「最近異変があったらしいが?」
「誰に聞いたのかしら」
「フランだ、楽しそうに語ってたよ」
タンクトップ姿で本を読む燦莉は咲夜に言った
少し微笑みながら咲夜は言った
「えぇ、聖とかいう尼を助けるとかいう異変よ」
「異変か?ソレ」
「そうらしいわよ」
「はっー、取り敢えず退治って奴か」
ちなみにタンクトップなのは咲夜の意向だ
男の裸を見た事も無い初心な女にこれは駄目か
…それはそれで
「サングラス外したら?」
「嫌だ、断る」
そう言って、本から目を離さそうとしない
咲夜はため息をついた
「全く貴方は…」
「へ、別に良いだろ」
「仲良さそうね、2人とも」
「よう、起きてたのか」
レミリアが手を振って会話に入ってくる
因みに今は朝、吸血鬼は寝る時間である
「いえ、少し頼み事をね」
「なんだ、面倒事は嫌いだぞ」
「和菓子か何か、甘い物を買ってきてほしいのよ」
「咲夜に言え」
燦莉は興味無さげに本に視線を戻した
レミリアは指を指す
「主人の命令よ、居候さん?」
「…けっ、分かったよ」
燦莉は本を閉じると針型武器を腰に携え、SOCOMを仕舞う
彼にレミリアは金の入った袋を投げて寄こした
「甘い物だったら何でも良いんだろ」
「プリンなんて、ないでしょう?」
「そうだな」
そう言うと、彼は大図書館から出て行った
咲夜は彼が完全に見えなくなると、レミリアに聞く
「貯蔵庫に大量のプリンがあったと思いますが」
「霊覇と会わせたいのよ、そろそろ」
「不機嫌の理由、大概それですしね…」
そう、全く会えないのが燦莉のイライラ態度の原因である
まぁ原因は全く何も言わないこいつらでもある
「ま、いいわ…プリン食べるわ」
「無駄足にならない事を祈りますわ」
「ならないわよ、きっと」
〇
「飛べるってのは中々変な事だ…」
外の世界では飛ぶことなんて無かった
そもそも、飛べるとも思っていなかったものだ
美鈴との修行によって何とか飛べるようになった
今のところ不自由のある飛びでは無い
かなり自由な飛びだ
こんな簡単に飛べるのもどうかと思うが…
そう思っていると、里に着いた
「江戸?…いや、大正くらいか…?」
それくらい、古い町並みだった
しかも、所々最新だったり室町だったりと統一感が無い
恐らく忘れ去られた物が雑に組み合わさったのだろう
こんな歪なものは単純には出来ないからな…
「お前、燦莉か?」
「ッ…!お前は…」
その久しぶりに聞いた声の方向に顔を向ける
そこに居たのは、少し、明るくなったような…霊覇
「お前ッー!居るなら居るっていえよォー!」
「こっちのセリフだ馬鹿、何処にいやがった…」
と、そこで燦莉はある事に気付いた
霊覇を見ながら、ソレを指さして…
「お前、いつの間に彼女出来たんだ?」
「霊夢が彼女になるとか無いだろ」
「アンタら、表出ろ」
奇抜な巫女服から鉄骨を貰うまでに時間はかからなかった
…めっちゃ痛い
〇
「で、アンタが親友の燦莉?」
「霊覇が世話になってるな
そうだ、霧秋燦莉、どうとでも呼べ」
「美味いな、ここの団子」
あれから近くの団子屋に腰を下ろした
食う時の会話程弾むものは無い、いやある(反語)
「お前、何処に居たんだ?」
「吸血鬼の所だ、あのレミリアとかいう」
「あそこか、行けば良かったか…」
「…どち道、今日の宴会で会うでしょう?」
「異変とか言う奴か?」
「あぁ、つい先日終わったんだ」
霊覇が団子をほおばりながら言った
みたらしの甘みが口の中を駆ける
「異変ねぇ、どんなのがあるんだ」
「そうだなぁ…春が来なかったりか?」
「…非常識なところだ…」
「常識は捨てろ、その方がいい」
霊覇は呆気なくそう言う
外の常識は最早通用するところでは無い
憲法がどうのこうの言っても意味の無いところだ
まぁ外の世界でも法律はろくに作動してないが
「…あぁ、これを持って帰るか」
「なに、使いでも頼まれたの」
「あぁ、甘いもんが食べたいとか」
「甘党かよ、ソイツ」
「おっちゃーん、みたらし3個持って帰るよ」
「はいよー」
霊覇は三色団子を食べる
中の餡子が潰れ、甘みが溢れる
食べていると、持ち帰り用の団子が来た
燦莉はソレを受け取る
「良し、帰るわ」
「じゃ、また後で」
そういうと、燦莉は飛ぶ
彼に手を振りながら霊夢に話を振った
「俺たちも帰るか」
「そうね、買うものは買ったし」
そういうと、歩き始める
片方は、機嫌が良さそうに口笛を吹いていた
…彼の親友、ね
会ってから会話を聞いて思ったけど、仲良いわね
それも1年や2年のソレじゃない、もっと長い…
あった途端にあんな冗談言えるなんて…
…冗談じゃ無ければいいのに
にしても、良い人だったわ
確かに、彼の親友って感じがする
早苗の友達でもあるんだっけ?
何にせよ、今日の宴会はとても楽しくなりそうね…