女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

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終わりの始まり

長い悪夢のような現実だった

 

この"宇佐見蓮子"という女を救ってから、全てが始まった

彼女を救ってから組織の1人として戦った

気が遠くなるほど遠く、嫌になる事の連続だった

そして、酷く血に塗れた戦いだった

 

時に人質を救う為、敵を狙撃した

 

時に敵基地に乗り込み、敵を血に染めた

 

時に戦友と呼べる者が死に、復讐に燃えた

 

時に戦友が裏切り、相応の罰を与えた

 

時に――

 

 

 

 

 

もはや、覚えていないほど、戦った

数え切れないほど銃で撃ち、数えられない程喉を捌いた

常に女と戦い、女を殺し、そいつらに仲間を殺された

戦友達は仲間が倒れるのに比例して強くなっていった

いつまでも殺される訳では無い、そう言うかのように

 

俺たちは飼われる家畜じゃないんだぞ、と言わんばかりに

 

自分は戦い抜いたわけではない

もし、外で戦いが終わっていたのなら、自分は思う

 

途中で戦いから逃げた、ただの卑怯者に過ぎないのだろう

 

そして、続いているなら、こう思う

 

戦線から逃げた、裏切り者、もしくは、意気地無し

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、戦いがどうなったのか検討もつかない

 

和平が結ばれたのか、掃討されたのか

もしくは反乱軍が勝ったのか、定かでは無い

そもそも戦いがまだ続いている可能性もあるのだ

紫に頼み、今度外の世界に連れて行ってもらおうか

 

 

 

ただ、そんな中でも

 

 

ただ、確実なのは

 

 

今、自分は妹に改めて再開できた事だ

 

目を開け、現在の状態を確認する

ここは博麗神社の一室、霊夢の私室

 

真ん中の布団の中で、霊夢と身を重ねていた

既に事が終わったのか、スヤスヤと寝息をたてて寝ていた

霊覇は自分に重なっている霊夢を横に退け、立ち上がる

余程眠りが深いのか、起きることは無かった

捲られた布団からは青臭い匂いが立ち上る

霊夢は臍辺りを軽く抑えて、目を瞑り軽く笑っていた

 

とても、嬉しそうな目だった

 

障子を開け、空を見上げる

 

夜は全く明けておらず、丸々の月がよく見える時間だった

 

 

「――」

 

手を広げ、体を全てに任せる

服は白色で統一された和服で、死装束にも見える

この日、"気桐霊覇"という男は死んだ

 

この日から、この男は"博麗霊覇"となる

 

名前というのは、人と人を分ける為に必要なものである

顔が同姓同名というのは殆どある事は無い

人が己を己として認める、1番の手段であるのだ

 

だが、それが変われば、人は変わる

 

己が変われば、全てが変わるのだ

 

"気桐"という名前を捨て、霊覇は"博麗"という名前を受け入れる

霊覇は己を博麗に馴染ませていった

 

自分が他の者に成り変わる瞬間

 

それは一種の恐怖を呼び寄せる

自分が自分出無くなってしまうかもしれないという恐怖

 

霊覇はその恐怖を妹を支えにして、耐える事ができた

 

永遠とも思える時間が過ぎた後、霊覇は突然、くぐもった声を出す

 

「ぐぐぅ、ぐぎがあぁぁ…ッ」

 

決して小さく無いその声は、霊夢の耳にするりと入っていく

霊覇はその事実に気づかず、体を反らした

 

まるで、体から異物を取り出すかのように

 

 

「うあ、…ああう…あ、ああ…」

 

胸の辺りから、何かが飛び出る

それは意思があるのかクルクルと辺りを飛び回り、最終的に霊覇の目の前に浮かぶ

 

それは、青緑色の結晶でできた"七支刀"だった

 

結晶のように角張っていないそれの柄を掴む

柄は別のもので出来ているらしく、皮の感触がした

 

体が、暖かい

 

この感じ、安心する

 

七支刀を胸の前で構える

 

「…お兄ちゃん?」

 

後ろから、声が聞こえた

どうやら、起こしてしまったらしい

霊覇は振り向いた

 

そして、座って首を傾ける彼女に、言う

 

少し、笑って

 

「霊夢」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これからも、よろしくな」

 

「お兄ちゃん…」

 

 

 

気付かぬうちに白装束に新しい模様が入っていた

主に青緑を基調とした和服に変わっている

袴は青緑色の雷が走ったかの様な模様が刻まれている

それは上着の腹筋辺りまで刺繍されていた

上着の変わっところはみられず、代わりにハチマキをいつの間にか巻いていた

額の辺りに薄い鉄板が仕込まれた、ハチマキ

 

ふと、頭に能力が浮かんでくる

 

 

 

 

 

 

 

『八百万の神の神主(巫女)となる程度の能力』

 

 

その時この能力は強力なのか、よく分からなかった

 

ただ、その辺の雑魚よりかいい能力を得られたと思った

 

七支刀はするりと手から抜けると、霊覇の胸の中に消えていく

それと同時に、服の模様も消えてしまい、ただの白装束となってしまった

 

もう、銃を握る事も無いのだろうか

 

いや、なくていいだろう

 

自分が握るのは妹を、人々を守る刀だけでいいのだ

 

 

そう、もう引き金を引かなくていいんだ

 

なんの意味も無い殺しをするのはここで終わりなんだ

 

この力を、人々を為に使う

 

 

何故かある腰のホルスターがずり落ち、床に落ちる

M500のグリップが握ってほしいかのようにこちらを向いていた

 

だが、霊覇はそれを無視し、部屋に入る

 

銃を残したまま、襖はスパンと閉じられた

 

グリップのエングレーブが悲しそうに、模様に涙を流したかのように光が流れた




簡単言うてしまえば神々の触媒になる程度の能力です
八百万の神をその身に降ろし、その力を使う

依姫と違うのは完全にその神の力を使うことが出来ること
そしてその能力に限界は無く、拒否される事は殆ど無いこと

例えば天照を降ろし、その太陽の力を使う、とか
制限が無い為永遠に太陽の光を発してきます
もしくは太陽の光を槍として投げてきたり

そうそう地面から生えた奴が投げた奴に追従して行くあれ




ようやっと幻想郷だよ!
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