「良し…行くぞ…」
「何を盗むって?」
2人はとある施設に侵入していた
天井のダクトの中で2人は静かに話す
「聞いてなかったか?薬だ、特効薬」
「あんのかんなもん」
「ある訳ねぇだろ」
「来た意味ねーじゃん」
燦莉がはぁとため息をついた
だが、その目はつまらないものでは無かった
少し、面白そうなものを見る目
「やる意味はある、殺してでもやるしかない」
「ま、国家機密でも無いしな」
「伝わるのが1番だ、派手にやろう」
そして、ダクトから降りる
降りたところは研究室で、人は居なかった
どうやら今は仮眠をとっているらしい、ソファで寝ていた
「さて、サンプルを頼む」
「これ途中でおとしていいよな」
「知らね、多分良いと思うが」
燦莉はサンプルを数本回収する
霊覇は研究者に近づいた
「おやすみ」
「――」
喉を掻っ切る
彼は悲鳴を上げることなく死んで行った
この作業を3回ほど繰り返した
そして、最後に背中に背負ったポリタンク
「おら」
「あい」
それを燦莉に投げ渡す
燦莉は受け取ると、机に中身をぶちまける
独特の匂い
少し、ヌメヌメした液体
――ガソリン
それが広がるのを見ながら、煙草に火をつける
「爆弾は?」
「あの壁、あの先は出口に近い」
「出口も吹き飛ばすんだろ?」
「違いない」
霊覇は笑いながらタバコを投げ、燃やす
あっという間に部屋は炎に包まれる
瞬間の爆破音
もうもうと煙を上げながら壁に穴が空いた
「出るぞ」
「りょーかい」
そして、ささっと研究所から脱出したのだった
〇
「ハァァァァwwww見ろよこれ!面白過ぎるだろ!」
「いや笑い方よ、声掠れてるわ」
霊覇は新聞を見ながら大爆笑していた
内容は昨日の研究所襲撃事件である
貴重なサンプルが失われ、大変遺憾であると追記されている
監視カメラでは敵は確認され無かったが、確実に人為的とも
ちなみにこの新聞は適当な家から借りたものである
特に他意は無い
「さて、今日も頑張るか」
「立派な国家反逆罪である」
「何時の時代だ」
燦莉の言う通り、国家反逆罪である
ま、こちらは作戦の為にしているから仕方ないね
それに、こうでもしないと意味が無い
「こんな歳で殺人に手を染めるか」
「世界にゃ俺たちより若くて手を染める奴もいるがね」
多分、死んでる者が多いだろうが
このウイルスはどうやら若さ関係無く襲ってくる
そのため少子高齢化の進んだ日本は大打撃を受けた
政治家はガラガラ、自衛隊も少ない
ま、性別の偏見してるからこうなるんだとでも言おう
そんな日本をどうにかしようと男達を拘束している訳だ
死んでもらっちゃ困るらしいからな
…そこで、見つけたのがこの記事
あのスマホで出てきた記事
そこには、男の反乱軍が出来つつあるとあった
どうやら政府に反抗するものを呼び寄せているらしい
自ら勧誘にしに行ったり、健気なことである
それはそれとして、ある動きがわかっていた
反抗する者を勧誘する
それが本当ならば、こうすれば来るはずなのだ
こうやって、政府の研究所を燃やしたりすれば
「来る、ハズなんだがなぁ」
「あれから3日、情報統制でもされてんじゃねーのか」
来ない
現状来る様子も無く、多分来ない
恐らく爆破事件が隠蔽やらなんかされてんだろう
恐らく、の話だ
それ故に
「そろそろ、潮時じゃないか?」
「食料も尽きてきたしなぁ」
この神社とも、お別れである
食料も無くなってきてそろそろ移動しなければならない
都心なんかでテロでも起こしたら確実に勧誘来るだろ、うん
持ち物は僅かな食料、銃
他はキャンプ用品だ、倉庫になんかあった
キンッとZIPPOで煙草に火をつける
「よし、行くか」
鳥居をくぐり抜け、階段を降りる
その階段は思いの他、短く感じた
隠していたハーレーを出し、乗る
燦莉は横のサイドカーに乗り込んだ
「…」
エンジンをかける
ブルルルと派手な音を立ててマフラーが振動する
後輪が早く回り、ハーレーは発進した
〇
高速道路
その道路には車は走っておらず、ECにも人は居なかった
おかげで気軽に走る事が出来る
「新鮮だな、人も何も無い道路なんて」
「まるで世界の終わりみたいだ」
実際、世界は終わっているようなものである
少し年月が経てばここは草と蔦まみれになるに違いない
そうやって、走らせていた時だった
「…!?」
発砲音
それはハーレーの前輪の横に突き刺さった
道路横、そこに誰かが居た
「燦莉!」
「あいよ」
ダンとSOCOMを撃つ
それは間違うこと無く胸に当たり、そいつは倒れる
後ろから、濃厚な車の音が聞こえた
「なんじゃ…機動砲システムかよッ!?」
後ろに見えるのは装甲車
その上に大きな主砲が乗っている
「アホかッ!?俺達吹き飛ぶぞ!」
「スピード上げるぞ!」
「上げろ!上げんと死ぬわ!」
フルスロットル
思い切りスピードを上げ、ハーレーを走らせる
閃光
「右ィ!」
GREAT!
ハンドルを左に切る
ハーレーは斜め左を目指す
過去位置の所に砲弾が炸裂した
「殺す気じゃないかよッ!?」
男性保護はどこへやら
まぁこんな危険人物は処分に限るよね
燦莉の脳内は自己完結をしてしまった
燦莉は前に居た敵の脳を撃ち抜く
そいつは倒れ、段々とこちらに近づいてきた
「頂き!」
そいつの持っていたM4とマガジンを奪う
軽いコッキング、弾は入っている
「よっしゃ、反撃開始だッ」
燦莉はニヤリと笑うのだった