「ねぇ、お兄ちゃん」
何処だここは
辺りは真っ赤な空間で、浮島ばかりが見える
自分が居るのはその内比較的小さなものだと理解する
とはいえ、本当に何処だここは
うつ伏せから体を上げ、なんとか四つん這いになる
かなり体が痛い、腕が破裂しそうだ
"ぼたり"
ナニかが垂れた
それは自分の口から垂れていた
黒
黒
クロ
漆黒の液体が、何も反射しない液体が垂れていた
「お兄ちゃん」
ごぼり
その声で、口から液体を吐き出す
そいつからの影が見えていた
いや、影でなくても、声で分かった
霊夢、なんでお前が…
「うふふ、気になる?気になっちゃう?」
顔を上げることが出来ない
喉を焼かんばかりの痛みと四肢の痛みが激しい
声を出すのがやっとで、絞り出したかの様な声
ごぼ、ごぼぼ、ごは
また、口から液体を吐き出す
気持ち悪い、なんなんだこれは
「罰だよ、ば、つ」
彼女が面白そうに嗤う
それが
ソレが妹と同じ声、形で、吐き気がする
違う、お前は霊夢じゃない、誰だ、誰だお前は
「そんな事、言っていいの?」
いつの間にか、目の前に足があった
いつもの靴を履いた、彼女の足
いや、違う
ブーツにハートがついて、そこからコードが伸びているような
少なくとも己の知っている妹はそんなもの履いていなかった
誰だ、誰だ…
「ふーん、仕方ないな」
衝撃
頭が砕けるかのような衝撃か走る
それが頭を踏まれたと分かるまで数秒を要した
グリグリと、足が苦痛を与えてくる
ぐぼぁ
また、液体が口から溢れる
「ふふ、いい気味、いい気味…いい気味…」
それは嗤いから笑いに変わっていく
「ふふふ、へへへ、ひひひ、ひゃはははははは!」
脳は見たくなかったからか、分からない
多分見たくなかったのだろう
自然と、目を閉じてしまった
○
目を開けるとそこは何処かの部屋だった
そこまで広い部屋ではなく、ただの倉庫という感じがする
倉庫のように箱が積まれていた
起き上がる
「いつつつ…」
痛みが足に走った
あの拷問の傷は思った通り深い
服装は変わっておらず、上裸のままだ
横には燦莉が横たわっていた
「おい、起きろ」
「…」
余程電撃が堪えたのか、身動ぎすらしない
その胸板が動いている事から、生きていると思える
呼吸が無ければ死んだのと同じだ
「やめろ…それ以上は…」
「うわ、悪夢を見てやがる」
どうやら電撃の影響で悪夢を見ているらしい
こいつも俺と同じでロリに踏まれる夢でも見てるのか
「や、やめ…アッー♂…アアアァァァァー!!!??」
「だらしねぇな!?」
思い切り蹴ってしまった
なんだコイツ普通にヤベー夢を見てやがった
いや、逆に考えれば悪夢だろうか
普通に悪夢だった
「う、くぐぉ…デカいのが中に…」
「それもっかい言ってみろ、二度と作品に出れんぞ」
「ああぁ…」
燦莉が起き上がる
寝言から分かるレベルのヒドイ夢を見ていたらしい
人生でそんな夢を見たことない…想像したら吐き気がしてきた
「お目覚めのようだね」
いつの間にか、男が室内に居た
2人は飛び起きる
気配、足音、匂い、それのどれもが無かったからだ
男はフッと笑う
「まぁまぁ、落ち着きたまえ、任務を与えるだけだ」
こいつは誰だ、脳内が問いかける
燦莉はサングラスを調整し、聞く
「誰だ」
「私か?君たちで言う総司令だよ、求めていただろう」
「親玉自ら来るのか?」
「ホログラムだよ、さ、装備を確認したまえ」
男は箱を指さした
その箱をよく見ると、各々の名前が書かれてあった
左は霊覇、右は燦莉と言った感じだ
蓋を開け、中身を確認する
「…こりゃ」
「君たちの武器はロンダリングした、装備と服は…まぁ、慣れてくれ」
武器は押収された時のものだった
どうやら装置が付けられてないか確認したらしい
だが、服は違うものに…変えられてない
実質変わったのは装備のみだろう
確認した限り、帽子onヘッドホンとクソデカ通信機だ
とても大きく背中に背負うタイプだ
M500はカスタムされ、ロングバレルにスナイパースコープが付いていた
燦莉は頭を覆うバンダナに変わらないサングラス
釣り針型武器にSOCOMピストル
SOCOMは四角ライトが付けられていた
「君たちに依頼する任務は1つ、とある"女"の救出だ」
「女ァ?あんたら女が敵じゃ無かったのか」
そういうと、彼は笑いながら
「そうだ、彼女は私の娘だからな」
「…は」
思わず総司令を見る
見た目的35程の男だが、結婚しているようには思えなかった
その顔の眼光は鋭く世帯が居るとは思えなかったのだ
「意外かね、皆そんな反応をするよ」
「で、そいつを連れ帰ればいいのか」
燦莉がSOCOMの動作確認をしながら言う
総司令は頷き、1つ付け足した
「これに失敗した場合、明日は無いからな、慎重にやり給えよ」
「…面白いね、やってやるよ」
1つ挑発とも思えるそれに一笑し、任務に出撃する
移動方法は単純で、バイクで目的地まで爆走だった
手っ取り早く、終わらせてしまおう
目標―宇佐見蓮子―
総司令の娘
要注意、謎の力を使う模様