Vtuber界を駆け上がりたい 作:インスタント脳味噌汁大好き
Vtuberとしての人気より、作曲家としての人気の方が上回って来た今日この頃。地上波で一瞬触れられたせいなのかチャンネル登録数が再度激増を開始。初動の時並みの勢いで各動画の再生回数が増えているが、これは連日Vtuber界隈を騒がせている玉手箱のオリジナルソング発表ラッシュも大きい。
まあ単純に考えて頭おかしいことしてるからね。どんなに作曲が早い人でも、3日で15曲はあり得ない。化け物染みた人なら1日2曲、3日で6曲程度は可能だろうけど、キャラソンでそれをやるのはほぼ不可能だ。これ年末までに50万人ラインを突破しそうだな。
玉手箱のアイドル部門の中でも、飛びぬけて人気が高いのは昨日チャンネル登録数が50万を突破し、そのうち現トップの華山さんを抜いて1位になると言われている
……玉手箱からの追加発注がまた来て、ココアさんに英語の曲を作れとのこと。これは完全に玉手箱が世界進出を狙っているし、それに藤堂立冬は便乗出来る形となった。とりあえずは発注が来た翌日に『Keeping to keep』を提出。とあるアニメの処刑曲だの殺戮曲だの言われていたけど、まあ世界に名を売るための曲としては良い感じだろう。
「英語の曲を、貴方は何曲用意出来ますの?」
「すぐに、という条件なら50曲。時間かけて良いなら300曲は余裕です」
というか向こうから「何曲用意が出来る?」と聞いてくる時点で向こうもこちらを理解しているな。しかしサビの一部でも覚えていたらそこから曲の復元をすれば良いし、最終的にはかなりの曲数になると思う。
お、『幽霊規則』と『ゲーマーズ人生』に引き続いて『誓いの証』もミリオン動画達成だ。流石はYouTubeの急上昇に載っただけはある。チャンネル登録数も30万人が見える新人Vtuberって何だよ。明らかに異常なペースだし、各種まとめサイトにも藤堂立冬タグが出来て各記事のコメント数が多くなってきた。
その記事の中には「集団作曲家説」だの「作曲AIを駆使してる説」だの面白い記事が沢山あるので、それが論争を呼んで更に知名度を上げてくれる。
またこのタイミングで2期生達がそれぞれ歌動画を投稿。日付をズラして初動の注目を集めさせるようにしたが、案の定ランさんがニコニコ動画の有名な歌い手だったこともありトレンド1位を記録。投稿された歌動画の『ロリスター』は初日段階でYouTube50万再生とニコニコ動画20万再生を記録。
これにより、天命箱自体の知名度も急上昇して1期生達のチャンネル登録数も増えていく。なお1期生達の同接は増えない模様。2期生達の初配信には1期生達の時と同じく6000人から8000人の人が集まり、全員歌が上手いことで1期生と2期生の比較もされ始めた。
「そういえば、発表時期が違うのにアイドル部門のCDの販売日は合わせるんですね」
「投票券もセットですからね。オリコンランキングをジャックしてお茶の間をパーフェクトフリーズさせますわよ」
「……人気投票ですか?」
「上位3人にはもう一曲オリジナルソングをプレゼントですわ」
「うわ、えげつない」
電話で軽い雑談からとんでも情報を投下していく華山さんだが、この上位3人に入った人に追加でもう1曲プレゼントの話が先ほどのココアさんの話だろう。まあ間違いなく投票で1位を掻っ攫う人気だから、あらかじめ用意はするか。
……それにしても、アイドル部門の曲が同時リリースされオリコンランキングをジャックするという話なら、その作詞作曲家の欄は全部藤堂立冬になるんだよな。これはまた世間の知名度が上がる。
CDの売上順で順位を付けるのではなく、わざわざ投票させて順位を決めようとするところはVtuberファンの心情をよく理解している。これなら、15人分全員のCDを買ったとして15票を推しに突っ込むことが可能だ。
1人に数千枚買わせるよりも、1000人に15枚ずつ売った方が良いしね。同じCDだけ山のように買わせるのは購入者にとってもあまり嬉しい事ではないし、購入分を分散させて売上の方は平らにしたいのだろう。
というか、この形式なら万が一ココアさんが3位以内に入らなくても順位操作をすることが可能だ。そういうことも視野に入れて決行していそうだからとんでもない存在だ。まあ『Keeping to keep』が一発で受理されたし、自分にもその恩恵が来るなら止める必要もない。