暗闇
暗闇
暗闇
見えるのはそれだけで、他は何も無い
やる事が無くて、ずっと何かを書いていた
見れば、法力のナニか
私は、何を考えていたのだろう
あの封印された日からずっと、何を…
そうだ、命蓮だ
死に別れた彼の事を考えていた
私に、人と妖怪が一緒に暮らす未来を想像させた、弟
どんなに心配しても旅に出て、傷が増えて帰ってくる
『大丈夫だよ、僕は大丈夫だから』
そう言いながら、何度も旅に出た
戻ってきた時に法力を教えて貰ったりして
いつの時にか、飛ぶ船、星蓮船を作ったり
誇りに思う、弟だった
でも、死んだ
突然、死んだ
若くて、まだ長く生きれたのに
いくら揺らしても動かない体
それから、死が怖くなった
その全てに平等に降りかかる死が
だから、"こうした"
鍛錬を積んで、魔女になった
命は不死に変わった
…あぁ、懐かしい光
これは、確か…星の宝塔だった…
そう思っていると、不意に浮遊感が無くなる
「ここは…」
心の中で聞く声が口から出る
そこは、法界だった
いつのときにか、封印された時の
「聖ッ!」
いや、星蓮船の甲板だ
そこには、あの時の地獄を生き延びた妖怪達が居た
待てよ、人間も居る、今を生きる人間だろうか
そして、その内の1人を見た
記憶に残り続ける優しい笑い顔
それは、誰もの物でも無い
それの笑顔をよく知っている
髪色が全く違うけど、絶対間違ってない
彼は、彼は…!
「命蓮…ッ!」
〇
「ぐはっ!?」
何か思い切り抱きつかれた
しかもかなりの力だ、何だこれ…
骨がミシミシ言ってる痛い痛い痛い痛い!?
「命蓮…ッ!命蓮…ッ!」
「命蓮ッて誰だよ!」
そう叫んでも、彼女は涙を流しながら抱きついてくる
多分、彼女は誰かに俺が似ていたのだろう
恐らく家族か、兄弟か
というかあちらの星組が惚けてる
ポカーンとしてこちらを見て…助けろよッ!?
「離れッ…ろッ!?」
俺は何とか拘束を解いた
ゼェゼェと息が荒い
本当に何なんだ、この人
「みょ、命蓮…?」
「お、おい、アンタ…俺は命蓮とか言うやつじゃねぇ
俺は気桐霊覇、アンタとは何の血縁も…」
「違う…ッ貴方命蓮の生まれ変わりよ…!」
「この目はアカン奴や」
目が凄い…凄い()
もうなんか逃がさないという目付きしてるよこの人
「貴方から彼と同じ法力を感じる…
絶対、違う筈が無い…!」
「お、落ち着こうぜ?一旦ここから出よう」
「…仕方ないですね」
そういうと、ぎゅっと俺の手を掴んだ
「絶対、離さないですよ」
「アンタの勘違いだろ、俺はソイツの生まれ変わりじゃ…」
「いえ、絶対そうです」
「いやいや…!」
「いえいえ…!」
現世に帰るまで、こんなやり取りが続いた
すまんな星、村紗、ナズーリンに一輪
なんか感動を盛大にぶち壊してしまった気がするぜ
〇
「…聖」
「村紗、一輪、星、ナズーリン、ごめんなさい…
少し、待たせてしまったわ」
「聖ッ!」
そして、現世に戻っての熱い抱擁である
見ていて本当に笑みが出そうだ…
尚出た場合また聖が吹っ飛んで来る
「なんか感慨深いですね」
「ああ、当事者じゃ無いのにな」
無論早苗と霊覇は部外者である
だが、それでもこの光景は感慨深い
だが、彼女はそれを許さない
「ようやっと現れたわね、元凶」
「…これは、あなたは誰でしょうか?」
現れたのは、博麗霊夢
この幻想郷で素敵な巫女をやっている、妖怪退治屋
元はと言えば彼女自身、コレを異変と認識していた
「幻想郷に来たからには、1回倒されときなさい
そうしたら、晴れて幻想入りよ」
「そうですか、ココはそういう所なのですね」
そう言うと、彼女は構えた…拳を
ちょっと待てやアンタ尼さんやろ
何処からどう見ても美鈴と同じ武闘派なんだが?
「いざ!南無三!」
「行くわよ」
〇
「おい、星?あれは本当に尼さんか?」
「ええ?そうですが?」
そんな簡単に返されても困る
あんな拳を使う尼さんなんて見たこと…
あ?なんか巻物取り出したぞ?
…と思ったからスペルカード宣言を始めた
「どういう事だか…」
「取り敢えず…」
「「幻想郷に常識は通じないのな」」
早苗と霊夢は呆れ気味にそう言った
〇
その後、勝敗が付いて聖が負けた
これで彼女は正式に幻想入りしたと言える
星蓮船は命蓮寺という寺に変わり、墓場の近くにある
寺だからまぁ墓の近くにあるのもありかもしれない
「…でだ、なんで」
「いえ、少し風を浴びません?」
霊夢達が帰る時、俺は止められた
そして、今に至るのだ
ちなみに目の前にあるのはバイクだ
ハーレーとは中々良い趣味をしてる
そして、ソレにライダースーツを着た聖が跨っている
いやそれ星蓮船に載せてたん?
2つともアンタの封印されてた時代には無い代物だろ?
「早く行きましょう?久しぶりに飛ばしたいんですよ」
「…仕方ない」
俺は聖からヘルメットを受け取ると被る
おお、久しぶりにこれ被ったな…
カチャンとガラス部を降ろす
「行きますよっ!」
ぶるると派手にエンジン音を上げると一瞬前輪を持ち上げる
そして、地面に叩きつけると全速力で走り出した
霊覇は振り落とされないように聖の腰に全力で捕まった
〇
「…」
「ここか…?」
そこは、人の来る事の無い崖だった
聖が倒れないように棒で固定すると、バイクから降りる
霊覇はヘルメットを脱いだ
聖も既に脱いでいた
「ここに一体何しに…」
「星から聞きました、宝塔が使えると」
彼女がなんの脈絡も無く言った
「本来ならば、ありえないことです」
「そうか、だがそれは起こったぞ」
「えぇ、それは貴方が命蓮の生まれ変わりだから」
「またそんな…」
「冗談じゃありませんよ
あれ、元はと言えば命蓮が授かった物ですし」
「んな!?星が毘沙門天の使いとなった時じゃ…!」
霊覇は驚愕した
聖からさらりと放った事実に
「星に器があっただけ、あれば命蓮が授かって寺にあっただけ」
「そんなアホな…」
「それを使えるのは、星か、命蓮か、私か」
霊覇はそれのどれでもない
そして、命蓮は既に故人である
従って霊覇は…
「貴方は命蓮の生まれ変わり、転生…記憶は失ったようですけどね、命蓮」
「んな…俺は霊覇だ…命蓮は過去の…」
「私にとって、それは変わりません」
聖は腕を霊覇に絡ませた
不思議と、抵抗出来なかった
鬼の様な力では無い…少女の様なか細い力
「印を付けないと、直ぐに分からなくなりますね」
「イッ…ッ!?」
首元に感じる痛み
一瞬の痛みの後、ジンとした痛みが広がった
「…ふふふ、美味しい」
「つぅ…!アンタ吸血鬼だな…!?」
彼女の口端から血が流れていた
いや、染っていた
今まるで血を吸ったかのように…
「やだなぁ…私はただの魔女
死を恐れて不死に手を出した尼さんですよ?命蓮」
「その名で俺を呼ぶ…うぅ、…、ぅ…」
「あら?眠ってしまいましたか?
丁度良い、コレはあなたに抵抗されそうなので…」
それから、何かが俺に覆いかぶさったのは分かっている
いや、眠りそうな頭を振り起こして抵抗したよ
…駄目だったよ…俺の初めてェ…
そこから、朝日が出るまでそこに居た
事後となると、気持ちはスンとしていて、分からない
俺は何も思わずに帰宅した
呪☆ひじりんヤンデレ化
死に別れた弟の生まれ変われが居たら病むってそれ1
次回は忘れられた燦莉君をピックアップしていきます