女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

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潜入

赤い塀を乗り越えて敷地に入る

敷地内は意外と目に良い花が咲いていた

石畳や草木の剪定もされている

それ見事なもので、感嘆の息が出る

 

「…!」

 

何かが聞こえ、身を潜める

 

「…子供?」

 

それは女の子の声に違いなかった

この屋敷の娘だろうか、楽しそうだ

 

…見つかった場合、慈悲は無いのだが

 

草木の間から声のした方向を見る

そこには赤髪の女と金髪ロリが遊んでいるのが見えた

恐らくこの館の娘と…召使い的な?

でもメイドが居たから門番だろうか

 

…お宅の門番仕事サボってますヨ

 

そこを迂回し、屋敷への侵入口を探す

すると屋敷の壁近くに地下への道が見えた

見た限り観音開きの鉄扉がある

 

「…静かに行くか」

 

子供の行動範囲はよく分からない

あのロリはどのような動きをするか分からない

 

そもそも子供がどういう動きをするか分からない

霊覇は勝手に動く子供をあまり快く思ってなかった

彼曰く「手を焼くのは嫌いだ」らしい

つまるところ面倒ごとは嫌いということだろう

…いつも首を突っ込む癖によく言う

 

「…今だな」

 

2人が遠のいたのを見て移動する

移動先は窓のある壁以外無い

何の異常もなく到達すると、SOCOMの引き金を窓に一発放つ

それは窓の鍵の部分を直撃した

盛大に割れることなく、そこだけ手のひらくらいの穴が空く

銃弾は鍵を破壊しきれていなかった、鍵を開ける

そして窓を開けて中に入った

 

「…」

 

少し引いた

何故なら目の前にあるのは赤のみだからだ

恐ろしい程に他色が存在しない

この糞みたいな館はなんなんだ

 

…何故俺はここに来た

 

「…まぁいい、尋問で情報を集めればいい」

 

羽の生えた奴らを尋問すればいい

燦莉はそう思って廊下をナイフを構えて進む

 

…ここの妖精メイドに尋問は意味があるのか?

 

という野暮な事は置いておこう

 

「ふぅ…」

 

息を吐いて吸って、進む

廊下が長く、途中で誰かしら来れば見つかる

部屋のドアがいくつもあるが、開いているとは限らない

というよりここの住民が人間かも怪しい

 

「誰も居ないな…ん?」

 

と、思っていると階段があった

どうやら地下がこの屋敷にあるらしい

まぁあるのが妥当だろうか

 

「行ってみるか」

 

何か情報源があればいい

それこそ図書館の様なものだ

 

 

「…?」

 

紅美鈴は変な事に気づいた

何か風の音がするのだ

 

「…行ってみますか」

 

これで侵入者だったら不味い

何がって侵入させた事は勿論だが…

あるメイドからのお仕置がヤバい

針のむしろになってしまう

 

そして美鈴の予想は悪い方で当たっていた

 

「…窓が」

 

窓ガラスの鍵部分が開けられている

というか窓が開け放たれている

 

「…侵入者?」

 

美鈴は呟くと屋敷の中に入っていった

この瞬間、紅魔館は警戒態勢に突入した

 

 

「…こりゃ」

 

目の前にあるのは図書館だった

ただの図書館では無く、凄い(言語力皆無)

照明が天井から吊り下げられたり、宙に浮いている

本棚が飛べなければ取れない場所にあったりしている

世界的な図書館も今は見る影はない

こんな図書館に来たのは初めてだ

 

「さて…」

 

幻想郷に関する資料があればいい

そう思い、階段を降りる

螺旋階段をグルグルと回りながら降りる

 

「ここは…違う」

 

足で蹴り崩され様な本を乗り越えながら目的の本を探す

ここはなんなのか、という本だ

それは無事に見つけることが出来た

ぺらりと開く

 

「…はぁ」

 

そこには信じられない事が書いてあった

神、妖怪、忘れ去られたもの達の楽園

ここは最後の妖怪達の楽園とある

 

「信じられんな」

 

ポツリと呟きながらページをめくる

そこには地図があった

 

「これが幻想郷か」

 

大体の場所だ、航空写真じゃない

にしてもえらい正確な地図だ

左下に名前がある…かすれて読めなかった

ただ、白狼大天狗という肩書きだけは読めた

一体誰なのだろうか

本を戻す

 

「さて、そろそろ出るか」

 

SOCOMを構え、棚の間から出る

そして、槍を突きつけられた

 

「…oh」

 

振り返るとそこにも羽の生えた奴らだ

こいつら、いつの間に居たんだ

 

「チェックメイトね」

 

モーセの如く羽人の海を進み出てきた奴が居た

それはあの時見た銀髪のメイドだった

 

「おー、俺は…あー、迷ったんだ、迷った」

 

「窓ガラスを割って侵入した癖に?」

 

「…ち」

 

俺は後ろを撃つ

槍を突こうとした羽人の腕に当たり、蹲る

その上を飛び越えて走る

目指すはあの鉄扉だ

 

「あ!そこは…待ちなさい!」

 

「誰も待たんわ!」

 

乱暴にドアを開けて入る

そして中から鍵を閉めた

 

「…ふぅ」

 

息はそんなに荒くない

それよりも視界が真っ暗だ

懐中電灯を取り出すとボタンを押して点ける

 

そこは階段だった

 

「…う」

 

何だかこの先に進みたくない

何か得体の知れないものがある可能性がある

とちうか絶対に居る

 

「…ち」

 

鉄扉の隙間から見るとあのメイドが仁王立ちしていた

恐らく動かないだろう

…あ?あのロリドアカバーが来た?

何故ここに来るのだろう?

 

まるで催促するようにこちらを見る2人

 

「…くそ」

 

燦莉は視線に耐えきれずに階段を下った

 

 

「…本当によろしいので?」

 

「大丈夫よ、霊覇の友人ならきっとうまくやる」

 

そういう運命が見えるのだ

 

「…霊覇さんの友人ですか」

 

今度年初めの宴会がある

そこで彼との親交を深めておきたい

…なんて咲夜は考えているのだ

彼は友人として振る舞うだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

それが思わぬ誤解を生むとも知らずに

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