟に発動した”結界”は役割を終えて砕け、目的を果たせなかった”黒槍”もその場で静止したまま霧散する。

「チッ…そう上手くはいかねえか」
「し、清水君どうして!?なんで先生を―――」

 震える声で問いかける鈴に対し、舌打ちと共に幸利は再度”黒槍”を展開し投げる。

「次こそ死ね」
「させっかよ―――”土壁”ぇっ!!」

 だが二度目ともなれば他のクラスメイト達も動き、永山パーティーの健太郎が”土壁”を展開して”黒槍”は弾かれた。

「ナイス健太郎!綾子達は健太郎のサポート、そのまま先生を守れ!俺と浩介で前衛を張る!―――谷口、坂上もボケっとすんな!殺されるぞ!!」

「おうよ!」
「「うんっ!!」」
「ぜ、前衛って嘘だろオイ!…で、でも兎に角やるしかねえかっ」

 また”黒槍”を防がれたことで幸利は戦法を変えた。
両手を前に突き出して初級魔法”闇弾”を左右の掌から交互に連射。健太郎の展開した”土壁”を崩しながらプレッシャーを掛ける形で次の策に移る。

「そ、そんなっ…」
「…っ!!清水の野郎、マジで殺す気だってのかよ!?」

 状況を即座に理解して指示を出し始めたのは重吾だった。
健太郎が”土壁”を補強し、付与術師の真央が支援魔法で彼の補助に、足りなくなった魔力を治癒師の綾子が治癒魔法を通じて二人に譲渡する。
重吾の隣に立って短剣を構えるも、対人戦―――それも見知った顔の相手―――など想定してこなかった浩介の手は微かに震えていた。

 数秒遅れて恐怖の表情を浮かべる鈴の隣で龍太郎が歯噛みして構えようとして―――片腕のない自分が足手纏いになるかもしれないと拳の構えに迷いが生じた。
 
「…愛ちゃんアタシの傍を離れないで!妙子と奈々は周りの黒い柱に逃げられる隙間がないか確認して!相川達は永山パーティーの援護!」

「そっ、園部…さん…わたしは…」

 幸利が自分を殺そうとした状況を愛子はようやく理解し、次いで絶望した。ハジメの言っていた通り眼前で攻撃を仕掛けてくる彼は既に人間族(こちら)側を殺すつもりでこの騒動を起こしたのだ。
他ならぬ愛子が、窮地に陥っていた彼を助けられなかったからこうなってしまった。

 だが絶望してもその場で立ち尽くしている余裕は彼女達になかった。運悪く”土壁”の一部を破壊した”闇弾”の一発が愛子の方へと飛んでくる。それを目視で捉えていた操鞭師の奈々が鞭で弾く。

「~~~っ!と、咄嗟だったけど上手くいったぁ…」
「ナイス奈々!先生、怪我はない!?」
「…あ、宮崎さん…だいじょう―――」

「―――ッ!?愛ちゃん!!」

 優花の視線が不意に愛子の背後、暗闇に紛れて屋根に上っていた鳥竜種が愛子に向かって飛び掛かろうとしていたのを見て、彼女の腕を引っ張ると同時に後ろへと飛び退く。

―――ギェエアァァッ!

 直後、彼女達の立っていた場所に抱えた岩を叩きつける鳥竜種のモンスター。
掻鳥クルルヤックは狙った獲物に躱されたことで不思議そうにその場で首を傾げた。その動きだけ切り取るなら表情も相まって可愛らしいが、鋭い爪と岩を叩きつけられて抉れた地面の様子で恐怖が勝る。

(こっちに惹きつけて一撃で終わらせようと思ったんだけどな。やっぱ短時間で考えた作戦なんざそう上手くはいかねえってことか…或いは俺の運が悪すぎるのか…)

 幸利の相棒であるクルルヤックは騒ぎに乗じてクラスメイト達の背後を取れる位置にこっそり待機させていた。彼の魔法で殺せなかった場合を想定して、死角からの奇襲で一網打尽という計算だったが…どうやら考えが甘かったようだ。

「魔物…自分の目で見るまで半信半疑だったけど…やっぱりアンタも操れるのね」
「まぁな。―――ってわざわざ答えてやる義理もないか…さて、どうする?」

「そのどうするってのは、どういう意味かしら?」
「どういう意味って…分かり切ってんだろうが。この状況下でお前ら一人も欠かさず生き残れるとでも?楽に殺してやってもいいがどうする―――って意味で聞いたんだよ」
「そんな…清水君、どうして…貴方は…」

 幸利から「待て」の指示がなければクルルヤックは本能のままに目の前の獲物をその爪で切り裂いていただろう。だが支配下に置かれている現状において、彼が「殺せ」と命じるまでじれったそうに地団太を踏むことしか出来ない。

 優花達と話している間も幸利は絶えず”闇弾”による飽和攻撃を続けていた。重吾に合流した龍太郎に加え、昇達三人は戦おうにも”土壁”から一歩も前に踏み出せず、健太郎も”土壁”の構築を絶えず続けるしかない。

(クソっ…このままじゃ綾子達の魔力も持たねえ…っ!)

(…あーやっちまったな…逃げ場塞ぐために”黒槍”(柱バージョン)を常時展開したせいで魔力がゴリゴリ削れるし”闇弾”のグミ撃ちもそろそろしんどくなってきた…)

 奇しくも膠着状態は両者にとってジリ貧の様相を呈していた。
何も考えず、ただ彼らを殺すことだけに集中する筈だった幸利だが、いざその状況に直面すると情が湧いてしまう。それはまだ彼の中にまともな少年らしい道徳心の欠片が残っていたからだ。彼自身はそんなものが自分にあると微塵も思っていないが…

「―――予定変更。さっさと死ね」

―――ギエェッ。

 幸利の指示を受けてクルルヤックが動き出す。彼は眼前の最も近い距離にいた奈々目掛けて地面に叩きつけた際に半壊していた岩の残りを投げつける。

「きゃあぁっ!?」
「奈々っ!!」

「…っうおおぉぉぉっ!」

 自分が狙われたと知って回避に移ったが、全てを避けきることは出来ず奈々は後方へ吹き飛んだ。妙子は彼女の傍へと駆け寄ろうとし、それを見ていた曲刀師の淳史が怒りの声を上げて二振りの曲刀でクルルヤックへと切りかかる。

 だが振り下ろされた二枚の刃は鱗に浅い傷をつけた程度で弾かれてしまう。斬撃を受けたクルルヤックは痛みを感じている様子はなく、また不思議そうに首を傾げる。

「かってぇ…!なんだこいつ…!」
「淳史下がれ!俺の技能で隙を作るっ…!」

 自分の持っている武器では歯が立たないと悟って後退る淳史に声を掛けながら、入れ替わるようにクルルヤックの前に飛び出した幻術師の明人が”幻術”で自分の分身体を数体作りだし、背後へと回り込んでもう一人のメンバーに向かって叫ぶ。

「昇っ、いくぞ―――!」
「これなら、どうだぁぁぁ――――!」

 戦斧士の昇がクルルヤックの首を斬り落とそうと距離を詰めて両手斧を上段に構える。同時に明人も背後から跳躍して頭部に短剣を突き立てようとするが―――

―――グギョオッ

「「ぐあああぁぁぁ!!」」
「明人、昇―――っ!?」

 クルルヤックはその鳥頭で考えた「周りに敵がいっぱいいるのなら、尻尾を振り回して全部吹っ飛ばせばいいや」と。事実その考えは正しく、斧を構えて無防備な昇と空中で身動きの取れない明人は尻尾を叩きつけられて吹っ飛んだ。”幻術”の分身体も消されて、淳史が昇達を助けにいったことでクルルヤックの眼前に残るのは優花と愛子の二人だけとなった。

(…ハンターじゃないアタシでも分かる。こいつ今まで見てきた魔物の中でも…あの大迷宮の六十階層にいた奴と同じくらい…強い…!)

 只のクルルヤックなら、優花の感じる恐怖はこれほど大きくはならなかった。だが目の前にいる個体は謎のクリスタルから溢れた魔力によって急成長を遂げ、変成魔法による支配の日々を送って強化された歴戦の個体である。古龍と同格に見られても仕方がない。

「…愛ちゃんだけでも…逃げて…っ。此処はアタシが…食い止めるからっ」
「!!な、何を言っているんですか!そんなこと、出来るわけ―――」

「愛ちゃんの気持ちは分かるよ…!でも…誰かがこいつを足止めしなきゃ…!みんな死んじゃうから…誰かが助けを呼びにいかなくちゃいけないんだよ…!」
「…そ、それなら私がっ!私が残って―――」
「戦えない先生じゃ十秒だって持たないでしょう…!?お願いだから、早くここから―――」

 逃げて―――優花がその言葉を言い終わるより先にクルルヤックが動いた。
頭上から振り下ろされる鋭い爪の先が愛子の方へと下りてくる。

「愛ちゃん!」「園部さんっ…!」

 彼女達はスローモーションの中に取り残されたような感覚へと陥り、お互いが相手を助けようと縺れ合う形で避ける事が出来ない。

(時間は掛かったが…これで―――)

 同時に健太郎の”土壁”も魔力が尽きて崩壊する。壊れた土壁の向こう側でクルルヤックが襲い掛かる瞬間を目にして幸利は彼女達の死を確認した。

(誰か…誰か…この子達を助けて……!)

 非力な自分にはもうどうする事も出来ないとようやく理解した。愛子は声を上げることが出来ず、その言葉を心の中で叫んだ。

―――――――――ドォン!

 あと少しで爪が彼女達の頭に刺さるかと思われた次の瞬間、一発の銃声が響いたと同時にクルルヤックの胴体を通常弾Lv3が貫いた。

―――ギャアァッ!?

「なっ…!?」

 只の通常弾であればクルルヤックが怯むことはなく、二人を殺していただろう。
だが弾の威力は使用するボウガンによって変化する。先ほど彼を貫いたそれは、上位クラスの大剣による溜め無しの斬撃にも匹敵する威力だった。
クルルヤックは後ろへと後退り、足下に血が滴る。
驚愕で目を見開く幸利は黒い柱の隙間から立ち昇る白煙に気づいた。

「――――――クソガキ、俺の村で好き勝手やってくれるじゃねえか」

(…あの装備…ハンターか。けどなんだ…?この異様な空気…)

「ッ……その声は…!」

 愛子は顔を上げて銃声のした方へと振り向き、優花は助かったことに安堵の息を吐く。

 口に銜えた煙草を吸い込み、赤髪のポニーテールを頭防具の中で揺らしながら男はニヤリと笑うが、怒りで眉間に血管が浮かび上がっている。瞳から幸利に対する明確な殺意が伝わってきた。

「どいつもこいつも…余所者ってのは俺をイラつかせる天職でも持ってんのか?」

 辺境最優のハンター、アゥータの全身を包んでいる白い鱗と白い甲殻の全身鎧、左の肩当から生えた一本角。背中から首下にかけて伸びる曲った一対の角も合わさって攻撃的な見た目となっている。彼の持つヘビィボウガンは漆黒の外殻を纏い、銃口の周りには金色の棘。

 ”モノデビルRXシリーズ””コーレガネオス”…どちらも討伐記録の少ない凶悪なモンスターの素材から作られた例外のハンターにのみ生産と装備が許された代物である。

「警告だ。疾くこの村から出ていけ」

 そう言い終えると同時にアゥータは二発目をクルルヤックに向けて発射した。
操られても生存本能を忘れたわけではない。今度は飛んでくる弾丸を見切ってクルルヤックは跳躍して回避する。一発目で傷ついた箇所から血は滲むが深いところまでは入っていないようだ。

―――ケェァァ…グルルッ!

「…あぁ、出ていくよ…。―――そいつらぶっ殺した後でな!」

 騒動を起こして戦力の分断には成功したが、奇襲は失敗に終わり、彼にとって最悪のタイミングで神の使徒以上に厄介な者が現れてしまった。だがそれでも、幸利に撤退の選択肢はない。
ここで役目を果たし、魔人族の味方であることを証明しなければならないのだから。



失われた退路/二度目の奇跡

 

―――ウオオォォン!

 

「―――っぐあぁ…っ…!…か、ひゅっ…っ!」

 

 超帯電状態になったジンオウガは、畳んでいた甲殻を展開してシアに飛び掛かる。

今まで戦ってきた中で最も早い予備動作ありきの飛び掛かるを、彼女はまともに食らった。

地面をバウンドする体中に激痛が走り、血だらけの口内に土の味が混ざる。

 

「ぶ…おぇぇっ!げほ、げほ…!」

 

(頭が、ぐらぐらする…視界が…定まらない…!)

 

 アイアンハンマーを杖のようにして起き上がるが、口からぼたぼたと血が零れる。

肋骨に罅が入ったのかもしれない、歪んだ景色を前にしてシアは体の被害状況を確認すると共に次の行動へ移ろうとするが、先にジンオウガが動く。

 

―――グルアァァッ!

 

(咆哮…避け、なきゃ…!超帯電状態が解けるまで…回避を―――)

 

 彼女の判断も虚しく、その場で宙返りしたジンオウガから放たれたのは雷光虫の弾。弧を描いて彼女へと肉迫し、体へと触れた瞬間、焼けつくような痛みに襲われる。

 

「い、ぎぃっ…!あ、が…ごけ…なっ―――」

 

 雷属性の攻撃を受け続けたことによる”雷属性やられ”に加え、シビレ罠の材料になる雷光虫が当然所有している状態異常効果”麻痺”が彼女の体から自由を奪う。

動けないシアを前にして、無双の狩人は無慈悲に追撃する。

 

「ひぎ…っ!?が、あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 その巨体を支える四肢、前脚から伸びる凶悪な鉤爪が振り下ろされて、防具を貫通。シアは腹部を抉る痛みの後、麻痺が解けて絶叫する。

だが、どれだけ痛みから逃れようと暴れ藻掻こうとも動けない。

ジンオウガは嬲るように地面に押し付けた前脚を左右に振り回す。

 

「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 傷口から溢れた血が辺り一面を赤く染める。

やがて嬲るのに飽きたのか、無造作に振られた前脚からシアは解放された。

だが受け身を取る力も彼女には残っておらず、地面の上を三度弾んだ後に転がり倒れ、ピクリとも動かなくなる。

 

―――グルルル…!

 

 唸り声をあげて、ジンオウガの双眸は既に目の前で虫の息となった彼女から真反対の方角にある亜人族の集落フェアベルゲンへと向けられていた。

大樹の上、根本、あらゆるところから目の前の獲物だったものと似たような気配が音や臭いで漂ってくる。

 

 自分では太刀打ちできない、規格外のアレによって住む場所を追われた彼にとって、此処は新たな縄張りなのだ。故に…縄張りを侵すものを狩る。

 

(………手にも足にも、力が入らない………一歩も、動けない)

 

 混濁する意識の中、シアは自分の内から熱が引いていくように感じる。出血多量か、或いは痛みによるショックで心臓が止まったのか、どちらにせよこのままでは確実に死ぬ。

 

(アルテナさん。ごめんなさい、私…約束を…守れなかった…)

 

 目の前から遠ざかっていくジンオウガの気配。彼女の脳裏に過ぎったのは、ハジメから聞いたアルテナが自分と友達になりたいと言っていた光景。

 

(―――嫌だ。…嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ!死にたくない…死にたくない…!)

 

 まだ何も彼女と話をしていない。年相応の女の子らしい話、好きな服、好きな食べ物、行ってみたい場所、将来の夢、そして…好きなヒト…

 

(ハジメさん。…ハジメさん…そうだ、私は…!)

 

 

 

『――――――何があっても必ず生き残れ。命令だ』

 

 

 

 それは初めて出来た好きなヒトが、最初にくれた命令だった。

彼女の内側でぽぅと温かい火が灯る。小さく、弱弱しい火だが、混濁する意識の闇を打ち払うには十分過ぎる明かり。

 

(生きる…!生き残る…!私は、何があろうと絶対に――――――!)

 

「う、あ、…があぁぁ!ま、ってってんですよ…!この、いぬっ…ころ!」

 

――――――……グルルル……

 

 ジンオウガは背後で起き上がる気配を感じて歩みを止めて振り返る。血だまりの中、立ち上がったシアは口から吐き出した血を手で受け止め、それを化粧のように顔へと塗りたくって吠えた。

 

「ちゃんとテメェの獲物に、トドメくらい刺していきやがれってんですぅ…!」

 

 シアはハンマーを溜め状態に構え、ジンオウガ目掛けて駆け出した。

勿論だが傷は癒えていない。異常に分泌された脳内麻薬のお陰で、いまは辛うじて動けているだけで一撃でも食らえば即死は免れない。

 

――――――だが、死地に追いやられたことで彼女の秘めた力が覚醒する。

 

「っ!?これは――――――」

 

 シアの脳裏に過ぎったのは自分に向かって飛び掛かってくるジンオウガの姿。

だが目の前のジンオウガはまだ唸り声をあげたままで、数秒経過してようやく脳裏に過ぎったのと同じ体勢に移った。

 

―――グオオォォッ!

 

 超帯電状態による素早い飛び掛かりだが、一度それを食らって尚且つその行動を事前に予知していたシアが構えを解かず移動だけで攻撃を避け、カウンターの一撃を当てるのにさほど苦労はしない。

 

―――グルゥッ!?

 

(偶然…じゃない…!これは”未来視”!?)

 

 以前は[+自動発動]でまともに制御出来なかった技能”未来視”が、無意識の内に狩りの中で相手の動きを予測したシアに対し、確定した数秒先の未来を見せた。

 

(―――っ!今度は、跳躍してからの背面叩きつけ!)

 

 ジンオウガはシアの”未来視”が見せた動きをなぞる様に動く。ならばシアがするべきことは、来ると分かっている攻撃を避けられる位置に移動したうえで、素早いカウンターを打ち込むこと。

 

「はあぁぁっ!!」

 

―――グルォッ!?

 

 強力な背面叩きつけを行った後は、超帯電状態といえども隙だらけになる。そこにシアは最大溜めのスタンプ攻撃を繰り出し、前脚の片方の爪が粉々に砕けた。

呻き声をあげてバックステップで距離を取るジンオウガ。

 

(雷光虫の弾、二発連続発射!軌道も…見えるっ!)

 

「このまま、押し切れば――――――!」

 

 突然シアの攻撃がジンオウガに通る様になったのは、チート地味た”未来視”のお陰もあるが、ジンオウガ自身の超帯電状態が原因でもある。

電気エネルギーを常時身に纏う状態で、素早い動きと多彩な攻撃を繰り出せるようになった反面、畳んであった装甲を展開した結果、ジンオウガの防御力は下がっていた。

 

 だがジンオウガも一方的に反撃を食らうようなヘマはしない。

更に後方へと距離を取り、じりじりと一歩一歩シアとの距離を詰めて隙を伺っているようだった。シアは自分の意識がまた落ちる前に決着をつけねばと構えるが――――――

 

 

 

―――彼女の背後から飛んできた一本の矢が彼女の頭の上を通り過ぎ、ジンオウガの胴を掠めた。突然の攻撃に驚いたジンオウガは後ろ足で立ち上がり怯み…超帯電状態が解除される。

 

「――――――シア、待たせたわね!援軍到着よ!」

「よく持ちこたえた!後は俺達に任せろ!」

 

「リーナさん、アッシュさん……!!それじゃあ―――」

 

 尊敬する先輩ハンターの二人、リーナとアッシュが武器を構えて茂みから飛び出してきた。シアは歓喜のあまり緊張の糸が解けてしまい、ふらりとその場で倒れそうになる。

だが倒れる前にスッと彼の伸ばした両手が彼女を受け止めた。

 

「ぁ……」

「遅くなってすまない。…よく頑張ったなシア…!」

「…ハジメ…さん…」

 

 意識が遠のくシアの視界に映り込んだのは、今にも泣き出しそうなハジメの顔だった。

好きなヒトにそんな顔をさせてしまったと罪悪感を抱く反面、好きなヒトの今まで見たことない意外な表情を見れて嬉しいと思いながら、彼女は気を失う。

 

 フェアベルゲン救援隊及びハンター3名オトモ4匹、現地に到着。

――――――ゲブルト村が襲撃を受ける数分前の出来事であった。

 





 引き篭もりニートになって二週間が経ちました。アルコールという名のホットドリンク兼クーラードリンク&元気ドリンコ強走薬グレートを片手に怠惰な日々を送っています。

 唐突ではありますがリンネさんのトレス絵(途中で断念+くっそ低クオリティー)が出来たのでこちらに供養しておきます。規約とかに引っ掛かったら即消しますが…

ガワだけリンネさん
【挿絵表示】

 普段はこんな感じの恰好してますよーって覚えて貰えればおkです。太刀に関してはコロコロと変わるのでそれっぽく最初に出した愛用の一品を装備させました。

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。

勢いで書いていますが、このままで大丈夫でしょうか?

  • 狩れ、この生きる大地と共に!
  • 大丈夫だ、問題しかない
  • 尻尾切って、役目でしょ
  • 絵の練習は…?
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