甲板に着地する
デッキは思ったよりも綺麗に磨かれている
大航海時代の海賊船…とは少し違う
船底の横辺りにオールが突き出ている
この船はどうやら不思議な力で動いているらしい
「やぁ、ありがとう」
「ナズーリン」
俺は声のした方向に目を移す
どうやら修理は完了したらしい、少し埃が付いている
「これで何時でも行けるよ」
「早めに行った方がいい、直ぐに来るぞ」
俺はそう言った
だが、どうやら紹介したい人が居るらしい
彼女の後ろから、水兵の服を着た女が出た
「こんにちは、どうやら助けてもらったご様子で」
「俺は迷惑料を払ってるだけだ、気にしなくていい」
「そうですか…私は村紗水蜜、キャプテン村紗とでも」
村紗は海軍式の敬礼をする
俺は村紗に陸軍式の敬礼を返しながら
「気桐霊覇、軍曹だ…よろしくなキャプテン」
「よろしくお願いします、軍曹」
そういうと、彼女は舵を取り始めた
いや、舵を取り始めたというより、その場に立った?
どうやら彼女はこの船を操れるらしい
「私は船幽霊なので、船幽霊はご存知でしょう?」
「ああ、柄杓を今度投げ入れてやるよ、底が無いやつをな」
船幽霊というのは大体海で死んだ奴である
戦争か嵐で船と運命を共にした奴らが大概だ
海に出ると、引きずり込まれたりする
船に乗っている人に柄杓を強請るのも恒例だ
因みに与えると船に水を入れまくる
俺が言ったのはそれの対処方だ
…それって船に水が溜まった時用のもあるのか?
面倒だな
にしても慣れたもんだ
「それで今から何処に行くんだ?」
「法界って所です」
「何処ですか?それ」
「何か…法力で包まれた空間です」
…成程、取り敢えず分からないのは分かった
恐らくその法界に恩人が居るのだろう
「その通りですね」
「ああ、そうだった、聞いていないことがあったんだった」
俺はふと思い出した事を口にした
村紗は不思議な顔をしていた
「何でしょう?」
「アンタ達の恩人の名前、挨拶しないといけないからな」
「ああ、彼女の名前ですか」
船の先端に金色の輪っかが出現する
それは段々と大きくなり、船が通れるくらいの大きさになる
村紗は行け!という風に輪に向けて指を指す
そして、そのまま言う
「聖白蓮、妖怪と人間の調和を夢見る恩人です」
〇
「痛いわねぇ…もう」
早苗の攻撃を食らった霊夢は無傷だった
霊覇が今だと言った時に結界を貼ったのだ
それにより、弾幕はほぼ全て無効化された
ほぼ、なので数発被弾した
だが、本当の攻撃だったら結界が破壊されていた危険がある
あの船から異様な力を感じたからだ
恐らく、元は弾幕で吹っ飛ばすつもりだったのだろう
それでなくて良かったか
「ちくしょー先を越されちまったか…」
「今のところは仕方ないわね」
渡航手段は無い訳では無い
紫をぶっ飛ばしてスキマを使えば良い
といえど、行ったとして意味があるか
このまま追撃すれば、敵が増える可能性がある
となれば、後はアレだけだ
「待ち伏せか?待つの嫌いなんだが…」
「しょうが無いわ、諦めなさい」
ブーブー魔理沙は言ってる
全く、この火力バカは…
仕方ない、少し待つことにするかしら
〇
船は飛んだ
幻想郷という現世から法界へ
辺りが真っ白になったかと思えば真っ暗に
けばけばしいネオンに包まれたかと思えば暖かい緑に
どうやらコイツは落ち着きが無いらしい
見てわかる、どうせ暇な時貧乏ゆすりしてる奴だ
これを見ていると落ち着かない
M500を無意識にホルスターから取り出す
「…」
「わぁー…何だか、凄いですね」
確か、何かの映画でこんなのがあった気がする
パイロットがエイリアンに機体ごと乗っ取られた…
なんだっけ、近い日に完結していたような
…アニメだっけ
まぁ、どうでもいいか
休暇中に見ただけだ、ハッキリとは覚えていない
と、思っていると到着したらしい
そこは、荒野だった
下に見える大地は荒れ果て、腐っている
法界と聞いて、神聖なイメージがあったが違うらしい
どうやら幻想郷の法界はダクソ寄りのようだ
「…目的地に着いたが?」
「聖を封印している陣がある筈」
星は端的にそう言った
成程、だったらとっとこ探すか
俺はM500のスナイパースコープを望遠鏡代わりに使う
「…」
そもそも、ここはこんな荒野だ
故に、その魔法陣を探す事は容易である
「あれだな」
1つ、光を放っている物体があった
それは、異様な輝きをこの法界で放っている
見間違えようがない、あれだ
「聖…」
甲板の上にそれが浮く
見たところ、結晶の中に女が閉じ込められている
黒と白の服装に金色の髪…毛先から紫色になっている
なんとも表現しにくい人だ、人?
俺としては、人とは思えないが
「で、こいつをどうやって解放するんだ」
「この宝塔を…」
星が宝塔を掲げた
すると、その水晶玉の様なものから七色の光が溢れる
「わぁ…」
七色の、7個の玉が飛び出る
それは人魂のように結晶の回りをグルグルとした後、ぶつかる
強い衝撃のお陰か、結晶が思い切り砕けた
…これ力技でいけたんじゃね?
そして、その恩人とやらが舞い降りる
「…ここは」
そいつは、甲板に降り立ち目を開けて言う
「聖ッ!」
俺は星や村紗達の熱い抱擁を予想して、出来る限りの優しい笑みをする
…聖は目を見開いて、抱きついた
「命蓮…ッ!」
俺に
作者「どういうこっちゃねん」
現在進行形で物語が変わってくぜ()
なんで?