「よっと」
斬った野菜を囲炉裏の鍋に入れる
そこに調味料なんかも入れていく
今から昼飯を作る
コードネーム・デイモスこと霊覇は料理をしていた
刃物を扱うのは慣れている
料理をするのも初めてでは無い
自炊はサバイバルの基本だ
「…?」
ふと、霊覇はタンスを見た
そこには紫色の傘が置かれていた
霊覇は箸を置いて近づく
それはなんの変哲のない傘だった
目の模様が描かれているのは気になるが…
それを手に取った
「ふむ…」
持ち心地も良い、良い品物だ
と、持ち手に力を込めると線が生まれた
「まさか」
そのまま引く
すると隠れた刃か出てきた
仕込み刀だ
「いいもの手に入れたな」
霊覇は口笛を吹く
そして己の近くに置き、料理に戻る
…傘が嬉しそうに振動した
〇
「はぁー、疲れました」
早苗は箒を元の場所に戻す
境内は葉っぱ一つ無い綺麗な状態だ
「お疲れ様ですー早苗さん!」
「こんにちは、東風谷さん」
「あ、文さんに椛さん、どうしました?」
背伸びをする彼女に舞い降りた文と椛が挨拶する
「いえ、霊覇さんについてお話を…」
文はペンと手帳を取り出す
その目は何も聞き逃さない目だった
「今から霊覇君の所に買い物ついでに行こうと思ってたんですよ!
ちょうどいいですね!」
早苗は嬉しそうに言った
だが、ある事を思い出して叫ぶ
「あ!私霊覇君の家を知りません…」
「あぁ、それなら私が案内しますよ」
椛が尻尾を振りながら言う
物凄く嬉しそうだ
「時たま一緒に将棋をするので、ささ」
そういうと彼女は早苗に催促する
「そうですね、えーと…袋を持って…」
「さーて、突撃取材です!」
3人は霊覇の家へ向かって行った
〇
「ここ…ですか?」
「この森の中です」
そこは妖怪の山の麓だった
木が鬱蒼と生えている様は人がいるとは思えない
文は最初そう感じていた
「彼なら選びそうなところですね」
早苗は臆することなく進んでいく
まるで家がどこにあるか分かっているみたいだ
「文様、着いてきてください」
「は、はーい」
椛の目が赤く光る
どうやら千里眼を使用しているようだ
「…あっちですね、行きましょう」
草むらをかき分け、椛は進む
早苗はその横に並んで行く
文は後ろからついて行く流れだった
「ふー、歩くというのはしんどいですね…」
そうやって、愚痴りながら歩く
何故か早苗と椛は足を高くあげて歩いていた
どうして高く上げているのだろう…
「あのーお二人方…」
「「何です?」」
「いえー…その――」
文が1歩踏み出した瞬間―――
「伏せろ!」
椛が叫んで地面に飛び込む
早苗も遅れて伏せた
ぷゅんと何かが外れる音
音がした方向を見ると、木に何か括り付けられている
よく見ようとしたその瞬間――
「うぎゃぁぁぁぁああああ!?」
目の前が閃光に包まれた
そして激しい痛み
「な、何が…」
「…ブービートラップですか、彼も物好きですね」
椛はため息をついた
「椛さんは引っかかっらなかったんですか?」
「空から来ていたもので」
「さ、先に言ってよ…」
文が恨めしそうに見る
椛は首を振った
そして文を担ぐ
「さて、彼のところで簡易治療してもらいましょう」
「そうしましょう」
彼の家は物凄く近くだ
というより目の前にある
コンコンと戸を叩いた
「…」
少しだけ戸が開いたあと、全開される
「空を飛んでこなかったのか?馬鹿だな」
文を見て鼻で笑うと中に招く
早苗達は中に入った
「食事中でしたか?」
「そうだな、問題は無い」
霊覇はそういうと鍋から皿に具を移す
それを3人に配った
囲炉裏の周りには山賊焼きが刺さっている
「手作りだ、有難く食えよ」
霊覇はそういうと頂きますと小さな声で言って食べる
早苗も皿に置かれた箸を取って食べ始めた
「やっぱり霊覇君は料理が得意ですね」
「軍人としての基本―――いや、もう一般人か」
霊覇はため息をついた
「これからも戦いから身を引いた方がいいですよ」
「は、無理に決まってんだろ」
霊覇は薄く笑う
戦いを1度でも経験すればそれからは逃れられない
戦場のテンポは己に絡まって離れない
「俺は平和に居たいけどな、はは」
山賊焼きにガブリとかぶりつく
その美味さが身にしみた
「その命、戦い以外使っては?」
椛が皿から腹に食べ物を流し込みながら言う
「此処なら出来るかもな…はぁ」
霊覇はまたため息をつく
「…そうだ、一緒に人里で買い物しましょうよ」
「あー…俺も俺で用があるんだ…後でな」
霊覇がそういうと早苗はえー、と不満を露わにする
まるで駄々っ子だ…
「人里で会えればな、うん」
霊覇は鍋に何も残ってない事を確認すると
台所に鍋を投げる
その後に文に近づいた
「あー…確か医療は…」
足に顔を寄せる
右足の太ももから足首が重症だ
霊覇は手を這わせる
「ひゃ…ん…」
「感触は…あー、包帯だな、これは」
霊覇は立ち上がると棚から包帯を持ってくる
そして文に包帯を巻き始めた
「これでオーケー、後は自分でしろよ」
霊覇はそういうと傘を持つ
早苗は首を傾げた
「雨は降りませ―――」
瞬間、雨がざぁざぁと降り始めた
「俺は生粋の雨男でな、外に出ようとすると雨が高確率で降るんだ」
何故かな、と霊覇は付け足した
まるで雨乞いをしたみたいだと椛が呟く
「違いねぇ…今度将棋をするか」
「そうですね、それでは」
文を担ぐと椛は飛んで行った
「じゃ、会えればな」
早苗にそういうと霊覇は足を踏み出した
燦莉と霊覇、元ネタがあります
それがMadness combatのデイモスとサンフォード
見た目や口癖を寄せている感じです
…それ以外も、ですが
それと何かもう変な感じになってるのでヤンデレ入れます