女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

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燦莉

「――ぐあ」

 

「はぁ、これで10人か」

 

ばたりと女兵士が倒れる

その釣り針のような武器についた血を払う

 

男は黒いバンダナを頭に付けていた

その下には僅かに見える包帯

丸サングラスを付け、上裸の男

その上半身の筋肉は鍛え抜かれた凄物だった

 

左手にはSOCOMピストル

 

右手には釣り針の様な独特な武器

持ち手に糸が巻かれていて投げて引き取る事が出来る

 

男の名は霧秋 燦莉(きりあき さんり)

 

「…はぁ」

 

何もかもがつまらない

アイツがいつの間にか消えてからつまらない

 

「…何処に行ったんだ、霊覇」

 

友人の名前を呟く

それは路地裏の何処かに消えていった

 

 

「帰ったか、燦莉」

 

「今帰った、次に備える」

 

ここはとある基地

男達の唯一安息の得られる場所だ

 

「怪我や追跡装置を付けられてないか」

 

「無いぜ、全員殺った」

 

「仕事がまだある、眠れないぞ?」

 

燦莉はガックリとした

彼は書類を渡す

 

「簡単な探索任務だ」

 

その書類には写真がのっていた

ドアカバーの様な帽子にリボンがついている

その女は口元を扇子で覆って撮った者を見ている

そのゴスロリ傘持ち胡散臭い女に首を傾げる

 

「なんだこいつ」

 

「我々もよく分かっていない、敵なら退ける必要がある」

 

「あいつらも変なことをするもんだ」

 

燦莉はカチャリとSOCOMのスライドを引く

サプレッサーに四角いライトがついたものだ

レーザポインタを点ける事も出来る

 

「行かせてもらうぜ」

 

「派手にやるなよ、面倒な事になるからな」

 

「アイツが居なくなってからは派手に出来ねぇんだ」

 

そういうと燦莉は基地から出ていった

 

「…誘導はこんな感じか、後は紫様次第だな」

 

「――!」

 

彼…彼女は変装を解く

それと共にロッカーから小さな声が聞こえる

 

「あぁ、起きたか…という事は私を見たな」

 

「――!――!」

 

金色の狐人はロッカーに視線を向ける

 

「他言は無用だ、分かったな?」

 

「――」

 

そういうと彼は大人しくなった

それをニコリと笑い、藍はスキマに消えた

 

 

「U"g"h"…本当にダルいぜ」

 

唸り声を上げながらヘリで移動する

本当なら霊覇がやっていたが、居ない

なのでこのパイロットは知らない奴である

 

『間もなく到着します』

 

それと同時にヘリがホバリングする

背中のパラシュートが使えるのを確認して飛ぶ

 

『霊覇によろしくな、燦莉』

 

「――!?」

 

思わずパイロットを見た

そいつは金色の狐人の姿をしていた

反射でSOCOMを抜き取り、引き金を引く

それは強化ガラスにヒビを入れる程度だった

 

「コノヤローっ!」

 

そうやって罵倒を叫び、反転する

地面との距離を図り、紐を引く

瞬時にパラシュートが展開された

バレにくい黒色のパラシュートである

 

「…どういうことだ」

 

霊覇によろしくとはどういうことだろう

だが、任務にそういうものを持っていく訳にはいかない

 

「…っと」

 

木の中に突撃する

腕をバツ型にして木が目に入らないようにする

そしてパラシュートが木に引っかかる

その引力で自然にパラシュートが外れる

地面に着地する

 

「いてて…」

 

近くの木に体を隠す

数秒待ち、何も起きなかったので通信を始めた

 

「こちらサンフォード、到着した」

 

『予定通りだな、作戦を開始してくれ』

 

「霊覇が居ればスムーズにいきそうだがな」

 

燦莉はそうボヤくと立ち上がる

写真からしてこの先にある広場にいるはずだ

…出来れば居ないでほしい

 

「…」

 

森はひっそりとしていた

夜行性の動物が動く音も聞こえず、ただただ静かだった

その静けさが不気味だった

 

「!」

 

人影を見て草むらに隠れる

葉の感覚が胸板を刺激した

 

「…」

 

それは写真で見た通りの女だった

ただ、その顔は写真よりも艶めかしく、美しい

認めたくない事だが、認めるしかない

 

「おい、お前」

 

「…!何でしょうか」

 

そいつはピクリと肩を震わせる

 

「この先に行かせることはできねぇ、さっさと戻るんだな」

 

「無理な話ですわ」

 

そいつがくるりと一回転する

思わずSOCOMを向ける

 

「…何を言っている?」

 

「言った通りですわ」

 

「…後悔すんなよ」

 

「貴方が、ね?」

 

引き金を引こうとした刹那、地面の感覚が無くなる

思わず変な声が出た

 

「へはぁ?」

 

「それじゃあ、霊覇の安定剤になってね、燦莉」

 

「霊覇の安定剤だと――!?」

 

その頃には気味の悪い空間に落ちていた

目玉がこちらをギョロりと見ている

それが大量にあるのだ

しかも上下の感覚もおかしくなってきた

 

「――ぁっ」

 

気絶しそうになりかけたその時、背中に衝撃

 

「いって…」

 

背中を摩り、立ち上がる

そこは広大な自然だった

 

「…はっ?」

 

意味がわからない

ビルは?摩天楼は?何処に行ったのだ?

 

「…まぁいいか」

 

燦莉は足を上げる

そのまま幻想郷の土を踏んでいくのだった

 




コードネームはこの話のみです

さて、裏主人公…もとい友人ですね

どんな感じですかね?
期待外れじゃ無ければいいのですが


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