「弾丸、良し」
装備を確認していく
「ナイフ良し、黒刀、良し」
刃に刃こぼれが無いか確認しておく
もしあちらで戦闘が起きれば不利なのは自分だからだ
何が起こってもいいように装備を確認していく
「グレネード類、全て良し」
不良品が無いことを確認する
まだ昼間だ、だがやらないよりかマシだろう
「大体大丈夫だな」
備品に不良品は無かった
あとはあちらでの運だけだ
…戦闘が起こらないのが1番なのだが
「無理だよなぁ」
己が女に対してトラウマ持ちというのは承知だ
紫、そしてあの天狗達…文と椛だったか
ちなみに彼女達とは普通の関係を築いた
3人までなら普通に出来る
5人とかだと相手の動きに反応する
10人は…分からない
ただその10人が死体になっているのは見たのだ
己が戦闘状態に移行したのだろう
友人によれば俺はトランス状態だったらしい
「…恐ろしいね」
それが自分の友人とは信じられなかったらしい
血まみれの友人が自分を見て「どうかしたか?」というのは…
考えるまでもなく恐ろしい
「まぁ、アイツはこっちに来てないから関係ないか」
あの丸サングラを掛けて上裸のユニークな奴が来れば即伝わるだろう
あの黒バンダナももはや懐かしいものだ
武器も釣竿の針みたいな独特なものだった
「…はは」
もう死んでいるかもしれないのに、何を考えているのだろう
捕まる位なら死を選ぶなんて男たちの常識だった
俺はタバコを取り出し咥え、ZIPPOで火をつけた
「はぁ」
タバコを初めて吸ったのはいつだったか
結構若い頃だった気がする
「…ふぅ」
高校を何時卒業したかすら覚えていない
寧ろ卒業したか?途中でウイルスが流行ったような
「…?ああ」
思いに耽っているとタバコが落ちる
どうやら長いこと吸っていたらしい
外はすっかり暗く――
地面が、無くなった
「おおおおーっ!?」
突然の出来事に驚く
そのままスキマの中に落ちていった
〇
「ふぅ…机はこんなところね」
私は机を並べ終えた
時を止めればこんなの一瞬で終わる
「ありがとうね咲夜、わざわざ」
「この位簡単よ」
箒で掃いていた霊夢がこちらに顔を向けずに礼をする
やはり、彼女も疲れているのだろうか
青春はもう来ないことに絶望しているのか
「こんにちはー!咲夜さん!霊夢さん!」
「よーすっ!来てやったぜ!」
そう思っていると風祝と魔法使いがやって来た
「今机を並び終えたところよ」
「あとは食材ね」
既に日は暮れていた
今から鬼やらなんやらがここに来るだろう
「お疲れ様咲夜、休んでいていいわよ」
「承知しました」
そして咲夜は厨房に向かった
その後ろ姿を見てレミリアは苦笑した
レミリア・スカーレット、吸血鬼だ
「休んでいいのに…」
「お!フランじゃないか!」
「魔理沙久しぶり!」
フランドール・スカーレットが魔理沙に抱きつく
彼女はレミリアの妹だ、狂気持ちのやべーやつ
「来てやったぞ!」
「勇儀と萃香か!」
「飲むぞー!」
2人の鬼が来る
続々と役者達が集まってきたのだ
〇
「皆集まったかしら?」
「集まってるぞー!」
幽々子やら妖夢やら沢山の人物が居た
紫はそいつらに呼びかける
「ちょっと私の友人を紹介したいのよ」
「誰かしら?」
「男」
「冗談も大概にしたら?」
霊夢から呆れた声が出る
「でもね、霊夢、本当なのよ」
「本当なのかしら?幽々子」
「心を読んだ感じでは本当でしょうね」
永琳が彼女に尋ねた
幽々子はこくこくと頷く
ついでにさとりもぽつりと呟いた
「ちょっと難ありのようだけどね」
「ふーん…じゃあ呼んでよ」
「分かったわ」
そう言うと彼女はスキマを開いた
その中から何かが落ちる音がする
〇
「あー、これはいつまで落ちるんだ?」
俺は腕を組みながらポツリと呟いた
あれから10分くらいここで落ちている
不気味な視線にはもう慣れた、うん
煙草を咥え、ZIPPOで火をつけ――
「ぐっがぁ!?」
「嘘ぉ!?」
「本当に男だ…」
思い切り地面にめり込んだ
しかも感覚からして石だ
咥えていた煙草が地面に落ちた
「あーくそ、なんなんだ――」
瞬間、思考が真っ白に固まる
沢山の、女
そいつらがこちらを見ていた
「――ひ」
恐怖か心を煽る
自分を裏切ったあの女…殺した女の顔が蘇る
早苗が居る
だが、それは何の意味もなさない
頭が揺れる、頭痛が酷い
上下が反転したような感覚が体を襲う
酷い吐き気もついてきた
「――!?」
下にした顔を上げると面子が変わっていた
そいつらは外の世界で殺していた女兵士と変わりない顔だ
服装はどいつも奇天烈だが、顔は同じ
「――殺す」
酷い殺意か心を覆う
歯を食いしばって立ち上がる
右手をM500のグリップに添えた
誰かが逃げて、といった気がした
逃がす気にはなれなかった
今から死ぬ相手に、逃がす気なんて起きるか?