また歩き始める
夜の森は深い霧が覆っていた
「んん…」
流石に暗すぎる
そんな不満を入れた声を口から漏らす
カサカサと音を立てて草が揺れる
そこを見るが、何も無い
己は予想以上に疲れているようだった
気配を感じた
「!?」
振り返るが、何もいない
一瞬おぞましい裂けた空間が見えたが幻覚だろう
「…疲れているのか」
俺は頭を摩る
そしてまた俺は歩き始めた
しばらく歩くと、火が消えた焚き木を見つけた
誰か先客が居たのだろう丸太に猪の皮が置いてある
その消えた焚き木にZIPPOで火をつける
「はー暖かいな」
手を火に向けて広げる
その暖かい温度を久しぶりに感じた
そんな風に黄昏ていると目の前に人影が見えた
「誰だ」
M500をそいつに構える
理由は単純その人影が女の形をしていたからだ
「わー男なのかー」
そいつは少しため息を付いていた
「なんだ、男なら不満なのか?」
「…ねぇ、なんで怖くないの?」
「は?」
思わず言葉を返す
この目の前に居る少女の意図が分からなかった
月明かりが彼女を照らす
そいつの目は赤い
金髪の頭に赤いリボンが結ばれている
「…なんだお前」
「不細工って言わないの?」
「はい?」
また聞き返してしまった
この女は何を言っているんだ
「なんだなんだ…」
困惑した声を出す
「ねぇねぇ」
「分かった言わねぇよ、だから帰った帰った」
「えー…仕方ないなぁ」
そう言うと彼女は闇に消えていった
終始おかしい奴だった
見逃していたが手と口に血が付いていた
その匂いはよく嗅いだ匂いだ
…人が傷つけられた時によく臭う
「…変な世界に来たらしいな」
俺はそうやってため息を吐く
空を見上げる
相変わらず月は妖艶な光を照らしていた
〇
朝が来た
私は起き上がる
背中がゴキゴキと音を立てる
「ふぁ…」
首を回し、止めて立ち上がる
またいつもの光景だった
朝の冷たい空気が体に当たる
「…」
食事を作り、食べる
そして箒で境内を掃く
「よぉーす!霊夢!」
「…魔理沙」
空から現れるは酷い顔の魔法少女
その霊夢と同じような不細工な顔に吐き気がする
「近いうちに宴会があるんだぜ!」
「ここでかしら」
「そうだ、鬼もくるんだってよ」
魔理沙は笑いながら言う
その笑い顔でさえ気持ち悪い
「私は縁側で座らせてもらうわ」
そう言うと彼女は縁側に座った
「…元気無いな」
魔理沙はぽつりと呟く
おそらく人里からの扱いやらでストレスが溜まっているのだろう
あそこの半妖も苦労していたのを覚えている
「…私達に優しい男は、居ないのか」
叶うわけの無いことを魔理沙は呟いた