「酒を飲むなんて…そんな…」
「聖!ここは無礼講だよ!」
「少しくらい羽目を外しても許されるよ、君」
星がアホみたいに酒飲んでいる
アイツ、仏に仕えてなかったのか…
ま、どうでもいい事だろう
「あ、霊覇君」
「聖…俺は飲んでるぞ、見たまんま」
杯を呷る
宴会というものは良い
そうやってハメを外しすぎないようにするのもアホである
目の前に快楽があればとってしまうのがソレである
逃げ道があって、そこに向かいたくなるのを抑えるようなものだ
そんなの、アホに決まってる
「よお」
「お、来たか
さっさと飲もうぜ」
燦莉が手を振った
俺は杯ももう1つ既に用意してある
酒も既に入れてある
「日本酒か、久しぶりだ」
「美味いぞ、飲め」
「おう」
2人で一緒に飲む
コンと軽い音がした後、酒を呷った
燦莉がくぅっー!と味を堪能する
「こりゃ美味い…!」
「俺たちろくなもん飲んでなかったからな」
「あぁ…あの紅茶は最悪だった…」
霊覇は酒を追加する
燦莉はオマケに枝豆や焼き鳥を机の上に置いた
酒とツマミが合わさり、最高の味だ
「こんなの外じゃ絶対出来なかったぞ…」
「へへへ、気分乗ってきたか?」
「…アレ、やりやたくなってきた」
「あれか、いいな」
俺は鳥居の前を見た
どデカい長方形スピーカーが置かれてある
そして、2人の手元にマイクがポトリと落ちてきた
紫がいる方向を見る
扇子をパタパタと、口の前で振っていた
「やるか」
「やろうぜ」
俺達は、スピーカーの両脇に立った
外の世界で暇な時にした遊戯
───────ラップバトル
〇
「よし、何からやるか」
「最初はSacrificeでいいだろ」
俺達が急に立ち上がってスピーカーを弄り出したのが気になるらしい
少し声が大きくなった
「何をするんだ?」
「ま、見とけって」
「…」
「…別に退いても」
「や」
スピーカーの上にいつの間にか霊夢が乗っていた
ま、どうでもいいだろう
振動で凄い揺れそうだ
「さて、やるか」
キィンとZIPPOが火を噴く
ジュウとタバコに火がつく
かチャリとM500を取り出した
────────3
────────2
────────1
────────GO!
重低音がリズム良くなる
小さかったそれはどんどんと大きくなり、観客がリズムに乗る
そして…
燦莉に正確に3回の銃撃が放たれる
間を置かずに霊覇がリズム良く、鳴く
まず、連続、下から上に音程を変えながら
最後を締めくくると
「ohYEAH!」
ハンマーを起こし、銃撃
それを避け、燦莉がリズムを刻む
同じように、連続、下から上に音程を変えながら
霊覇がそれの後に鳴く
横へ、右へ、左へ
軽く最初に準備かのように言い
「There you are」
銃撃
燦莉が補佐するように伸ばす
「HA、HA、HA YEAH!」
今度は燦莉の番だ
準備の様に歌い、銃撃の代わりに歌で返す
決して、引き金は引かなかった
〇
「うわぁ…」
それは一種の音楽だった
ポルターガイストの幽霊達が出す音楽とは違う
己の声帯を、楽器として使う
曲はあくまで裏方
自分達が、主音を奏でるのだ
片方がメインに歌い、片方が支える
そして、片方が片方を妨害するのだ
「盛り上がってきたな…」
銃声でさえ、音楽の1部だ
彼らは外の世界でこれを遊戯にしていたのか
…でもまぁ、スペルカード・ルールの方がいいかもな
パチュリーとか、無理そうだし
げっほげっほ言ってそうだ
「ウェウゲベッ!」
あ、むせた
歌いながらタバコ吸うからそうなるだよ
と思っていると、曲が終わった
かなり、戦闘的な曲だったな…
「おぉー!」
「すげぇ!」
「多才だなぁ!」
辺りから歓声が上がる
燦莉はスピーカーを蹴っ飛ばすと席についた
「疲れた」
「楽しかったぜ、ふぅ」
煙を吐く
むせたのにタバコを吸うとは、どうやら阿呆らしい
ニコチン中毒者とは恐れ入った
「よっしゃぁ!飲むぞ飲むぞぉ!」
「魔理沙、あんたは少し落ち着きなさい」
顔を赤くした魔理沙を見てため息を霊夢はついた
〇
「…寝静まったか」
瞳を開けると、皆が寝ていた
どうやらほぼ酔い潰れたらしい
起きているものは多くなかった
というか、居ない
「…?霊夢は…」
その中に霊夢は居なかった
妖夢、魔理沙、鈴仙は居ても、霊夢は居なかった
俺は立ち上がると、本殿の中に入った
「霊夢ー?どこに───────」
襖を開け、閉めた時に、口が止まった
いや、体が体幹を無くしたような…
脱力し、畳に倒れる
「…酷いわね」
それはこっちのセリフだ
というとしたが、口が動かない
「私、こんなに貴方のことを思ってるのに」
目の前に、足が見えた
2つの白い、見覚えのある足が
誰の足か?
強いて言うならばここの家主
今代の博麗巫女
─────博麗霊夢
「ね、どうして聖と交わったの」
深淵の如く、黒い瞳が俺を貫いた
俺は動くことも出来ず、反応も出来なかった
今のところ、50話くらいで終わります
…多分、100は行かないと思います