モンスターハンター・トータス2   作:綴れば名無し

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討伐クエスト

沼地の蟹にはご用心!


目的地:沼地

制限時間:50分

契約金:300ルタ


メインターゲット 報酬金 2400ルタ

ガミザミ20匹の討伐


サブターゲット 報酬金 600ルタ

ヤド真珠1個の納品


クエストLV ☆☆

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主なモンスター

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ガミザミ

ショウグンギザミ


受注・参加条件

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条件なし


失敗条件

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報酬金ゼロ

タイムアップ


依頼主 憂いを帯びた帝国兵

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我々は偵察任務の為、沼地に一個中隊を率いて向かう事になった。

しかし今、沼地にはガミザミの群れが至る所に潜んでいる。

1匹だけなら脅威にもならないが、桁が一つ増えると話は別だ。

更に運悪く成長した個体のショウグンギザミまで生息が確認された。

ショウグンギザミの討伐依頼は別に出している。

君達は沼地に潜むガミザミを残らず掃討してくれ!




沼地の蟹にはご用心!

 

 ハルツィナ樹海から南へ、或いはゲブルト村からライセンの荒野を挟んで南東へ。

帝国領が温暖期を迎えようとしているのに対して、沼地は昼間でも肌寒いという。

俺は頭上を見上げ、青空と灰色の厚い雲の境界線に自分達は立っているのだと感じる。

 

「此処が沼地…」

「シアも此処に来るのは初めてか?」

 

「はい。フェアベルゲンに住んでいた頃も、此処に足を運んだ亜人はいませんでした。樹海の外が危険だと言われていたのもありますが、特に沼地は踏み入った亜人族が一人も帰ってこなかったって話が有名でしたから」

 

「…天候が変。さっきまで晴れてたのに、ここら辺だけずっと曇ってる」

「此処で生きる動植物は、太陽の光を浴びなくても成長出来るんだろうな」

「ん、多分そう…あれとか良い例」

 

 そう言ってアレーティアが指さす方に俺とシアは視線を上から横に広がる池に移した。

沼地のベースキャンプが設置されている池の端には、巨大なハスの葉擬きが群生している。

アレーティアがツカツカと前に進んで…唐突にハスの葉擬きの上へと飛び乗った。

 

「ちょ!?アレーティアさん、危なぃ―――あれ?」

「…問題ない。この植物は人の重さくらい平気で支えられる」

 

「…知ってるのか、この植物の事」

「ん、昔読んだ本にあった内容覚えてる。ハジメ達が乗っても平気」

「…マジか、ちょっと試してみようぜシア」

 

 余談だがハンターの装備は武器の重量を除いて最低でも40㎏はある。

そこに鉱石やモンスターの鱗などの追加で最大80㎏の重装備があるという。

 

 因みに双剣は片方だけで1,2㎏の重さ、ヘビィボウガンは平均20㎏前後。

シアの装備しているハンマーは平均30㎏と全武器中最大の重さである。

これでハスの葉擬きに3人乗った途端に池に落ちたら笑い話では済まない。

…まぁ武器背負ってでも水中泳ぐ訓練は受けてるから、自力で浮かび上がれるけど…

 

「えっ…あ、はい…大丈夫、ですよね?」

「大丈夫だ、問題ない」

「?どうしてハジメが大丈夫だって言うの?」

 

「…スマン気にしないでくれ、言ってみたかっただけだ」

「…??」

 

 こういう時、清水が居たらネタに反応してル〇フェルの台詞とか返してくれんだろうなぁ…

アレーティアの手招きに俺は躊躇わずハスの葉擬きの上へ飛び乗った。

…飛び乗った時の衝撃で微かに水面は揺れても、ハスの葉擬きが下に落ちる様子はない。

それを見たシアも覚悟を決めたのか目を瞑ってピョンと飛び乗る。

また水面に波紋が広がるけれど、それでもハスの葉擬きは微動だにしない。

 

「わ、わっ…凄いですぅ!」

「まさか、こんな植物が沼地にあるなんてな…」

「この植物は見た目よりずっと頑丈。長寿なのも理由の一つ」

 

 それから少しハスの葉擬きを調べていると、近くの水中に魚影が見えた。

濁った池の中でも元気に泳いでいるところを見る限り、水質に異常はないようだ。

もう調べるものはないと確信して、ベースキャンプ脇にある支給品BOXを漁る。

 

・地図4枚

・応急薬3個セット×4

・携帯食料2個セット×4

・携帯砥石2個セット×2

・ホットドリンク4個

・通常弾Lv2×30

・散弾Lv1×10

 

「シア、持っていく物はあるか?」

「私、ホットドリンク持ってきてないので貰います」

「俺は1個あれば十分だ。アレーティアが残り1つを持っていくといい」

 

「…ハンターじゃない私が使ってもいいの支給品(これ)?」

「…多分大丈夫だろ、ホットドリンクは持ち帰りアリって聞いたし」

「たしか弾とかも持ち帰り可でしたよね」

 

「―――持っていくか!弾と瓶の残り!」

「了解ですぅ!」

 

「………」

 

 やめてくれアレーティア、そんな蔑む目で俺とシアを見ないでくれ…

仕方ないんだよ…!弾代の節約とか考えたら、支給品でも持ち帰って良いって言われたら、お持ち帰りせずにはいられないのがハンターの性なんだ…!

―――と、そんな事もありつつ。俺は地図を広げて行き先をシアと話し合う。

当然だが支給品BOXの中にあった弾と瓶は俺のポーチに収まっている。

 

「此処からどう動くのが正解だと思うシア?」

「ん~…ガミザミって確か地中に潜んで獲物を襲う習性があるって本に書いてありましたし…群れで住むならここからエリア5経由でエリア6に進むのはどうですか?」

 

「エリア6…湿地帯と枯れた木々の生える場所だな。此処から更に南下すると帝国領を越えて魔人族の領域に直結するエリア8に出る。東側の壁沿いに進むと洞窟があって、エリア7…か」

 

「…何か気になる?」

「ん、依頼主がショウグンギザミも徘徊してるって話。こいつはクエストの対象外だから狩る必要はないんだが、遭遇した場合を考えると少し厄介でな…シア、こいつとの戦闘経験は?」

 

「…うぅ、まだないですぅ…」

「そうか。…いや、気にしないでくれ。俺もルゥムさん達に付いていって倒したくらいだから、経験は無いに等しい。…ショウグンギザミと遭遇しても、戦わない方針でいくか…異論はあるか?」

 

「ん、私は特にない」

「私もありません」

 

「よし、それじゃ時間も惜しいし…行くぞ!」

 

 こうして俺とシア、付いてきたアレーティア3人での沼地の初クエストが始まった。

まさかこの時は俺が心でボヤいた事が現実で言霊となって現れる等と思いもしなかった。

 

 

「おぉぉ、っらぁ!!」

 

 草食獣のモスと甲虫種のカンタロスの徘徊するエリア5を通過してエリア7の湿地帯に到着。

運良く地表に姿を現していたガミザミを見つけて、俺は声を上げてツインダガーを抜く。

当然ガミザミもこっちに気づいて奇怪な声を上げる。…が、もう距離は十分詰まった。

 

「せぇあ!」

 

 ツインダガーの先端をガミザミの鋏目掛けて突き出す。

狙うのは殻の間、節足動物特有の複数個所ある関節の隙間に刃を食い込ませる。

突き刺すと同時に青い血が噴き出したのを目が捉えた瞬間、外へ向けて左右の剣を振り抜く。

怯んだ隙を逃さず左の剣で逆袈裟に斬り、斬った箇所目掛けて右の刃で更に奥へ切り込む。

 

 表面の殻を幾ら攻撃しても致命傷にはならない。

鋏という攻撃手段を失ったガミザミに脅威はなく、狙うは一点。

 

「その殻に包まれた血肉、此処でブチ撒けぇっ!!」

 

 左手の剣を逆手に持ち替える。

黒々としたガミザミの瞳の間、脳天目掛けて振り下ろせば勝負は終わりだ。

 

―――ギ、ギィィィッ…

 

 最後の一声を上げて、ガミザミは泥の中に伏してピクピクと痙攣し始めた。

泥水の中にガミザミの青い血が混じり、何とも言えない異臭が鼻腔を突く。

俺が一匹目を仕留める一方で、シアも自分の狙いに向かっていた。

 

「せやぁぁ!でえぇぃっ!」

 

 アイアンハンマーの溜めダッシュから、一段階の溜めで振り下ろしからのアッパー。

ガミザミとの相性は打撃>斬撃/弾、シアのハンマーは全ての攻撃が最大の効果を発揮する。

背負っている貝殻ごと甲殻を粉々に打ち砕き、辺り一面に青い血と殻の破片が飛び散った。

 

「やるなシア!」

 

「はいっ――――――ッ!!ハジメさん、()()()()()()()()()()!」

 

「は?―――って、おぁっ!?」

 

 シアの言葉に俺は自分の耳を疑い、一瞬動きを止める。

その隙を逃すまいと地面から飛び出してきた青い鋏が、胴体を切り裂いた。

油断したな…潜ってるガミザミもいたのか…!

大して鋏の攻撃が効かなかったのは防具のお陰だろう。

けど、今のシアの気づきは…

 

「大丈夫ですかハジメさん!?」

「これくらい掠り傷だ。それよりもシア、今のって――――――」

 

「あ、はい…私の()()()が教えてくれたんです」

「…未来視?」

 

「そういえば、アレーティアにはまだ話してなかったな」

 

 泥の中からのそのそ出てくるガミザミを狩りながらシアの事を話す。

亜人族でありながら魔力操作をその身に宿し、固有魔法・未来視を持っている事。

占術師の名前を聞いた途端、アレーティアは目を丸くして驚いた。

 

「…私の時代でも占術師は稀な存在。生で見るのはシアが初めて…」

 

「そ、そうなんですか…えへへ、なんか照れ臭いですね…」

 

「なぁ、シア。未来視の反動とかは大丈夫なのか?」

 

 以前シアはこの未来視を制御できずに頭痛や倦怠感に悩まされていた。

今の未来視にしてもシアが自分の意志で発動させたというよりは勝手に未来を見せただけ。

俺が心配そうにしているのを察したのかシアは満面の笑みで頷き答える。

 

「大丈夫です!頭痛も倦怠感も、ハンターになる地獄の訓練に比べたら可愛いものですよ!」

 

「…成程…」

 

 妙に説得力のある言葉だった。

確かに死ぬ一歩手前まで心身共に追い詰められる訓練よりはマシかもしれない。

それを知らないアレーティアがドン引きした顔で見ていたが、こればっかりは俺も同意する。

 

「それよりも、この辺りのガミザミはもう狩り尽くしちゃったみたいですね」

 

 シアに言われて無意識の内に狩っていたガミザミの死体からツインダガーを引き抜く。

シアが2体、俺が3体。合計5体か…残りは洞窟の中、エリア7の方か?

 

「…みたいだな。どうする?危険を承知で洞窟に入るか」

 

「…最短で終わらせた方がいい。雲行きが、怪しくなってきた」

 

 アレーティアに言われて空を見上げると、さっきより雲が黒寄りに色濃く厚みを増していた。

この辺りは年中雨が降るって話だしな…俺は気にしないが、2人はあまり好ましくないみたいだ。

 

「このまま洞窟にいきましょうハジメさん!」

「…だな。よし、さっさと終わらせて村に戻るぞ!」

 

 それで俺は報酬の黒真珠を手に、念願のオーダーレイピアを作るんだ…!

あぁ~楽しみだなぁ…あんなカッコいい双剣、一度は使ってみたかったんだよなぁ~。

 




 原作にはないガミザミ部位破壊描写(グロ)
幼少期、無邪気に池のザリガニを捕まえて鋏をプチってた頃を思い出します…
それと感想の方で一作目の更新が遅れている件につきましては、誠に申し訳ございません。一人称視点で書こうか三人称視点で書こうか悩んでいる内にグチャグチャになって完成にもう少し時間が掛かりそうです(頑張れば今日中)

 作者は誰かにケツを叩いて貰えれば踏ん張ってペース早める馬みたいな奴なので、感想だけに限らずメッセージなどで気になる事はどんどん言ってください!
え?イラストを描く呟きはどうなったって?………(無言で目逸らし)

感想、質問、ご指摘等お待ちしております。
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