女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

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ハッキリしないのも嫌だと思うので


狂気

「Ughhhhhhhhhhh…」

 

不満を全開に階段を下る

変な気配は高まるばかりだ

階段を一段一段下る事に不快感が増してくる

これ以上行きたくないが、出れない

というよりこの先に何があるか気になってしまった

人間というのは罪な生き物である

気になれば気になるほど調べる

 

それがどんな禁断もものであろうとだ

 

「どうせロクなものじゃない…」

 

燦莉はブツブツと呟きながら降りていった

やがて、最底辺まで来た

そこは廊下だった

 

「…」

 

ドアが立ち並ぶ廊下

照明が薄く照らされている

それが不気味さを一層ましていた

 

…ある部屋が更に不気味に見える

 

それは1番角にある部屋だった

 

「…ふぅ」

 

SOCOMを仕舞い、ドアノブに手をかける

そして間髪入れずにドアを開けた

 

「…だあれ?」

 

聞こえてきたのは幼い声

燦莉はドアを少しだけ開けて返答する

 

「何、迷い人さ…邪魔なら出ていく―――」

 

「あ、あの庭にいた人かなぁ?」

 

暗闇に目が慣れる

そこに居たのは庭で遊んでいた女の子だった

可愛らしい顔、背中から生える黒い骨のような翼

そこから垂れる数々の宝石

 

部屋の内装は子供部屋だった

カーテンのあるダブルベッドには1つの人形が寝ていた

タンスの上にぬいぐるみがある

壁に血が飛び散っていた

 

ベッドの人形は人間と酷似していた

その顔は"貴方"にそっくりだった

余程大事にされているらしい、傷1つ無い

近くの椅子にウエストバックが置かれている

壁には刀が二本立てかけられていた

 

「や、多分違うだろ」

 

「いや、だって気配が同じだもん」

 

「…お前、名前は?」

 

「私?フランドール、フランって呼んでよ」

 

「俺は霧秋燦莉だ」

 

彼女は嬉しそうにしている

燦莉はため息をついた

 

「…で、何がだ?」

 

「あなたの心、狂気に満ちて私と同じ」

 

からからと彼女は笑った

不思議と恐怖は感じず、言葉はスっと入ってくる

それも共感出来るからだろうか

 

「同じだから、居場所が分かる、気持ちが分かる」

 

「分かった様な事を…俺は―――」

 

燦莉は苛立ったように言う

俺"達"の気持ちは理解できない

特に女には絶対に、理解できない

霊覇だって同じことを言うだろう

 

俺達は常に同じ思想の元戦ってきた

 

「分かるよ、私だって同じ」

 

「何が…」

 

「私だって、望まれたのにこの能力のせいで幽閉された」

 

彼女は手を伸ばし、キュッと握る

それはその先にあったぬいぐるみを弾け飛ばした

綿が顔にかかる

 

「ねぇ?分かる?必要とされていながら私自身は必要とされてない」

 

彼女は燦莉にずいと近づいた

燦莉は仰け反ることはしなかった

これが腐ったいつもの女ならしていた

 

だが、こいつは違う

 

こいつは俺"達"と同類だ

 

「分かるぞ、俺達の意思は反映されない」

 

「私は嬉しい、同類が居るのだもの、今日は楽しそう」

 

「あぁ、今日は本当に…」

 

針型の武器と捻れた針のような武器がぶつかった

 

「「楽しくなりそう」」

 

2人は狂気に陥っていた

これはレミリアの見た本当の運命なのだろうか

 

それは違うだろう

 

彼女はもっとスムーズに行くと思っていたはずだ

 

 

「…?」

 

振動

最初に感じたのはそれだった

 

「もしかして」

 

私は図書館の扉に向かった

大図書館は揺れに揺れ本がドタドタ落ちてくる

それを躱しながら扉に近づいた

やはり、ここが1番揺れが大きい

 

「…お嬢様」

 

「何?咲夜」

 

主は友人と共に本を読みながら紅茶を飲んでいた

私は尋ねた

 

「本当にこれでいいのですか?」

 

「ええ、思ったより運命通りでビックリしたわ」

 

そういう彼女は思ったよりもビックリせず、本を読んでいる

これのどこが運命通りなのだろうか

私は少しだけ怒った

 

「ですから、その友人殿が死亡しないか―――」

 

「咲夜、行くわよ」

 

ふと、お嬢様が立ち上がった

その顔は焦りでも無い、嬉しそうな顔だった

 

気づけば既に振動は止まっていた

 

「終わった…?」

 

「そうでしょうね」

 

鉄扉を開けて中に入る

そこからいつもの気配は感じない

階段を降りて行った

 

「…ふぅ」

 

廊下を歩いてフランの部屋の前に行く

ノックを数回する、返事は無い

 

「…入るわよ」

 

扉を開けて入った

そこにあったのは…

 

「すー…すー…」

 

「…静かにしろよ」

 

燦莉が寝ているフランを撫でているところだった

 

「…どうしたのかしら?」

 

「戦闘で疲れて寝てるんだ、そういうことだよ」

 

燦莉をよく見て見ると傷だらけだ

上半身の筋肉にも大量にある

 

…おい咲夜、顔をあからめるな

 

「…お嬢様もですよ」

 

「で?これから俺をどうする?殺すのか?」

 

燦莉はつまらなさそうに言う

レミリアは否定するように首を振る

 

「いいえ、霊覇に会わせたいから殺さないわ」

 

「…本当にあいつは居るんだな?」

 

燦莉は探るような視線を浴びせる

レミリアは頷いた

 

「殺す意味も無いし、嘘も言う意味が無いわ」

 

「…燦莉、霧秋燦莉だ」

 

フランを撫でながら燦莉は言う

 

「レミリア・スカーレット、こっちは従者の咲夜よ」

 

「十六夜咲夜です、これからよろしくお願いします」

 

咲夜はぺこりと頭を下げる

 

「はぁ、今日は疲れたぜ…」

 

燦莉は目を閉じた

 

 




次は…霊覇回にしよう
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