女嫌いのあべこべ幻想郷入り   作:回忌

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その日は平和だった

特に大きな異変が起きるでもなく、ただ鳥が鳴く、平和な日だった

 

「お前、変わったな」

 

燦莉がポツリと呟く

自分の服装が変わった事か、それとも名前か

 

そう言うと、燦莉は首を振る

 

「いやな、丸くなった」

 

「丸くなった?」

 

俺は思わず聞き返す

なおこの服装について知ってるのは霊夢と燦莉くらいだ

にしても、丸くなったか

 

「外に居た時だよ、あの血塗れた戦闘」

 

ああ、確かにそうかもしれない

それを考えればここに来てから手を汚した回数は圧倒的に少ない

記憶に無いだけかもしれないが、それでもだ

 

「なんでだろうな」

 

「そりゃ…あー、幻想郷だからじゃないか?」

 

この幻想郷において人を襲う事は死を意味している

とはいえそれは"人里の人間"である

里の外に居る人間は襲われても仕方ないのだが、ここに来てから襲われた記憶は少ない

 

ルーミアに襲われた訳でもない

 

そこらの雑魚妖怪に襲われた記憶も少ない

最初の戦闘は、椛と文だったような記憶がある

 

もし、違う理由があるとすれば

 

「俺たちみたいな霊夢みたいな奴らが好きってだけで生かされてるだけかもな」

 

「流石に、ここまで来たら気付くよなぁ」

 

この世界は美醜の感覚が逆転している

幻想郷に来てから何かと会話が噛み合わないことがよくあった

それ故に少し調べたりもしたのだ

 

分かったのは、美醜感覚がひっくり返っていた事のみ

簡単に言えば絶世の美女が糞の方がマシという存在になっている

しかもそれは女のみという意味のわからない現状

 

言ってまえば歴史的美人

 

自分達も本来なら人里の奴らと同化し、同じ価値観になったかもしれない

だがまぁ、2人とも人里では無い所で暮らしていたので言う程被害は無かった

 

「だったらもう用済みか?」

 

「さぁ、まだ生かされるかもしれん」

 

燦莉は立ち上がる

霊覇が視線を辿ると、そこには日傘が見えた

日傘と青のメイド服、それだけで誰かすぐに分かる

 

「迎えらしい」

 

「お前何しに来たんだったか」

 

「暇だったから来た」

 

「阿呆」

 

燦莉は軽く笑うと、彼女の元に歩いていく

そのまま、何かを話すと会話をしながら、3人は帰って行った

 

燦莉は楽しそうだった

肩に緑の服を着た女の子を乗せて

外の世界より楽しそうで、幸せに俺の目には見えた

 

「はあ」

 

俺は立ち上がる

そんな姿を見ると自然と妬いてしまうものだ

 

多分、心は妬いていたのだろう

あの様な"家族"の一人と数えられる事に

本当の家族が近くにいても、何故だか肌寒さは止まらない

 

ポツリと、俺は呟く

 

 

 

 

 

 

 

「俺も少しだけ、頑張ってみるかな…」

 

この、"神霊が湧き出る異変"を

神の触媒となりえる者として動くのはあれだが…

 

――それに霊夢は冥界に行ったし…

何やら幽々子にこの神霊は何か聞く為に行ったらしい

 

ちょいと、やってみるか

 

霊覇は冥界に向け、飛んで行った

 

 

「…にしても神霊がうじゃうじゃいらぁ」

 

いつの間にやら神霊が大量に寄り添っていた

が、消えたり現れたりと何ともまぁ忙しい奴らである

 

それが飛行中であろうと寄ってくるので面倒な事である

 

「どっかいけ、ほらほら」

 

手を振ろうともこいつらは離れない

それどころか変な意思が見えてきてしまう

 

ドロドロとしたものからサラサラのもの

 

多種多様なネガイ

 

それは、欲望だった

 

「…いや、俺は聖徳太子じゃないんだよ」

 

それがまぁ大量に向かってくる訳で

神霊が大量にいるからそれは当たり前と言いたいところたか…

 

こんなの、前までいなかったしな…

 

「冥界の主に聞くのが1番良さそうだ…」

 

冥界の主の姿は数回見たことがある

宴会で食事を湯水の様に食い果たす化け物

 

あれを見るとやはり自分は人外魔境に居ると再認識させられる

あんなの外の大食いでも見なかった

 

本当に、食べ物が消える

 

「怖い怖い」

 

そう言っていると、いつの間にやら雲の上に到達していた

太陽がこの身に当たり、とても暖かい

 

「嗚呼、天照様――」

 

ふと、口からそんな言葉が漏れた

神主…まぁ、巫女になったおかげか神への敬いがあった

今までろくに神さんにお祈りしたことは無い

 

ま、戦場じゃ死ぬ程したけど

 

それはそうとこの能力、八百万の神だけでは無いらしい

 

北欧神話、ギリシア神話、インド神話

 

もはやこの能力は"全ての神の触媒になる程度の能力"に変えた方が良いだろう

だが、欠点が普通にあった

 

それは"神話が違う神同士は使えない"

つまるところ日本神話の神から北欧神話、というのは出来ないのだ

 

何故か?

 

不倫みたいなものだからだよ

 

これだけに限る

どいつもこいつもに尻尾を振ることは出来ないのだ

一応巫女…神主ですし…

 

まぁ、無理を言えば出来ないことも無いのだ

天照→シヴァ、とかゼウス→オーディン

それなりの代償も高く、霊力が取ってかれる

 

なお、人型でない場合その神の姿に変わるとか

フェンリルの場合青い狼となるだろう

 

一応代償はそれだけならいい方だと思う

怖くて1回しかやってないのだ

 

…何度もやれば

 

 

 

 

 

 

 

霊覇は首を振り、その考えを振り払う

 

そんな事考えていても意味はあまりない

 

だからこそ、目の前の問題を見よう

 

真実を

 

そして、俺は冥界への入口に足を踏み入れたのだった




まぁ、チートですな…

ですがまぁ言ってた通り欠点はあります
霊力とか盗られて反動が凄まじくて動けなくなるとか、そんな感じ?

ま、意味はないと思いますがね、これ以降
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